Archive for 4月, 2015

Date: 4月 30th, 2015
Cate: デザイン

日米ヒーローの造形(その2)

三年半ほど前に(その1)を書いたときは、
タイトルの後に(その1)とはつけていなかった。
続きを書くつもりは全くなかったからだ。
それにタイトルもカテゴリーも少し違っている。

なのに、今日(その2)を書いている。
デザインとデコレーションの違いについて、ヒーローの造形が好適な例だと気づいたからだ。

私が小学生のころ、仮面ライダーとウルトラマンの人気はすごかった。
私も夢中になってみていた。

そのウルトラマンの造形だが、
初代のウルトラマン、次のウルトラセブンまでは、カッコイイと感じていた。
三作目「帰ってきたウルトラマン」の造形は、初代ウルトラマンとそれほど変っていない。

けれど四作目のウルトラマンA(エース)、その後のウルトラマンタロウになると、
子供ながら、カッコイイとは感じなくなっていた。
なにかゴテゴテした感じが好きになれなかった。

ウルトラマンというヒーローの造形だけではない。
地球を防衛する組織のメカニズムも、ゴテゴテと飾り立てたモノへと変っていった。

当時は小学生だということもあって、
もしかすると私が初代ウルトラマン、ウルトラセブンに夢中になっていた年齢と同じ子供がみれば、
ウルトラマンA、ウルトラマンタロウもカッコいいと感じるのかもしれない、そんなふうに思っていた。

それからずいぶん経ち、デザインとデコレーションの違いについて語るときに、
私と同世代で、ウルトラマン、ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマン、ウルトラマンA、ウルトラマンタロウ、
これらをこの順序で見てきた人ならば、わかってもらえるような気もする。

ウルトラマン、ウルトラセブンの造形はデザインであり、
ウルトラマンA以降はデコレーションの要素が極端に強くなっている。
それは登場するメカニズムもまったく同じことがいえる。

Date: 4月 30th, 2015
Cate: モニタースピーカー

モニタースピーカー論(その2)

数年前だった。ある中古オーディオ店にセレッションのDitton66が置いてあった。
懐しいスピーカーだなぁ、と近づいてみて気づいた。
銘板にDitton66の他に、”Studio Monitor”とあったことを、この時初めて知った。

Ditton66は1970年半ばのスピーカーシステムである。
ややトールボーイ型のエンクロージュアに、
30cm口径のウーファー、5cm口径のドーム型スコーカー、2.5cm口径のドーム型トゥイーター、
それに低域はパッシヴラジエーター(セレッションではABRと呼んでいた)の3ウェイ。

Ditton66の音は、暖かく、どこか保守的なイメージを残す響きをもつ。
ゆえに鮮明さ、鮮鋭さといった印象は、Ditton66にはない。
音のアラさがしをするような聴き方に向いていない。

イギリスならではのグッドリプロダクションな聴き方に、もっともフィットするスピーカーといえる。
そういう性質のスピーカーに、セレッションは銘板に”Studio Monitor”と入れている。
そのことが、だからすごく意外な感じだった。

当時のセレッションのスピーカーシステムには、DittonシリーズとULシリーズがあった。
瀬川先生もステレオサウンド 45号、Ditton33の試聴記に書かれているように、
ULシリーズは音をより正確に再生するシリーズであり、
Dittonシリーズはホームユースとして楽しめる音をねらっている、といえる。
ULシリーズはその後SLシリーズへなっている。

だからULシリーズを”Studio Monitor”と謳うのは、まだ理解できる。
けれどDitton66を”Studio Monitor”と謳っているのを見て、考えてしまう。

Date: 4月 30th, 2015
Cate: 輸入商社/代理店

輸入商社なのか輸入代理店なのか(その14)

1ドル360円だった時代、輸入品は、1ドル1000円で換算したのが、ほぼ日本での価格だった。
そんな話を聞いたことがある。
輸入品は、ずっと以前はそれだけ高価だった。
だからというわけでもないのだろうが、並行輸入をやる業者がある。

モノによっては日本での販売価格よりもかなり安く買えたりする。
高価なモノになればなるほどその差額は大きくなるのだから、
並行輸入品を買ってしまう人もいる。

けれど並行輸入品は、その製品を作っている会社の利益にはなっても、
そのブランドの正規輸入元の利益にはならない。
にもかかわらず並行輸入品のアンプが故障して、正規輸入元に修理を依頼する。

