Archive for 4月, 2023

Date: 4月 28th, 2023
Cate: スピーカーの述懐

あるスピーカーの述懐(その46)

いまでは非常に高額なスピーカーシステムが、あたりまえのように存在している。
振動板の材質、製造方法、フレームのつくり、マグネットなど、
細部にわたって意を尽くし贅を尽くした──、
そんなふうなことを謳っていたりする。

けれど磁界に関しては、どうなのか。
JBLはアルニコマグネットからフェライトマグネットに移行した時に、
対称磁界(Symmetrical Field Geometry、SFGと略されていた)を謳っていた。

JBLと同時期にアルテックもタンノイもフェライトに移行したが、
対称磁界について触れたのはJBLだけだった。

対称磁界と非対称磁界。
実際のところ、どれだけ音に影響するのか、比較試聴したことはないが、
少なからぬ影響はあるものと考えられる。

駆動のいちばんの源は、ここなのだから。

なのに現代のハイエンドのスピーカーメーカーで、
対称磁界を謳っているところはどれだけあるだろうか。

すべてのユニットの構造図を見たわけではないが、
いくつかのメーカーのユニットの構造図をみるかぎりは、対称磁界のユニットはなかった。
それでいいのだろうか。

Date: 4月 28th, 2023
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(その34)

その1)を書いたのが2015年5月。
書き始めた理由は、そのころソーシャルメディアで、
五極管シングルアンプ製作は、
真空管アンプを製作したことのない人にいちばんすすめられる、と投稿を、
何度かソーシャルメディアでみかけたからだった。

(その1)でも書いているように、私が中学生だったころ、
初心者向けのアンプの自作は、五極管のシングルアンプではなく、
プッシュプルアンプだった。

凝った回路、真空管を数多く使用する回路ではなく、
アルテック(ダイナコ)方式と呼ばれる回路だったものだ。

この項で書いているように、いまでも初めて真空管アンプを作るのであれば、
シングルアンプではなくプッシュプルアンプがいいと考える。

その理由はすでに書いてきているので、ここでは省くが、
ここで考えたいのは、いまの時代に、あえて真空管アンプを作ることについてである。

若い世代の人たちには意外に思われるかもしれないが、
真空管アンプのメーカーは非常に少なくなっていた時代がある。

国内ではラックスと、ほんの数社、
海外でもコンラッド・ジョンソンやプレシジョン・フィデリティなどの、
新世代の管球式アンプメーカーが登場する前は、ダイナコぐらいしかなかった。
オーディオリサーチも、半導体アンプに移行していた時期がある。

そういう時代においては、真空管アンプは自分で作るものというイメージがあった。
いまはどうかというと、そのころよりもメーカーの数はかなり増えている。
かなり高価で大型のアンプが当り前のように存在している。

そして一方では中国製の、自作するよりも安価なアンプがいくつも売られている。
一時期は、外観的には真空管アンプなのだが、
真空管はあくまでも飾りでしかなく、実体は半導体アンプというモノもあったが、
いまではそういうインチキをやっているところはなくなったようである。

自分で作るよりも中国製を買ったほうが安い──、
そういう時代なのだ。

なのに自分で作るということは、どういうことなのか。
何を求めてなのか。

そのへんをはっきりとすることなく、
ただただ、初心者には五極管シングルアンプがおすすめ、と書いてしまう人は、
どういう考えなのだろうか。

Date: 4月 28th, 2023
Cate: きく

野口晴哉記念音楽室レコード鑑賞会(その5)

「野口晴哉 リスニングルーム」で画像検索すると、
いくつかの写真が表示される。

1973年当時の写真もある。
1973年のFM新読本(FM fan 別冊)に掲載されたものである。
不鮮明な写真だけれども、見ることができる。

「世界のオーディオ」が1976年、さらにもう一枚の写真も検索結果として出てくる。
そこにはスタックスのコンデンサー型スピーカーESS6Aが写っている。

QUADのESLだけではなく、スタックスもある。
そしてリボン型トゥイーターのデッカ・ケリー。

ウェスターン・エレクトリックの594A、シーメンスのオイロダイン、
その他の往年のホーン型という浸透力の強い音のスピーカーをメインにすえながら、
ESL、ESS6A、デッカ・ケリーが揃っているのをみていると、
それだけであれこれ想像できて、楽しくなってくる。

