Archive for category JBL

Date: 6月 19th, 2025
Cate: D44000 Paragon, JBL, 瀬川冬樹

瀬川冬樹氏とスピーカーのこと(その32)

JBL D44000 Paragon。
死ぬまでに一度鳴らしてみたいスピーカーの筆頭だ。

パラゴンが、私にとっての終のスピーカーとなることはあまりないけれど、
一年間、じっくりと取り組んでみたい、といまでも思う。

パラゴンとともに大きな部屋が欲しいわけではない。
オーディオ専用の空間であれば、六畳間くらいの部屋でもいい。

パラゴンにグッと近づいて聴く。小音量で鳴らしたい。
だから、静かなオーディオ機器を用意したい。
電源トランスも唸らず、空冷用のファンもないアンプで鳴らす。

ローレベルのリニアリティ、S/N比の良さだけでなく、
ローレベルのリアリティの優れたアンプを持ってきたい。

Date: 5月 31st, 2025
Cate: JBL, デザイン

JBL フラッグシップモデルの不在(その4)

その3)で指摘していることは、何もJBLだけのことではない。
マッキントッシュのスピーカーシステム、ML1 Mk IIは、
もっとひどいというかあからさまというか、
とにかく品がない。

このことはML1 Mk IIが発表になった時に書こうと思っていたが、
近年のマッキントッシュのデザインのひどさについて、続けて書いていただけに、
今回は書かずにおこう、とやめていた。

けれどJBLの新しいSummitシリーズを見て、共通するひどさを感じたから、結局、こうやって書いている。

ML1 Mk IIは専用スタンドのベースに、“McIntosh ML1”と大きく入っている。
サランネット下部中央には、“Mc”とある。

スタンドにまで入れることはないだろう、とここまででも思うのに、
サランネットを取ると、トゥイーター、スコーカーをマウントしているサブバッフルにも、“McIntosh”と入れている。

ここまでしつこくしなくても思う。けれど、また先がある。
この“McIntosh”のロゴは、サランネットを装着していても、透けて見える。

このことについて、オーディオ評論家は、何か言っているのだろうか。

Date: 5月 19th, 2025
Cate: JBL, デザイン

JBL フラッグシップモデルの不在(その3)

ミュンヘンでのオーディオショウで発表になったJBLの新シリーズ。
オーディオ関係のウェブサイトが伝えているので、詳細は省くが、
これがJBLのフラッグシップモデルなのか……、と思った人は多いだろう。

来年はJBL創立80周年だから、本当の意味でのフラッグシップモデルは、その時なのかもしれない。

さすがJBL、と言いたくなるモデルが登場するかもしれないし、そうでないかもしれない。
期待はしているけれど、裏切られることも承知している。

今回発表になった新シリーズのスピーカーシステム三機種の写真を見て、菅野先生が書かれてことを思い出していた。
     *
 このわずかのつき合いの間に、私は、このスピーカーを欲しくなっている私自身を発見した。ただ、せっかくの仕上げの高さにもかかわらず、あの〝グランセプター〟のエンブレムはいただけない。前面だけならまだしも、サランをはずした時にはホーンの開口部にまで〝ONKYO〟と貼ってある。このユニークな傑作は誰が見てもオンキョーの製品であることを見誤るはずがない。本当はリアパネルだけで十分だ。エンクロージュアやホーンと看板とをごちゃまぜにしたようなものだ。
 私がこのシステムを買わないとしたら、このセンスの悪いブランドの誇示と、内容からして決して高いとは思わないが、とにかくペアで200万円という大金を用意しなければならないという理由ぐらいしか見つからない。
(ステレオサウンド 72号掲載「興味ある製品を徹底的に掘り下げる」より)
     *
JBLの新シリーズは、ホーン開口部の下側に、新シリーズを誇示するマークが目につく。
品がない、と思った。

これを、いまのJBLの人たちはカッコいいと判断したのだろうか。
だとしたら、80周年記念モデルも音、内容はともかくとして、
デザインに関しては、というよりもセンスが少しばかり不安でもある。

Date: 5月 5th, 2025
Cate: 4345, JBL

JBL 4345(4347という妄想・その5)

山水電気がJBLを取り扱っていた時代、
いまとは違い、スピーカーユニットがかなりの数、カタログに載っていた。
フルレンジ、トゥイーター、ウーファー、コンプレッションドライバー、ホーン、ウーファーがあり、
ネットワークも多数用意されていたものの、
JBL純正のエンクロージュアとなると、
バックロードホーンの4520、4530、フロントショートホーンの4550、4560しかなかった。