いまはどうなのか知らないが、昔は正規輸入元は並行輸入品であっても修理をことわることはできなかった。
ただし修理費用は正規輸入品よりもずっと高く請求してもいいことになっていた。

けれど並行輸入品を修理に出して、その修理費用が高すぎる。
そんなメールをもらったことがある。

こんなことをメールしてくる人がいるのは悲しくなる。
なぜ多くの人は並行輸入品でなく正規輸入品を購入するのか。

並行輸入品と正規輸入品の価格差を、安心のための出費として考えているからのはずだ。
故障したら自分で修理する、もしくは修理専門業者に依頼する、
さらには処分する。
そういう人は並行輸入品に手を出せばいい。

安心して使いたい。
気に入ったモノならば長く使いたい。
そういう人は正規輸入品を買う。

メーカーや輸入元が修理のために部品をストックしている。
これにも税金がかかる。資産ということになるからだ。
それでも良心的なところは部品をストックしている。

その部品が並行輸入品の修理のために使われる。
そうやって使われる部品の中には、すでに製造中止になっている部品もある。

にも関わらず、並行輸入品の修理の費用が高すぎる、と文句をいう人がいる。
私にメールをしてくるくらいだから、おそらく輸入元には文句を言っていることだろう。

こんな人はごくわずかだと思いたい。
けれど現実にいるのも事実である。

Date: 4月 29th, 2015
Cate: ケーブル

ケーブル考(銀線のこと・その3)

マークレビンソンML7に銀線が使われていることを知ったのは、
ステレオサウンド 76号の特集、コントロールアンプの総テストだった。

この特集では試聴だけでなく測定も行い、
さらに各社から回路図も提供してもらい、長島先生による技術解説もやっている。
このときにML7の回路図を見ることができ、”Silver Coax”の文字に目が留ったのだった。

そして思い出したのが、KEFのModel 105のことだった。
マーク・レヴィンソンは、Model 105に銀線を使うつもりだったのだろうと思っていた。

ステレオサウンド 50号に「マーク・レビンソンのニューライン完成間近」という2ページ見開きの記事がある。
1979年2月、マーク・レヴィンソンが来日して、都内のホテルでデモンストレーションを行っている。
そのときに開発中の製品として発表された中に、KEFのModel 105をベースとしたモデルがある。

このとき発表された製品には、パワーアンプのML3、コントロールアンプのML6の他に、
マークレビンソンとしてはローコストなコントロールアンプML4、
スチューダーのマスターレコーダーA80のトランスポートを使い、
エレクトロニクスをマークレビンソン製におきかえたML5があり、
さらにピラミッドのリボン型トゥイーターT1をベースに、
インピーダンスを4Ωに変更し、振動板にも若干の変更が加えられたモノ、
そしてKEFのスピーカーシステムModel 105をベースに、
ネットワーク、内部配線をモディファイしたというML10がある。

ML4、ML10、ピラミッドのT1は製品化されることはなかった。
ML10の型番は、ML4とは別のローコストなコントロールアンプに使われている。

この時発表されたモノで、私が興味をいちばんもったのはML10だった。
このML10のことを、ML7に銀線が使われているのを知って思い出したのだった。

Date: 4月 29th, 2015
Cate: ケーブル

ケーブル考(銀線のこと・その2)

銀線の良さを認める人がいる一方で、否定的な人がいる。
銀線といっても、さまざまなことを考えれば、あたりまえのことである。

銅線にしてもタフピッチ銅と無酸素銅があり、純度に関しても大きな違いがあり、
熱処理、線径の太さなど、すべてが音に関係しているのだから、
銅線の音に関しても、いわゆるピンキリの状態である。

銀線も、銅線ほどあれこれ選べるわけではないけれど、同じであるのだから。

五味先生が感心された岩竹氏によるマッキントッシュのMC275には、
どの程度の銀線が使われたのかはわからない。
それでも、五味先生が「冴え冴えと美しかった」と書かれているのだから、
銀線の可能性に大きく期待して当然だろう。

もちろん銀線だけで音が決定されるわけではない。
それにマークレビンソンにしても銀線をアンプ内配線に使ったのはML6だけだろう、という反論がある。
確かに銀線使用を大きく謳ったのはML6だけである。

ML7以降は、アンプ回路の設計者も変り、モジュール構成も大きく変更され、
銀線は使われていない、と私も思っていた。

けれどML7のブロックダイアグラムをみると、ML7にも銀線が使われいてることがわかる。
インプットセレクターからボリュウムへの配線に、”Silver Coax”と表記してある。
ブロックダイアグラムに、ふつうそういった仕様に関することは書きこまないにもかかわらず、
そう書きこんであるのだ。

