Archive for category audio wednesday

Date: 11月 21st, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第十一夜(BOSEとマッキントッシュ)

12月のaudio wednesdsyでは、
BOSEの901 Series VをマッキントッシュのMC275で鳴らすわけだが、
その理由は何度か書いているのでここでは省略するが、
昨日の、BOSEがマッキントッシュ・グループを買収したことには、
少々びっくりした。

オーディオ・ブランド(会社)も、買収されることはわりとある。
今回のようにニュースとして報道されることもあれば、
ひっそりと買収した(された)ことも少なくない。

だから、あのブランドとこのブランド、同じ系列だったのか──、
そんなふうに驚く人もいるだろう。

今回の買収そのものについては語らないが、
12月の会で組み合わせようとしていたBOSEとマッキントッシュが、
このタイミングで同じ会社になるとは、まったく予想していなかったし、
世の中、いろいろなことが起こるものだ、と思っているところでもある。

Date: 11月 19th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第十一夜(BOSE 901の復活)

BOSEの901が、限定で復活する。
BOSEのInstagramには、”limited to 12 custom”とある。
ある日本語のサイトでは、限定12台と伝えているけれど、
それだと限定6ペアとなってしまうから、限定12ペアではないかと思うのだが、
どちらにしてもわずかな数の復刻モデルとなる。

なので実物を見ることも聴くこともないだろう。

そんなごく限られた復活であっても嬉しく思う反面、
発表された写真を見ると、なんなんなんだろうな……、と思ってしまう。

なので12月のaudio wednesdayで鳴らす901 Series Vが、
よけいにカッコよく見えてしまう。

Date: 11月 12th, 2024
Cate: 4343, audio wednesday, JBL

audio wednesday (next decade) –第十夜(43年目の4343・余談)

11月6日のaudio wednesdayで鳴らしたJBLの4343は、
宇都宮から運んでくる必要があった。
当初は、私がクルマと運転手を手配して、という手筈だったのが、
頼んでいた人が、ストレスで短期間ではあったけれど引きこもりになってしまった。
いまは元気になっているけれど、
前もって運搬・搬入しようとしていた時は、
頼めそうな感じではなかった。

もう一人、声をかけていた人もいたが、
この人は心筋梗塞で入院してしまった。

4343のオーナーのHさんは、クルマへの積み込みと移動は、
レンタカーを手配して、一人で大丈夫という方だったので、お願いすることになった。

これで安心と思っていたら、
11月2日に、彼が予約していたレンタカーが事故にあって、
借りれなくなった、代車が用意されるようだ──、
という連絡があった。

3日の夜になってもレンタカー会社からの連絡がないので、
最悪運べないかもしれない可能性も出てきた。

4日に連絡があって、代車が用意された、とのこと。

これでほんとうに安心できる、と思った。

4343は無事届いた。
けれど、すでに書いているように、予想しない不具合が発生。
4343に原因があるのではなく、
他のところによる不具合なのだが、どこなのかがなかなかはっきりとせず、
けっこうな時間を費やしながら、
少しだけ、何かに邪魔されているのか……、そんなことも思ったりした。

しかもトラブルはもう一つあって、
前日夜にHさんが4343をチェックしたところ、2405が鳴らなかったそうだ。
深夜まで時間をかけて、鳴るようになった、という話を、
準備している時に聞いていたものだから、
いったいなんなんだろう──、と思うしかなかった。

そんなことがあったけれど、4343はよく鳴ってくれた。

Date: 11月 8th, 2024
Cate: 4343, audio wednesday, JBL

audio wednesday (next decade) –第十夜(43年目の4343・その5)

2012年12月に、別項にこう書いた。

ステレオサウンド 61号の編集後記に、こうある。
     *
今にして想えば、逝去された日の明け方近く、ちょうど取材中だったJBL4345の組合せからえもいわれぬ音が流れ出した。この音が先生を彷彿とさせ、話題の中心となったのは自然な成り行きだろう。この取材が図らずもレクイエムになってしまったことは、偶然とはいえあまりにも不思議な符号であった。
     *
この取材とは、ステレオサウンド 61号とほぼ同時期に発刊された「コンポーネントステレオの世界 ’82」で、
井上先生による4345の組合せのことである。
この組合せが、この本の最初に出てくる記事にもなっている。

