REVOX B77 MK III(余談)
オープンリールデッキといえば、中学生のころ、
これなら買えそう、と思ったのはパイオニアのRT701だった。
外形寸法はW48.0×H23.0×D36.0cmで、ラックに収まるサイズとスタイルだったからだ。
価格は、109,800円で、オープンリールデッキといえばプロ用という憧れはあったけれど、
それらは本当に高価で、しかもコンソール型で大きく重いモノだった。
その点、RT701はオープンリールデッキの入門機として格好の製品だったと言える。
そんなことを中学生のころは思っていたけれど、テープにあまり愛着のない私は、
結局、いまにいたるまでオープンリールデッキを自分のモノとしたことがない。
欲しいな、と思う製品は少ないけれど、いくつかあった。
それでもアナログプレーヤーにおいて、どうしても欲しいといって手に入れたEMTの927Dstほどの情熱はなかった。
そんな私だが、オープンリールデッキは小学生の低学年のころから触っていた。
先月亡くなった父が中学の英語の教師だったため、
授業で使うポータブル型の録音機があったからだ。
リールからテープを引き出して、ヘッドのところに這わせていく。
理屈がわかっていたわけではないが、やっていた。
このころすでにカセットテープは登場していたけれど、
父が授業でカセットテープを使うようになったのは、もう少し後のこと。
そんなことがあったから、私にとって録音機といえば、
オープンリールデッキが最初の体験だったし、
実際にオープンリールデッキの安定した音の後には、
カセットテープ(デッキ)の音は、不安定で頼りなく感じる。
成人してから何度かオープンリールデッキをいじる機会はあったけれど、もう四十年近く触っていない。