Archive for category 「本」

Date: 5月 20th, 2026
Cate: 「本」

長崎書店

1981年春、東京に来てまず行きたかったところの一つは三省堂書店だった。

あの規模は東京だなぁ、と感じたものだった。
三省堂書店の他にも大型の書店がいくつかあった。書店の規模とその数の多さが、あの頃の私にとっては、東京という街のスケールを身近に感じさせてくれていた。

私が住んでいた田舎町には、個人経営の書店がけっこうあった。いまの感覚からすると、そんなにあって経営が成り立つの? となるだろうが、当時はそうではなかった。

これらの書店のおかげで、私は「五味オーディオ教室」と出逢えたわけだが、オーディオへの関心が強くなっていくと、
バスに一時間ほど乗って、熊本市内の書店をまわる。

上通りに長崎書店がある。私の記憶の中では熊本市内でもっとも大きな書店である。

この書店でオーディオの本、音楽の本を探していた。
明日(5月21日)、一年ぶり帰省する。父の一周忌だ。

Google Mapsを眺めていたら、いまも長崎書店はある。当時のままのようだ。
一年前は、あまり時間がなくて熊本市内をぶらぶらすることができなかったが、今回は少し余裕がある。

長崎書店に行く。

Date: 5月 19th, 2026
Cate: 「本」

オーディオの「本」(ラジオ技術のこと・その6)

昨年7月に(その5)を書いた時点で、次号の発売はほとんど期待できないと思っていた。なのでラジオ技術のウェブサイトにアクセスすることもしなくなっていた。

先ほどふと、ラジオ技術、どうなったんだろうか、とアクセスしてみたら、今年1月に990号が出ていることを知った。

まだ続いていく。前号が半年前だから、年に二冊は出してくるのか──は、なんともいえないが、少なくともまだ継続している。

ラジオ技術のウェブサイトには、万世書房で購入できるとあるが、万世書房は昨年で閉店している。
ラジオ技術の人たちが、そのことを知らないわけがないはずなのに……と不安になるところもある。

ラジオ技術は目次を公開しているから、それで購入するかどうかは判断できる。

Date: 8月 26th, 2025
Cate: 「本」

オーディオの「本」(万世書房の閉店)

秋葉原のラジオセンターにある万世書房が、12月後半に閉店する。
閉店の話は、数ヵ月前に耳にしていたが、正式に発表されたことではないので書かずにいたが、
今日、万世書房のX(旧twitter)で公式発表されている。

電気・電子関係の専門書店は、昔はもう一軒あった。
万世書房だけになって、ずいぶん経つ。
書店売りをやめたラジオ技術も、ここに行けば買えた。

そういえば石丸電気のレコードだけを扱っていた店舗も、
オーディオと音楽関係だけの本のコーナーがあった。

万世書房は、昭和26年(1951年)の開店とある。

秋葉原という街が、この頃からはずいぶんと変っている。
私が東京で暮らすようになってからでも、大きく変化しているのだから、
万世書房の閉店は、初心者が相談できる書店の閉鎖でもある。
ラジオデパートにあった、もう一軒の書店もそうだが、
電子部品も扱っている、小さな店では、そういう光景を何度も目にしている。

Date: 7月 18th, 2025
Cate: 「本」, 老い

オーディオの「本」(ラジオ技術のこと・その5)

ラジオ技術が、これからも年一冊のペースであっても発売されるのかは、わからない。
通巻989号の目次を見ていると、去年発行されるはずだった内容だとわかる。

一年遅れて発売になったわけで、
今年の春まで更新されていた組版担当の方のX(旧twitter)を読んでいた者からすると、
990号に関しては、あまり期待できない(それでも少しは期待している)。

ラジオ技術は、新しい号を出していくのもいいけれど、
過去の記事を全て電子書籍化してほしい。

オーディオ、音楽とは関係ないジャンルだが、月刊住職という月刊誌がある。
1974年に創刊されている。

この月刊住職は、五枚組のDVD-ROMがある。
創刊号から2019年の12月号までの全ページをPDFにしたものを収録している。

同じことをラジオ技術もできるはずだし、ぜひやってほしい。

Date: 7月 16th, 2025
Cate: 「本」, 老い

オーディオの「本」(ラジオ技術のこと・その4)