ここで井上先生は、アンプを2組選ばれている。
ひとつはマランツのSc1000とSm700のペア、もうひとつはクレルのPAM2とKSA100のペアである。

えもいわれぬ音が流れ出したのは、クレルのペアが4345に接がれたときだった、ときいている。

このときの音については、編集後記を書かれたSさんにも話をきいた。
そして井上先生にも直接きいている。
「ほんとうにいい音だったよ。」とどこかうれしそうな表情で語ってくれた。

もしかすると私の記憶違いの可能性もなきにしもあらずだが、
井上先生は、こうつけ加えられた。
「瀬川さんがいたのかもな」とも。

このことがあったから、今回、パワーアンプはクレルのKSA100にした。

Hさんは、クレルのパワーアンプを他にも持っている。
KMA200とKMA100である。
その中でKSA100を持ってきてもらったのは、上記の引用が理由だ。

しかも井上先生の4345の組合せの試聴は1981年の11月6日。
このころの井上先生のことだから、試聴がはじまったのは、
早くても夕方から、大抵は夜になってからで、
4345からえも《いわれぬ音》が鳴ってきたのは、
翌7日の朝早い時間のはず。

今回のaudio wednesdayも11月6日。
無理なこととはわかっていても、できれば朝方まで鳴らしたかった。

Date: 11月 8th, 2024
Cate: 4343, audio wednesday, JBL

audio wednesday (next decade) –第十夜(43年目の4343・その4)

11月6日のaudio wednesdayで鳴らしたJBLの4343は、
宇都宮に住むHさんのモノである。

彼は四谷三丁目の喫茶茶会期からの常連で、当時は名古屋、兵庫から来てくれていた。
audio wednesdayが終ったあと、新宿から深夜バスで帰り、
翌日は、もちろん朝から仕事。若いなぁ──、と思っていた。
彼はまだ30代。今は宇都宮なので、アンプやスピーカーを、
audio wednesdayに持ってきてくれる。

クレルのKMA200、アポジーのDuetta Signatureも、
彼の私物である。

彼が4343を一人でクルマに積み、運んできてくれた。
クルマの後ろの扉を開ける。

横置きで積まれた4343の底板が見える。
4343は1976年登場で、1981年くらいまで製造されていた。
四十年から五十年近く経っているわけだから、
新品同様ということはまずない。
底板は、調整の際、動かすわけだから、多少なりとも傷が残る。

そんな底板を見た時は、それだけの年月が経っていることを感じていた。

それでも運び込み設置。
アンプやその他の器材もセットして結線して──、
けれどすでに書いたように予想外の不具合が発生して、
4343からやっと音が鳴ってきたのは、けっこう時間が経っていた。

やっと落ち着いてソファーに座り、音をきちんと聴く。
その時改めて、4343はスーパースターだ、と、感じていた。

佇まいが、そうだった。
お互い歳をとったけれど、4343はやはりスーパースターのままだった。
様になるスピーカーのままだった。

Date: 11月 7th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第十夜(43年目の4343を終えて)

昨晩のaudio wednesdayは、JBLの4343を鳴らした。
予想できなかった、しかも初めての不具合の解消にかなり時間をとられて、
十全な調整が行えたわけではなかったが、
自己採点ではあるが、まあうまくいったと思っている。

それにしても今回の不具合の原因は、意外なところにあって、
それゆえに手間取ったわけだが、大きな経験にもなった。

4343を自分の手で鳴らすのは、ステレオサウンドにいたから以来だから、ほぼ四十年ぶり。
4343の音を聴いたのは2005年、
早瀬文雄さんのリスニングルーム以来である。

1976年に登場した4343だから、五十年近く前のスピーカーとなる。
古いスピーカーといえば、確かにそうなのだが、
だからといって、その一言で切って捨てられるほど、
軟弱なスピーカーではない。

いつもは端っこで聴いているのだが、
今回だけはいちばんいいポジションで聴いていた。

書きたいことはもっとある。
それは個人的な想いばかりだから、この辺にしておく。

Date: 11月 6th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第十一夜(BOSE 901 Series Vと現代音楽)

12月4日のaudio wednesdayは、
現代音楽をBOSE 901で聴く、がテーマである。

10月に予定していたが諸事情で12月に延期。
現代音楽にうとい私だから、選曲は常連のHさんにお願いした。
なので当日は、私はいつもと違い聴く側にまわれる。

アンプはマッキントッシュのMC275を予定している。
別項で聞いたことがあるように、ステレオサウンドの試聴室で、
CDプレーヤーをMC275に接続し、901を鳴らしたことがある。

