オーディオと偏愛(その4)
私が大好きな洋菓子店のルコントは、2010年に閉店している。
それが2013年に突然、広尾に復活した。
ルコントの最初の店舗が東京に開店したのは六本木だった。
そこが本店だった。
その後、青山ツインタワーに店舗ができ、そこが本店となった。
2013年の再オープンからは、広尾が本店である。
残念なことに、この広尾本店も2021年10月に閉店となっている。
とはいえ、ルコントがなくなったわけではなく、
広尾本店が閉店しただけのことなのだが、
残る店舗はすべてテイクアウトのみなのが少し残念でもある。
一度閉店した店が、なんらかの理由で再び開店する。
その場合、経営は変っていることが多い。
ルコントも変っている。
ベイクウェルという会社が、ルコントを経営している。
どんな会社なのか知らなかった。
特に調べようともしなかった。
いまのルコントは、昔のルコントそのままといっていい。
変ってしまったなぁ……、と嘆くことはない。
昔からのルコントの定番であるフルーツケーキは、いまも美味しい。
日持ちするお菓子だから、手土産にぴったりでもある。
つい最近も、ひじょうに喜んでもらえた。
それにしても、これはすごいことである。
一度閉店し、経営の母体がかわっての再オープン。
なのに昔のルコントのイメージをまったくこわしていない。
なので、ようやく今日、ベイクウェルがどんな会社なのか、
なぜ、この会社がルコントを経営してるのか検索してみた。
詳しいことは二つの記事を、ぜひ読んでほしい。
ベイクウェルの代表取締役社長は黒川周子氏。
黒川氏自身、ルコントのファンだったそうだ。
料理王国の記事では、黒川氏の実家は菓子店とある。
そして実家の近くにルコントがあった、ともある。
どんな菓子店なのだろうか、と思いながら、料理王国の記事を読んでいた。
その後に、朝日新聞の記事を見つけた。
黒川氏の実家は虎屋である。
いうまでもなく、あの虎屋だ。
納得がいった。
そういう人だから、ルコントはルコントのままなのだ。