編集者の悪意とは(その32)
以前のオーディオ雑誌には、偏りがあった。
この偏りが、それぞれのオーディオ雑誌の個性(カラー)につながっていた。
これはいいことなのか、悪いことなのか。
一般的には、偏りがあるのだから悪いことになるだろうが、
オーディオ雑誌においても、そうだと言えるのか。
オーディオ機器の評価のためには、偏りなんてあってはならない──、
果たしてそうなのか。
それぞれのオーディオ雑誌の偏りをなくしていく方向になってしまったら、
そして偏りをほぼ完全に無くすことができたなら、
オーディオ雑誌は一つでいい、ということになる。
偏りをなくしていくのは、オーディオ雑誌の編集者としての善意と言えるのか、それとも悪意なのか。
REPLY))
ご無沙汰しております。audio wednesdayではお世話になりました。
おとといから、AnkerのSoundcore Space One Proというワイヤレスヘッドホンを外出時に使っています。ヘッドホンを装着して、アプリ上で数種類のテストトーンを聴きながら、聴覚にあわせたイコライザーを自動で作ってくれる機能(HearID 2.0)があり、とても快適です。
一人ひとりの聴く音楽、音量、聴覚が違う。それに合わせたイコライザーを、テストトーンを頼りにアプリで作れる。そうしたヘッドホンで聴く音楽に慣れた人が、いまのオーディオ雑誌を読むと、あまりの異質さに、二度と読むことはない・・・そんな気がしてなりません。「ピュア・オーディオ」「アナログ」の金科玉条のもとで、そうした機能・技術を拒否する姿勢が、一部にあるのではないか、と感じます。
守安祥太郎のピアノ、黛敏郎の電子音楽、マリオ・デル・モナコの歌。喫茶茶会記でのaudio wednesdayに参加していた頃には手に入ると思っていなかった録音を、今の我が家で楽しんでいます。高価なケーブルやアクセサリーを使う前に、同じ部屋でも、セッティング次第で聴感上のS/N比が大きく変わってしまう。これが音楽の感動にまでかかわってくる。audio wednesdayで体感したことが、家の音にも生きています。ありがとうございました。