Archive for category ブランド/オーディオ機器

Date: 8月 31st, 2010
Cate: 4343, JBL
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4343とB310(その8)

ずっと以前から、部屋の大きさとスピーカーシステムの大きさを合わせるのが、常識のようにいわれている。
小型スピーカーが、セレッションSL6以降の変化によって、
広い部屋で小型スピーカーを鳴らす人は、もう珍しくなくなってきてはいても、
その逆、つまり狭い部屋に大型のスピーカーシステムを持ち込むのは、バカげたことで意味のないことだ、
いまだ、そんな間違った考えに捕らわれている人はいるようだ。

そんな人たちの言い分のひとつに、狭い部屋では、そういった大型スピーカーの性能を発揮できない、というがある。

たしかに、広く、美しい響きの部屋、しかもつくりもしっかりとしている環境下で鳴らすのと、
狭く、響きの少なく、残響時間も短い部屋で鳴らすとでは、どちらがスピーカーの性能を発揮できるかといえば、
それは前者であることは、私も認める。
だが、スピーカーの性能を発揮させることが、オーディオの第一の目的だろうか。
自分のおかれている環境において、いい音をだすことが第一の目的のはずだ。

このふたつのことは似ていても、けっして同じではない。
このわかりきったことに気づけば、狭い部屋に大型スピーカーを持ち込む行為に、
とやかく言うことはできないはずだ。

そして部屋が狭いから……、などということで、使うスピーカーの選択を自ら狭くすることもない。

Date: 8月 10th, 2010
Cate: JBL

なぜ逆相にしたのか(その8)

昔ながらのホーンがコンプレッションドライバーの前につくことで、
スロート近辺の空気圧はひじょうに高いものになっているといわれる。
つまり、この圧力分だけ振動板が前に動くためにエネルギーが、まず必要になってくる。

圧力をこえるエネルギーに達するまで振動板は動かないのではないだろうか。

たとえば指をはじくとき、人さし指を親指でおさえる。
そして人さし指に十分な力を加えていって解放することで、人さし指は勢いよく動く。
親指での抑えがなければ、人さし指はすぐに動くものの、そのスピードは遅くなる。

いわば親指によって人さし指にエネルギーが溜められていた。
この「溜め」こそが、ホーン型スピーカーの魅力のひとつになっているように、
以前から感じていたし、そんなふうに考えていた。

溜めがあるからこそ、次の動作(つまり振動板が前に動くの)は早くなる。立上りにすぐれる。

これが逆相になっていたらどうなるだろうか。

Date: 8月 9th, 2010
Cate: JBL

なぜ逆相にしたのか(余談)

ジェームズ・バロー・ランシングがアルテック・ランシングを辞めたのは、
「家庭用の美しいスピーカーをつくりたい」からという理由だということに、以前はなっていた。

ただこれについての真偽はのほどはさだかでなく、ランシング本人の言葉とは断言できないし、
アルテック・ランシングとは、最初から5年契約だったことは、はっきりとした事実である。

となると「家庭用の美しいスピーカーをつくりたい」からというのは、なにかあとづけのことのようにも思えてくる。

D130が最初のユニットであれば、「家庭用の美しいスピーカー」という理由も、
確たる証拠がなくてもすなおに信じられる。
だが事実はD130の前にD101が存在する。

その最初のフルレンジユニットD101とアルテック515は、写真でみる限り、
ほぼそっくりであることはすでに書いたとおりである。

となると「家庭用の美しいスピーカー」というのがランシングが本当に語っていたとすれば、
おそらくD101に対してアルテック・ランシングからのクレームがきたからではないのだろうか。

もしもアルテックがD101を黙認していたら、JBLの歴史はどう変っていたのだろうか。
もしかするとJBLというブランドは、これほど長く続かなかったかもしれない。

アルテック・ランシングに対するジェームズ・バロー・ランシングの意地があったからこそのJBLなのかもしれない。

Date: 7月 22nd, 2010
Cate: JBL

なぜ逆相にしたのか(その7)