その音の記憶があっての、もう一度、聴いてみたいと常々思っていた。

今回は901だけでなく、エラックのトゥイーターも使う。
どんなふうに変化するのか、それも楽しみにしている。

あとひとつ、これは当日、実際に試してみないことにはうまくいくのかどうか、
なんともいえないが、考えていることがある。

そういうことを含めて現代音楽を聴いていく。

Date: 11月 5th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第十夜(43年目の4343・いよいよ明日)

明日(11月6日)のaudio wednesdayは、JBLの4343を鳴らす。

パワーアンプは、クレルのKSA100。
D/Aコンバーターは、メリディアンのUltra DACだ。

書きたいことはいっぱいあるけれど、もう書かなくてもいいだろうという気持も強い。

明日、鳴らすだけであるため

開始時間は19時。終了時間は22時。
開場は18時から。

会場の住所は、東京都狛江市元和泉2-14-3。
最寄り駅は小田急線の狛江駅。

参加費として2,500円いただく。ワンドリンク付き。
大学生以下は無料。

Date: 10月 27th, 2024
Cate: 4343, audio wednesday, JBL

audio wednesday (next decade) –第十夜(43年目の4343・その3)

ながいことオーディオという趣味に熱中してきたのであれば、
特別な存在のスピーカーというものが、一つはあるはずだ。
それは世代によっても、どういうオーディオ機器に出合ってきたのか、
さまざまなことが関係しているから、
特別なスピーカーが、みな同じわけではない。

JBLの4343。
1970年代後半におけるオーディオ界のスーパースターだった。
そこでの憧れがあった。
けれど、それだけでなく、
4343は私にとっての「特別なスピーカー」だ。

なぜ特別なのかについて、
すべて書いていくと、どれだけでも書けてしまう。
なぜ特別なのか、
それは瀬川冬樹というひとりのオーディオ評論家と、
私の中では分かち難く結びついているからだ。

瀬川先生がいたからこそ──、そういえる。

Date: 10月 16th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 2025

今年1月から始まった狛江でのaudio wednesdayは、
来年も継続してやることになった。

来年、ぜひやりたいことがある。
シーメンスのオイロダインで、
クナッパーツブッシュの「パルジファル」を、
最初から最後まで、ほぼ四時間かけることだ。

もちろんMQAで鳴らす。

Date: 10月 10th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – radio sessionを終えて(その4)

結線を終えて鳴ってきた音は、前回のチェック時の音とは、
当然のことながらずいぶん違っていた。

とはいってもチェック時に少し鳴らしただけで、
それ以前は、かなり久しいこと鳴らしていなかっただけに、
気にならないところがないわけでもなかった。

だからといってスピーカーそのものは置き場所をかえたり、
振りを調整したりはできない。

それにそんな細かな調整をせずに、
鳴ってくる音をそのまま受けとめたいという気持もあった。

とにかくしばらく鳴らして、その後にネットワークの高域のレベルを一段上げ、
マランツのModel 7のトーンコントロールで高域を一段下げる。
片方は上げて、もう一方では下げるのであれば、
どちらもフラットでもいいのでは? と思われるかもしれないが、
実際あれこれやってみると、このポジションが良かった。
とはいえ、アンプがかわり、さらに鳴らし込んでいくと、
この辺はまた変ってくるだろうが、
今回は今回である。

10月は陽が落ちるのが早い。
音が落ち着いたところで、いくつかのアルバムを聴いているうちに、
周りは暗くなっていた。

この部屋からは庭が見える。
暗くなっていくなかで聴くフルニエのバッハの無伴奏のチェロ組曲は良かった。

MQAで聴いていた。

Date: 10月 7th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) –第十夜(43年目の4343・その2)

あの時代、JBLの4343はスターだった。
スーパースターといってもいい。

こんなことを書くと、あんなスピーカーが、という人がいる。
あの時代の空気を知らなければ、そんなことも言いたくなるだろう。

あの時代を経てきた人でも、同じことをいう人がいるのも知っている。

それはそれでいい。
そういう人たちを説得しようなんて、まったく思っていない。

映画俳優でも歌手でも、スーパースターと呼ばれていた人たちが、
すべての人からそう思われていたわけではないし、
アンチの人たちもいた。

むしろアンチがいることが、それだけ注目されていたことになるし、
アンチがまったくいないスターは、たぶんいないはず。

とにかく4343は、カッコよかった。

1976年に登場した4343は、
1974年に登場した4341の後継器である。

4343は4341よりも、ずっとカッコよかった。
もし4343が4341と同じデザインのままだったら、
あれほどの人気は獲得できなかっただろう。

そして4343には、瀬川先生の存在もあった。

Date: 10月 6th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – radio sessionを終えて(その3)

