LOCKWOOD Major(余談)
ロックウッドの同軸型ユニットを製造しているVolt Speakersを代表するユニットといえば、
特徴的な外観を持つウーファーである。
PMCのスピーカーシステムに搭載されている、このウーファーは、フレームが前面にある。
この構造により、磁気回路、ボイスコイルの温度上昇を抑えている。
この構造を全面的に高く評価するかといえば、必ずしもそうではない。
デメリットもあると考えるが、それでもこのウーファーユニットを最初に見た時に、
最初に考えたのは、セレッションのSystem 6000だった。
System 6000が登場した時には、このスピーカーユニットは存在してなかった。
System 6000は、いま追試してみたいウーファーシステムといえるのは、
ジャーマン・フィジックスのTroubadour 40があるからだ。
System 6000に使えるスピーカーユニットは大振幅に耐えられるモノでなければならない。
となると大振幅時の磁気回路、ボイスコイルの温度上昇をどう抑えるのかが、とても重要となる。
ボイルコイル(金属線)の性質として、温度が上昇すると抵抗値が増していく。
そうなるとせっかくのパワーアンプからの出力が、この抵抗値の上昇によって熱に変換される割合が増していく。
つまりパワーを入れても、スピーカーユニットの反応が比例しなくなる。
System 6000は、SL700が登場してSystem 7000となることはなかった。
短命で市場から消えていったが、いまもう一度、このユニークなウーファーシステムを再設計するとなると、
セレッションはVolt Speakersのスピーカーユニットを採用する、と思う。