「世界のステレオ」で野口晴哉氏のリスニングルームの写真を見た時、
すごいと思いながらも、聴く機会はおとずれないものと思っていた。
聴いてみたい、とは、だから思うことはなかった。
無理なのがわかっていたからだ。

それから四十年以上が経ち、聴く機会が訪れようとしている。

Date: 4月 24th, 2023
Cate: きく

野口晴哉記念音楽室レコード鑑賞会(その4)

パラゴン的なコンクリートホーンの開口部の左右の壁には、
スピーカーシステムが取りつけられている。

いわゆる壁バッフルなのだろう。
上下二段、下側は2080Fと2090Gの2ウェイ、
上側は音響レンズの形状からシーメンスのオイロダインと思われる。

興味深いと感じるのは、オイロダインの横に、
デッカ・ケリーのリボン型トゥイーターも壁に埋めこまれている点である。

「世界のステレオ」の記事の写真では、
壁のデッカ・ケリーの他に、小さなテーブルの上にもデッカ・ケリーが四本ある。

075から2405ヘの変更、
そしてデッカ・ケリーをこれだけ所有されていること。

野口晴哉氏が、どういう音を求められていたのか、
そのほんの一端ではあっても、うかがえるような気がしてならない。

Date: 4月 23rd, 2023
Cate: きく

野口晴哉記念音楽室レコード鑑賞会(その3)

ステレオサウンド 15号「オーディオ巡礼」に載っているシステムは、二系統。

ブロックダイアグラムの表記をそのままうつしておく。

 ウエスタンエレクトリック510Aウーファー4本
 ウエスターンエレクトリック530Aハイフレケンシーユニット
 JBL 075トゥイーター
 JBLネットワーク
 ウエスターン・エレクトリック594Aハイフレケンシーユニット
 マッキントッシュMC275パワーアンプ
 ビクターCF200チャンネルフィルター
 マランツ7プリアンプ
 JOBOターンテーブル
 SME3012トーンアーム
 シュアーカートリッジ

これが一つ目のシステムで、594Aに関しては図では一本だけなので、
モノーラル専用だったと思われる。
二つ目のシステムは下記のとおり。

 ウエストレックス2090Gハイフレケンシーユニット
 ウエストレックス2080Fウーファー
 マランツ8Bパワーアンプ
 EMTイコライザー
 EMT930stプレーヤー

「世界のステレオ」の記事にはブロックダイアグラムはない。
スピーカーは、ヴァイタヴォックスのCN191がある。
しかもこのCN191は、日本に輸入されていたモデルとは、ホーンを蔽うカバー部の細工が違っている。
本文によれば、ヨーロッパ仕様とのこと。

それからQUADのESLがあり、その中央にウェスターン・エレクトリックの757Aが、
一本だけ置いてある。

ESLの前には、その757Aを模したと思われるスピーカーが二基。
ホーンはJBLの2397が使われていることだけは写真からわかる。

ESLの後方の壁上部にはホーンの開口部がある。
コンクリートホーンの開口部なのだが、
一般的なコンクリートホーンとは違い、左右の開口部の中央に、
パラゴンを思わせる大きく湾曲したパネルがある。

この開口部の前に、ウェスターン・エレクトリックの594Aを、
JBLのHL90に装着した中高域ユニットがある。
HL90のスラントプレートは、一般的な使い方と上下逆に向いている。

トゥイーターはJBLの2405が594Aの上に取りつけられている。
2405は、ここだけではなく、
「オーディオ巡礼」でのシステムのT530Aの上にも使われている。

「オーディオ巡礼」のブロックダイアグラムをみればわかるが、
T530Aのホーンには、T550Aが組み合わされている。

T530A+T550Aは、JBLの375+537-500である。
「オーディオ巡礼」の時点ではトゥイーターは075だったのが、
六年後の「世界のステレオ」では2405になっているのは、興味深いところだ。

Date: 4月 23rd, 2023
Cate: きく

野口晴哉記念音楽室レコード鑑賞会(その2)

野口晴哉氏は、1976年6月22日に亡くなられている。
野口晴哉氏のリスニングルームが掲載されている朝日新聞社の「世界のステレオ」は、
1976年12月に出ている。