コーン紙は、その名が示すように円錐(cone)状だ。
こういう形状のものが前後に動く場合、どちらの方向に動きやすいかといえば、頂角のほうである。

つまりコーン型スピーカーでいえば、コーン紙が前面に動くよりも、
後へのほうが抵抗が少なくすっと動く。

コーン紙の動きに関して、前後の対称性はすこし崩れていることになる。
ただ実際にはエンクロージュアにスピーカーユニットを取りつけた場合には、
後への動きにはエンクロージュア内の空気圧の影響を受けるために、
前後どちらの方へが動きやすいかは一概にはいえなくなるが、
振動板の形状(向き)が、動きやすさに関係していることは事実である。

コンプレッションドライバーの振動板は、ほとんどがドーム型である。
バックプレッシャー型であれば、振動板の頂点は、コーン型スピーカーと同じく後を向いている。
単純に考えれば、後への方が動きやすい。

ここにコンプレッションドライバーの構造が、要素として加わる。

コンプレッションドライバーの場合、振動板の直径よりもスロートの径のほうが小さい。
しかも振動板とフェイジングプラグとがごく接近して配置されている。
振動板とフェイジングプラグとのあいだに存在する空気の量は、ごく少ない。

これにホーンがつくわけだ。

Date: 7月 21st, 2010
Cate: JBL

なぜ逆相にしたのか(その6)

バックプレッシャーの構造を考えだしたのは、やはりランシングだと私は確信している。
だから、あくまでもそのことを前提に、この項については話を進めていく。

ウェスターン・エレクトリックの555と
ランシング・マニュファクチャリングの284以降のバックプレッシャー型と、その構造を比較していくと、
その構造の理に適った見事さと、大胆な発想に、ランシングの天才的な才能を感じることができる。

あの時代、どうして、こういう逆転の発想ができたのだろうか。
そして、ランシングはこの逆転の発想、ときにはややアマノジャク的な発想を得意としていたようにも思えてくる。
しかも完成度の高い製品に仕上げている。

D101とD130の違いにしても、そうだ。
D130で開発で行ったことの源泉に近いものは、すでに284開発時にもあったのでは……。

だからユニットの極性を逆相にした、とは正直思っていない。
あえて逆にした明確な理由があるような気がしてならない。

それを解く鍵となるのが、振動板の形状と、
そのことに関係してくる振動板の動きやすさの方向性ではないだろうか。

Date: 7月 20th, 2010
Cate: JBL

なぜ逆相にしたのか(その5)

ウェスターン・エレクトリックの一部門であるERPI(Electrical Research Products Inc.)は、
ランシング・マニファクチャリングに対して、284と594Aが酷似していること訴え、
ウェスターン・エレクトリックは、ランシングが284に同心円状スリットのフェイズプラグを採用したのを問題とし、
同社のドライバーに関する特許を侵害しているとして通告している。

フェイズプラグの問題は、ランシング・マニファクチャリングのジョン・ブラックバーン博士の開発による、
同心円状のフェイズプラグと同じ効果が得られる放射状スリットのフェイズプラグを採用し、
型番を285と改めていることで解決している。

ただ、この問題は、同種のフェイズプラグがすでにアクースティック蓄音機の時代にすでにあったことがわかり、
1938年にランシング・マニファクチャリングは、同心円状のフェイズプラグをふたたび採用。
284は284Bとなり、これと並行して801を開発している。

801は1.75インチのボイスコイル径をもつフィールド型のドライバーで、フェイズプラグは同心円状スリット。
801の磁気回路をアルニコVに置換えたのがアルテックの802であり、そのJBL版がD175である。

フェイズプラグに関しては、わずかのあいだとはいえゴタゴタがあったのに対して、
バックプレッシャー型のドライバーに関しては、
理由ははっきりしないが、結局のところ特許関係の問題は起こらなかった、とある。

やはりランシングの発明だったからなのか……。

Date: 7月 20th, 2010
Cate: JBL

なぜ逆相にしたのか(その4)

