Archive for category オーディオマニア

Date: 9月 18th, 2018
Cate: オーディオマニア

オーディオマニアと取り扱い説明書(その6)

その2)で、MA7900のUSB端子によるデジタル入力を使うには、
入力セレクターをまわしていけばいいというものではないことを書いた。
バランス入力に関しても同じある。

入力セレクターどれだけまわしても、バランス入力になるわけではない。
ここでまた取り扱い説明書が必要になる。

しかもMA7900の取り扱い説明書は印刷物を綴じているわけではない。
一枚一枚バラバラの状態である。
こうなると、さらに面倒に感じてしまう。

それでもわかりやすい取り扱い説明書ならば、ここにこんなことを書きはしない。
いまではオーディオ機器がどんどん高価になっていっている。
そんな状況では、マッキントッシュのMA7900は、さほど高価とはいえなくなっているのかもしれない。
それでも現実には、数十万円の出費を要する。

そういうオーディオ機器の取り扱い説明書が、これなのか、と少々がっかりもする。
MA7900は、その機能の割にフロントパネルのツマミが少ないのは、
その3)でも書いているように、整理と省略を意図して、のはずだ。

私はMA7900に触れるのはaudio wednesdayで、月一回だけである。
そのくらいの頻度だから、バランス入力に切替えるにしても、
取り扱い説明書が必要になるし、その取り扱い説明書のどこに書いてあるのかをまず探す。
それから取り扱い説明書を見ながら、いじるわけだ。

一回やれば、難しいことではない、のはわかる。
ければ、月一回しか触らない私には、
次に同じようなことをやろうとしたときには、また忘れたりする可能性もある。

さすがに、今回のことで、入力セレクターに関しては、忘れないだろうが、
こんな感じで触っていると、ちょっといらいらする。
いらいらしながら、これはマッキントッシュの製品なのだろうか、と悪態をつきたくなる。

以前のマッキントッシュならば、こんなことを思いはしなかったはずだ。
そういえば、そのころのマッキントッシュの取り扱い説明書は、どんなふうだったのだろうか。
いまごろになって気になっている。

Date: 7月 29th, 2018
Cate: オーディオマニア

夏の終りに(情熱とは・その4)

今日(7月29日)で、2018年のツール・ド・フランスは終る。
昨日の個人タイムトライアルが終了した時点で、総合優勝は決っている。

夏はまだまだ続くが、ツール・ド・フランスは今日で終る。
20年前のツール・ド・フランスのことは、いまも思い出す。

マルコ・パンターニが総合優勝した。
1994年のツール・ド・フランスでのパンターニの走りを知ったときから、
パンターニを応援していたものの、
1987年も前年の優勝者ヤン・ウルリッヒが勝つものだと思っていた。

けれど20年前の7月27日。
悪天候の中のレースで波瀾があり、パンターニが総合首位に立った。

レースの途中で、テレビ画面の下に、誰がトップを走っていて、
後続とのタイム差はどのくらいなのか、そういった情報が表示される。

パンターニが山岳コースでアタックをかけてどのくらい経ったのか、
そこに暫定マイヨジョーヌとしてパンターニの名前が表示された。

心の中で歓声を挙げた。
そんなことを思い出しながら、
パンターニは、山岳のしんどさから少しでも早く抜け出したがっていたことを、
ずいぶん後のインタヴュー記事で知る。

自転車で走ることは楽しい。
速く走れることも楽しい。
けれど、しんどいことから逃れられるわけではない。
登坂ではしんどさは増す。

山岳を誰よりも速く走ることは快感でもあったはず。
パンターニがどう感じていたのかは、いまとなっては確認のしようもないが、
山岳のしんどさから速く抜け出したい──、
という気持と同じ気持をまったく持っていないと言い切れるオーディオマニアはいるのか。

抜け出したい──、
そうどこかで思っているオーディオマニアも、情熱的と周りから思われているのではないか。

Date: 7月 26th, 2018
Cate: オーディオマニア

All Day I Dream About Sound

昨晩、近所を歩いていてすれ違った人のTシャツに、
All
Day
I
Dream
About
Sport
とあった。

adidasのTシャツだった。
adidasの社名の由来は違うのだから、
後付けで、別の意味をもたせたのだろうが、
オーディオマニアも、adidasだな、と思っていた。

All Day I Dream About Soundだから。

Date: 7月 5th, 2018
Cate: オーディオマニア

オーディオマニアの覚悟(その9)

