Archive for category Digital Integration

Date: 5月 21st, 2016
Cate: Digital Integration

Digital Integration(続・本とiPhoneと……)

その本とは、「羊と鋼の森」だ。
川崎先生の、今日のブログに登場している。

「羊と鋼の森」を買った。
「羊と鋼の森」が置かれていたとなりのコーナーに「音に出会った日」が平積みになっていたのが、目に留まった。

この本のタイトルが「音楽に出会った日」だったら、手にとらずにレジに向っていた。
けれど「音に出会った日」である。

帯に書かれている文字を読む、裏表紙の文字も読む。
あの人なのか、と気づく。

2014年、YouTubeに人工内耳の手術を受けた女性の動画が公開されていた。
なにかの記事で知り、その動画を見たのだった。

この人が音楽を聴いたら……、その動画をみて思っていた。
「音に出会った日」には、知りたかったことが書かれている。
本人の手で書かれている。

「音に出会った日」の目次だ。
 わたしの耳
 風船と羽根
 金属の箱
 おじいちゃんの5ペンス硬貨
 レコードの聴き方
 病名
 看護師になる夢
 祖父との別れ
 上着の横縞
 辞表
 写真を見る時間
 盲導犬がやってきた
 職場復帰
 手術室へ
 音に出会った日
 はじめての音楽
 テレビ出演
 あたらしい役割

「音に出会った日」があり、次に「はじめての音楽」がある。
何が書かれているかは、あえて書かない。

思うのは、YouTubeにアップされた動画をみればわかるが、
スマートフォンによるものだとわかる。

この動画が撮られてなかったら……、
YouTubeがなかったら……、
もっといえばインターネットがなかったら……、
「音に出会った日」は出版されなかったであろう。

ここでもスティーブ・ジョブズの言葉を思い出す。
コンピューターは個人の道具ではない、と。
個人と個人をつなぐための道具である、ということを。

世界初のウェブブラウザであるWorldWideWebは、NeXTSTEPによって開発されていることも併せて。

Date: 5月 20th, 2016
Cate: Digital Integration

Digital Integration(本とiPhoneと……)

その本のことは知っていた。
電車に乗っていると、さまざまな広告が目に入る。
つい最近まで、その本の広告が貼ってあった。

読んだ人の短い感想がいくつかあるタイプの広告だった。
この手の広告はいつから始まったのだろうか。
本の広告では、よく見かけるものだ。

中にはうさんくさい感想ばかりがずらずら書いてある広告もけっこう多い。
でも、その本は、その手の本ではなかったことは、広告から伝わってきていた。

機会があれば……、と思っていたら、
少し忘れかけていた。
そんなところに、その本をすすめられた。

短いメッセージで、その本のタイトルは書かれていなかったけれど、
すぐにその本のことだとわかった。

この歳になっても、まだきっかけが欲しかったのか、と思い、
そのメッセージに返事を出した。
明日、その本を買いに行く。

何も紙の本にこだわらなければ、電子書籍がされているからすぐに読もうと思えば読める。
実際、さわりの部分はインターネットで読んだ。

読みながら、なぜ電車で広告を見て何かを感じたときに、そのままにしていたのだろうか。
昔はiPhoneがなかった。
いまはジーンズのポケットには必ずiPhoneを入れているから、
iPhoneからでもさわりの部分を読むことはできたわけだ。
それをしなかった。

スティーブ・ジョブズが言っていた。
コンピューターは個人の道具ではない、と。
個人と個人をつなぐための道具である、と。

iPhoneこそ、まさに人と人をつなぐ道具であり、
持っているだけでは……、と改めて思っている。

Date: 5月 2nd, 2013
Cate: Digital Integration
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Digital Integration(デジタルについて・その9)

ケーブルによる伝送の場合、インピーダンスに不整合があれば信号が反射される。
このことは知識としては知っていた。
特に高周波においては顕著であるからこそ、
デジタル信号の伝送経路であるトランスポートD/Aコンバーター間は、
コンシューマーオーディオのライン信号の受け渡しで常識となっているやり方──、
送り出しはローインピーダンスで受ける側はハイインピーダンスと設定(ロー出しハイ受けともいう)ではなく、
75Ωということでケーブルのインピーダンスまで規定されている。