「野口晴哉コレクションより 幻の名器」、
この記事の冒頭には、こうある。
     *
 工業製品は技術の進歩にともなって、日ごと、その姿をかえてゆくものです。オーディオ機器もその例にもれることなく、数多くの製品が現われ、そして消えてゆきました。しかし、その中のいくつかは、消しても消えない光を放っていたのです。純技術的にはすでに過去のものでも、趣味性を重んじる愛好家にとっては、手の込んだ良き時代の製品がもつ人間味、音のうるおい、こうしたものはえがたい魅力なのです。オーディオでいう幻の名器とは、こうした魅力をもつ製品です。
 ここで紹介する製品はすべて故・野口晴哉氏のコレクション。氏は生前オーディオ愛好家として、また名器のコレクターとしても知られてました。惜しくも今年6月になくなられましたが、その直前までオーディオ製品を見る目は厳しく、すぐれた機器を手元におかれていたようです。今回、幸いにしてその一部を取材する機会にめぐまれました。幻の名器も、そここに見いだすことができます。
     *
「野口晴哉コレクションより 幻の名器」はカラー6ページの記事だ。
ステレオサウンド 15号「オーディオ巡礼」は1970年6月だから、
六年後のリスニングルームである。

「オーディオ巡礼」はリスニングルームの写真は、なぜかない。
「オーディオ巡礼」の扉は、
野口晴哉氏のクレデンザの前で正座されている五味先生の後ろ姿の写真だ。
本文中も、野口晴哉氏の写真、床や棚に置かれているスピーカーユニット、
それから簡単なブロックダイアグラムぐらいである。

「オーディオ巡礼」から「野口晴哉コレクションより 幻の名器」までの六年間で、
どういう変遷があったのかはわからない。
リスニングルームも同じなのか、改装されたのか、そのへんも記事からははっきりと読みとれない。

二つの記事をみていると、かなりかわっているともいえるのだが、
音はどうだったのだろうか。

「オーディオ巡礼」では、
《野口さんに会うのはコーナー・リボン以来だから、十七年ぶりになる》とある。
この十七年間でも、システムはかわっていたはずだ。

それでも、五味先生は書かれている、
《ちっとも変らなかった。十七年前、ジーメンスやコーナーリボンできかせてもらった音色とクォリティそのものはかわっていない。私はそのことに感動した》と。

Date: 4月 22nd, 2023
Cate: きく

野口晴哉記念音楽室レコード鑑賞会(その1)

野口晴哉氏の音楽室でのレコード鑑賞会が、
5月28日(日曜日)、14時から20時まで開催される。

オーディオマニアとしての野口晴哉氏を知っている人は、いまどのぐらいいるのだろうか。
ステレオサウンド 15号から始まった「オーディオ巡礼」で、
五味先生が最初に訪問されたのが野口晴哉氏だった。

そのことは別項で触れているし、引用もしているのでそちらを読んでいただきたい。

朝日新聞社が出していたムック「世界のステレオ」にも登場されていた。
野口晴哉記念音楽室にあるシステムは、
「世界のステレオ」掲載のシステムそのまま、ときいている。

野口晴哉氏が亡くなられてからは、誰もそのシステムに触れる人はいなかったそうだ。
それがようやくメインテナンスが施されつつある、ともきいている。

そういう状況なので、すべてのシステムが万全の調子で鳴るとは思えないのだが、
それでも、片鱗でも聴けるのであれば、やはり聴きたい。

野口晴哉記念音楽室レコード鑑賞会は、入場料が必要だ。
前売りが3,000円、当日は3,500円、十八歳以下は無料。

すでにチケット申し込みは始まっている。
上記のリンク先をクリックしてほしい。

Date: 4月 21st, 2023
Cate: 老い

老いとオーディオ(とステレオサウンド・その20)

別項で書いているように、レコード芸術の名曲名盤の企画は、
1980年代はかなり真剣に読んでいた。
一冊にまとめられたムックも買っては、チェックするだけでなく、
個人的に気に入っているアルバムを書きこんでたりもしていた。

そのムックもすぐにボロボロになり、すでに手元にはない。

レコード芸術の名曲名盤は、その後も続いていて名物企画ともいえるわけだが、
いつのころからか読み応えの感じられない内容に成り下がってしまっていた。

どうしてそうなったのか、その理由はおおよそのところわかる。
編集経験があるならば、
ステレオサウンドでのベストバイの変化を間近で見ているだけに、
同じところにその根っこはあるといえよう。