ラジオ技術の最新号が発売になっている。
通巻989号であり、一年以上経っての発売。

秋葉原の万世書房で購入できるが、ラジオ技術のウェブサイトには、まだ告知されていない。

来年、990号が出るのか。
毎年一冊ずつ出て、2036年に通巻に1000号となるのか。

Date: 5月 30th, 2025
Cate: 「本」

オーディオの「本」(近所の書店にて・その14)

以前書いているように、私が育った熊本の田舎町でも、書店の数は多かった、と言っていいだろう。
徒歩十分ぐらい以内に五店舗あった。さらに五、六分歩けば二店舗あったし、貸本屋もあった。

そんな田舎も、書店の数は減っている。東京でも減っているのだから、仕方ないのだろうが、
それでも実家から一番近い書店は、まだ現在だった。

もともとは文具店だった。なのでいまでも、店名に文具店とつく。

今回帰省して、ここの書店は他と違っていたことに、いまさらなのだが気づいた。

この店には書棚があまりない。壁面にあるくらいで、雑誌は全て大きな平台に置かれている。
測ったわけではないので正確とは言えないが、幅は2mくらい、奥行きは4mほどは、最低でもある。
この平台の上に雑誌が置かれる。

店舗も個人商店だから、大きいわけではなく、この平台がかなりの面積を占めていた。

子供のころは、一番近いと行くことで、頻繁に買いに行っていた。父や母に頼まれた本を買いに行ったりしていたので、
こういう置き方が当たり前のこととして受け止めていた。

この書店では、だから平積み、面陳列、棚差しといった扱いの違いはない。
ここで扱っている全ての雑誌が平積みである。

でも、ここにはオーディオの雑誌はなかった。
この店がオーディオ雑誌を扱っていたら、オーディオへの関心をもっと早くに持つことになったかも──、
そんなことを今回の帰省で思っていた。

Date: 11月 3rd, 2024
Cate: 「本」, 老い

オーディオの「本」(ラジオ技術のこと・その3)

ラジオ技術が、いよいよ終りを迎えそうである。
私の中では、終りを迎えている──、
そんな受け止め方をすでにしているが、
どうみても、復活することはないように感じている。

それもきちんとした終りではなく、振り返って、
あれが終りだったのか……、そんな感じにもなりそうである。

個人的には復活してほしい、と思っている。

まだ休刊しているわけではないから、
復活というのはおかしいだろうと指摘があるだろうが、
やはり「復活」である。

Date: 9月 20th, 2024
Cate: 「本」, 老い

オーディオの「本」(ラジオ技術のこと・その2)

ラジオ技術が出ない。
月刊誌から隔月刊誌になったものの、まともに出版されなくなった。
いまの感じだと年刊誌である。

ラジオ技術は、個人的に楽しい雑誌だけれど、
そろそろ終りが近づいているのか。

ラジオ技術のライバル誌は、無線と実験なのだが、
こちらは月刊誌から季刊誌になっている。
年12冊から4冊になったのだから、
一冊の読み応えは増すものだ、と期待していたけれど、
残念なことにそうではない。

月刊誌の内容のまま、季刊誌にになってしまったとしか思えなくて、
このまま続けていくのか──、それとも──、
そんなことを思わなくもない。

こんなことを書いているけれど、
ラジオ技術も無線と実験も休刊(廃刊)になってしまったら──、
その時のことを想像してみてほしい。

そうなった時、残ったオーディオ雑誌が、
ラジオ技術、無線と実験が担ってきた役割を引き継ぐのか。

Date: 7月 4th, 2024
Cate: 「本」

オーディオの「本」(古賀書店の閉店・その4)

