Archive for category テーマ

Date: 2月 26th, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(チューナー篇・その15)

オーディオに興味を持つ前まではアマチュア無線の免許を取ろうと勉強していた。
初歩のラジオを読みながら、合格したら、どの無線機を買おうか、と思っていた時期がある。

トリオの名前は、オーディオよりもアマチュア無線のブランド(メーカー)として、先に知っていた。

トリオのチューナー、というよりもチューナーのトリオという印象があった。
トリオのチューナーは定評があった。でもカタログやオーディオ雑誌に掲載されている写真をみると、なんとなく、どこかにギラついた印象が残っている感じがして、好きにはなれなかった。

チューナーとしての性能、音も優秀なんだろうけど──、私の中では、そこのレベルでとまっていた。

トリオのチューナーに対して印象ががらっと変ったのは、L01Tの登場によってだった。

L01Tという型番からもわかるように、それまでのKTで始まるトリオのチューナーとは、違っていた。
ブランドもトリオではなく、ケンウッド。

いまでこそトリオではなくメーカー名もケンウッドになっているが、当時はトリオが会社名でありブランド名であり、ケンウッドは海外でのブランドだった。

そのケンウッドの名称を、国内の別ブランドとして展開するようにしたのは、パイオニアのエクスクルーシヴ・ブランドと似ている。

パイオニアの場合、最初はパイオニア・ブランドでのExclusiveシリーズだったが、途中から販売会社パックスをつくり、エクスクルーシヴ・ブランドとなった。
その後、パックスは解散して、パイオニアに戻る。

L01Tがチューナーで、ペアとなるプリメインアンプがL01A。この二機種の登場は、私にとっては新鮮だった。

Date: 2月 26th, 2026
Cate: 純度

純度と熟度(ディープエンドオーディオ・その2)

つぼみのままの音がある。
花を咲かせる音がある。
花が散り、実を結ぶ音もある。

数年前に別項で、そう書いた。

ディープエンドオーディオとは、深みを目指すという意味でもあるが、実を結ぶための意味でもある。

その木が、地中深く根をはることで、その実は美味しくなるからだ。

Date: 2月 25th, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(チューナー篇・その14)

ステレオサウンド 43号、ベストバイで五人が選んでいるチューナーはトリオのKT9700で、
井上卓也、岡俊雄、菅野沖彦、瀬川冬樹、山中敬三の票を集めている。

パイオニアのExclusive F3を選んでいるのは、上杉佳郎、瀬川冬樹の二人。

KT9700は150,000円、Exclusive F3は250,000円。
おそらくだが、チューナーとしての性能はKT9700の方が上だっただろう。

でもKT9700とExclusive F3の写真を見比べると、KT9700が女性ヴォーカルをしっとりと鳴らしてくれるふうには思えなかった。

瀬川先生は《音の傾向は、9300と同系統の、やや硬質で鮮明な印象。反面、音のやわらかさやふくらみや豊かさという面では、たとえばパイオニアのF3あたりの方に軍配が上がるが、この辺は好みの問題だ》と書かれている。

こういうのを読むと、やっぱりExclusive F3だな、と十四歳の私は思っていた。

いつかはExclusive F3と思うようにもなっていたが、少し冷静になれば、チューナーに二十五万円払えるだけの経済的余裕が持てるようになれば、
同レベルのアンプ、スピーカー、プレーヤーも手にしているわけだし、だとすれば、好きなレコード、聴きたいレコードは躊躇うことなく買えるだろうから、
チューナーを介して好きな曲を聴くということ、つまりレコードが買えなくてFM放送を聴くことはほとんどないだろうから、チューナーの音に好みを求めることはあまり意味がないことにも気づいていた。

それでもセクエラのModel 1、マランツのModel 10Bを別格の存在とすれば、
Exclusive F3は、そのころの私にとっては最高級チューナーといえる存在だった。

そのExclusive F3は、いま手元にある。岩崎先生が使われていたモノがある。

Date: 2月 24th, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(チューナー篇・その13)