ステレオサウンドのベストバイとレコード芸術の名曲名盤は、
似ているといえばそうなのだが、
オーディオ機器とレコードという違いがある。

オーディオ機器は製造中止になるモデルがけっこうある。
ロングセラーのモデルのほうが少ない。

ところがレコード(録音物)となると、
最新録音のレコードだけでなく、二十年前、さらにもっと前の年代の録音まで、
新品で手に入れることができるという違いがある。

オーディオ機器の現行製品の数は、多少は前後しても増え続けていくことはない。
レコードは増え続けていくといっていい。

特に名曲といわれる作品に関しては、1980年代といまとでは、
そうとうに数の違いがある。

だからこそ、レコード芸術の4月号の特集「その輝きは色褪ない──神盤再聴」は、
名曲廃盤の前にやっておくべき企画だと考える。

どういうことかといえば、「神盤」として取り上げたレコードは、
名曲名盤では取り上げないということだ。
つまりレコードの殿堂入りだ。

Date: 4月 21st, 2023
Cate: High Resolution

MQAのこれから(とTIDAL・その2)

MQA破綻のニュースから二週間経った。
TIDALはかわらずMQAでの配信を継続しているだけでなく、
あらたにMQAで配信がはじまったアルバムもけっこうある。

これらはMQA破綻のニュース前から用意されていたのだから──、
そういうことなのかもしれないが、
破綻のニュース前とかわらぬペースでMQAでの配信は続いている。

Date: 4月 19th, 2023
Cate: 価値・付加価値

オーディオ機器の付加価値(電子書籍のこと・その1)

レコード芸術休刊について書いたことに、facebookでコメントがあった。

そこには、
紙の雑誌では実現できない付加価値を出す努力を、電子書籍でやってほしい、
そう書いてあった。

同じように思っている人もいるだろうし、少なくないように思う。
けれど、それはほんとうに付加価値なのだろうか。

オーディオ雑誌、レコード雑誌だけに絞って書くけれど、
昔からさんざんいわれているように、誌面からは音は出ない。

音も音楽も目に見えない。
誌面から音が出てくれれば、音楽が鳴ってくれれば──、
そんなことを考えなかった編集者もいないと思う。

1980年代にCDマガジンが創刊された。
いまでいう空気録音を行ない、附録のCDに収録していた。

レコード芸術も1990年代に、CDを附録にしていた。
新譜の聴きどころをおさめたサンプラーである。

CDマガジンは、早い時期に休刊になった。
レコード芸術の附録CDも、そう長くは続かなかった、と記憶している。

いまの時代、電子書籍がCDマガジンが試みたことはすぐに行える。
レコード芸術の附録CDに関しても同じだ。

それは電子書籍の付加価値なのだろうか。
そう考えてしまうところに、雑誌の衰退があったと考えるのではないのか。

電子書籍にはページ数という制約もない。
電子化できる素材であれば、なんでも収録できる。

紙の本からすれば、それは電子書籍の付加価値のように見えるだろうが、
そうやってなんでも収録できる電子書籍側から紙の雑誌をみれば、どうだろうか。

Date: 4月 19th, 2023
Cate:

オーディオと青の関係(その28)

デレク・ジャーマンが語っている。

 ブルーは無垢から白を守る
 ブルーは黒を引きずる
 ブルーは目に見える闇の色

 感性の血の色は青

そういうことなのかもしれない。

Date: 4月 17th, 2023
Cate: ジャーナリズム

オーディオ評論家は読者の代表なのか(その23)

2019年3月5日発売のステレオサウンド 210号の第二特集は、
「達人が明かすHi-Res再生の実践テクニック」である。
山之内 正、土方久明、逆木 一の三氏が登場している。