ウェスターン・エレクトリックの、ふたつの有名なドライバーである555と594A。

555が登場したのが1926年、594Aは10年後の1936年。
このあいだ、1930年にボストウィックトゥイーターと呼ばれる596A/597Aが登場。
そして594Aの前年に、ランシング・マニファクチャリングから284が登場している。

2.84インチのボイスコイル径をもつこの284ドライバーは555とは大きく構造が異り、594Aとほぼ同じ構造をもつ。

555も596A/597Aも、ドーム状の振動板はホーンに近い、つまりドライバーの開口部側についている。
昔のスピーカーに関する技術書に出てくるコンプレッションドライバーの構造と、ほぼ同じだ。
それが284、594Aになると、現在のコンプレッションドライバーと同じように後ろ向きになる。
いわゆるバックプレッシャー型で、
磁気回路をくり抜くことでホーンスロートとして、振動板を後側から取りつけている。
この構造になり、振動板の交換が容易になっただけでなく、フェイズプラグの配置、全体の強度の確保など、
設計上の大きなメリットを生み出し、現在でも、ほぼそのままの形で生き残っている。

この構造を考えだしたのは、おそらくランシングであろう。

ステレオサウンドから出ていた「世界のオーディオ ALTEC」号で、
池田圭、伊藤喜多男、住吉舛一の三氏による座談会「アルテック昔話」のなかでは、
この構造の特許はウェスターン・エレクトリックが取っているが、
考えたのはランシングであろう、となっている。

この構造がなかったら、アルテックの同軸型スピーカーの601(604の原型)も生れなかったはずだ。
もし登場していたとしても、異る構造になっていただろう。

Date: 7月 19th, 2010
Cate: JBL

なぜ逆相にしたのか(その3)

D101からD130への変更点のいくつかは正反対のことを行っている、といえる。
そしてボイスコイルの巻き方が逆になっている。
つまり逆相ユニットに仕上がっている。

スピーカーユニットが逆相ということの説明は不要とも思っていたが、
最近ではスピーカーの極性についての知識を持たない人もいるときいている。

簡単に説明しておくと、スピーカーユニットの+(プラス)端子にプラスの電圧をかけたときに、
コーン紙(振動板)が前に出るのであれば、そのスピーカーユニットは正相ということになる。
逆にコーン紙(振動板)が後に引っ込むスピーカーユニットは逆相である。

JBLのスピーカーユニットは、ごくわずかな例外を除き、ほぼすべてが逆相ユニットであり、
これは1989年に登場した Project K2 で正相になるまでつづいてきた。

この逆相の歴史のスタートは、D101からではなく、D130から、だと思う。
D130と同時期に出てきたD175(コンプレッションドライバー)も逆相ユニットである。

D175以降JBLのドライバーは、D130と同じように、反アルテックといいたくなるぐらい、
ダイアフラムのタンジェンシャルエッジの切り方が逆、ボイスコイルの引き出し方も、
アルテックでは後側に、JBLでは前側に出している。

なぜ、ここまで反アルテック的な仕様にしたのか。
アルテックからのクレームへの、ランシングの意地から生まれたものだというひともいる。

たしかにそうだろう。でも、それだけとは思えない。

Date: 7月 18th, 2010
Cate: JBL

なぜ逆相にしたのか(その2)

D101はアルテック・ランシングの515をベースにしているから、
おそらくユニットとしての極性は正相だったのではなかろうか。

いちど実物をみてきいて確かめたいところだが、いまのところその機会はないし、これから先も難しいだろう。
それでも、写真を見るかぎり、あれほど515とそっくりのフルレンジとしてD101を設計しているのであるから、
磁気回路はアルニコマグネットを使っているが外磁型、ボイスコイル径は515と同じ3インチ仕様。

D130はアルニコマグネットを使っているのは515、D101と同じだが、こちらは内磁型。
ボイスコイル径4インチへと変更されている。
さらにコーンの頂角にも大きな変更が加えられている。

515は深い頂角だった。D101も深い。ところがD130では頂角が開き、
これにともないユニット全体の厚みも515、D101よりもずっと薄くスマートに仕上げられている。