ステレオサウンド 43号。
たとえばスペンドールのBCIIについて、岡先生は《ピアノよりも弦楽器やヴォーカルが見事である》と評価されている。

また岡先生はQUADのESLについて《弦とヴォーカルのよさは類のないものである》とも書かれている。

アンプだとラックスのSQ38FD/IIについて、瀬川先生は《とくにクラシックのプログラムソースで、弦やヴォーカルのいかにも息づくような暖かさ、血の通った滑らかさを聴けば、この音はちょっと他のアンプでは聴けない特長であることが理解できる》、
同じラックスのCL32では《弦やヴォーカルの音が冷たい金属質にならず、どこか暖かい滑らかさで響くところが、やはり球ならではという感じ》と書かれている。

どれ一つ、この時点では聴いたことがなかったら、ひたすら読んでは、その音を想像していた。

ヴォーカルがうまく鳴るには、艶があって瑞々しい音であってほしい。女性ヴォーカルを聴くのだから色気もあってほしい──、そんなことをおもいながら、43号を何度読み返したことか。

そんな読み方でチューナーのところを見ると、何が最有力候補として浮かび上がってくるかというと、パイオニアのExclusive F3だった。

セクエラのModel 1も選ばれていたが、この凄い性能のチューナーから、女性ヴォーカルの再生に向いた音がしてくるとは思えなかった。

ヤマハのCT7000もいいな、と思いながらも、瀬川先生なCA2000のところで書かれている《ヤマハの一連のアンプの音質に、もうひとつ、色気の欠けていることが不満である私自身、ここまで磨き上げた端正で上品で、清潔な美しい音を聴かされるとその歪みのない澄明な音色にはひとつの魅力があることがよくわかる》、
これを読んでそうか色気がないのか……、CT7000の音もそうなのか……、と思っていた。

Exclusive F3について瀬川先生は《C3やM4と一脈通じる、繊細で、ややウェットではあるが、汚れのない澄明な品位の高い音質》と書かれていたのだから、
女性ヴォーカルを聴くにはExclusive F3だ、と14歳の私は思ってしまった。

Date: 2月 23rd, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(チューナー篇・その12)

ステレオサウンド 43号の特集は、ベストバイだった。
「五味オーディオ教室」で出逢って一年未満の私にとって、43号は本当に面白かったし、何度読み返したことか。

ベストバイはステレオサウンドの恒例の特集となっていまも続いているし、今後もずっと続いていくだろうが、
ベストバイという特集は、43号がいまも一番といえる。

価格帯で分けたり、星をつけたりしても43号を超えることはない。

43号を持っている人は、いまのステレオサウンドのベストバイと比べてみるといい。43号では熱っぽさが誌面から伝わってきた。いまは、それがない。

編集部、オーディオ評論家の熱が感じられない。
もし43号が、いまのようなベストバイの号だったら、私はくり返し読まなかっただろう。

こんなことを書くと、当時のオーディオ機器の価格と、いまのオーディオ機器の価格があまりにも違いすぎて──、そんなことをいう人がいるだろうが、そんなことではない。

そのことがわかっていないから、こんなベストバイしか作れなくなったのだろう、と思うしかない。

話が逸れてしまったついでに書いておくと、書き手の怠慢ともいえる。それが、どういうことかは、別項で書く予定。

とにかく43号は熱心に読んだ。当時、中学三年生だった私は、女性ヴォーカルが最優先だった。
グラシェラ・スサーナの歌を、うまく鳴らしたい。そればかりを考えて43号を読んでいたので、
ベストバイに選ばれたモデルの、各オーディオ評論家の文章から、そのことを読みとろうともしていた。

Date: 2月 22nd, 2026
Cate: ディスク/ブック

Die Meistersinger von Nürnberg(その2)

(その1)で書いているように、私が初めて聴いた「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は、カラヤン/ドレスデン・シュターツカペレによるEMI盤だった。

カラヤンが数多く残した録音、そのすべてを聴いているわけではないが、この「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は、
カラヤン名盤の中に含まれるはずだ。

私は「五味オーディオ教室」からオーディオをスタートしていることもあって、カラヤンに対して否定的なところもけっこう持っている。

五味先生ほどのアンチ・カラヤンではないものの、五味先生が言われることに納得することも多い。

そんな私でもカラヤンのワーグナーは無視できないと思っている。
五味先生は、カラヤンのワーグナーはまったく認めておられないことを書かれていた。

そのことを知った上で、先入観をかなり持って聴いたにも関わらず、私はカラヤン/ドレスデン・シュターツカペレの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は素晴らしいと、その時感じたし、いまもそう思っている。

