編集者の悪意とは(その32)
以前のオーディオ雑誌には、偏りがあった。
この偏りが、それぞれのオーディオ雑誌の個性(カラー)につながっていた。
これはいいことなのか、悪いことなのか。
一般的には、偏りがあるのだから悪いことになるだろうが、
オーディオ雑誌においても、そうだと言えるのか。
オーディオ機器の評価のためには、偏りなんてあってはならない──、
果たしてそうなのか。
それぞれのオーディオ雑誌の偏りをなくしていく方向になってしまったら、
そして偏りをほぼ完全に無くすことができたなら、
オーディオ雑誌は一つでいい、ということになる。
偏りをなくしていくのは、オーディオ雑誌の編集者としての善意と言えるのか、それとも悪意なのか。