Archive for category 技術

Date: 3月 12th, 2016
Cate: 技術

捲く、という技術(その2)

20年くらい前だったか、
あるメーカーの介護支援ベッドのモーターがドイツ製だったことに気がついた。

その介護支援ベッドを製造しているのは日本の、よく知られるベッドメーカーである。
なぜ日本製のモーターではなかったのか。

日本には、そのベッドメーカーが要求する性能のモーターを製造できるところがなかった。
だからドイツ製のモーターを採用した、とのことだった。

介護支援ベッドのモーターのこまかな仕様は聞かなかったが、
まず低速で十分なトルクをもっていること、
病室で使用されるベッドだから、静粛性も求められる。
耐久性、長寿命でもなくてはならない。

これらが条件だとすれば、
日本にはダイレクトドライヴに使われていたモーターの技術が、応用できるのではないか。
そう思ったし、そうだとしたらダイレクトドライヴ型プレーヤーの全盛時代がすぎてしまい、
日本には、そのころのモーターを製造できるところがなくなってしまったのかも……、そうも思っていた。

丹念にさがしていけば、日本にもまだ残っていたとは思う。
けれどある程度のコストで、大量に必要となるモーターが、
海外製ではあっても既製品で入手できるとあれば、そちらを選択する。

Date: 1月 2nd, 2016
Cate: 技術

捲く、という技術(その1)

オーディオ機器を製造するうえでの根幹といえる技術はなんだろう? 考えてみた。
ハンダ付けと捲く技術ではないだろうか。

ハンダ付けについては、ここでは語らない。
ここでは、捲く、について書く。

オーディオ機器を構成する部品には、捲くことで製造されているモノがいくつもある。
まずコイルがある、

コイルはスピーカーシステムの内蔵ネットワークの大事な部品だし、
高周波ノイズを除去する部品でもあり、
パワーアンプの出力のところにも使われている。

さらにボイスコイルと呼ばれるコイルがある。
どんなに理想的といえる振動板を採用し、
優れて磁気回路をもってきても、ボイスコイルがいいかげんな捲きならば、
優秀なトランスデューサーとはならない。

ボイスコイルとは反対の発電のためのコイルがある。
カートリッジの内部にあるコイルであり、
オーディオ機器に使われるコイルの中では、もっとも小型で軽量なコイルだ。

それからコイルを組み合わせた部品にトランスがある。
電源トランス、出力トランス、高周波トランスなどがある。

もっとこまかく見ていくと、抵抗、コンデンサーもそうである。
容量の小さなコンデンサーであれば積層型もあるが、
多くのコンデンサーには捲きの技術が使われている。

抵抗も巻線抵抗はそうだし、スピーカーシステムのレベルコントロールには、
巻線型のモノが使われることが多い。

もうひとつモーターを忘れるわけにはいかない。