この「ニュルンベルクのマイスタージンガー」が、ベルリン・フィルハーモニーとだったら、そしてドイツ・グラモフォン録音だったら、どうだっただろうか。

このカラヤンの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は、なぜだかTIDALでもQobuzでも配信されていなかった。
三日前の2月19日に配信がされるようになった。

やっと来た、ここまで待たしたのだから、ハイレゾリューションでの配信を期待してしまうけれど、そうではなかった。

それでも配信されたのは、嬉しい。

そういえば早瀬文雄(舘 一男)さんは、熱心なカラヤンのファンだった。でも面白いことにカラヤンのワーグナーは聴かれなかったことを思い出す。

Date: 2月 21st, 2026
Cate: 単純(simple)

シンプルであるために(iPhoneとミニマルなシステム・その8)

(その7)の時点ではiPhone 12 ProからiPhone 14 Proに機種変更したばかりだった。
12 Proよりも14 Proで聴く方が好ましかった。
それから二年後(2024年)にiPhone 16 Proにしている。

LotooのPAW S1と組み合わせて、夜中にヘッドフォンで聴くためのミニマムなシステムであり、ラジカセ感覚で使っている。

D/Aコンバーター兼ヘッドフォンアンプはPAW S1で変らないし、ヘッドフォンも変っていない。変っているのはiPhoneだけなのだが、音は違う。

以前書いているようにiPhone 12 Proの音は気になるところがあった。14 Proで、その点が解消され、まあ満足していた。

二年ごとにiPhoneを機種変更するたびに、音は変る。前のiPhone(前の音)が良かったと思っても、元には戻せないわけで、二年ごとの、ちょっとしたどきどきである。

新しいiPhoneの音はどうなのか。こればかりは聴いてみるまでわからない。

いま使っているiPhone 16 Proの音は気に入っている。音の滑らかさが、これまでのiPhoneとは違う。

この滑らかさは、どこからくるものだろうか。もしかするとチタンボディということが、大きいかもしれない、と使い始めたこらから思っている。

二年ごとの機種変更だから今年の秋に、また機種変更することになる。
昨年のiPhone 17 Proからボディはアルミニウムになっている。熱のことを考えればチタンよりもアルミニウムなのはわかるが、音はどうなのか。

意外にもチタンボディはいいのかもしれない、というおもいは少しずつ強くなっているので、iPhone 16 Proは、このまま手元におく、ということも考え始めている。

Date: 2月 20th, 2026
Cate: スピーカーの述懐

スピーカーの述懐(その72)

この伊藤先生の言葉を引用するのは、今回で十回。
しつこいぐらいに引用するのは、大事なことだし、にも関わらず、そんなふうには思わずスピーカーを鳴らしている人が、少なからずいると感じているからだ。

《スピーカーを選ぶなどとは思い上りでした。良否は別として実はスピーカーの方が選ぶ人を試していたのです。》

もう引用することもないな、と思える日は来るのか。

Date: 2月 19th, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(チューナー篇・その11)

ステレオサウンド 43号。特集はベストバイ。
瀬川先生は、パイオニアのExclusive F3について、こう書かれていた。
     *
自宅で数ヶ月モニターしたのち、返却して他のチューナーにかえたら、かえってF3の音質の良さを思い知らされて、しばらくFMを聴くのがイヤになったことがある。C3やM4と一脈通じる、繊細で、ややウェットではあるが、汚れのない澄明な品位の高い音質で、やはり高価なだけのことはあると納得させられる。
     *
すでにセクエラのModel 1はあったし、その存在も知っていたけれど、当時中学生だった私は、普及クラスのチューナーからのステップアップは、このExclusive F3だな、と決めていた。

Exclusive F3は250,000円。
セクエラのModel 1は1,480,000円。
どちらも買えるわけではなかったけれど、セクエラへの道は途方すぎていて、
Exclusive F3の方がずっと現実的に思えていたからだ(錯覚ともいう」。

それに《C3やM4と一脈通じる、繊細で、ややウェットではあるが、汚れのない澄明な品位の高い音質》、ここに強く惹かれた。

女性ヴォーカルを聴くのに、これほど適したチューナーは他にはないように思えた、というよりも、そう思い込もうとしていた。

Date: 2月 18th, 2026
Cate: スピーカーの述懐

スピーカーの述懐(その72)