その6)で、
「カールじいさんの空飛ぶ家」(原題:Up)という2099年の映画のことを書いた。

同じく2009年の映画である「スタートレック」でのセリフについて、
別項『「基本」(スタートレック・スポックのセリフより)』で書いている。

いまになってリンクしていることに気づく。

Date: 7月 5th, 2018
Cate: オーディオマニア

オーディオマニアの覚悟(その8)

その1)を書いたのは2014年。
ぽつぽつと書いているテーマだ。

趣味なのだからなんと大袈裟な……、大仰な……、
そう思う人が少なくないであろうことはわかっている。

それでも書いていかなければ、と思っているテーマだ。

Date: 6月 28th, 2018
Cate: オーディオマニア

ただ、ぼんやりと……選ばなかった途をおもう(その2)

五年前に(その1)を書いた。
選ばなかった途について、少し書いた。

いまおもうのは選ばなかった途ではなく、結局は選べなかった途なのかもしれない、だ。

選択肢はある。
つねにいくつかある──、
誰だってそう思っていることだろう。
だから、あの時、違う途を選んでいれば……、と後悔までいかなくとも、
ついそんなことを思う瞬間が、どんな人にだってあるのかもしれない。

選べる途もある、とは思う。
それでも選べない途もあるはず、とおもう。

Date: 4月 19th, 2018
Cate: オーディオマニア

ドン・ジョヴァンニとマントヴァ侯爵(その2)

ドン・ジョヴァンニとマントヴァ侯爵。

真にドン・ジョヴァンニといえる人を、私は知らない。
マントヴァ侯爵といえる人ならば、よく知っている。

その人は、女性との出逢いは受動的ではなく、つねに能動的でありたい、といっていた。
自分の好みにぴったりとあう人を見つけるために、その人はさまざまな努力をしていた。
その人は、自慢気にその努力について、その成果について話してくれた。

つい「成果」と書いてしまったが、
その人の口調は「成果」と思わせるものだったからでもある。

その人の好みは、こまかい。
うるさ型である。

好みがはっきりしすぎているし、
ダメなタイプも、またそうである。

その人はけっこうモテていた。
けれど、その人はけっしてドン・ジョヴァンニではなかった。

だから地獄に堕ちることはなかった。
何度目かの奥さんとシアワセに暮らしているようである。

黒田先生はステレオサウンド 47号掲載の「さらに聴きとるものとの対話を」、
ここでは「腹ぺこ」というタイトルがついている文章で、
マントヴァ侯爵の方法は、
《条件さえととのえば、そんなにむずかしいことではない》とされている。

その人をみていると、たしかにそうだな、と思う。

ドン・ジョヴァンニの方法は、
《この場合、生き方というべきだろう》とささたうえで、容易ではない、と。

ドン・ジョヴァンニは空腹でありえたのだろう、
マントヴァ侯爵は、空腹だったことはないのだろう、
その人もそうなのかもしれない。

Date: 4月 9th, 2018
Cate: オーディオマニア

オーディオマニアと取り扱い説明書(その5)

MA7900には、プリ・パワー分離端子がついている。
1970年代の国産プリメインアンプによくついていた機能である。

プリメインアンプに、コントロールアンプとしての出力と、
パワーアンプとしての入力がついていて、
MA7900の場合、ふたつの端子をジャンパー線で結んでいる。

このジャンパー線を外せば、コントロールアンプとしても、
パワーアンプとしても使えるわけで、
入力セレクターがきかない状態でも、パワーアンプとしては問題ないようだから、
なんとか音を出せるんじゃないか、と考え、
CDプレーヤーの出力を、ポテンショメーターを介して、MA7900のパワーアンプ入力に接いだ。

SOURCE:OFFの状態では、パワーアンプの出力にプロテクションが働いているようで、
音は鳴らない。

それであきらめて、「電源に関する疑問(バッテリーについて・その3)」に書いているように、
CONSONO(コンソーノ)という、桐製Bluetoothスピーカーを聴くことになった次第だ。

いつもは23時30分ごろまでやっているaudio wednesdayだが、
4月4日は一時間ほど早くお開きになった。

帰宅して入浴して、そろそろ寝ようかとしていたところに、
喫茶茶会記の福地さんから連絡があった。

FACTORY RESET、工場出荷時の状態に戻せた、とあった。
福地さんは、入力セレクターのツマミを外したそうだ。
そうすれば入力セレクターのシャフトが露出する。
その状態だと押せたそうである。