コーンの頂角は、その強度と直接関係があるため、頂角が深いほど振動板全体の強度は確保できる。
頂角を開いていけば、それだけ強度は落ちていく。
にもかかわらずD130では浅い頂角ながら、コーン紙を指で弾いてみると強度に不安を感じるどころか、
十分すぎる強度を確保している。しかもわずかにカーヴがつけられている。

515(おそらくD101も)は、ストレートコーンである。

515(D101)とD130のあいだには、コーン紙の漉き方・製法に大きなちがいがあるといってもいいだろう。
これからの変更にともない、フレームもD101とD130とでは異ってくる。
D101のフレームは515のそれを受け継ぐもので脚の数は4本、D130では倍の8本になっている。

Date: 7月 17th, 2010
Cate: JBL

なぜ逆相にしたのか(その1)

ジェームズ・バロー・ランシングが、アルテックとの契約の5年間を終え、
1946年10月1日に創立した会社は
ランシング・サウンド・インコーポレッドインコーポレイテッド(Lansing Sound Incorporated)。

最初の製品は、15インチ口径のD101で、
ランシングがアルテック時代に設計した515ウーファーと写真で見るかぎり、
コーン中央のセンターキャップがアルミドームであるぐらいの違いである。

見えないところでは、ボイスコイルが、
515は銅線、D101は軽量化のためアルミニウム線を採用している違いはあるものの、
D101は515をベースとしたフルレンジユニットであろう。

D101につけられていたアイコニック(Iconic)という名称と、
会社名に「ランシング」がつけられていることに、アルテック・ランシングからクレームが入り、
アイコニックの名称の使用はとりやめ、
会社名もジェームズ・B・ランシング・サウンド・インク(James B. Lansing Sound Inc.)へと変更。

そして47年から48年にかけて、D130を発表する。

D101とD130の外観は、大きく違う。515のフルレンジ版のイメージは、そこにはまったくなくなっている。

Date: 7月 8th, 2010
Cate: D44000 Paragon, JBL, 表現する

パラゴンの形態(音を表現するということ)

パラゴンの形態は、どうみても現代スピーカーとは呼べない。

けれど、パラゴンは、パラゴンならではの手法で、
プログラムソースの相似形、近似値のデータにリモデリング、リレンダリングを行っている。
その結果が、パラゴン独得の形態へとつながっている。

Date: 7月 7th, 2010
Cate: 604-8G, ALTEC, ワイドレンジ

同軸型ユニットの選択(その22)

タンノイの創始者、ガイ・R・ファウンテンと、
チーフエンジニアのロナルド・H・ラッカムのふたりが音楽再生においてめざしたものは、調和だった気がする。
それも有機的な調和なのではなかろうか。

Date: 7月 6th, 2010
Cate: 4343, JBL

4343における52μFの存在(その37)

4343、4341においてひとつ、どうしても想像してしまうのは、ウーファーが2231Aではなく、
4350に搭載された白いコーンの2230だったら、
52μFのコンデンサーの挿入位置は変っていた、つまり通常の位置になっていたかもしれないということ。

この項の(その23)(その24)で述べたことのくり返しになるが、
2231は2230よりも汎用性の高さを狙った設計となっている。
だから2ウェイの4331、3ウェイの4333でも使われているわけだが、
ウーファーのカットオフ周波数が、4331、4333よりも1オクターブ以上低い4ウェイの4341、4343においては、
2231の汎用性の高さはそれほど必要としないし、2230の問題が生じはじめる周波数帯域は避けられるだろう。

2230は、JBLのユニットのなかでは、なぜか短命で終っている。
4341開発時点では、いちおうカタログ上では残っていたようだが、
おそらく製造中止が決定されていたのではなかろうか。

質量制御リングありの2231、なしの2230。
汎用性ウーファーとしての完成度の高さは、ありの2231の方が上だと思う。
それでも4ウェイであれば、そういう汎用性の高さは、必ずしもメリットとはなりにくい。