その部分に、ケーブルのインピーダンスなどあまり問題とされないラインケーブル(アナログ信号用)を使う。
単純に考えれば反射が、75Ω規格のケーブル使用よりも多く発生するのだろうから、
それだけ音は悪くなる可能性がある。

そんなことをぼんやりと思いながらも、ラインケーブル数種を試しにデジタルケーブルとして使ってみた。
すくなくとも明らかな音の劣化は゛そのときは感じられなかった。
むしろ気がついたのは、別のことだった。

ケーブルを変えたときの音の傾向が、
ラインケーブルとして使った時の音の傾向とほぼ同じであることに気がついた。
このことは正直意外だった。

ラインケーブルとして使った時、そのケーブルに流れるのはいわばアナログ信号。
アナログ信号の帯域幅は広い。
デジタル信号のように非常に高い周波数の信号よりはずっと低い周波数帯ではあるけれど、
20Hzから20kHzまでは10オクターヴある。

デジタル信号はオーディオの音声信号よりずっと高い周波数であっても、帯域幅はそれほど広くはない。
信号の波形だって違う。

にも関わらず、ケーブルを変えたときの音の傾向は、
そこを流れるのがアナログであろうとデジタルであろうと、ある共通したところがはっきりとある。

この現象のもつ意味を深く考えるようになったのは、数年後であった。

Date: 4月 29th, 2013
Cate: Digital Integration

Digital Integration(デジタルについて・その8)

ソニーとLo-Dがほぼ同時にセパレート型のCDプレーヤーを発表してからしばらくしてのことだった。
そのときステレオサウンドの試聴室にあったのはソニーだったと記憶している。
もっとも、ここではソニーであろうがLo-Dであろうが、その後に登場した他社製のモノであってもかまわない。
セパレート型であることが条件だったのだから。

このときやっていたのはトランスポートとD/Aコンバーターを接続するケーブルによる音の違い。
トランスポートD/Aコンバーターを結ぶケーブルは75Ω規格のケーブル。
この部分で音が変化することは、誰しもが思うことであって実際に音は変化する。

CDプレーヤー登場以前、
CDプレーヤーはデジタル技術の産物だから音は変らない、という意見も一部ではあった。
けれど、出て来た製品を聴く限り、音はあたりまえのように違っていた。

でもこの部分のケーブルは、
CDプレーヤーでは音は変らない、と考える人にとっては、
絶対に、といいたくなるほど音が変るとはおもえないところであろうが、
ケーブルを変えれば音は変る。

音が変るのは確認できた。
次はいったいどこまで音が変るのかに興味がうつっていく。

75Ωのケーブルをいくつか試していた。
といってもそれほど多くの75Ωケーブルが、当時のステレオサウンドにあったわけではない。
だからラインケーブルをあれこれ試してみた。

75Ωではない、ラインケーブルを使っても音は出る。
とくに問題は感じられなかった。
それよりもあれこれ聴いていくうちに、気がつくことがあった。

このときからでる、デジタルに対して疑問が出て来きたのは。
とはいっても、このときはまだ小さな小さな疑問ではあったのだが。

Date: 12月 23rd, 2012
Cate: Digital Integration

Digital Integration(デジタル/アナログ変換・その2)

今日Twitterを眺めていたら、興味深いことが目に留まった。

いま3Dプリンターがかなり安くなってきている。
3Dプリンターの個人利用も現実のものとなってきていて、
例えば、割れてしまった部品を3Dプリンターで作ることも、もう夢ではなくなっている。

とはいえ、オーディオと3Dプリンターの融合ということを、
今日まで考えたことはなかった。
だから今日Twitterで知った、この利用法には、負けた、と感じてしまった。

どういう利用法かは、このリンク先を見てほしい。
デモの動画がある。

これは3Dプリンターでアナログディスクを出力する、という利用法である。
3Dプリンターだから、ここに接がれているのはコンピューターであり、
音楽信号(もちろんデジタル信号)を、アナログディスクの形に出力(プリント)する、というもの。
つまり、これもデジタル/アナログ変換ということになる。