一年ほど前から狛江に行く機会が増えた。
毎月第一水曜日は、audio wednesdayで行くし、
それ以外でもたまに行くとこがある。

狛江には、これまで行くことはなかった。
狛江駅も一年ほど前が、初めての利用だった。

改札を出ると高架下に啓文堂という書店があった。
狛江駅付近で、ただ一軒の書店であったけれど、再開発とかで、
さほど経たずに閉店になっていた。

その啓文堂が、先月末に開店している。
場所は以前のところより、少し離れているが、
代わりに広くなっている。

それだけでなく、以前の店舗では、オーディオ雑誌は、なぜか鉄道コーナーにあった。
取り扱っている雑誌も、わずかだった。

それが新店舗では、鉄道コーナーではなく、音楽コーナーになっているし、
雑誌の数も増えている。

それだけのこと、といってしまえることだろうが、
それでもオーディオ雑誌の扱いが減ったりなくなったりしているのが、
当たり前のことになっているだけに、
今回の啓文堂の再オープンは、利用することはないけれど、
嬉しいことのひとつだ。

Date: 2月 9th, 2023
Cate: 「本」

オーディオの「本」(古賀書店の閉店・その3)

その2)で、書店のない市町村が全国で、26.2%というニュースのことを書いた。

いま日本では一日に一店舗ほどの書店が閉店していっている、という。
一年で三百店以上書店が閉店していくのか……、と思っていたのではなく、
そうか、それだけ書店があったんだな、ということを思っていた。

書店こそ身近にあってほしい。
どんな小さな町であっても、書店がある、というのが、昔の、というか、
昭和の風景だった、と感じている。

閉店していく書店もあるが、新しく開店していく書店もある。
いま住んでいるところでも、3月に書店ができる。

でも、その書店でオーディオの雑誌や書籍が並べられるだろうか。

Date: 12月 8th, 2022
Cate: 「本」

オーディオの「本」(古賀書店の閉店・その2)

書店のない市町村が全国で、26.2%とあるニュースを今日みかけた。
出版文化産業振興財団の調べで、
全国1,741市区町村のうち456市町村に書店がない、とのこと。

その456市町村の人口がどのくらいなのかは、記事にはなかった。
とはいえ、身近に書店がない市町村が、これだけある。

以前、書いているように、書店が身近にあったから、オーディオという世界があることを知った。
その世界が、ステレオサウンドだけではなく、さまざまなオーディオ雑誌があったように、
オーディオの世界もさまざまだった。

書店が身近になくても、コンビニエンスストアがある。
そこで本を取寄せてもらえるし、インターネット通販もある──、
けれど、それは知っている本を買うこと、定期購読している本を買うには困らないが、
見知らぬ世界を教えてくれる本との出合いは、やはり書店である。

Date: 12月 7th, 2022
Cate: 「本」

オーディオの「本」(古賀書店の閉店・その1)

神保町にある古賀書店が、今月24日で閉店するとのこと。
音楽関係の書籍の古書店の、古賀書店が閉店になる。

私も昔は利用していた。
でもインターネットが普及して、古書も簡単にすぐさま検索できるようになってから、
神保町に行ったおりに、気が向いたらのぞいてみるくらいになっていた。

コロナ禍になってからは一度も行っていないし、
最後に行ったのはいつだったのかも思い出せない。

古賀書店がなくなってもとくに困らない──、
そうともいえるのだが、実店舗に行くと、こういう本があったのか、と知ることもあったりする。

インターネットの検索は、知っている本の検索には役立つけれど、
こういった偶然の出合いに関しては、まだまだだ。

いま古賀書店では閉店セールをやっている、そうだ。
定休日は、日、月、木、祝日で、営業時間は11時から17時30分まで。

いまはどうなのかは知らないけれど、オーディオ関係の雑誌のバックナンバーも、
以前はけっこう揃っていた。

Date: 6月 9th, 2022
Cate: 「本」, 老い

オーディオの「本」(ラジオ技術のこと・コメントを読んで)

facebookにコメントがあった。
私よりも一世代若いMさんからである。

YouTube、ソーシャルメディア、ブログでは、オーディオの話をしている人がいる。
昔と違い、紙の本に頼ることなく情報発信ができる時代になっているのに、
なぜ紙の雑誌、書籍が必要なのか──、ということだった。