Date: 4月 28th, 2015
Cate: 輸入商社/代理店

輸入商社なのか輸入代理店なのか(その13)

マッキントッシュという会社は、ユーザーがとにかく安心して使えることをもっとも大事にしている。
回路構成にしても、動作にしても、サービス体制にしても、
ユーザーが不安を感じることがないようにしている。
(このことはパネル・デザインに関してもいえる。)

マッキントッシュのアメリカでのサービス体制について以前書いているからくり返さないが、
これだけのことをやってくれるメーカーは他にないはずだ。
いまもマッキントッシュが同じサービスを続けているのかは不明だが、
少なくとも、ステレオサウンドから「世界のオーディオ」マッキントッシュ号が出たころはそうだった。

そのマッキントッシュの修理のレベルが、
日本ではマッキントッシュ・ジャパンの時代に大きく低下していった。
マッキントッシュの耳にも、日本でのアフターサービスの低下については入っていたのかもしれない。

そうだとしたら、マッキントッシュにしてみたら、こんなに歯がゆいことはなかったはずだ。
それまで日本のマッキントッシュ・ユーザーは安心して使ってこれた。
エレクトリが輸入元であったからだ。

それがマッキントッシュ・ジャパンになり、ユーザーの間に不安が生じはじめる。
マッキントッシュのこれまで積み上げてきたことからすれば、あってはならないことが、
アメリカに次いで大きな市場である日本で起っている。

マッキントッシュの輸入元がふたたびエレクトリに戻ってホッとしているのは、
ユーザーだけでなくマッキントッシュもあろう。

修理は難しい。
他人の作ったモノを直さなければならない。
回路図が読め、ハンダゴテが握れるから十全な修理ができるというものではない。
修理がそういうものであることはわかっていたことである。

マッキントッシュ・ジャパンは、修理をどう考えていたのだろうか。
そしてマッキントッシュ・ジャパンの親会社にあたるD&Mホールディングスは、
修理をはじめとするアフターサービスをどう考えているのか、とも思う。

マッキントッシュ・ジャパンがそうであったのだから、
もしかするとD&Mホールディングスの他のブランドも、そうなのかもしれないと疑ってしまう。
そんな人も出てくる。

以前であれば、そんな疑いはいつしか消えてしまっていたことだろう。
けれど今はインターネットで、いくつかのキーワードで検索すれば、
修理の実態がかいまみえてくる。そうなると疑いは確信へと移る。

その怖さをD&Mホールディングスはなんとも思わなかったのか。

Date: 4月 28th, 2015
Cate: ケーブル

ケーブル考(銀線のこと・その1)

銀が銅よりも導体抵抗が低いことは知っていたけれど、
銀のケーブルがあることを知ったのは、すてサウンドに載っていた新藤ラボラトリーの広告だった。
ウェスターン・エレクトリックに銀のケーブルがあった、とそこには書かれていた。

ちょうど同じころ、マークレビンソンが内部配線材に銀を採用したML6が登場した。
マークレビンソンも銀なのか、その偶然にも驚いていた。

しかもである。ステレオサウンド 52号掲載の五味先生のオーディオ巡礼にも銀線のことが出てくる。
       *
たとえばピックアップコードを通常の銅線から銀線に代えると、高域の伸びは輝きをまし、低域もずいぶんレンジの伸びたふくらみを聴かせてくれるのは、今では大方の人が実験しているだろうが、私の知るかぎり、最初にこれを試みたのは岩竹氏であった。
     *
その岩竹氏のMC275を借りて五味先生は鳴らされている。これも52号に書かれている。
     *
拙宅のマッキントッシュMC275の調子がおかしくなったとき、岩竹さんがアンプ内の配線すべて銀線に替えられたアンプを所持されると聞き、試みに拝借した。それをつなぎ替えて鳴らしていたら娘が自分の部屋からやってきて「どうしたの?……どうしてこんなに音がいいの?」オーディオに無関心な娘にもわかったのである。それほど、既製品のままの私のMC275より格段、高低域とも音が伸び、冴え冴えと美しかった。
     *
もうこれだけで充分である。
銀線の音など聴いてもいないのに、銅線よりも銀線となっていた。

Date: 4月 27th, 2015
Cate: 変化・進化・純化

変化・進化・純化(その3)