いままで考えもしなかったデジタル/アナログ変換である。

デモの動画で聴けるクォリティは、まだまだ改良の余地が多くある、というレベルだが、
このデジタル/アナログ変換を改良していけば、
カッティングを必要としないアナログディスクづくりが可能になる。

クォリティがもっともっと高くなれば、
アナログディスクに関する実験もできよう。
いままで推測だけとどまっていたことを、家庭で、個人で検証することがある程度可能になる。

Date: 12月 23rd, 2012
Cate: Digital Integration

Digital Integration(デジタル/アナログ変換・その1)

デジタル信号はどこかでアナログへと変換しなければ、
われわれは音として聴くことができない。

一般的にはCDプレーヤーであれば、内蔵されているD/Aコンバーターによってアナログ信号へと変換される。
D/Aコンバーターを別筐体としたものもある。

CDプレーヤーが登場する数年前に、
ビクターはデジタル・スピーカーというプロトタイプを発表していた。
ボイスコイルを複数設けることで、スピーカーのところでデジタル/アナログ変換を行う。

ゴールドムンドはデジタル伝送経路を拡張するために、
パワーアンプへD/Aコンバーターを搭載することもやっている。

とにかく、どこかでアナログへの変換が必要になる。

これらのことはデジタルのなかのPCM信号であり、
デジタルでもDSD信号となると、カッティングヘッドにDSD信号をそのまま入力すれば、
音溝を刻める、ということを以前聞いたことがある。
たしかに、数年前タイムロードのイベントで、
dCSのトランスポートの出力(DSD信号)を直接コントロールアンプのライン入力に接いだときの音を思い出すと、
カッターヘッドにDSD信号を入力する、という、これもひとつのデジタル/アナログ変換ということになる。

ほんとうにカッティングが可能なのか、
可能だとしたら、どの程度のクォリティが得られるのか、興味のあることだが、
個人で実験できることではない。

Date: 5月 13th, 2012
Cate: Digital Integration

Digital Integration(続DNA)

CSIを見ているとDNAをグラフィカルに表示したものがいくつか出てくる。
表示方法にもいくつかあるようで、そのうちのひとつにCDのピットを思わせるものも登場する。

これを見て、DNAはデジタルデータなんだ、と思った次第である。
そういえば映画「ジュラシックパーク」で琥珀にとじこめられた蚊が吸った恐竜の血液からDNAを取り出して、
現代に恐竜を甦らせていたことも、
DNAがデジタルデータであるからこそ可能なこと(空想可能なこと)だとも思った。

もしDNAがアナログデータであったとしたら、犯罪捜査においてこれほどDNAに役に立たないのでは、とも思う。

つまり情報伝達手段としてデジタルの優位性、それも圧倒的な、といいたくなるほどの優位性があるし、
デジタルデータのDNAの塩基配列が蛋白質のアミノ酸配列に対応して生き物の体がつくられているわけだから、
「デジタルなんて非人間的」と簡単に言い切ってしまっている発言を見かけるたびに、
ほんとうにデジタルだから非人間的なのか、デジタルだから冷たい、のかと問い返したくなる。

デジタルだから……、という気持がまったく理解できないわけではない。
ただ言いたいのは、それがほんとうにデジタルだからなのか、ということである。

CDが登場したときに、デジタルだから音が冷たい、とか、非人間的な音だ、といった否定的なこともいわれた。
それは果してデジタルだから、そういう音になったのか、ということである。
デジタルそのものの本質的なところに非人間的なものがあったり、冷たく感じさせるものがあると考えるよりも、
実は違うところにそう感じさせる問題点がひそんでいたと考えべきではないのか。

Date: 5月 12th, 2012
Cate: Digital Integration

Digital Integration(DNA)

facebookにタイムラインが導入され、3月からはfacebookページにおいてもタイムライン表示にできるようになった。
facebookページこそタイムライン表示が使えればいいのに、と思っていたから、
facebookページの「オーディオ彷徨」はすぐさまタイムライン表示へと切り換えた。

