この空間から……(その7)
例えばピアノと比較すれば、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとギターも同じ弦楽器ということになる。
ヴァイオリンやチェロの音とギターの音は聴けば、すぐにわかる違いがあるにしても、
ボディの形は大きくみればヴァイオリンとギターはくびれているところも同じだし、
ネックがありヘッドがあり、弦が複数本張ってある、ということても、
ピアノとの比較においては同種の楽器といえよう。
それでもヴァイオリン、チェロなどは弦とボディのあいだに駒があり、
弦の張り方にギターとの違いがあるし、
共鳴のためにボディにあけられている孔の形状、大きさ、数が違う。
ギターは丸でひとつ、ヴァイオリン、チェロなどはいわゆるf字孔でふたつ。
ギターでは弦のすぐ下にある孔は、ヴァイオリン、チェロなどでは真下にはない。
大きな括りではギターもヴァイオリンも弦楽器であっても、
孔という「窓」のあり方は違っている。
左右ふたつのスピーカーの間に形成されるもの、
これを「窓」とすれば、ヴァイオリン、ギターで孔が違うのは同じように、
人によって違ってきて当然のことのはず。
これが、別項「オプティマムレンジ」に関係してくるような気がしている。