「変化・進化・純化」というタイトルをつけている。
はたして、何についての「変化・進化・純化」なのか。
自分でタイトルを考えておきながら、そんなことを考えている。

音の「変化・進化・純化」なのか、
オーディオの「変化・進化・純化」なのか、
それともオーディオ評論の「変化・進化・純化」なのだろうか。

どこかに人の、つまりは自分自身の「変化・進化・純化」なのかもしれないと思いつつも、
まだよくわからずに書いている。

Date: 4月 27th, 2015
Cate: 輸入商社/代理店

輸入商社なのか輸入代理店なのか(その12)

マッキントッシュは2003年、持ち株会社であるD&Mホールディングスに買収された。
しばらくは輸入元はエレクトリのままだったが、
2007年、D&Mホールディングスによって設立されたマッキントッシュ・ジャパンが輸入・販売を行うようになった。

20年以上、マッキントッシュといえばエレクトリという時代が続いた。
エレクトリ時代、マッキントッシュのサービスに対する不安のようなことは聞いたことがなかった。

それがマッキントッシュ・ジャパンになってからは、ちらほら聞くようになってきた。
とはいえ又聞きであったため、はっきりとしたことはわからなかった。
けれど私の友人のアンプが、出力管のカソードに入っているフューズが飛ぶようになり、
マッキントッシュ・ジャパンに修理に出した。

けっこうな金額を請求されたそうだ。
それでもきちんと修理がなされていればよかったのだが、
しばらく使っていると、また飛ぶようになった。

結局マッキントッシュ・ジャパンが修理という名目で行ったのは、
なぜ出力管のフューズが飛ぶのか、その問題点を探り出し、そこを直すというのではなく、
ただ単にフューズを交換したというレベルでしかなかったことがわかった。

マッキントッシュは2012年、別の持ち株会社によって買収された。
そのおかげでエレクトリへ戻った。
マッキントッシュ側の要望でエレクトリに戻った、ときいた。

Date: 4月 27th, 2015
Cate: 輸入商社/代理店

輸入商社なのか輸入代理店なのか(その11)

マークレビンソンの輸入元がRFエンタープライゼスからハーマンインターナショナルに移ったころの話だ。
輸入元が変れば、RFエンタープライゼスから購入したマークレビンソンのアンプも、
新しい輸入元のハーマンインターナショナルで修理することになる。

けれどRFエンタープライゼスから購入した人は、
ハーマンインターナショナルではなくRFエンタープライゼスでこれからもアフターサービスを受けてほしい、
そういう人が少なからずいた、ときいたことがある。

これは何も当時のハーマンインターナショナルのサービス部門の技術力に問題があったとか、
そういうことではなかった。
それ以上にRFエンタープライゼスは信頼されていたということである。

この項の(その5)(その6)(その7)で、RFエンタープライゼスのことを書いた。

そこでふれたRFエンタープライゼスの広告を読んでいたころ、
RFエンタープライゼスが取り扱っているオーディオ機器は、とても買えなかった。
買えなかったけれど、RFエンタープライゼスが取り扱っているオーディオ機器は、
いつか手にしたい、とそう思っていた。

実際にRFエンタープライゼスのサービスをうけたことのない私ですらそう思っていた。
実際にRFエンタープライゼスから購入してサービスをうけたことのある人なら、
よけいにそう思っていたのではないか。

RFエンタープライゼスがなくなって、ずいぶん経つ。
RFエンタープライゼスがあったころ、輸入元は輸入代理店ではなく、輸入商社と呼べたような気がするのは、
RFエンタープライゼスという手本があったから──、
輸入元(輸入代理店としか呼べないところが増えてきた)のウワサをきくたびに、そう思ってしまう。

Date: 4月 26th, 2015
Cate: 輸入商社/代理店

輸入商社なのか輸入代理店なのか(その10)

2010年8月13日に、twitterに下記のことを投稿した。
     *
オーディオ業界もマネーゲームに翻弄されている、ときく。それによって復活するブランドもあれば、没落していくブランドもある。なのに、オーディオ誌は、そのことに無関心を装っているのか、関係記事が出ることもない。オーディオは文化だ、というのであれば、きちんと取材し報道すべきだろう。
     *
この投稿に対して、あるオーディオ評論家から反論があった。
そのオーディオ評論家は、オーディオを文化だと捉えていない、ということだった。
そしてオーディオ雑誌の読者は、そんな記事に関心をもたない、有意義ではない、ともあった。

