オーディオにおける天動説(その3)
グッドマンのAXIOM80は、このユニットならではの独特の構造をもつ。
一般的なエッジとダンパーは、この9.5インチという、他にあまり例のない口径のフルレンジユニットにはない。
そのため軽量コーンでありながら、f0は20Hzと驚異的といっていいほど低い。
となれば、HIGH-TECHNIC SERIES 4にある佐伯多門氏の解説通りであれば、
AXIOM80の低域特性は20Hzあたりから12dB/oct.で減衰していくはずである。
だが実際のAXIOM80の特性は、というと、200Hzあたりから減衰していく。
それも-12dB/oct.ではなく、-6dB/oct.のカーヴを描いている。
HIGH-TECHNIC SERIES 4には、残念ながら、そのことについての記述がなかった。
ラウザーのPM6も200Hzあたりから減衰していく。
JBLのD130もそうだ。
D130のf0は40Hzと発表されている。
しかし200Hzから下の帯域が6db/oct.で減衰していく。
AXIOM80、PM6、D130に共通しているのは、軽量コーンと強力な磁気回路を組み合わせたユニットであること。
それゆえに能率が100dB/W/m前後となっている。
HIGH-TECHNIC SERIES 4を読んだ時は、ここまでしかわからなかった。
その後わかってきたことは、
AXIOM80、PM6,D130の200Hz以下の帯域は、速度比例による動作である、ということ。
そして6dB/oct.で減衰している、というよりも、6dB/oct.で音圧が上昇しているということである。