輸入商社なのか輸入代理店なのか(その9)
ステレオサウンドが、56号、57号で「輸入オーディオ製品サービス体制」という記事の冒頭にこう書いてある。
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小誌読者の間には、海外製オーディオ機器に対して強い関心と興味をもちながら、アフターサービスなどについてある種の不安感をもあわせもっている方が、予想外に多かった。
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56号、57号は1980年に出ている。
この時よりも、いまはどうなのだろうか。
いまのほうが不安感が強いのではないだろうか。
56号、57号の時代とは違い、
いまはインターネット経由でさまざまな情報を目にする。
今回の輸入元の修理のお粗末さの件、サービス部門の切り離し(外部委託)の件にしても、
以前だったらほとんど知られることはなかっただろう。
それがいまではあっという間に拡散してしまう。
私は今回、どちらともその会社の固有名詞を出していないが、
すでにどこの会社なのか知っている人は少なくないと思う。
もう少し経てば、もっと多くの人が知ることになるはずだ。
どちらの件も、安心感へとはつながっていかない。
不安感をあおっていく。
56号、57号の三年後に輸入オーディオショウが始まった。
そして輸入オーディオ協議会ができた。
いまは日本インターナショナルオーディオ協議会と名称を変えている。
日本インターナショナルオーディオ協議会は、輸入オーディオ製品サービス体制をどう考えているのだろうか。
35年前はステレオサウンドがアンケート調査を行った。
当時は輸入オーディオ協議会はなかった。
けれどいまはある。
ならば、ユーザーの輸入オーディオ機器への不安をすこしでも解消するために、
アンケート調査を、1980年の時よりもさらに細かなことに踏み込んで行うべきではないのか。
そして調査結果をウェブサイトで公開してほしい。