ラックスのMQ60は不調になったものの、
タンノイのユニットが生きていることは確認できた。
ネットワークも万全とはいえないまでも、使える状態にはある。

チェックで鳴らしたのはここまでで、当日。
アンプは真空管にするつもりだった。

今回の意図は、ラジオが高級品、贅沢品だったころ、
そんな時代を、少しでも味わいたい──である。

かなり贅沢な真空管ラジオの再現。
だからソースは、ストリーミングだけに絞る。

ラインナップは自然と決まってくる。
パワーアンプは、マッキントッシュのMC275、
それから今回はステレオ音源をモノーラルにするために、
コントロールアンプを使う。

ステレオをモノーラルにするだけなら簡単な加算回路を作れば、
コントロールアンプは不要となるが、
トーンコントロールも使うだろうと考えて、マランツのModel 7。

ストリーマーとD/Aコンバーターは、
メリディアンの210と218の組合せも考えはしたが、
あえてiPhone 14 ProとLotooのPAW S1。

ChordのMojoも用意して会の前に試聴もしたが、
TIDALでまだMQAが聴けるということもあって、前者を選択。

Date: 10月 5th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – radio sessionを終えて(その2)

野口晴哉氏は、このタンノイのモノーラルのシステムを、
どういう組合せで鳴らされていたんだろうか。

高めの床の間のようになっているところには、扉がある。
ここを開けると、おそらくだが、野口晴哉氏が使われていたであろうシュアーの箱がある。
あとレコード・クリーナーもある。

シュアーのカートリッジは、この部屋だけでなく、
リスニングルームにも、何個かある。

野口晴哉氏が使われていたオーディオ機器は、大半が保管されている。
まだ全てを把握しているわけではないが、
デュアルの1219が、このタンノイがある部屋では使われたいなのでないのか。
カートリッジはシュアーで、だ。

ここに関しては自信があるが、まったくわからないのが、
アンプに関してだ。

野口晴哉氏のリスニングルームは、いくつかのオーディオ雑誌に紹介されているが、
この部屋については、私が知っている限りではない。

一枚でも写真があれば、ずいぶん助かるのだが、
今のところ手がかりはない。

先月、リスニングルームからアンプを運んできて、二回目のチェックを行った。
コントロールアンプはラックスのCL36uとマッキントッシュのC22。
パワーアンプは、ラックスのMQ60。

元々はCL35のはずなのに、
野口晴哉氏が亡くなられたあとに登場したCL36uがある。

C22とMQ60で鳴らした音は柔らかく甘く、
井上先生が言われていたように、日本での真空管アンプの音のイメージは、
ラックスのSQ38シリーズによって作られていった、
このことを証明するかのような音だった。

MQ60はSQ38シリーズのパワー部を独立させたモノ。

ただし、この時の音はMQ60が不調になり、十分ほどしか聴けなかった。

Date: 10月 4th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – radio sessionを終えて(その1)

10月2日の会は、予想していた以上に楽しかった。

鳴らしたスピーカーは、タンノイのMonitor Redの15インチ口径。
このユニットが、部屋のコーナーの天井に下向けに取り付けてある。
ただし天井裏をバックキャビティとするのではなく、
天井よりも1mほどの位置にあり、そこがバックキャビティとなっている。

スピーカーの対面となる床も、その部分だけ高めの床の間のようになっている。

そして、その間には拡散用の角錐状の木がある。
コーナーに木で作られた裾広がりの急斜面がある感じともいえる。

ここに反射した音を主に聴くことになる。

このタンノイも、かなり長いこと鳴らされてなかった。
昨年だったか、最初のチェックの時には鳴らなかった。
アンプは、中国製と思われるD級アンプが接続されていたが、
これが故障しているようだった。

野口晴哉氏が、このタンノイをどんなシステムで鳴らされていたのか、
まったく手がかりがない。

中国製アンプは、野口晴哉氏が亡くなられた後に用意されたモノ。

別項でも書いているように、野口晴哉氏のシステムは、氏が亡くなられたあと、
何人かの人によって手が加えられている。

このシステムもそうで、アンプだけでなくネットワークも、
Monitor Redのモノではなく、
1980年ごろに登場したSuper Red Monitorのそれになっていた。