Archive for category Digital Integration

Date: 11月 4th, 2019
Cate: Digital Integration

Digital Integration(roonのこと・その3)

パイオニアのCDチェンジャーが、どのモデルなのかは、はっきりしない。
ソニーの200枚のCDチェンジャーは一機種だけのはずだからよかったが、
パイオニアの6枚のCDチェンジャーは、いくつものモデルが発売されていた。

ソニーのCDP-CX200Fは、200枚のCDをCDプレーヤー本体にすべて収納できた。
パイオニアのCDチェンジャーは専用のカセットマガジンにCDを入れ、
マガジンを交換すれば、6枚ごとCDの入れ替えができる。

私が知りたいのは、パイオニアのCDチェンジャーには、
CD-TEXTに対応していたのかどうかである。

そしてCDP-CX200Fにはディスクジャケットアルバムが付属していたが、
パイオニアのCDチェンジャーには、それに相当するものが付属していたのかどうかだ。

ソニーとパイオニアのCDチェンジャーの違いは、
収納できるディスク枚数、200枚と6枚だけではない。

CD-TEXTに対応せず、ディスクジャケットアルバムも付属していなかったとしたら、
CDプレーヤーとしてみた場合には、それほどの違いではなくても、
いまroonという存在を通してみた場合には、
これらの違いは、Danny Dulai氏の音楽鑑賞体験に大きく影響している、といえる。

ただ音楽を聴くだけでなく、パッケージメディア(LPやCD)にはジャケットがついてくる。
CDチェンジャーの場合、ディスクを収納したあと、ジャケットをどう扱うのか。

ソニーは考えていたからこそ、ディスクジャケットアルバムをつけ、CD-TEXTに対応している。

これこそが、roonのユーザーインターフェースにつながっている。

Date: 11月 4th, 2019
Cate: Digital Integration

Digital Integration(roonのこと・その2)

1996年にソニーが発売したCDプレーヤー、CDP-CX200Fというモデルがある。
型番の200が示すように、CD200枚をおさめられるCDチェンジャーである。

ディスプレイには、CD-TEXTに対応していて、
英数字で曲名、演奏者名を表示できた。
また別売のテキストディスプレイユニットでは漢字も表示できるようになっている。

これらの機能は文字情報がCDに入っている場合のみだが、
そうでないCDでもメモリー機能を利用して、曲名、アルバム名などを入力・記憶できた。

付属品としてリモコンだけでなく、ディスクジャケットアルバムがついていて、
ここにCDのブックレットをおさめられた。

オーディオマニアはおそらく見向きもしなかったCDP-CX200Fこそが、
roonの出発点といえる。

1996年ごろ、Danny Dulai氏はハタチぐらいで、
友人とニューヨークに住んでいた、とのこと。

その友人が持っていたのがCDP-CX200Fで、
彼らは二人がもつCD(約200枚)を、CDP-CX200Fにすべて収納して楽しんでいた。
けれど同居は解消になり、Danny Dulai氏の元には、
彼が所有するパイオニアのCDチェンジャー(6枚式)と、彼のCDだけとなる。

同居が終るまでに、なんとか200枚のCDを別の方法で聴けるようにしたい。
そしてCDP-CX200Fでの音楽鑑賞の体験こそが、roonにつながっている。

Date: 11月 3rd, 2019
Cate: Digital Integration

Digital Integration(roonのこと・その1)

別項「ショウ雑感」で昨日書いたように、
roonはデジタルインテグレーションを近い、目指している、ということを、
今日もroonのDanny Dulai氏をきいていて確信した。

パソコンやサーバーを使って、
つまりCDプレーヤーを使わずにデジタル化された音源を聴くためのアプリケーションは、
世の中にはいくつもある。

無料のモノもあるし、有料のモノもある。
どれがいいのかはすべてを試したわけではないし、
使い勝手も含めて、ともなると、評価はバラバラになるような気もする。

ただ、いずれもアプリケーションも、
基本的には音楽を聴くアプリケーションである。

そんなこと当り前じゃないか、といわれそうだが、
roonは、Danny Dulai氏がいっているように、
listen、browse、learnのためのモノである。

roon以外のアプリケーションに、それらの要素がまったくないとはいわないが、
はっきりと打ち出して、そこを目指しているのは、いまのところroonだけだ、と思う。

そしてDanny Dulai氏の話にも、
integrate、integrated、integrationが、何度か出てきた。

Date: 6月 2nd, 2019
Cate: Digital Integration

Digital Integration(デジタル/アナログ変換・その3)