CD登場以前、アナログディスク全盛時代は、システムのトータルゲインが同じであっても、ゲイン配分次第では、S/N比が良くなったら悪くなったりするため、十分な配慮が払われていた。

アナログディスク再生といっても、MM型とMC型カートリッジがあり、発電方式の違いによって、出力電圧が大きく違うだけでなく、
同じMM型、MC型の中でも出力電圧に違いは小さくなかった。それがCDプレーヤーでは統一された。

ゲイン配分について、オーディオ雑誌だけでなく、いろんなところでも話題にならなくなったのは仕方ないとはいえ、
だからといって無視していいわけではないにも関わらず、忘れ去られつつある。

Date: 2月 18th, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(チューナー篇・その10)

QUADのFM3は、私にとっては小型ラジオ的位置にいるチューナーであるし、
これまで別項に書いているように、QUADのコントロールアンプの33と、専用の木製スリーブに入れた状態で、最大の魅力を放ってくれる──、そういう存在だ。

33とペアということだから、チューナー付きコントロールアンプ的存在でもある。

FM3単体ではそれほど欲しいとはならないが、33と専用スリーブとセットとなると、欲しいという気持は途端に大きくなる。

このへんはウーヘルのEG740と近い。EG740もウーヘルのテープデッキと組み合わせることを想像すると、欲しい気持は強くなるからだ。

ここが、マランツのModel 10B、セクエラのModel 1と違う。

そういう視点からみれば、マッキントッシュのチューナーは、QUADのチューナーと同じといえる。
一時期、マッキントッシュの管球式チューナーを使っていたが、毎日、そのパネルを見ていると、
やっぱり、このチューナーはマッキントッシュのコントロールアンプと一緒に使うモノであり、
単体のチューナーとして見た時の魅力は、私の場合、下がってしまう。

いま私のところには、パイオニアのExclusive F3とオーレックスのST720がある。
どちらもステレオサウンド 43号を読んだ時から欲しいと思っていた。

Date: 2月 17th, 2026
Cate: 戻っていく感覚

My Favorite Things(チューナー篇・その9)

セクエラ氏が創立したセクエラ社は解散してしまっているが、David Day氏によってセクエラの権利が買い取られて、
1990年ごろだったと記憶しているが、
DaySequerraとして復活しているし、Model 1も復刻されている。

RFエンタープライゼスが輸入していた。それから三十年以上が経っているけれど、DaySequerraは健在だ。

さすがにModel 1は製造されていないが、アップグレードプログラムが、3,800ドルで用意されている。

マランツのModel 10B、セクエラのModel 1は、CRTを搭載していて受信状況がモニターできた。

このCRTは、どんなに大事に使ってきていても、寿命を迎える。
DaySequerraでは、液晶モニターに置き換えるサービスを提供している。

Model 10Bは管球式チューナーだから高い電圧が標準となるが、Model 1はソリッドスタートだから、チューナー本体は低電圧で、CRT部のみ高電圧となる。

それが液晶モニターに置き換わることで、高電圧回路を省ける。このことによるメリットは小さくない。

いま日本には輸入元がないから、アップグレードプログラムを望む人は、直接問い合わせることになるし、応じてくれるのかは定かではないが、
もし私がセクエラのModel 1を手に入れることがあったら、このアップグレードはやりたい。

Date: 2月 16th, 2026
Cate: 「ルードウィヒ・B」

春くらり(その2)

ステレオサウンド 49号で黒田先生は《「サンチェスの子供たち」を愛す》で、こう書かれていた。
     *
 なにかというとそのレコードをきく。今日はたのしいことがあったからといってはきき、なんとなくむしゃくしゃするからといってはきき、久しぶりに友人がたずねてきてくれたからといってはきき、つまりしじゅう、のべつまくなしにきくレコードがある。そういうレコードは棚にしまったりしないで、いつでもすぐかけられるように、そばにたてかけておく。そうなるともう、そのレコードにおさめられている音楽を、音楽としてきいているのかどうか、さだかでない。
 もしかすると、ききてとして、多少気持のわるいいい方になるが、そのレコードできける音楽に恋をしてしまっているのかもしれない。さしずめコイワズライ、熱病のような状態だ。若い恋人たちが、さしたる用事があるわけでもないのに、愛する人に会おうとするのに、似ている。きいていれば、それだけで仕合せになれる。
     *
黒田先生にとって1978年後半の、
そういうレコードがチャック・マンジョーネの「サンチェスの子供たち」だった。

