サイズ考(その25)
LS3/5AとAE2とでは、まさしく隔世の感だ。
おそらく早瀬さんのリスニングルームのエアーボリュームではSL700でも、
あそこまでの音量を、何の不安さを感じさせずに鳴らすことは無理だろう。
ましてLS3/5Aでは、低域を思いっきりカットしたとしても、到底無理である。
だからといって、LS3/5AがAE2に対して、すべての面で劣っているとは思っていない。
ちょうどいまごろの季節、夜おそく、ひとり静かにしんみりと、ひっそりと音楽を味わいたいとき、
ごく小音量で親密な音楽との接し方を望むとき、LS3/5Aは、やはり最適の存在である。
この良さが、SL6以降、薄れはじめ、AE2では、もう希薄というよりも、無いと言いたくなる。
たとえ深夜であろうと、まわりを気にせず、好きな音量で聴ける環境を持っていたとしても、
日本に住んでいると季節感と無関係ではいられない。
個人的な趣向かもしれないが、肌寒くなって来はじめたころになると、
LS3/5Aの鳴り方が恋しくなってくる。
こういう情緒的なところをもつスピーカーを、手元においておきたいものだ。