メーカーとしての旬(その9)
来年の秋で、「五味オーディオ教室」で出逢って50年になる。
この五十年間で、ずっと続いているメーカー、新しく誕生したメーカー、消えていったメーカーが、当然ある。
勢いのあったメーカーもあるし、旬といえる時期を迎えていたメーカーもある。
そんな移り変りを見てきて、いま、勢いのあるメーカーはどこだろうか、と思うと、
その答は人によって違ってくるのはわかった上で、KEFではないか、という気がしている。
KEFのショールームは以前有楽町にあった。
ビルの建替えのため、いま青山に移転している。
その青山にあるKEFギャラリーを見ると、売れているんだろな、と思う。
オーディオ雑誌ではKEFよりも高く評価されるスピーカーシステムはけっこうあるし、
低い評価を受けているとは言わないものの、ステレオサウンドでの扱いは、ちょっと素っ気ないな、と感じたりもする。
そんなオーディオ雑誌の扱いは、あまり影響していないのかもしれない。
もっと別のところでの評価があるのか。
不動産に詳しいわけではないが、青山のギャラリーの開設費用、月々の維持費は、
私が想像しているよりもかかっているのではないか。
あの場所で、あの規模を維持しているということは、KEFのスピーカーが売れているから。それ以外の理由はないはず。
1980年代、BOSEのスピーカーは本当に売れていた。同じような感じで、KEFもそうなのだろうか。