たしかに、そのオーディオ評論家は「オーディオは文化だ」とは発言されていないのだろう。
けれどステレオサウンドはどうだろうか。
少なくとも私が読者であったころ、私が編集者であったころ、
そのあともしばらくはオーディオを文化として捉えていた。

けれど、私に反論されてきたオーディオ評論家はそうではなく、ステレオサウンドに執筆されている。
オーディオは文化なのかどうか、
人によって考え方・捉え方は違うし、そう捉えていない・考えていない人が、
オーディオ評論を成立させることが可能なのか──、その点に私は興味があるし、
文化的要素・文化的側面を感じないもの・ことに対して評論は成り立つのだろうか、とも考える。

そういう「文化」に対して資本主義(いきすぎた商業主義)がどう関わってくるのか、
良い影響もあればそうでない影響もあり、これらを記事とするのは、有意義だと考える。

読者にとっても有意義であるし、
それはオーディオ業界からはあまり歓迎されない面ももつようになるだろうが、
よい記事であれば、オーディオ業界にとっても有意義な記事となるはずである。

五年前に書いたことを思い出していた。
五年前と現在、良くなっていると、そのオーディオ評論家は思っているのだろうか。

Date: 4月 26th, 2015
Cate: 正しいもの

「正しい音とはなにか?」(続・映画「セッション」を観て)

映画「セッション」の最後10分間の演奏。
この演奏は、作られたものなのか生れてきたものなのか。
作られたものならば、誰によって、何によって作られたのか、
生れてきたものであれば、誰によって、何によって生れてきたのか。

映画「セッション」を観て、オーディオマニアならば、
この点について考えてもらいたい、と思っている。

そして「好きな音」、「正しい音」はどうなのか。
「好きな音」は作られるものなのか、生れてくるものなのか、
「正しい音」は作られるものなのか、生れてくるものなのか。

それぞれは何によって、誰によって作られるのか、生れてくるのか。

Date: 4月 25th, 2015
Cate: 輸入商社/代理店

輸入商社なのか輸入代理店なのか(その9)

ステレオサウンドが、56号、57号で「輸入オーディオ製品サービス体制」という記事の冒頭にこう書いてある。
     *
小誌読者の間には、海外製オーディオ機器に対して強い関心と興味をもちながら、アフターサービスなどについてある種の不安感をもあわせもっている方が、予想外に多かった。
     *
56号、57号は1980年に出ている。
この時よりも、いまはどうなのだろうか。
いまのほうが不安感が強いのではないだろうか。

56号、57号の時代とは違い、
いまはインターネット経由でさまざまな情報を目にする。
今回の輸入元の修理のお粗末さの件、サービス部門の切り離し(外部委託)の件にしても、
以前だったらほとんど知られることはなかっただろう。

それがいまではあっという間に拡散してしまう。
私は今回、どちらともその会社の固有名詞を出していないが、
すでにどこの会社なのか知っている人は少なくないと思う。
もう少し経てば、もっと多くの人が知ることになるはずだ。

どちらの件も、安心感へとはつながっていかない。
不安感をあおっていく。

56号、57号の三年後に輸入オーディオショウが始まった。
そして輸入オーディオ協議会ができた。
いまは日本インターナショナルオーディオ協議会と名称を変えている。

日本インターナショナルオーディオ協議会は、輸入オーディオ製品サービス体制をどう考えているのだろうか。
35年前はステレオサウンドがアンケート調査を行った。
当時は輸入オーディオ協議会はなかった。
けれどいまはある。
ならば、ユーザーの輸入オーディオ機器への不安をすこしでも解消するために、
アンケート調査を、1980年の時よりもさらに細かなことに踏み込んで行うべきではないのか。
そして調査結果をウェブサイトで公開してほしい。

Date: 4月 24th, 2015
Cate: 正しいもの

「正しい音とはなにか?」(映画「セッション」を観て)

昨日、映画「セッション」(原題:WHIPLASH)を観てきた。

インターネットで検索すると、賛否両論あることがわかる。
否定的な意見を読んで、観る気が失せた、という人もいるだろう。
けれど、予告編をみて、少なくとも何かを感じた人ならば、ぜひ映画館に足を運んで観てほしい、と思う。

予告編で、観たいと思った人もいれば、逆の人もいるだろう。
どちらにしても、なにかを感じたから、観たい、観たくない、ということになるわけで、
ならば観てほしい。そういう映画だった。