その2)は少し脱線しているが、(その1)の続きに戻れば、
dCSのトランスポートからのデジタル信号を、
コントロールアンプのライン入力を接続しても、ほとんど問題なくD/A変換がなされている──、
そう思える音がしていた。

当時、dCSの輸入元のタイムロードだった。
タイムロードの技術担当者の説明によれば、
DSD信号のD/A変換には、フィルターがあればできる、ということだった。

ではなぜD/A変換用の回路を搭載しているかといえば、
主にジッター対策である、ということだった。

ここでのフィルターとはハイカットフィルターのことである。
ハイカットフィルターは、ケーブルをライン入力に接続することでも形成される。

ケーブルのもつ静電容量が存在し、送り出し側の出力インピーダンスがあるからだ。
つまりハイカットフィルターは、オーディオの伝送系のいたるところにあるわけだ。

アナログディスクのカッターヘッドにも、ハイカットフィルターは存在することになる。
カッティング針、駆動コイルなど質量をもつ部分があり、
駆動するアンプに関しても高域の限界があるわけだし、
DSD信号を直接カッティングマシンに接続するケーブルでもハイカットフィルターは形成される。

確かに理屈からいってもDSD信号そのままでカッティングは可能である。
タイムロードの技術担当者の説明を信じれば、
ジッターが発生しなければ、DSD直接でも問題は発生しない、ということになる。

いまデジタル録音であっても、LPで発売されるようになってきている。
DSD録音であれば、直接のカッティングが、
PCM録音ならばDSDに変換してのカッティングができる。

そう考えると、PCMからのDSD変換も、ある種のD/A変換といえるのだろうか。

Date: 10月 1st, 2018
Cate: Digital Integration

Digital Integration(Mojoを聴いてひろがっていくこと・その2)

予算に制約がなければマルチアンプの可能性は確かに大きいが、
ほとんどの人には予算の制約がある。

その制約のなかで、どう予算を配分するのか。
マルチアンプならば、パワーアンプ以外は同じであるとして、
デヴァイダーと複数台のパワーアンプに割く予算を、
一台のパワーアンプに使えば、そうとうにいいモデルが手に入れられる。

ほどほどのデヴァイダーとほどほどのパワーアンプ(複数)によるマルチアンプと、
スピーカー内蔵のLCネットワークを使うけれど、
そうとうにいいパワーアンプ(一台)では、どちらがいい結果が得られるのか。

パワーアンプが複数台になるということは、
そのことによる音質向上のメリットがあるとともに、
電源の取り方や設置などによっては、音質劣化の原因に、すぐさまなってしまう。

ゆえに、私はいまでも、どちらがいいかはなんともいえないと思っている。
ネットワークが手間を惜しまずに作られているのであれば、
ほどほどのマルチアンプよりも、いい結果は得られそうだとも、どちらかといえば思っている。

そこにD/Aコンバーターまで複数台ということになると、どうなるのか。
可能性は大きくなるけれど、その可能性をきちんと発揮させるには、
想像以上に困難なことがつきまとうはずである。

実際にどちらがいいのか。
たとえば試聴室において、数時間試聴したくらいでは結論は出ないように思う。
どんなに高価な器材を用意されていたとしても、そこであるレベル以上の音が出せたとしても、
それをもって結論とすることはできない。

D/Aコンバーターにしても、パワーアンプにしても大きな筐体のもつモノを、
複数台使用することのデメリットは、それらの筐体が音の反射物となることを考えても、
現実的にはスピーカーの後の壁の向うに、
D/Aコンバーター、パワーアンプ用の別室を用意するぐらいのことが求められる。

そんな、私には到底実現できないこと、
たとえ実現できるようになったとしても、そこまでやるかといわれれば、
どうだろうか……、と答えることだろう。

そんなこと考えていたときに、Mojoを聴いた次第だ。

Date: 10月 1st, 2018
Cate: Digital Integration

Digital Integration(Mojoを聴いてひろがっていくこと・その1)

