Archive for category audio wednesday

Date: 4月 26th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第四夜・選曲について

4月の第三夜では、アポジー Duetta Signatureで、
菅野先生の録音“THE DIALOGUE”をかけた。

audio wednesdayではTIDALのおかげで、
さまざまな曲をかけることができる。
会の最後には、カザルスの無伴奏チェロ組曲をかけることだけは決めていても、
それ以外の曲に関しては、その日の音次第というところが強い。

それでも一曲は前回でかけた曲を鳴らすようにはしている。
音の違い、それもスピーカーのによってどう変っていくのかを感じてもらいたいからだ。

5月1日の会では、“THE DIALOGUE”を、その一曲としてかける。

別項「2017年の最後に」で、こんなことを書いている。

ジャズ喫茶という場での「THE DIALOGUE」、
特にこの組合せでの音は、かかってこい、という気持のあらわれでもある。

誰に対しての「かかってこい」かというと、聴いている人たちに対して、である。

このころ、喫茶茶会記ではアルテックを中心としたシステムだった。
今回はJBLのユニットを中心としたシステム。

だから、ここでは「かかってこい」という気持があらわれるかもしれない。

Date: 4月 19th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第四夜・Western Electric 757A(オリジナルとレプリカ・その3)

全生新舎の野口晋哉さんの新企画。
アルテックのA5C(マンタレーホーン)をメインスピーカーとする音楽鑑賞会、
“Listening Practice Friday”に行ってきた。

始まるまでの時間、
757Aのエンクロージュアと、そのレプリカのエンクロージュアを叩いてみた。
その音が近いことに、ちょっと驚く。

もちろんまったく同じというわけではないが、けっこう近い。
近いから同じ音、そっくりの音が鳴ってくる──、とは思わないし、
言わないけれど、期待は芽ばえてくる。

レプリカのユニット構成、
ウーファーは不明だが、JBLの2420+2397という中高域からすると、
なんとなくジャズを主に聴くためのシステムかのようにも思えなくもないが、
野口晴哉氏はクラシックが主で、ジャズはほとんど聴かれなかったとも聴いているから、
ジャズのためのシステムではなく、757Aの再現を目指してのシステムなのだろう。

2月、3月、4月のaudio wednesdayでは、
スピーカーシステムがコンデンサー型とリボン型ということで、
部屋を縦長で使っての音出しだったが、
今回は1月と同じように部屋を横長で使う予定でいる。

Date: 4月 18th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第四夜・Western Electric 757A(オリジナルとレプリカ・その2)

ウェスターン・エレクトリックの757A。

なぜ757Aが二台(ステレオペア)でないのか。
野口晴哉氏の時代、このスピーカーシステムを二台手に入れるのは、かなり困難だったはず。
1980年代に入ると、ウェスターン・エレクトリックを扱う業者も増え、
アメリカの倉庫や映画館などを捜してまわる人たちも出てきて、
お金さえ積めば二台手に入れることも可能になったことがある。

757Aのペアの音を聴いたことがあるのかときかれれば、一応ある、というふうに答えている。
あるところで聴いてはいる。
でも、757Aの真価をそこで聴いたとはまったく思っていない。

鳴っているのを聴いた、そのレベルであった。
757Aよりも、他のスピーカーユニット、たとえば594A、555を聴く機会のほうが多かった。

野口晴哉氏は、757Aをペアで揃えたかった──、
私は勝手にそう思っている。
でも叶わなかった。

だから757Aのレプリカを作られたのだろう。

野口晴哉氏の真意を知る人は、もう誰もいない。
その音を聴いて探っていくしかない。
探っていきたい。
探っていける音を出していきたい。

Date: 4月 17th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第四夜・Western Electric 757A(オリジナルとレプリカ・その1)

ウェンターン・エレクトリックの2ウェイのスピーカーシステム、757A。
野口晴哉氏のリスニングルームに、一基ある。

その両脇には、JBLのユニットを用いてのレプリカといえる2ウェイのスピーカーシステム。
ホーンは2397、ドライバーは2420。
ウーファーが何かはエンクロージュアを開けてみないと確認できないので、
いまのところ型番は不明。

ネットワークはウーファー用にはオイルコンデンサー、
2420用にはフィルムコンデンサーがあてられていて、
コイルの取りつけ方法は、ウェスターン・エレクトリック的でもある。