つまり山之内 正、土方久明、逆木 一の三氏は達人ということだ。

このころからとはっきりいえるわけではないが、
いつのころからか、こんなふうにオーディオ評論家を持ちあげるようになってきている。

つい先日も、「評価のプロたち」という表現が音元出版のPhile webであった。
ここでは、小原由夫、土方久明の二氏が、「評価のプロたち」ということだ。

これ以外にもいくつかあるのだが、
なんだか気色悪いものを感じてしまう。

オーディオ機器を評論する人を、なぜ、こんなふうに持ちあげるのか。
そのことに何も疑問を感じないのか。

読み手はどうなのか。
「達人」、「評価のプロたち」、
こんな枕詞がつけられている人のいうこと、書いていることは信用できるということなのか。

いつもはタイトルをまず決めてから本文を書き始めるのだが、
今日は本文を書いたあとで、タイトルをどうしようかと考えた。

新しいタイトルにするのか、これまで書いてきているどれかにするのか。
結局、このタイトルにしたのだが、
「達人」、「評価のプロたち」といった枕詞をなんの抵抗感もなく読んで、
受け入れてしまう人たちは、オーディオ評論家を自分たちの代表と思っているのか。

その代表であるオーディオ評論家が、達人であったり、評価のプロであるということは、
自分たちもそうだ、という意識なのかどうか。

Date: 4月 15th, 2023
Cate: High Resolution

MQAのこれから(とTIDAL・その1)

facebookで、MQAのグループに入っている。
数日前、このグループの管理をしている人がTIDALに問い合わせしている。

TIDALでのMQAの取扱いについて、である。
いまのところ、すでに配信しているMQAに関しては継続していく、とのこと。

これもいつ覆るかわからないけれども、いまのところ一安心といえよう。

Date: 4月 15th, 2023
Cate: ディスク/ブック

ジョルジュ・プルーデルマッハーのベートーヴェン

フランス人ピアニストのGeorges Pluudermacher。
ワーナーミュージックのサイトによると、
フランス語の名前の読みだと、ジョルジュ・プリュデルマシェなのだそうだが、
本人の希望で、プルーデルマッハーとのこと。

ジョルジュ・プルーデルマッハーは、1944年7月26日生れ。
なのに、いままでプルーデルマッハーの存在を知らなかった。

今日、TIDALを検索していて初めて知ったばかりである。
最初フランクのヴァイオリン・ソナタを聴いた。

それから“L’atelier des pianistes”を聴いた。
日本でのタイトルは、「ピアニストのワークショップ」である。

ここまで聴いて、ベートーヴェンのピアノ・ソナタが目に留った。
32番である。

どんなベートーヴェンなのだろうか、どんな32番なのだろうか。
期待よりも不安の方が大きかったけれど、聴いてよかった。

聴き終って、
菅野先生がイヴ・ナット、ジャン=ベルナール・ポミエのベートーヴェンを高く評価され、
愛聴盤とされていたことを思い出していた。

ナットもポミエもフランスのピアニストだ。
プルーデルマッハーを菅野先生はどう聴かれただろうか。
そんなこともふと想っていた。

Date: 4月 15th, 2023
Cate: High Resolution, オーディオ評論

MQAのこれから(とオーディオ評論家)

MQA破綻のニュースが流れた。
MQA推しのオーディオ評論家は、ソーシャルメディアでなにか発言しているのか。

はっきりとした情報は得られていない状況だから、
オーディオ業界の人間としては、書きにくい面もあるだろうことは了解している。

それでもこれまでMQAを積極的に評価して、
メリディアンのULTRA DACを自身のシステムに導入している人ならば、
なにかを書いているだろうと思って、その人のtwitterをチェックした。

MQA破綻のニュースのあとにもいくつか投稿されている。
けれどそれらはMQAにはまったく関係ないことばかりで、
MQA破綻については、一言もない。

その人とは、ほとんどの人が誰だかすぐにわかると思うが、麻倉怜士氏だ。
オーディオ・ヴィジュアル評論家なのだそうだ。

ずっと以前から、麻倉怜士氏はオーディオ・ヴィジュアル評論家(商売屋)だと認識している。
他の人たちも商売屋だと思っているけれども、
この人のすごさは、その徹底ぶりであって、プロの商売屋といってもいいだろう。

麻倉怜士氏のマネは、無理だ。
ここまでやれる人は、オーディオ評論家(商売屋)の人たちのなかにもいないだろう。

それでも麻倉怜士氏がMQA、ULTRA DACについて書いているものを読むと、
この人の良心が顕れているともおもっていた。

だから、麻倉怜士氏がMQA破綻のニュースのあとに、何を書くのかが気になっていた。
先ほどの時点でも、何もMQAに関することはない。

このことも、ある意味、見事なプロの商売屋っぷりからなのだろうか。