GAS THAEDRAがやって来る(その6)
1970年代に登場したトランジスターアンプをすべて聴いているわけではない。
なのにおもうのは、意外にもGASのTHAEDRAとSAEのMark 2500の組合せこそ、
マッキントッシュのC22とMC275のトランジスターアンプ版といえるのではないか、と。
C22とMC275の組合せ、C28とMC2105の組合せは聴いたことがある、
といっても、比較試聴しているわけではない。
それぞれ別の場所で、まったく違うスピーカーで聴いたことがある、というだけでしかない。
どちらのアンプの組合せも、新品同様の性能(音)を維持していたのかは、はっきりしない。
そういう状態での、いわば記憶のなかでの比較でしかないのだが、
C28+MC2105は、C22+MC275とはずいぶん違った方向の音のように感じてしまった。
もちろんC28+MC2105に、C22+MC275そっくりの音を求めていたわけではない。
私が感じている音の良さを引き継いでいてほしかった、というだけのことで、
私がそう感じないからといって、他の人もそうだ、とは思っていない。
また、その音を聴いてもいないのに、
THAEDRAを落札した時から、Mark 2500との組合せは、
私にとってのC22+MC275のトランジスターアンプ版といえる存在になってくれるのかも──、
そんな予感が生れてきた。
マークレビンソンのLNP2とスチューダーのA68の組合せも、
また充分魅力的なのだが、この組合せはC22+MC275のトランジスター版ではない。
LNP2とMark 2500の組合せも、ちょっと違う。
あくまでも感覚的なことでしかないし、
こんな感覚的なことは、誰かに理解してもらう、なんてこととは無縁のこと。
つまりは、書いても無駄なことなのかもしれないが、
それでも私にとって大事なのは、そう感じてしまった、ということである。