管球式OTLアンプのこと(その5)
それでは思い入れのある、愛着を感じている真空管でOTLアンプを作ることは無理なのか、といえば、そうでもない。
300Bを10パラレルのSEPP構成にすることで、出力インピーダンスは実用になる値にまで低くなるし、
出力も動作点をどのあたりに設定するかにもよるが、100W前後は得られる。
回路的には、300BのOTLアンプは可能である。
問題はアンプの規模だ。
10パラレルのSEPPだから、片チャンネルあたり20本の300B、両チャンネルで40本。
これだけの300Bを揃えるとなると、金額的にかなり高額になるし、特性を揃えた300Bとなると、さらに手間と費用もかさむ。
10パラレルのSEPPとなると電源部も大掛かりとなる。電源トランスは特注となり、相当に大型なのだから、これを支えるシャーシーも大きく丈夫なモノが必要となる。
ならば、こういう構成はどうだろうか。
10パラレルのSEPPではなく1ペア減らしての9パラレルのSEPPとする。
さらに三分割する。つまり3パラレルのSEPPのOTLアンプを三台(片チャンネル分)作り、
それぞれのアンプの出力を合成することで、実質9パラレルのSEPPアンプとなる。
3パラレルのSEPPアンプならば、モノーラル構成にすれば、300Bは一台あたり6本となり、電源部も電源トランスを特注することなく対応できる。
シャーシーも、それほど大型化するわけでもない。
その分、アンプの台数は増えるものの、実際にアンプを組むことを考えると三分割は、現実的な解決策だ。
300Bが20本(もしくは18本)分のアンプのシャーシーの大きさと重さを想像してほしい。
そのアンプを裏返ししたりする必要があるわけで、これは一人でできる作業の枠を超えている。
こんなことを考えたりするけれど、予算がもしあったとしても作るかと問われたら、38本の300Bが発する熱量を思うと、やらないと答える。