スタジオモニター的なシステムを組もうとしても、
スピーカーユニットはあれこれ選べても、エンクロージュアに関しては、
自作するか、国産のエンクロージュア製作会社のモノから選ぶしかなかった。

オーディオマニアからの要望もあったのだろうが、
山水電気は1977年にECシリーズを発表する。

JBLとの共同開発したというモノで、EC10、EC20、EC30、EC11、EC12、EC21が用意された。
それぞれの詳細は省くが、
JBLのスピーカーユニットで自分だけのシステムを作りたかったマニア向けであり、
好評だったのだろう、1983年には第二弾が出た。

EC246、EC146、EC137である。
第二弾の特徴は、18インチ口径ウーファーに対応したことだ。
しかもEC246は、18インチ口径ウーファーとともに、12インチ口径ユニットもおさめられる。

EC246の推奨ユニットは、ウーファーが2240H、2245H、
ミッドバスとして2202が挙げられていた。

この項で、私が妄想として書いているユニット構成を実現するためのエンクロージュアが、
1983年の時点で登場していたわけだ。

Date: 3月 13th, 2025
Cate: JBL

JBL フラッグシップモデルの不在(その2)

昨晩、(その1)を書いたあとにステレオサウンド 233号のベストバイを読み返した。
DD67000もS9900も、選ばれていない。

そういう時代なのか……、と思いながら、
この結果からして、すでにJBLのフラッグシップモデルは不在ともいえるのかもしれない、とも感じていた。

現時点でのフラッグシップモデルが製造中止になれば、
その下のモデルがフラッグシップモデルとして繰り上がるわけで、
フラッグシップモデルがJBLからなくなるわけではない。

そんなことは承知の上で、DD67000とS9900がなくなることは、
個人的にJBLのフラッグシップモデルの不在となる。

1976年に4343が登場したのと同じ頃に、「五味オーディオ教室」に出逢い、
オーディオの世界に入っていた私には、
常にJBLにはフラッグシップモデルと素直に呼べるスピーカーシステムがあった。

そんな時代も、終るのだろうか。

Date: 3月 12th, 2025
Cate: JBL

JBL フラッグシップモデルの不在(その1)

JBLのDD67000とK2 S9900の製造中止のニュース

どちらも元となったモデルから数えればかなりのロングセラーモデルであり、
両機種の製造中止そのものは特に大きな驚きではないが、
これらに代わるフラッグシップモデルのウワサが聞こえてこない。

そこにもやもやしたものを感じる。

別項で書いているが、JBLの次期フラッグシップモデルは、
JBL ProfessionalのM2をベースにしたモノになるのでは?
という予想をした。

結局、いまのところ、それにあたるモデルは登場していないが、
それでもいつかは世に現れるであろう、と期待している。

でもフラッグシップモデル両機種を製造中止にしたニュースに触れると、
それも期待できないのでは──、と思えてくる。

今年秋のインターナショナルオーディオショウに新しいフラッグシップモデルが登場するのか、
まったくそうではないのか。

Date: 1月 11th, 2025
Cate: 4343, audio wednesday, JBL

JBL 4343、ふたたび(その1)

1月8日のaudio wednesdayでは、11月に続いて4343を鳴らすことができた。

今回は、ライヴ録音のみをかけた。
スタジオモニター用としてつくられた4343で、ライヴ録音のみを鳴らす。

1982年に一冊の本が出た。
「WHY? JBL」という本が、オーディオとはまったく関係のない出版社から、
しかも女性の筆者だったこともあり、
オーディオマニアの間だけでなく、オーディオ業界でも、
けっこう話題になっていた。

ステレオサウンド編集部にも一冊あったが、
この時の編集者は、ほぼみんな買って読んでいた。
私も買って読んだ。

その本に、こんなことが書かれていた。
アメリカのコンサートで、終了後、
会場から出てくる女性の頬が紅潮している、とのことだった。
JBLのスピーカーが使われているコンサートにおいて、である、と。