ということは入力セレクターが押せなかった、ということは、
ツマミがなんらかの理由で通常よりも押し込まれていて、
押し込むだけの余裕がなかったことになるのだろうか。

ツマミは装着されている。
けれどやや浮し気味での装着らしい。

Date: 4月 9th, 2018
Cate: オーディオマニア

オーディオマニアと取り扱い説明書(その4)

MA7900はトーンコントロールの下にディスプレイがある。
ここに選択したプログラムソースとボリュウムの大きさが表示される。

MA7900は電源コードが接っていると、スタンバイ状態になっている。
4月4日のaudio wednesdayで、スピーカーのセッティングが終り、結線もやった。
そこで電源を入れたら、ディスプレイに、SOURCE:OFFと出た。

通常ならば前回鳴らした際に選択したソース(CDなりPHONOなりが表示される)と、
ボリュウムの大きさが表示される。

あれっ? と思いながら入力セレクターをまわしてみる。
けれど表示は変らない。

レベルコントロールをまわすと、ボリュウムの値は変化する。
けれど入力セレクターはどんなにまわしてもSOURCE:OFFのまま。
当然は音は出ない。

しかもスタンバイ状態を示す赤色のLEDが点灯したままである。
なんらかのトラブルが起きている。

けれど、どんなトラブルが発生しているのかが、掴みにくい。
いろいろやっても改善しない。

取り扱い説明書を出してもらった。
英文のオリジナルの取り扱い説明書と、
それを日本に訳した取り扱い説明書とがあった。

そのどちらにもSOURCE:OFFについての記述がない。
しかたないのでリセットしようということになった。

取り扱い説明書にしたがって、何度もやってみても効果なし。
次に工場出荷時の状態に戻そう、ということになった。

入力セレクターとレベルコントロールのツマミを同時に長押しすることで、
工場出荷時に戻せるわけなのだが、これもできない。

レベルコントロールは押した、という感触があるなのに、
入力セレクターは押せない状態になっている。

最初にMA7900を鳴らしたときには、確かに入力セレクターも押せた。
それはCD2入力をUSB端子に設定したときに、必要な操作だったからだ。
なのに今回は、セレクターの不具合なのか、押せない。

押せない以上、工場出荷時の状態に戻せない。

Date: 4月 8th, 2018
Cate: オーディオマニア

オーディオマニアと取り扱い説明書(その3)

マッキントッシュの歴代のアンプでもっともツマミ、スイッチが多かったのは、
コントロールアンプのC32である。

C32が登場したころは、まだCDもなかったし、
AV(オーディオ・ヴィジュアル)とも騒がれていなかった。

いまではアナログ入力だけでなくデジタル入力も求められるし、
ホームシアター用にも使えることを意図したアンプでは、
マルチチャンネル再生への対応求められる。

そうなってくると、フロントパネルのツマミとスイッチには、
整理と省略が必要となってくる。
求められる機能の数だけのツマミとスイッチを増やしていけば、収拾がつかなくなってくる。

MA7900も整理と省略されたフロントパネルをもつ。
それが成功している例とはいわないが、
MA7900はそういう試みのプリメインアンプであるし、
そのために内部にプロセッサーをもち、信号を処理しているし、
それゆえに取り扱い説明書を読まなければ──、という面ももつ。

LPを再生し、CDに関してもアナログ入力とデジタル入力の両方で使う──、
そういったオーディオだけの使い方においては、
最初に取り扱い説明書を読んで、必要な設定を終えていれば、
使うたびに取り扱い説明書が必要となるわけではない。

けれどなんらかのトラブルが生じると、
取り扱い説明書をひっぱり出してこなければならないし、
それまでに培ってきたトラブル時のノウハウも、ここではあまり役に立たなかったりする。

Date: 4月 5th, 2018
Cate: オーディオマニア

オーディオマニアと取り扱い説明書(その2)

マッキントッシュのプリメインアンプMA7900のフロントパネルには、
それほど多くのツマミがあるわけではない。

入力セレクターとレベルコントロールがあって、
そのあいだに5バンドのトーンコントロールのツマミが並ぶ。
あとはいくつかのプッシュスイッチぐらいである。

トーンコントロールが充実しているくらいで、
それ以外はさほど機能重視とはいえないパネルレイアウトにみえるが、
それまでのマッキントッシュのプリメインアンプが備えていた機能は省略されていないし、
別売の機種との併用することで、かなり多機能なプリメインアンプともいえる。