マルチウェイスピーカーにマルチアンプ、というのが、ある到達点としてある。
そこにデジタル信号処理技術が加わり、
アナログだけの時代では無理だったことが可能になってきた。

タイムアライメントもその一つである。
デジタル処理のデヴァイダーには、そういう機能が搭載されているし、
安価な製品もいくつか登場してきている。

こういうデジタルのデヴァイダーで思うことは、
D/A変換のクォリティなのは、多くのオーディオマニアに共通するところのはず。

デヴァイダー内のD/Aコンバーターなのか、
それともデジタルで信号を取り出して、気に入ったD/Aコンバーターを用意する、という手がある。

けれど、マルチアンプにおいてパワーアンプだけでなく、
D/Aコンバーターをユニットの数分だけ用意するというのは、なかなかのことだ。

D/Aコンバーター一台なら、気に入ったモデルを購入できる人でも、
3ウェイなら三台、4ウェイならは四台必要になるわけで、経済的負担はそうとうなものになる。

いまでは非常に高価なD/Aコンバーターがある。
一千万円をこえるモデルもある。
そういうD/Aコンバーターを複数購入できる人は、世の中にはいるけれど、
ごくごく少数であろう。

それにそういったD/Aコンバーターは、また大きい。
それらを置くスペースの確保だけでも、私には無理な話である。

それでもオーディオマニアとしては、
少なくとも満足のいくD/Aコンバーターを複数台用意してのマルチアンプシステムは、
一度は聴いてみたい対象であるし、
スマートにまとめられるのならば挑戦してみたい対象ともなる。

Date: 3月 31st, 2018
Cate: Digital Integration

Digital Integration(ハードウェアシミュレーター・その1)

セータからDSP搭載のD/Aコンバーターが登場したのは、1980年代の終りごろだったか。
そのころ日本にはセータは正式に輸入されていなかった。

それでもちょっと話題になったのは、
DSPを使って、カートリッジを、いわばシミュレーションしていたからである。
実際に製品に触れることはなかったし、どの程度のレベルだったのかもわからないが、
アナログディスク再生の良さを、CD再生でも、ということで、
いくつかのカートリッジの音をシミュレーションしているようだった。
そのひとつに光悦も含まれていた、と記憶している。

イロモノ的な見方もされていた。
その実力はどの程度だったのだろうか。

少なくとも、セータのD/Aコンバーターが、
私の知るかぎりでは最初のハードウェアシミュレーターである。

再生の世界では、その後、この手のハードウェアシミュレーターは登場していないようだが、
録音の世界では、いくつものハードウェアシミュレーターが登場してきている。

イコライザーに関しては、ヴィンテージモデルと呼ばれるようになった昔の機器を、
ソフトウェアで再現しているのが、けっこうな数ある。

ニーヴの1073をモデルとした製品はいくつかあり、
私も、それほど詳しいわけではないが、 Googleで検索していくと、
こんなにもあるのか、と少々驚くし、
さらにはテープレコーダーシミュレーターもある。

マスターレコーダーとして知られるスチューダーのA800のシミュレーターがそうだ。

Date: 1月 2nd, 2018
Cate: Digital Integration

Digital Integration(デジタルについて・その10)

最初にことわっておくが、
デジタルケーブルに、アナログのラインケーブルを使うことをすすめているわけではない。
ひとつの試みとして、本来75Ωのデジタルケーブルを使うところに、
ラインケーブルを使ってみた場合の音の印象、
それも共通するところがあった、ということである。

たとえばデジタルケーブルに、銀線のラインケーブルを使う。
銀線には、よくいわれるような音がすることが多い。
そのとき使った銀線のラインケーブルも、銀線らしい、といわれるそうな傾向の音を、
ラインケーブルとして使ったときには聴かせる。

この銀線のラインケーブルをデジタル伝送(SPDIF)用として使う。
するとおもしろいことに、銀線らしい音になる。

試しに他のラインケーブルもいくつか用意して交換してみる。
どれも75Ω用として設計されたケーブルではない。
だから信号の反射も起っている、とみるべきである。

くりかえすが、ここでいいたいのは、そういったラインケーブルの方が音がいい、とか、
そうでない、とか、ではなく、音の変化に共通性が、
アナログとデジタルにおいても生じる、ということである。