この記述を読んで、JBLの音はセクシーなのかもしれない──、
そんなふうに思っていた。

音楽は、人の肉体運動から生まれてくる。
そのことを音だけの世界だと、忘れてしまいがちになるが、JBLのスピーカーは、そのことを聴き手にはっきり思い出させる。

いまのJBLのスピーカーが、全てそうだと言わないが、
あのころのJBLの音は、そうといえたし、
だからこそセクシーと感じる人がいるのだろう、頬を紅潮させるのだろう。

それでもJBLをひどく鳴らしてしまうと、無機的な音になってしまう。

そんなことを昔、思っていた。
だから、ライヴ録音のみに絞った。

Date: 11月 24th, 2024
Cate: 4343, JBL, ワイドレンジ

ワイドレンジ考(JBL 4343を聴いて思ったこと・その1)

11月のaudio wednesdayでの久しぶりの4343。
誰かが鳴らした4343の音ではなく、自分で鳴らした4343の音を聴いて、
改めてワイドレンジのことを考えてもいた。

4ウェイ構成の4343は、当時においてもワイドレンジを目指したスピーカーシステムだったが、
いま聴いても、これは軟弱なワイドレンジのことではなく、
しっかりとしたワイドレンジの音だと感じていた。

この時代のJBLの4ウェイ構成を、いまだ誤解している人がいる。
ワイドレンジとはなんなのかについては、
すでに書いているから詳しく繰り返さないが、
単に周波数レスポンスのことではなく、
個々のユニットのパワーリニアリティを含めてのダイナミックレンジ、
そして指向特性の均一性を含めてのことである。

何も4343が、4ウェイとして理想的な形を実現していた──、
とまではいわないが、ワイドレンジを上っ面だけで語り、
誤解している人が、いまでもいることは言っておきたい。

Date: 11月 12th, 2024
Cate: 4343, audio wednesday, JBL

audio wednesday (next decade) –第十夜(43年目の4343・余談)

11月6日のaudio wednesdayで鳴らしたJBLの4343は、
宇都宮から運んでくる必要があった。
当初は、私がクルマと運転手を手配して、という手筈だったのが、
頼んでいた人が、ストレスで短期間ではあったけれど引きこもりになってしまった。
いまは元気になっているけれど、
前もって運搬・搬入しようとしていた時は、
頼めそうな感じではなかった。

もう一人、声をかけていた人もいたが、
この人は心筋梗塞で入院してしまった。

4343のオーナーのHさんは、クルマへの積み込みと移動は、
レンタカーを手配して、一人で大丈夫という方だったので、お願いすることになった。

これで安心と思っていたら、
11月2日に、彼が予約していたレンタカーが事故にあって、
借りれなくなった、代車が用意されるようだ──、
という連絡があった。

3日の夜になってもレンタカー会社からの連絡がないので、
最悪運べないかもしれない可能性も出てきた。

4日に連絡があって、代車が用意された、とのこと。

これでほんとうに安心できる、と思った。

4343は無事届いた。
けれど、すでに書いているように、予想しない不具合が発生。
4343に原因があるのではなく、
他のところによる不具合なのだが、どこなのかがなかなかはっきりとせず、
けっこうな時間を費やしながら、
少しだけ、何かに邪魔されているのか……、そんなことも思ったりした。

しかもトラブルはもう一つあって、
前日夜にHさんが4343をチェックしたところ、2405が鳴らなかったそうだ。
深夜まで時間をかけて、鳴るようになった、という話を、
準備している時に聞いていたものだから、
いったいなんなんだろう──、と思うしかなかった。

そんなことがあったけれど、4343はよく鳴ってくれた。

Date: 11月 8th, 2024
Cate: 4343, audio wednesday, JBL

audio wednesday (next decade) –第十夜(43年目の4343・その5)

2012年12月に、別項にこう書いた。

ステレオサウンド 61号の編集後記に、こうある。
     *
今にして想えば、逝去された日の明け方近く、ちょうど取材中だったJBL4345の組合せからえもいわれぬ音が流れ出した。この音が先生を彷彿とさせ、話題の中心となったのは自然な成り行きだろう。この取材が図らずもレクイエムになってしまったことは、偶然とはいえあまりにも不思議な符号であった。
     *
この取材とは、ステレオサウンド 61号とほぼ同時期に発刊された「コンポーネントステレオの世界 ’82」で、
井上先生による4345の組合せのことである。
この組合せが、この本の最初に出てくる記事にもなっている。

