ヴィンテージとなっていくモノ(人もなのか)
「ヴィンテージ・ピアニストの魅力」という本が、
9月26日に発売になる、とのこと。
一ヵ月以上先の発売なのだから、読んでいるわけではない。
本の内容についてあれこれ書くわけではない。
タイトルへの違和感をおぼえたからである。
この本で取り上げられている「ヴィンテージ・ピアニスト」は、現役のピアニストである。
誰について書いていて、誰について書いていないかではなく、
現役、つまり生きている人に「ヴィンテージ」とつけていることに、
私は違和感しかない。
ヴィンテージという言葉を、そもそも人につけるのだろうか。
少なくとも私は、今日初めて目にした。
それでもすでに物故した演奏家、
しかも数十年前にこの世を去った演奏家にもかかわらず、
いまなお多くの聴き手に聴かれていて、
しかも新しい聴き手を呼び起こしている人たちに、ヴィンテージとつけるのであれば、
まだなんとなくではあっても納得できなくもないが、
生きている(現役の)人につけることに、編集部は何も思わなかったのか。
それとも、これがいまの感覚なのか。
違和感を持つ私の感覚が古い、といわれればそれまでだけど、
それでも、人にヴィンテージとつけるのは、おかしい。