聴きなれたラインケーブルを、デジタル用として使う。
そこで聴ける音は、アナログ信号を流しているときに感じた音の印象とほぼ同じである。

ケーブルの音に関係してくる要素としては、線材の種類、純度、芯線の太さ、
芯線の本数、絶縁体の材質、厚さなど、こまかなことが挙げられる。
それらを相互に関係してのケーブルの音となっていると考えられるが、
アナログ信号であろうとデジタル信号であろうと、
音の印象がほぼ同じか近い、ということが意味するのは、
ケーブルの音に影響するのは、時間軸もそうではないのか、というところに行く。

ラインケーブルをデジタル伝送に使った、
そのデジタル伝送とは、上に書いているようにSPDIFである。

Date: 5月 21st, 2016
Cate: Digital Integration

Digital Integration(続・本とiPhoneと……)

その本とは、「羊と鋼の森」だ。
川崎先生の、今日のブログに登場している。

「羊と鋼の森」を買った。
「羊と鋼の森」が置かれていたとなりのコーナーに「音に出会った日」が平積みになっていたのが、目に留まった。

この本のタイトルが「音楽に出会った日」だったら、手にとらずにレジに向っていた。
けれど「音に出会った日」である。

帯に書かれている文字を読む、裏表紙の文字も読む。
あの人なのか、と気づく。

2014年、YouTubeに人工内耳の手術を受けた女性の動画が公開されていた。
なにかの記事で知り、その動画を見たのだった。

この人が音楽を聴いたら……、その動画をみて思っていた。
「音に出会った日」には、知りたかったことが書かれている。
本人の手で書かれている。

「音に出会った日」の目次だ。
 わたしの耳
 風船と羽根
 金属の箱
 おじいちゃんの5ペンス硬貨
 レコードの聴き方
 病名
 看護師になる夢
 祖父との別れ
 上着の横縞
 辞表
 写真を見る時間
 盲導犬がやってきた
 職場復帰
 手術室へ
 音に出会った日
 はじめての音楽
 テレビ出演
 あたらしい役割

「音に出会った日」があり、次に「はじめての音楽」がある。
何が書かれているかは、あえて書かない。

思うのは、YouTubeにアップされた動画をみればわかるが、
スマートフォンによるものだとわかる。

この動画が撮られてなかったら……、
YouTubeがなかったら……、
もっといえばインターネットがなかったら……、
「音に出会った日」は出版されなかったであろう。

ここでもスティーブ・ジョブズの言葉を思い出す。
コンピューターは個人の道具ではない、と。
個人と個人をつなぐための道具である、ということを。

世界初のウェブブラウザであるWorldWideWebは、NeXTSTEPによって開発されていることも併せて。

Date: 5月 20th, 2016
Cate: Digital Integration

Digital Integration(本とiPhoneと……)

その本のことは知っていた。
電車に乗っていると、さまざまな広告が目に入る。
つい最近まで、その本の広告が貼ってあった。

読んだ人の短い感想がいくつかあるタイプの広告だった。
この手の広告はいつから始まったのだろうか。
本の広告では、よく見かけるものだ。

中にはうさんくさい感想ばかりがずらずら書いてある広告もけっこう多い。
でも、その本は、その手の本ではなかったことは、広告から伝わってきていた。

機会があれば……、と思っていたら、
少し忘れかけていた。
そんなところに、その本をすすめられた。

短いメッセージで、その本のタイトルは書かれていなかったけれど、
すぐにその本のことだとわかった。

この歳になっても、まだきっかけが欲しかったのか、と思い、
そのメッセージに返事を出した。
明日、その本を買いに行く。

何も紙の本にこだわらなければ、電子書籍化されているからすぐに読もうと思えば読める。
実際、さわりの部分はインターネットで読んだ。

読みながら、なぜ電車で広告を見て何かを感じたときに、そのままにしていたのだろうか。
昔はiPhoneがなかった。
いまはジーンズのポケットには必ずiPhoneを入れているから、
iPhoneからでもさわりの部分を読むことはできたわけだ。
それをしなかった。

