真空管アンプのバイアス調整のこと
フッターマンのOTL2、マランツのModel 9kが続けてやって来た。
フッターマンはOTLアンプ、Model 9kは出力トランスを持つという大きな違いがあるが、どちらも出力管のバイアス調整をユーザーが行う点では共通している。
昔からバイアス調整は、そう簡単ではない、といわれ続けている。最初はよくても、しばらくするとズレくるから、こまめなチェックと調整が必要になると。
確かにそういう面はあるけれど、昔から疑問なのは、バイアス調整用のポテンショメーターに、カーボン型を使うことだ。
固定抵抗もそうなのだが、カーボン抵抗の温度係数は概ね −200〜−800ppm/℃程度。他の抵抗体に比べて劣っている。
つまり真空管アンプのシャーシー内の温度が上昇していくと、抵抗値が変動する。
抵抗値が変動すれば、バイアスも当然ズレてくる。
それだけでなく、細かいことを指摘すれば均一性の欠如がある。カーボン皮膜は抵抗体全体が同じ温度特性を持つわけではないため、調整した位置(接点位置)によっても温度係数に微妙な違いが生じているとみていい。
レベルコントロールのように、常に音量設定をして頻繁に動かす使い方ではまだしも、バイアス調整は、いわば半固定的な使い方のため、接点位置による不均一性は、そのまま温度ドリフトとして現れると考えていいはずだ。
カーボン型ポテンショメーターをバイアス調整に使うことによって、バイアス調整を面倒なことにしている、と私は考えている。
カーボン型よりも導電性プラスチック型、さらには巻線型を使えば温度係数は小さいのだから、適している。
もっといえば同じ品種のポテンショメーターでもワット数が大きいほど温度係数も小さくなる。