5月1日のaudio wednesdayでは、このスピーカーシステムを鳴らす。
昨年5月28日に開催された野口晴哉記念音楽室レコード鑑賞会。
前半はウェスターン・エレクトリックの594Aを中心とした大型のシステムで、
後半は、このJBLの2ウェイ・システムが鳴っていた。

今回は、この2ウェイにスーパートゥイーターを加えて鳴らす予定だ。
エラックの4PI PLUS.2だけでなく、JBLのUT405もある。
どちらにするかは当日の音で判断する。

audio wednesdayでは、必ず最後にカザルスの無伴奏チェロ組曲をかける。
今回も、もちろんかける。
ただしJBLの2ウェイ+スーパートゥイーターではなく、
757Aのコンディション次第では、こちらで鳴らしたい。

バッハの無伴奏チェロ組曲だけでなく、
ルドルフ・ゼルキンとのベートーヴェンのチェロ・ソナタもかけてみたい。

このベートーヴェンのチェロ・ソナタもモノーラルだが、
マイクロフォンにはウェスターン・エレクトリック製が使われている。
録音における音の入り口、
再生における音の出口、
どちらもウェスターン・エレクトリックということになる。

757Aを鳴らしてみれば、
野口晴哉氏の、このスピーカーへのおもいがなにかしらつかめるかもしれない。

Date: 4月 14th, 2024
Cate: audio wednesday

30年ぶりの「THE DIALOGUE」(その18)

アポジーのDuetta Signatureで、“THE DIALOGUE”はうまく鳴ったのか。

喫茶茶会記で、アルテックのユニットを中心としたシステムでは、
少しばかり恐怖を感じるくらいの音量で鳴らしていた。

Duetta Signatureでは、そんな音量は無理であろう。
もしかしたら、かなり近いところまで音量を上げられるのかもしれないし、
当日鳴らした音量よりも、もう少し上げられたという手応えはあったが、
なにしろDuetta SignatureはHくんの私物だから、
そこまでの無理(冒険)はできない。

喫茶茶会記でも、最初から、というわけではなかった。
毎回鳴らすごとに音量を上げていく、という鳴らし方をしていた。

とはいえ、当日のDuetta Signatureは、“THE DIALOGUE”を見事に鳴らしていた。
ここまで鳴ってくれるのか、と感心するくらいに、である。

“THE DIALOGUE”がうまく鳴った時の躍動感からすれば、
ややスタティックに感じはするものの、だからといって、躍動的でないわけではない。
充分に躍動感が伝わってくる。

ベースの質感もいいし、ドラムスを構成するそれぞれのパーカッションの質感も、
多彩で、聴いていて気持いいほどだ。

“THE DIALOGUE”はCD層の再生だ。
SACDではあったけれど、
アキュフェーズのDP100とメリディアンの818 v3の組合せでは、
SACDの再生はできないからだ。

SACD(もしくはDSD)再生だったら──、
喫茶茶会記のアルテックのシステムで聴いた印象では、
CD層に比べてSACD層での再生は、低音が半オクターヴほど下にのびる印象があるからだ。

Date: 4月 8th, 2024
Cate: audio wednesday

30年ぶりの「THE DIALOGUE」(その17)

その1)は、2017年5月に書いている。
この時点で、ほぼ三十年ぶりの“THE DIALOGUE”だったわけで、
それから七年経って、4月3日のaudio wednesdayでひさしぶりにかけた。

喫茶茶会記ではほぼ毎回鳴らしていたけれど、
“THE DIALOGUE”はヘッドフォンで聴いても、そのおもしろさは十全には味わえない。
やはりスピーカーで聴いてこそなのだが、
この「スピーカーで聴いてこそ」も、十分な音量が鳴らせて、という条件がついてくる。

喫茶茶会記でのaudio wednesdayが終ってから、一度も“THE DIALOGUE”をスピーカーでは聴いていない。
“THE DIALOGUE”をひさしぶりに聴きたい──、というよりも鳴らしたいという欲求が高まってくる。

とはいえ、いまの私の環境では“THE DIALOGUE”を満足できる音量では鳴らせない。

1月の会では、スピーカーがメリディアンのDSP3200で、TIDALのみで鳴らした。
残念なことにTIDALに、いまのところ“THE DIALOGUE”はない。

2月、3月はサウンドラボのコンデンサー型スピーカー。
SACDを持っていきはしたが鳴らさなかった。
鳴らそうとは思わなかったからだ。

4月はアポジー。
ここでも鳴らすつもりはなかったし、
そういえば、と思い出したのは、ステレオサウンドの試聴室でも、
アポジーで“THE DIALOGUE”を聴いたことはなかった。