スティーブ・ジョブズが言っていた。
コンピューターは個人の道具ではない、と。
個人と個人をつなぐための道具である、と。

iPhoneこそ、まさに人と人をつなぐ道具であり、
持っているだけでは……、と改めて思っている。

Date: 5月 2nd, 2013
Cate: Digital Integration
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Digital Integration(デジタルについて・その9)

ケーブルによる伝送の場合、インピーダンスに不整合があれば信号が反射される。
このことは知識としては知っていた。
特に高周波においては顕著であるからこそ、
デジタル信号の伝送経路であるトランスポートD/Aコンバーター間は、
コンシューマーオーディオのライン信号の受け渡しで常識となっているやり方──、
送り出しはローインピーダンスで受ける側はハイインピーダンスと設定(ロー出しハイ受けともいう)ではなく、
75Ωということでケーブルのインピーダンスまで規定されている。

その部分に、ケーブルのインピーダンスなどあまり問題とされないラインケーブル(アナログ信号用)を使う。
単純に考えれば反射が、75Ω規格のケーブル使用よりも多く発生するのだろうから、
それだけ音は悪くなる可能性がある。

そんなことをぼんやりと思いながらも、ラインケーブル数種を試しにデジタルケーブルとして使ってみた。
すくなくとも明らかな音の劣化は、そのときは感じられなかった。
むしろ気がついたのは、別のことだった。

ケーブルを変えたときの音の傾向が、
ラインケーブルとして使った時の音の傾向とほぼ同じであることに気がついた。
このことは正直意外だった。

ラインケーブルとして使った時、そのケーブルに流れるのはいわばアナログ信号。
アナログ信号の帯域幅は広い。
デジタル信号のように非常に高い周波数の信号よりはずっと低い周波数帯ではあるけれど、
20Hzから20kHzまでは10オクターヴある。

デジタル信号はオーディオの音声信号よりずっと高い周波数であっても、帯域幅はそれほど広くはない。
信号の波形だって違う。

にも関わらず、ケーブルを変えたときの音の傾向は、
そこを流れるのがアナログであろうとデジタルであろうと、ある共通したところがはっきりとある。

この現象のもつ意味を深く考えるようになったのは、数年後であった。

Date: 4月 29th, 2013
Cate: Digital Integration

Digital Integration(デジタルについて・その8)

ソニーとLo-Dがほぼ同時にセパレート型のCDプレーヤーを発表してからしばらくしてのことだった。
そのときステレオサウンドの試聴室にあったのはソニーだったと記憶している。
もっとも、ここではソニーであろうがLo-Dであろうが、その後に登場した他社製のモノであってもかまわない。
セパレート型であることが条件だったのだから。

このときやっていたのはトランスポートとD/Aコンバーターを接続するケーブルによる音の違い。
トランスポートD/Aコンバーターを結ぶケーブルは75Ω規格のケーブル。
この部分で音が変化することは、誰しもが思うことであって実際に音は変化する。

CDプレーヤー登場以前、
CDプレーヤーはデジタル技術の産物だから音は変らない、という意見も一部ではあった。
けれど、出て来た製品を聴く限り、音はあたりまえのように違っていた。

でもこの部分のケーブルは、
CDプレーヤーでは音は変らない、と考える人にとっては、
絶対に、といいたくなるほど音が変るとはおもえないところであろうが、
ケーブルを変えれば音は変る。

音が変るのは確認できた。
次はいったいどこまで音が変るのかに興味がうつっていく。

75Ωのケーブルをいくつか試していた。
といってもそれほど多くの75Ωケーブルが、当時のステレオサウンドにあったわけではない。
だからラインケーブルをあれこれ試してみた。

75Ωではない、ラインケーブルを使っても音は出る。
とくに問題は感じられなかった。
それよりもあれこれ聴いていくうちに、気がつくことがあった。

このときからである、デジタルに対して疑問が出て来きたのは。
とはいっても、このときはまだ小さな小さな疑問ではあったのだが。

Date: 12月 23rd, 2012
Cate: Digital Integration

Digital Integration(デジタル/アナログ変換・その2)

今日Twitterを眺めていたら、興味深いことが目に留まった。

いま3Dプリンターがかなり安くなってきている。
3Dプリンターの個人利用も現実のものとなってきていて、
例えば、割れてしまった部品を3Dプリンターで作ることも、もう夢ではなくなっている。