一ついえることは、マスで捉える能力について、である。
ステレオサウンドは昔、総テストを売りにしていた。
この総テストについては、別項でも書いている。

スピーカーシステムならスピーカーシステム、
アンプならばアンプを、一度に数十機種集めて数日で集中して試聴する。

この総テストを体験しているかいないか。
この違いが、オーディオ雑誌の存在理由である、と私は考えている。

このマスで捉える視点をもっているのかもっていないのか。
ただし、総テストを体験してきているかといって、
マスで捉える視点をもっているのかは、また別の話であるが、
私がオーディオ評論家(職能家)と認めている人たちは、
総テストをくり返し体験してきた上でのマスで捉える能力・視点をもっていた。

Date: 6月 8th, 2022
Cate: 「本」, 老い

オーディオの「本」(ラジオ技術のこと・その1)

別項で触れているように、
HiViが月刊誌から季刊誌へとなる。

広告が減ってきて、発行部数も減れば、そうならざるをえない。

別項「2022年ショウ雑感(その2)」について書いた。
ラジオ技術は、2020年にも、7月号が6月号との合併号として発売になったことがある。
新型コロナの影響のせいである。
2022年も、2月発売の3月号が休刊になり、3月発売の4月号との合併号になった。

6月になり、ラジオ技術のツイートは、
月刊誌から隔月刊への変更の知らせだった。

ラジオ技術のウェブサイトでも告知されているが、ツイートのほうが事情を説明してある。
それによると、ここ十五年ほど広告収入と発行部数の減少で、
実質的に赤字経営であったこと。

筆者の方たちも、原稿料無しで支援されていた、ということ。
数人の方から多大な資金援助があった、ということなどが語られている。

そして河口編集長の視力の急激な悪化により編集作業に支障をきたすようになった──、と。

出版業界は厳しい、とよくいわれるようになっている。
そういったことをよく目にするようになってもいる。

でもオーディオ雑誌はそれだけではないように感じられる。
老いの問題があるのではないだろうか。

ラジオ技術編集部に限ったことではなく、
若い人がオーディオに関心を持たなくなっている、といわれている。

そういう状況が続いていけば、
若い人がオーディオ雑誌の編集に就くことがなくなってくるのではないのか。

総じて、オーディオに関係する人みなが高齢化していく。
オーディオマニアも読者も、である。

Date: 11月 24th, 2021
Cate: 「本」

オーディオの「本」(読まれるからこそ「本」・その8)

Kindle Unlimitedでオーディオ雑誌を読むようになった。
すべてのオーディオ雑誌が読めるわけではないが、
音元出版はKindle Unlimitedに積極的である。

ここ数ヵ月、Kindle Unlimitedでオーディオ雑誌を読んでいて、
音元出版のanalogが良くなっていることに気づいた。

analogが創刊したころは数号はきちんと読んでいた。
商売上手な音元出版が出しそうなオーディオ雑誌と感じた。

面白くなりそうなのに、
なんといったらいいのだろうか、
妙にアナログ臭を漂わせている、とでもいったらいいのか……。

もっと辛辣にいえば、音元出版臭が気になっていた。

ようするに気になるところが目につきすぎた。
音元出版のオーディオ雑誌だから、このまま行くのかな、ぐらいに当時は思っていた。

変化しないオーディオ雑誌はない。
良くも悪くも変化するものだ。

悪くなっていくと感じているオーディオ雑誌が大半のなかで、
analogは良い方向へと変化していっている。

ここ数年(何年前ぐらいから、とはっきりといえないのはそれほど注目していなかったから)、
analogの表紙を書店でみかけると、興味をひきそうな特集のタイトルだったりしていた。

それでも手に取ることなく過ごしていたのが、
Kindle Unlimitedのおかげできちんと読んで、
以前気になった「臭」がかなりなくなっていることを知ることができた。

それだけではない。
いままでのオーディオ雑誌にあまり感じることのなかった感性もあるようだ。

不満がないわけではない。
けれど、いまもっとも期待しているのが、analogである。