それまでは記事を公開した日付順に並んでいくだけで、
記事を年代順にするためには年代順に公開していくしかなかった。
タイムライン表示は公開順に関係なく、記事の年月日を自由に設定できるおかげで、
「オーディオ彷徨」では、いま記事の並び替えを行っている。
年代順に並び替えていくと、それまで気がつきにくかったことがはっきりとしてくる。

だから、もうひとつのブログ、the Review (in the past)も年代順に、いま並び替えているところである。
すでに公開記事が5000本を超えているので、一挙に並び替えることは無理で、
時間が空いたときにまとめて行っている。

ひとつの記事の公開日を変更するのに、こちら側の手間としては年月日を指定するだけだが、
更新ボタンをクリックしてから処理が終るまでには、Movable Typeでブログを構築している関係で、1〜2分かかる。
10秒、20秒で終るのであれば、ずっと作業効率は捗るし、
逆にもっと時間がかかればほかの作業を平行して、ということもできるけれど、
1〜2分間というのは、その意味では中途半端な間隔で、結局ほかの作業もできず日付変更だけになってしまう。

とはいっても頭を使う作業ではないので、Huluで海外ドラマを見ながらやっている。
いまはCSI:科学捜査班を横目でみながら、である。

CSI(Crime Scene Investigation)では、当然DNAという単語がよく登場する。
DNA(デオキシリボ核酸)、遺伝情報を担っている、この物質はデジタルではないか、とCSIを見ていて思った。

Date: 5月 1st, 2012
Cate: Digital Integration

Digital Integration(デジタルについて・その7)

CD(Compact Disc)はフィリップスによる名称であり、
CDに規格が統一される前、メーカー各社から発表されていたいくつもの規格のディスクのことを、
DAD(Digital Audio Disc)と呼んでいた。

1982年のCD登場から30年後のいまになって考えているのは、
フィリップスによる名称には、digitalの文字はないこと、である。

カセットテープのオリジネーターであるフィリップスだから、
コンパクトカセットテープのディスク版ということでのコンパクトディスク(Compact Disc)なのは、
誰でも気がつくことで、私もそう理解していた。

CDはフィリップスとソニーによる規格である。
もしCDが日本のメーカーだけによってつくられた規格であったとしたら、
間違いなく名称のどこかにdigitalの文字が入っていた、と思う。
DADのままだったり、Digital Compact Disc(略してDCD)とかなどである。

なぜ、フィリップスはDigital Discということを名称で謳わなかったのだろうか。
深い意味はなかったのかもしれない。
名称にはなくても、CDのロゴにはDIGITAL AUDIOの文字があるからだ。
それでも、digitalを使わなかったことは、いまになって考えると意味深長な名称だと思う。

Date: 4月 30th, 2012
Cate: Digital Integration

Digital Integration(デジタルについて・その6)

私が最初に聴いたCDの音は、
以前書いた通り、フィリップス(マランツ)のCD63の試作モデルで、小沢征爾指揮の「ツァラトゥストラ」だった。
このときの音についてはすでに書いているのでそちらをお読みいただきたいが、
とにかく、その安定度の高さに驚いたことだけは、くり返し伝えておきたいことである。

CDが登場する以前、1970年代中頃からデジタル録音によるLPが発売されるようになってきた。
デンオンからまず始まったデジタル録音は、海外でも行われるようになってきた。

このころのレコード評をいま読み返すと、デジタル録音のLPはかなり高い評価を得ていることが多い。
デジタル録音によるLPのすべてが優れていたわけではないのは、
アナログ録音のLPのすべてが優れていたわけではないのといっしょで、
優れた録音に関しては、アナログだろうとデジタルだろうと、聴き手としての関心はあっても、
実のところどうでもいいことである。
いい音でいい音楽が聴きたいのだから。

CDが登場した1982年秋は瀬川先生が亡くなられて1年後のことであった。
だから、「瀬川さんがCDを聴かれたらなんと言われるだろう……」「どんな評価をされるのだろうか」ということを、
幾度となくきいている。

私も瀬川先生はどうCDを評価されるのか、知りたかった。
このとき私は、CDの音をデジタルの音だと思っていた。
CDプレーヤー・イコール・デジタルプレーヤーであると思っていた。