とはいえ、オーディオと3Dプリンターの融合ということを、
今日まで考えたことはなかった。
だから今日Twitterで知った、この利用法には、負けた、と感じてしまった。

どういう利用法かは、このリンク先を見てほしい。
デモの動画がある。

これは3Dプリンターでアナログディスクを出力する、という利用法である。
3Dプリンターだから、ここに接がれているのはコンピューターであり、
音楽信号(もちろんデジタル信号)を、アナログディスクの形に出力(プリント)する、というもの。
つまり、これもデジタル/アナログ変換ということになる。

いままで考えもしなかったデジタル/アナログ変換である。

デモの動画で聴けるクォリティは、まだまだ改良の余地が多くある、というレベルだが、
このデジタル/アナログ変換を改良していけば、
カッティングを必要としないアナログディスクづくりが可能になる。

クォリティがもっともっと高くなれば、
アナログディスクに関する実験もできよう。
いままで推測だけとどまっていたことを、家庭で、個人で検証することがある程度可能になる。

Date: 12月 23rd, 2012
Cate: Digital Integration

Digital Integration(デジタル/アナログ変換・その1)

デジタル信号はどこかでアナログへと変換しなければ、
われわれは音として聴くことができない。

一般的にはCDプレーヤーであれば、内蔵されているD/Aコンバーターによってアナログ信号へと変換される。
D/Aコンバーターを別筐体としたものもある。

CDプレーヤーが登場する数年前に、
ビクターはデジタル・スピーカーというプロトタイプを発表していた。
ボイスコイルを複数設けることで、スピーカーのところでデジタル/アナログ変換を行う。

ゴールドムンドはデジタル伝送経路を拡張するために、
パワーアンプへD/Aコンバーターを搭載することもやっている。

とにかく、どこかでアナログへの変換が必要になる。

これらのことはデジタルのなかのPCM信号であり、
デジタルでもDSD信号となると、カッティングヘッドにDSD信号をそのまま入力すれば、
音溝を刻める、ということを以前聞いたことがある。
たしかに、数年前タイムロードのイベントで、
dCSのトランスポートの出力(DSD信号)を直接コントロールアンプのライン入力に接いだときの音を思い出すと、
カッターヘッドにDSD信号を入力する、という、これもひとつのデジタル/アナログ変換ということになる。

ほんとうにカッティングが可能なのか、
可能だとしたら、どの程度のクォリティが得られるのか、興味のあることだが、
個人で実験できることではない。

Date: 5月 13th, 2012
Cate: Digital Integration

Digital Integration(続DNA)

CSIを見ているとDNAをグラフィカルに表示したものがいくつか出てくる。
表示方法にもいくつかあるようで、そのうちのひとつにCDのピットを思わせるものも登場する。

これを見て、DNAはデジタルデータなんだ、と思った次第である。
そういえば映画「ジュラシックパーク」で琥珀にとじこめられた蚊が吸った恐竜の血液からDNAを取り出して、
現代に恐竜を甦らせていたことも、
DNAがデジタルデータであるからこそ可能なこと(空想可能なこと)だとも思った。

もしDNAがアナログデータであったとしたら、犯罪捜査においてこれほどDNAに役に立たないのでは、とも思う。

つまり情報伝達手段としてデジタルの優位性、それも圧倒的な、といいたくなるほどの優位性があるし、
デジタルデータのDNAの塩基配列が蛋白質のアミノ酸配列に対応して生き物の体がつくられているわけだから、
「デジタルなんて非人間的」と簡単に言い切ってしまっている発言を見かけるたびに、
ほんとうにデジタルだから非人間的なのか、デジタルだから冷たい、のかと問い返したくなる。

デジタルだから……、という気持がまったく理解できないわけではない。
ただ言いたいのは、それがほんとうにデジタルだからなのか、ということである。

CDが登場したときに、デジタルだから音が冷たい、とか、非人間的な音だ、といった否定的なこともいわれた。
それは果してデジタルだから、そういう音になったのか、ということである。
デジタルそのものの本質的なところに非人間的なものがあったり、冷たく感じさせるものがあると考えるよりも、
実は違うところにそう感じさせる問題点がひそんでいたと考えべきではないのか。