観たいと思った人が、良かったと思うかどうかは保証できないし、
観たくないと思った人が、観て良かったと思うかもしれない。
人それぞれだから、
この映画に対して否定的なことをいっている人が正しいとか間違っているとか、
絶賛している人がどうであるとか、そんなことは気にすることはない。

予告編でなにかを感じたなら、少なくともこのブログを読んでいる人は、
オーディオ、音楽に関心のある人なのだから、大きなスクリーンで観てほしい。

観れば、観た人同士で語りたくなる映画である(少なくとも私にとっては)。
だから、ここでもあれこれ書きたい気持はあるが、
そのためにはどうしてもストーリーについて触れざるを得ない。
公開されて一週間の映画だし、観ていない人の方が多いのだから、あえて書かない。

同じようにジャズをテーマとした映画に、日本の「スウィングガールズ」がある。
楽しい映画だった。けれど細かなストーリーはもう忘れてしまっているし、
この映画について観たもの同士で何かを語りたいとは特に思わなかった。
私にとって、「楽しかった」で済んだ映画だった。

「セッション」は語りたくなる。
いまもステレオサウンドの編集者だったら、
この映画で記事が一本つくれる、と思った。
8ページくらいの記事を、「正しい音とはなにか?」というテーマとあわせて構成できる。

そんなことを考えさせてくれる映画でもあった。

Date: 4月 24th, 2015
Cate: 輸入商社/代理店

輸入商社なのか輸入代理店なのか(その8)

ステレオサウンド 56号と57号の二号にわたって、掲載された記事がある。
地味な企画といえる記事だが、いまのステレオサウンドには期待できない記事でもある。

記事のタイトルは「輸入オーディオ製品サービス体制」で、
輸入代理店24社にアンケートを出し回答を依頼したものである。

アンケート質問項目は次のとおり。
①販売網について……日本全国どこでも買えますか
②日本語の取扱説明書は付属していますか
③保証書の有無、保証期間について
④故障した場合、またはMCカートリッジ針交換の依頼先について……輸入元直接か販売店経由か
⑤修理依頼の方法は……持ち込むのか、取りにきてくれるのか、輸送か(運賃は)
⑥出張修理は行なっていますか(出張費用は)
⑦修理出来上りの際は……受け取りにいくのか、配達してくれるのか、輸送か(運賃は)
⑧修理期間およびその費用について
⑨各種パーツのストックについて
⑩輸入中止、あるいは製造中止になった製品の修理パーツは、中止されてからどのくらいの期間保有していますか
⑪輸入元が変更になった場合、サービスは新・旧どちらの代理店で行なうのですか
⑫電源電圧をはじめ、日本仕様に変更している箇所はありますか
⑬入荷製品のチェックをしていますか……それは抜き取り検査ですか全数チェックですか
⑭どのような項目についてチェックしているのですか
⑮チェックの際、測定を行ないますか……そのデータを製品に添付しますか
⑯チェック済か否かの見分け方について

今日もfacebookで、ある輸入代理店がサービス部門を外部に依託する、という投稿があった。
その3)でも、ある輸入代理店の修理のことがfacebookで話題になっていた、と書いた。

(その3)で書いたところも輸入代理店としては大手である。
今回のところも同じように大手である。

今回のことは、取扱い全ブランドの修理が外部に依託されるのかどうかははっきりしていない。
今後どうなるのかも、いまのところはっきりしていない。
それに外部依託によって、アフターサービスのクォリティが、どう変っていくのかも、まだわからない。
悪くなる可能性もあれば、良くなる可能性もないわけではない。

外部委託がすべて悪いとは考えていない。
製品によっては、自社のサービス部門よりも、より技術力のある(得意とする)ところにまわしたほうが、
結果は良いことにつながる。

私の体験でいえば、SUMOのThe Goldが故障した際、
輸入元だったエレクトリに修理を依頼した。
割とすぐに修理されて戻ってきた。
明細を見たら、そこにはエレクトリではなく、他の会社名があった。
テクニカルブレーンだった。

SUMOが輸入された期間は短い。
私が修理に出した時は、すでにエレクトリは取り扱いをやめていた。
それに当時、テクニカルブレーンは、GASやSUMOの修理、メンテナンスを得意としていたところである。
だから、テクニカルブレーンの修理で良かった、と思った。

こういうこともあるから、外部委託が悪いとは決めつけたくない。
けれどユーザーとしては、今回のことは、やはり不安に感じる。