私もアポジーで、“THE DIALOGUE”を聴きたいとは、その時はまったく思わなかったなのに、
今回は“THE DIALOGUE”をかけた。

けっこううまく鳴ってくれるという予感があったからだ。

Date: 4月 5th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第四夜と第九

1824年5月7日、ウィーンのケルントナートーア劇場での初演。
今年、ベートーヴェンの第九は初演二百年を迎える。

5月のaudio wednesdayは1日。ちょうど7日ではないけれど、
ベートーヴェンの第九をかけることは、すでに決めている。

スピーカーが何になるのか、いまのところわからないけれど、
それでも第九をかける。

指揮者は誰にするか。これもまだ決めていない。
きっと当日まで迷っているだろう。
かける寸前に、誰にするか決めるかもしれない。

とにかく第四夜の中心は、ベートーヴェンの第九となる。

Date: 4月 4th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第三夜を終えて

昨晩の第二夜を終えての書きたいこと。

告知していたように、昨晩はアポジーのDuetta Signatureを鳴らした。
1980年代後半のモデルだから、ほぼ四十年ほど前の製品であって、
当時は、オール・リボン型スピーカーの実現ということで、かなり話題になっていた。

ステレオサウンドでも、アポジーは表紙になってこともあるし、
新製品紹介の記事でもカラー扱いだったした。

ステレオサウンドの試聴室で、アポジーのスピーカーシステムは聴いている。
一度や二度ではなく、けっこうな回数聴いている。

だから、多くのオーディオマニアがどこかしらで聴いているものだと思っていた。

けれど、昨晩来られた、私と同世代と思われる方にきいてみると、
今日、初めてアポジーを聴いた、という人が数人おられた。

オーディオマニアでない方もこられている。
もちろん彼らにとって初めて見るスピーカーだろう。
けれどオーディオマニアで、私と同世代の人ならば──、というのは、
私の勝手な思い込みだったことを知らされた。

あのころ、オーディオ店に行ったことはほとんどない。
アポジーが、オーディオ店でどういう扱いをされていたのか、知らなかった。
ただただ、これだけ話題のスピーカーだし、
特にCaliper signatureはサイズといい価格といい、
アポジーの製品中、手頃だったし、音も魅力的だった。

以前書いているように、Caliper signatureを本気で買おうと思ったこともある。
だから、大型のDivaは聴けるところが少ないだろうけど、
Caliper signatureならば、オーディオ店に行けば聴けるもの──、それこそが思い込みだった。

Date: 4月 3rd, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第四夜

audio wednesday (next decade) – 第四夜は、5月1日である。
時間、場所はこれまでと同じ。

テーマはまだ決めていない、というか、
スピーカーシステムが何になるのかが決ってからになる。
来週末には決っている(はず)。

Date: 4月 2nd, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第三夜(いよいよ明日)

明日(4月3日)は、audio wednesdayである。

今回鳴らすのは、アポジーのDuetta Signatureだ。
パワーアンプは、今回もクレルのKMA200、CDトランスポートはアキュフェーズのDP100。

D/Aコンバーターはメリディアンの818 v3で、
これまでTIDALを再生するのにはroonのNucleusを使っていたが、
今回はサイレントエンジェルのZ1。
CDトランスポート以外、宇都宮からこれらを運んできてくれるHくんのシステムということになる。

Duetta Signatureは3月の会が始まる前に、二時間弱ほど鳴らしている。
ULTRA DACが818 v3になっているからといって、
前回よりも聴き劣りのする音を出すつもりはない。

開始時間は19時。終了時間は22時。
開場は18時から。

18時から音は鳴らしているけれど、
19時までの一時間は、質問、雑談の時間でもある。

音を鳴らし始めると、話す時間がほとんどなくなる。
とにかく聴いてもらいたいし、曲を途中で止めるのもできればやりたくないため、
曲の紹介を短めでやるくらいになってしまっている。

もともとそういうつもりで18時開場にしていたわけだが、
最初から話しかけてくる人はいないわけで、
今回で四回目なので、話のほうに少しはウェイトをおきたい。

会場の住所は、東京都狛江市元和泉2-14-3。
最寄り駅は小田急線の狛江駅。

参加費として2500円いただく(ワンドリンク付き)。
大学生以下は無料。

artificial mozart(とaudio wednesday)