ここで井上先生は、アンプを2組選ばれている。
ひとつはマランツのSc1000とSm700のペア、もうひとつはクレルのPAM2とKSA100のペアである。

えもいわれぬ音が流れ出したのは、クレルのペアが4345に接がれたときだった、ときいている。

このときの音については、編集後記を書かれたSさんにも話をきいた。
そして井上先生にも直接きいている。
「ほんとうにいい音だったよ。」とどこかうれしそうな表情で語ってくれた。

もしかすると私の記憶違いの可能性もなきにしもあらずだが、
井上先生は、こうつけ加えられた。
「瀬川さんがいたのかもな」とも。

このことがあったから、今回、パワーアンプはクレルのKSA100にした。

Hさんは、クレルのパワーアンプを他にも持っている。
KMA200とKMA100である。
その中でKSA100を持ってきてもらったのは、上記の引用が理由だ。

しかも井上先生の4345の組合せの試聴は1981年の11月6日。
このころの井上先生のことだから、試聴がはじまったのは、
早くても夕方から、大抵は夜になってからで、
4345から《えもいわれぬ音》が鳴ってきたのは、
翌7日の朝早い時間のはず。

今回のaudio wednesdayも11月6日。
無理なこととはわかっていても、できれば朝方まで鳴らしたかった。

Date: 11月 8th, 2024
Cate: 4343, audio wednesday, JBL

audio wednesday (next decade) –第十夜(43年目の4343・その4)

11月6日のaudio wednesdayで鳴らしたJBLの4343は、
宇都宮に住むHさんのモノである。

彼は四谷三丁目の喫茶茶会期からの常連で、当時は愛知、兵庫から来てくれていた。
audio wednesdayが終ったあと、新宿から深夜バスで帰り、
翌日は、もちろん朝から仕事。若いなぁ──、と思っていた。
彼はまだ30代。今は宇都宮なので、アンプやスピーカーを、
audio wednesdayに持ってきてくれる。

クレルのKMA200、アポジーのDuetta Signatureも、
彼の私物である。

彼が4343を一人でクルマに積み、運んできてくれた。
クルマの後ろの扉を開ける。

横置きで積まれた4343の底板が見える。
4343は1976年登場で、1981年くらいまで製造されていた。
四十年から五十年近く経っているわけだから、
新品同様ということはまずない。
底板は、調整の際、動かすわけだから、多少なりとも傷が残る。

そんな底板を見た時は、それだけの年月が経っていることを感じていた。

それでも運び込み設置。
アンプやその他の器材もセットして結線して──、
けれどすでに書いたように予想外の不具合が発生して、
4343からやっと音が鳴ってきたのは、けっこう時間が経っていた。

やっと落ち着いてソファーに座り、音をきちんと聴く。
その時改めて、4343はスーパースターだ、と、感じていた。

佇まいが、そうだった。
お互い歳をとったけれど、4343はやはりスーパースターのままだった。
様になるスピーカーのままだった。

Date: 10月 27th, 2024
Cate: 4343, audio wednesday, JBL

audio wednesday (next decade) –第十夜(43年目の4343・その3)

ながいことオーディオという趣味に熱中してきたのであれば、
特別な存在のスピーカーというものが、一つはあるはずだ。
それは世代によっても、どういうオーディオ機器に出合ってきたのか、
さまざまなことが関係しているから、
特別なスピーカーが、みな同じわけではない。

JBLの4343。
1970年代後半におけるオーディオ界のスーパースターだった。
そこでの憧れがあった。
けれど、それだけでなく、
4343は私にとっての「特別なスピーカー」だ。

なぜ特別なのかについて、
すべて書いていくと、どれだけでも書けてしまう。
なぜ特別なのか、
それは瀬川冬樹というひとりのオーディオ評論家と、
私の中では分かち難く結びついているからだ。

瀬川先生がいたからこそ──、そういえる。

Date: 2月 12th, 2023
Cate: JBL, Studio Monitor

JBL 4320(その16)

世代によって、はじめてきいたJBLのスタジオモニターは違ってくる。

いま七十代か、上の世代になると、
JBLのスタジオモニターとして最初に、その音を聴いたのは4320で、
その次に4331や4333、そして4341、4350、4343という順序だろう。

いま六十前後の世代だと、4343が最初だったりする人も多いだろう。

4343を最初に聴いている。
それから4350、4341、4333Aなどを聴いて、4320を聴く機会が訪れたのは、
4343を聴いた日からけっこう経っていた。

この項で、4320を自分の手で鳴らしてみたい、と書いている。
そんなことを書いてきたおかげなのかどうかはなんともいえないけれど、
年内には4320を聴くことができそうである。

