真空管アンプの存在(その12)
平面振動板実現へのアプローチ、素材の選択、システムとしてのまとめかたは違っていても、
ほぼ同時期、日本とアメリカで出てきたのは偶然とも言えるだろうし、
素材や加工・製造技術が進歩して、それまでは大量生産が無理だったものが可能になったためかもしれない。
とはいえ結果としてまとめ上げられたシステムは、アメリカと日本では、そうとうに異る。
メーカー間の差よりも大きいと感じている。
日本のメーカーは、平面振動板を実現するのに、高剛性の素材を積極的に採用している。
一方のアメリカのメーカーは、コンデンサー型にしてもフィルムというやわらかい素材のものが目立つ。
そして、システムとしての能率もアメリカのほうが低い。
アメリカのほうがリスニング環境はスペース的にめぐまれているにも関わらず。
やわらかい振動板と低い能率、このことと新しく登場したコントロールアンプの性能と音が、
関係していないと言えないだろう。