昨年7月に休刊となったレコード芸術。
先月、レコード芸術2023年総集編というムックが出た。
おっ、と思い手にとったけさど、買わなかった。
このムック、どれだけ売れたのだろうか。
意外に売れたのかもしれないと思ったのは、
レコード芸術ONLINEのクラウドファンディングが発表になったからだ。
受付開始は4月10日からで、目標金額は15,000,000円である。
けっこうな金額である。
これだけの金額、集まるのだろうか。
レコード芸術の休刊が発表になって、継続の署名が始まった。
「老いとオーディオ(とステレオサウンド・その18)」で、
署名を集めるよりも、レコード芸術の名称を音楽之友社と交渉して買い取り、
オンラインのレコード芸術をスタートするためのクラウドファンディングを募らないのか、
と書いた。
そのとおりになったわけだが、微妙だな……、と感じるところもある。
レコード芸術ONLINEに期待したい、望むのは過去の記事のアーカイヴ化である。
もちろん新しい記事も読みたい気持はある。
けれど、それ以上に七十年ほどの歴史をもつレコード芸術の記事を、
インターネットで公開してほしい。
今回のクラウドファンディングの発表とともに、主な特徴が掲載されている。
そこに、アーカイヴ連載とある。
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創刊から70余年の月刊誌『レコード芸術』が蓄積した潤沢なアーカイヴから、いま読んでも新鮮な記事を発掘、再掲載していきます。
読者アンケートなどでリクエストも募る予定です。
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ものたりなさを感じてしまう。
すべてをアーカイヴ化しようとは、なぜ考えないのだろうか。
七十年ほどということは、これまでに840号ほどあるわけだ。
これをすべてオンラインで読めるようにしてほしい。
十年ほどで、すべてを公開するようなペースで。
一週間に二冊ほど公開していくのは、さほど無理なことではない。
そのくらいの意気込みを示してくれれば、よし、私も、という気になる。
けれど、そんな意気込みは、いまのところ感じとれない。
それに個人的には記事だけではなく、当時の広告も見たい。
今回のクラウドファンディングが成立するのかどうか。