スピーカーの述懐(その58)
いまはどうなのだろか。
昔は、あの人が鳴らすアルテックは、いい感じなんだよ、
そんなことが言われていた。
アルテックのところは、タンノイでもJBLでもいい。
スピーカーのブランドが、そこには入る。
ここでの、いい感じで鳴るは、
アルテックはアルテックらしい音で、タンノイはタンノイらしい音で鳴ることであって、
よくアルテックらしくない音、JBLらしくない音で鳴らすのを、
ありがたがる人、自慢する人も昔からいるけれど、
そのスピーカーがそのスピーカーらしく鳴る(鳴らせる)のは、
そのスピーカーとその人との相性がいいからなのかもしれない。
アルテックのスピーカーをいい感じで鳴らせる人がいる。
その人がアルテックのスピーカーが好きならば、何もいうことはないのだが、
アルテックではなく、JBLとかタンノイの方を好きだったりする。
そしてJBLとかタンノイをうまく鳴らせるわけではなかったりすることもある。
こういう場合、アルテックを鳴らすのが、その人にとって幸せなのか、
それとも好きなスピーカーをうまく鳴らさなくても、鳴らしていくことが幸せなのか。