2011年2月の第一水曜日から始めたaudio wednesday。
そのころは、audio sharing例会と呼んでいた。

喫茶茶会記の店主、福地さんから、
「オーディオのイベントを定期的に、何かやってほしい」と何回かいわれていた。

といっても、そのころの喫茶茶会記にはアルテックのスピーカーはあったものの、
エンクロージュアはボロボロで、他のユニットの程度もかなりひどかった。

音を鳴らすのは無理という判断で、
とにかくオーディオについて語っていける場としてのaudio sharing例会のスタートだった。

2020年12月まで続けた。
後半の五年間は音を鳴らすことができた。

音を鳴らせるようになって、私がやりたい、と最初に考えたのは、
瀬川先生が、熊本のオーディオ店に定期的に来られていた「オーディオ・ティーチイン」だった。
同じことができればいいな、と思っても、
それをやるにはいろんな協力が必要となるけれど、最初からそのことは諦めていた。

でも、五年間、飽きずに音を鳴らしてきた。
2018年9月5日、メリディアンのULTRA DACを聴くこと(鳴らすこと)ができた。
こんな小人数の集まりに、よく貸し出してくれた──、
しかもその音、特にMQAの音のよさといったら──、
感謝しかない。

他にも書いておきたいことはいくつもあるが、
こうやってふりかえって思うのは、無邪気に音楽(音、オーディオ)を楽しみたい、
それだけのことだ。

そう、モーツァルトがそうであったように、
とにかく音楽を無邪気に楽しむ、
私自身がそうやって楽しむ。
そのためのaudio wednesdayであり、
私のなかでは、artificial mozartへとつながっていくことでもある。

Date: 3月 16th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第三夜・マーラーでもワーグナーでもなく

3月1日に「audio wednesday (next decade) – 第二夜・マーラーかワーグナーか」を書いた。
そこに書いてるように、3月のaudio wednesdayではマーラーの第九を、
照明を落とした状態でかけた(聴いてもらった)。

4月の会でもふたたびやるつもりでいる。
今回はマーラーでもワーグナーでもない。
誰の曲なのか、誰の演奏なのか、何も言わずにかける。

Date: 3月 16th, 2024
Cate: audio wednesday, 五味康祐

「音による自画像」(とaudio wednesday)

五味先生がいわれた「音による自画像」。
あれこれ考える。

今年になって、ふたたびaudio wednesdayで音を鳴らすようになって、
やはり「音による自画像」について考える。

いまのところ三回やっている。
そこでの音は「音による自画像」なのだろうか。

そんなふうに問いになっていく。

Date: 3月 14th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第三夜・選曲について

スヒーカーシステムが決ると、私のなかでテーマが決っていく。
そして選曲も、一曲目は絞られていく。

アポジー Duetta Signature、クレル KMA200で鳴らす第三夜の一曲目は、
リンダ・ロッシュタットの“What’s New?”をかける。

意外に思われるかもしれない。
リンダ・ロッシュタットを特に好きというわけではないし、嫌いでもない。
なのに第三夜の一曲目を“What’s New?”に決めたのは、
アポジーが日本に入ってきたとき、ステレオサウンドの試聴室で聴いた時、
リンダ・ロッシュタットの“What’s New?”は何度も聴いているからだ。

アポジーのScintillaが最初に日本に入ってきて、
ステレオサウンドで紹介記事を担当されたのは傅 信幸氏だった。
それから数号後の組合せでも、アポジーの担当は傅 信幸氏だった。

そのころの傅 信幸氏だったは、
リンダ・ロッシュタットの“What’s New?”をよくかけられていた。

リンダ・ロッシュタットばかりではないのだが、
かなりお好きだったようだ。
おかげで、“What’s New?”はよく聴いた。
同名のアルバムも購入した。

だから、私にとってリンダ・ロッシュタットといえばまず浮ぶのは“What’s New?”である。

この“What’s New?”という曲名。
“What’s New” a直訳すれば新着情報と味も素っ気もない文字が並ぶが、
歌“What’s New?”と疑問符がついて、その対訳を読めば意味は違ってくる。

と同時に、この“What’s New?”は、オーディオマニアに問いかけているような気もする。