そのために入力セレクターとレベルコントロールのツマミは回転だけでなく、
押すことができるようになっている。

ふつうに使えば入力セレクターであり、レベルコントロールなのだが、
そこになんらかのアクションを加えることで、さまざまなコントロールが可能になる。

その1)でモードセレクターがなくなったようにみえる、と書いたが、
省略されることなく装備されている。

USB端子によるデジタル入力も、そうである。
入力セレクターをまわしているだけでは使えない。
入力セレクターのツマミを押すことで、これらの設定が表示されるようになる。

つまり取り扱い説明書がなければ、MA7900の機能を知ること(使うこと)はできない。

機能の数だけツマミやスイッチがパネルにあれば、
取り扱い説明書を見なくとも(なくても)触っていけば使える。
けれどその分フロントパネルにはツマミ、スイッチが多くなり、
それらをどう整理してレイアウトするのか──、メーカーにとってはかなりの手間のはずだ。

それをMA7900のように処理してしまえば、フロントパネルはすっきりする。
マッキントッシュのようにガラスパネルを採用するメーカーにとっては、
ツマミやスイッチの数が減ることは、
フロントパネル(ガラス)の加工の手間が減るというである。

Date: 3月 17th, 2018
Cate: オーディオマニア

オーディオマニアとして(続・圧倒的であれ)

三年前に「オーディオマニアとして(圧倒的であれ)」を書いた。
昨年暮にも「二度目の「20年」(オーディオ少年よ、圧倒的であれ)」を書いた。

圧倒的であれ、といまも強くおもう。
同時に圧倒的な何か、についてもおもう。

50をこえたから、よけいにそうおもうのかもしれない──、
圧倒的な破壊衝動が、オーディオ少年だったころにはあった(もっていた)ような気がする。

「THE DIALOGUE」が呼び起こしてくれた感覚だ。

Date: 1月 25th, 2018
Cate: オーディオマニア

オーディオは男の趣味であるからこそ(その14)

エンクロージュアが鏡面仕上げになっているスピーカーシステムが、
正直苦手である。

鏡面仕上げが゛そのスピーカーシステムから出てくる音に寄与していることはわかっていても、
それでも苦手と感じてしまうのは、
そのスピーカーシステムを自分のモノとしたときのことを考えるからだ。

ひとりきりで音楽を聴ける空間(聖域)に、そのスピーカーを置く。
音は素晴らしい。
けれど、目をあけた瞬間に、エンクロージュアに惚けて聴いている自分の顔が映る。
こんな顔をして聴いていたのか、と思ってしまうからだ。

ひとりきりで音楽を聴くのは、
瀬川先生と同じで「音楽に感動して涙をながしているところを家族にみられてたまるか」である。

瀬川先生がどうだったのかはわからないが、
私はその姿を自分でもみたくないからである。

余韻に浸るためにも、みたくない。

もっとも人それぞれだから、音楽を聴いているときですら、ポーズをつけている人を知っている。
こういう人は、ひとりきりで聴くときもそうなのだろうか。
そうだとしたら、こういう人は鏡面仕上げのスピーカーに映る自分の顔にうっとりできる人なのだろう。

Date: 1月 14th, 2018
Cate: オーディオマニア

オーディオは男の趣味であるからこそ(その13)

「菅野録音の神髄」での江崎友淑氏の話のなかに、瀬川先生、という言葉が出てきた。
江崎氏が若かったころの話をされた。

どこかのショールームで瀬川先生が話されたことだった。
「どんなに狭くてもひとりで音楽を聴ける空間をもちなさい」、
そういう趣旨のことだった。

どんなに広くてもリビングルームで聴いてはだめだ、と。
来場者から「なぜですか」と問われ、
「音楽に感動して涙をながしているところを家族にみられてたまるか」と。

瀬川先生もそうだったのか。
そういう音楽の聴き方(接し方)をされてきていたんだ、ときいていてうれしかった。

赤の他人ではなく、家族だろ、涙をみせてもいいじゃないか。
それはそれでいいし、そういう聴き方(接し方)もあろう。

けれど男がひとりで音楽に涙する空間こそが聖域であって、
それは城とは違う。