その時が来てみないことには、どんなかたちで4320の音を聴けるのかはっきりしないけれど、
自分の手で鳴らすことができるかもしれない。

4320を、現在高い評価を得ているスピーカーシステムよりも優れている、とはいわない。
物理特性を比較しても、4320は古い世代のスピーカーといえる。

だから懐古趣味で聴きたい(鳴らしてみたい)わけではない。
別項で書いているように、オーディオマニアには、
スピーカーの音が好きな人とスピーカーの音が嫌いな人がいる。

4320の音は、スピーカーの音が好きな人にアピールするところがあるのかもしれない。

以前聴いた4320は、じっくりとはとても言い難かった。
聴くことができた、という感じでしかなかった。

それでも4320の音を、また聴きたいといま思い出させるほどに、
記憶のどこかにはっきりと刻まれているのだろう。

4320を、いま聴きたい(鳴らしてみたい)と思う理由を、はっきりと探るための機会。
そうなったら嬉しいし、何を見つけられるだろうか。

Date: 11月 30th, 2022
Cate: 4343, JBL, 終のスピーカー

終のスピーカー(JBL 4343・その2)

私がステレオサウンド働きはじめた1982年1月、
そのころのリファレンススピーカーは、まだ、というか、
ぎりぎりとでもいおうか、JBLの4343だった。

ちょうど4344が出た頃でもあった。
だからといって、すぐにリファレンススピーカーが4343から4344に切り替ったわけでもなかった。
なので、ステレオサウンドの試聴室でも、4343を聴いた時間はたっぷりあった。

4343の後継機といわれる4344は、当然だけど、もっと長い時間、
さまざまなアンプやCDプレーヤー、アナログプレーヤー(カートリッジ)などで聴いている。

まぁ、でも4344は、別項で書いているように、
4343の改良モデル(後継機)というよりも、
18インチ・ウーファーの4345の15インチ版といえる。

私は4343の後継機は、JBLのラインナップにはない、と思っているし、
それでも一つ挙げるとしたら、4348なのだが、これは音的にはそうであっても、
デザイン的にはそうとはいえない(それでも4344よりはいいと思っている)。

そんなことがあったから、4343を終のスピーカーとして意識したことがなかったのか、
というと、そういうことではない。

何度も書いているように、コンディションのよい4343があったら欲しい。
そういう4343を、もし手に入れることができたら、手離すことなく、ずっと鳴らしていくことだろう。

ならば、4343も終のスピーカーとなるのではないか。
そうなのだが、自分でもうまく説明できないのだが、
それでも4343を、終のスピーカーとはいえない私がいる。

Date: 11月 27th, 2022
Cate: 4343, JBL, 終のスピーカー

終のスピーカー(JBL 4343・その1)

「終のスピーカーがやって来る」を書き始めた頃、
これを読まれた方のなかには、終のスピーカーは何なのだろうか、
と予想された人も何人かいる。

JBLの4343ではないだろうか、と予想された人もいる。
4343については、これまでもかなりの数書いてきている。

4343は1976年に登場している。
4343の登場と同じくして、私はオーディオの世界に興味をもった。

私にとっての初めてのステレオサウンドは、41号。
4343が表紙の号だ。

当時、熊本の片田舎に住んでいた私でも、4343を聴く機会には比較的恵まれていた。
それだけ4343は売れていた。
当時としてはかなり高価なスピーカーシステムなのに、
それが聴ける、ということは、すごいことだ。

当時、熱心に読んでいたステレオサウンドにも、ほぼ毎号4343は登場していた、といえる。
4343が完璧なスピーカーではないことはわかっていても、それでも輝いて見えたし、
4343はスターであった、といまでもおもう。

4343が製造中止になってけっこうな時が経っても、4343を聴く機会はけっこうあった。
私と同じ1963年生れの友人のAさんとは、2006年に、二人の年齢を合せると4343だ、
そんなことをいっていたくらいである。

いまでも4343のコンディションのいいモノがあれば、欲しい。
置き場所がないけれど、それでも欲しい、とおもっている。

それでも、4343は私にとって終のスピーカーとなるだろうか(なっただろうか)、
そんなことをおもう。