もっと低い周波数帯域で使うウーファーとしての設計ということになると、2230にも魅力を感じる。
4343に表面が白のウーファーが似合うかといえば、まぁ似合わないだろう。

似合わなくとも、2230にすることで低音の鳴り方は大きく変化するはずだ。
そうなれば52μFのコンデンサーに、
上3つの帯域の信号をすべて通して、という音づくりの必要性はなくなった可能性がある。

バイアンプ駆動でなくとも、低音の響きの透明感は増したかもしれない。そう思えるからだ。

Date: 6月 13th, 2010
Cate: Mark Levinson, the Reviewの入力, 瀬川冬樹

the Review (in the past) を入力していて……(その44)

ステレオサウンド 46号に、
瀬川先生によるHQDシステムの記事「マーク・レビンソンHQDシステムを聴いて」が載っている。

試聴の場所は、ホテルの宴会場で、マーク・レヴィンソンによると、HQDシステムにとってやや広すぎて、
デッド過ぎる音響特性だったらしい。

最初に鳴ったのは、レヴィンソン自身の録音によるギターのソロ。
瀬川先生の次のように書かれている。
「ギターの音色は、スピーカーがそれを鳴らしているといった不自然さがなくて、全く誇張がなく、物足りないほどさりげなく鳴ってくる。左右のスピーカーの配置(ひろげかたや角度)とそれに対する試聴位置はマークによって細心に調整されていたが、しかしギターの音源が、椅子にかけた耳の高さよりももう少し高いところに呈示される。」

つぎに鳴ったコンボジャズの印象は
「かなり物足りなさを憶えた。音質の点では、24インチ・ウーファーの低音を、予想したようなパワフルな感じでは彼は鳴らさずに、あくまでも、存在を気づかせないような控え目なレベルにコントロールして聴かせる。」

このコンボジャズもレヴィンソンによる録音で、一般市販のアナログディスクは、
セル指揮の「コリオラン」序曲をかけたとある。
「ハーモニィはきわめて良好だし、弦の各セクションの動きも自然さを失わずに明瞭に鳴らし分ける。非常に繊細で、粗さが少しもなく、むしろひっそりとおさえて、慎重に、注意深く鳴ってくる感じで、それはいかにもマーク・レビンソンの人柄のように、決してハメを外すことのない誠実な鳴り方に思えた。プログラムソースからスピーカーまでを彼自身がすべてコントロールして鳴らした音なのだから、試聴室の条件が悪かったといっても、これがマークの意図する再生音なのだと考えてよいだろう。」

4343をオール・レビンソンで鳴らした音の印象とはずいぶん異るように感じられる。

Date: 6月 3rd, 2010
Cate: 4343, JBL

4343における52μFの存在(その36)

とはいえ、いま4343/4341を、優秀なパワーアンプで、内蔵ネットワークを通して鳴らすとして、
52μFのコンデンサーまわりの配線を変えて……、ということは無理に近い。

4344、4345のネットワークはプリント基板上に部品を配置して、
それをケースにおさめることはしていないから、手を加えることは比較的簡単なのだが、
4343のネットワーク3143は、金属ケースにコンデンサーやコイルをおさめた上でピッチで固めてあるからだ。
配線をやりかえようとしたら、このピッチをすべて取り除いて、という作業が必要になり、
そうしてしまったら、もうピッチを元に戻すことはできないからだ。

4343の場合、バイアンプ駆動も可能としているため、4341のネットワーク3141よりもスイッチは増えているし、
配線も多少複雑になっている。
バイアンプをやらずに内蔵ネットワークでの音を追求していくつもりであるなら、
いっそネットワークを作った方がいいだろう。

回路図はJBLのサイトからダウンロードできる。
それに4343に、4344、4345のネットワークをもってくるというのも、おもしろいと思っている。

3143と同じ回路でも、部品が異り、52μFのコンデンサーの扱いをどうするかにより、音はずいぶん変化する。
それにサイズ考で述べたアースの配線を行うことも可能になる。