私にとって2026年の、そういうマンガが「春くらり」になる。
のべつまくなしに読んでいる、といえるほど読んでいる。

その「春くらり」が、3月2日公開の23話で最終回となる。
登場人物が少しずつ増えてきていたから、まだまだ続くものと思っていたけれど、そんな予感もあった。

一巻と二巻は発売日に買っている。iPhoneで読めるのだから買うこともないと考える人もいるだろうが、
長く連載が続いてほしいと思っているので、買っている。

「春くらり」を読んでいる人がどのくらいいるのかはわからない。そう多くはないのだろう。今回の最終回の発表は、打切りに近いのかも……と思う。

読み始めた時から、意外と連載は短いかも、という予感があった。根拠があったわけではないが、長いこと読んでいれば、なんとなくそう感じることがあるし、予感が当ることもある。

当ってほしくないときに当る。

黒田先生にとって「サンチェスの子供たち」は、あの頃頻繁に聴くレコードではあっても愛聴盤ではなかったはずだ。

「春くらり」の早い連終了は残念だし悲しいけれど、「春くらり」は愛読書といえるだろか。

《若い恋人たちが、さしたる用事があるわけでもないのに、愛する人に会おうとするのに、似ている。きいていれば、それだけで仕合せになれる。》
と黒田先先生は書かれている。
「春くらり」は、そういう位置にいる。

私も「サンチェスの子供たち」は手に入れてからしばらくは頻繁に聴いていた。なのにパタッと聴かなくなった。
「春くらり」も、そうなるのかもしれない。たぶんなると思う。

でも二十年以上経って、「サンチェスの子供たち」をまた聴くようになった。以前のような聴き方(頻繁さ)ではないが、ふと聴きたくなる時がある。

「春くらり」もそうなるのかもしれない。十年後か二十年後くらいにふと思い出して、また読む。
その時、どうおもいながら読むのだろうか。

Date: 2月 15th, 2026
Cate: オーディオマニア

つきあいの長い音(その49)

JBLの4343は、1976年に登場している。
JBL創立80周年の今年は、4343誕生50周年でもある。

4343 50th Anniversaryが出てこないかな、と少しだけ思ってもいるけれど、出る可能性はゼロと言い切ってもいい。

JBLは音響レンズを完全にやめてしまった。
ホーンの理論からすれば、スラントプレートにしてもパンチングメタルにしても、ホーンの開口部に音響レンズを置くことは、間違っていることになる。

どんな材質、形状の音響レンズであっても、何らかの付帯音はついてまわる。それは聴感上のS/N比を悪くしてしまう。

JBLが音響レンズを使わなくなってかなり経つ。それはそれでいいんだけれど、やっぱり4343は、あの音響レンズ付きであってほしいし、
JBLとしては音響レンズ付きのモデルを出すつもりは、ない(はず)。

だから4343 50th Anniversaryが出てきたとしても、音響レンズなしのスタイルとなるはず。

音響レンズを嫌う人がいるのは知っているし、その人たちが言うことも理解できる。けれど4343は、くり返すが、あの音響レンズあってこそ、なのだ。

LE175DLH、375+537-500、いま見てもかっこいいと思うし、どちらも手元にあるから、毎日眺めている。

理屈、理論。それらが大事なのはわかった上で、こういうホーンもあってもいいではないか、と言いたくなる。

手元には2397+2441もある。
ホーンとしては2397の方が、まだ理にかなっているが、それでも最新のホーンの理論からすれば、2397もまた古いホーンとなる。

Date: 2月 14th, 2026
Cate: 再生音, 背景論

「背景」との曖昧な境界線(その1から八年後)

その1)は、2018年8月に書いている。

サントリーの燃焼系アミノ式というスポーツドリンクのCMについて触れている。
ここ数日X(twitter)で、このCMの動画が投稿されていて、いまの若い人たちは、生成AIで作った動画と思うのだろう──、そんなコメントと一緒にだった。

そうかもしれないと思いつつも、このCMがテレビで流れていた時も、CGだよ、と強く信じていた人が周りにいた。
若い人ではなかった。

今は生成AIだといい、昔はCGだと言っていた。
自分にできないことをやっている人の存在を信じられないから、そんなふうに思い込むのか。