それが勘違いであることに気がつくには、けっこうな時間を必要とした。

Date: 3月 3rd, 2011
Cate: Digital Integration

Digital Integration(デジタルについて・その5)

CDプレーヤーが登場する前に、「デジタルだから、音は変らない」といったことが云われていた。
信じている人は多くは無かったはずなのに、メーカーの技術者の中には真剣に語っていた人もいるときいている。

CDプレーヤーを実際に聴く前から、そんなことはあり得ない、とは多くの人がわかっていた。
D/AコンバーターのLSIの手前までは、そういう可能性はあるかもしれないけれど、
D/Aコンバーターの精度・性能、そのあとにつづくアナログフィルターや送り出しアンプの違いがある以上、
音はCDプレーヤーごとに違っていてあたりまえ、のこと。

しかも各CDプレーヤーのによる音の違いは、D/Aコンバーター以降だけの起因するわけでなく、
それ以前のデジタル部も大きく関係していた。

この話は、メーカーの技術者を、やや揶揄するたとえ話として、そのあともときどき活字になっていた。

現実には電源関係の問題・不要輻射などもあって、そうは厳密にはいかないものの、
D/Aコンバーター以降がまったく同じであるならば、
デジタルは本来、D/Aコンバーター以前の違いによって音は変ることはあってはならないことである。

でも実際は違う。
その理由についても、いくつか語られている。

Date: 2月 28th, 2011
Cate: Digital Integration

Digital Integration(デジタルについて・その4)

音声信号には時間軸が存在する。
だが、これは理由にならない。
AppleのサイトからダウンロードしてきたQuickTime形式の動画(映画の予告篇)には、
再生時には時間軸が存在している。

アナログモデムでは、ファイルサイズが20MB程度のファイルであっても、
ダウンロードには2時間以上かかっていた。
80%程度ダウンロードが進んだところで、なぜか回線が切れることがあって、
しかもそういうときに限って最初からダウンロードをやり直さなければならなかった。

そういう状況でも、ダウンロードが成功すれば、電話代は余計にかかってしまったけど、
ダウンロードしてよかった、と思えるくらいの予告篇が楽しめた。

いまAppleのiTunes Movie Trailersで見ることができる予告篇のクォリティのすごさには、
当時のものは到底およばないけれど、ダウンロードした予告篇を友人に見せると、
皆、サイズは小さいながらも、そのクォリティに驚いていた。

アナログモデムによる通信回線のクォリティは低いものだろう。
そんななかを通ってきて受け手側のパソコン内のハードディスクにおさめられるデータは、
元のサーバーにあったときとまったく同じである。

たったひとつでも違っていれば、それがソフトウェアであれば動作しなくなる。
圧縮ファイルであれば、解凍すらできない。

なのにオーディオでは、
CDトランスポートとD/Aコンバーターを接続するケーブルを交換するだけでも、なぜか音が変る。
その間の距離にしても大きく違う。
サーバーと受け手側の距離はいったいどれだけの距離になるのだろうか。
海外のサーバーからのダウンロードもあるのだから。
一方、CDトランスポートとD/Aコンバーターの距離は、短ければ50cm、長くても2mくらいだろう。

同じデジタル「信号」のはずなのに……、と当時は考え込んでしまっていた。
そして、井上先生の言葉を思い出していた。

Date: 5月 20th, 2010
Cate: Digital Integration

Digital Integration(デジタルについて・その3)

デジタルというものについては、オーディオの体験によってでき上がっていた。
それからすると、Macでのデジタルのふるまいは、やや不思議だった。

デジタルの概念からすると、Macの方が当り前であって、オーディオにおけるふるまいのほうが、
不思議ということになるわけだが、なぜデジタルで、こうも違うところがあるのか、と感じていた。

とくにインターネットを始めてからは、その不思議さは、頭の中ではなく、感覚的に残り、すこし強くなっていく。
1997年に、アナログモデムを買って、はじめた。
最初はうちは、それこそうれしくて、あちこちからフリーウェアやシェアウェアをダウンロードしていた。

アナログモデムだから、当然、デジタルをアナログに変換して電話回線を通り、またデジタルにもどる。
D/A、A/D変換を経由しているわけだ。
オーディオで、CDトランスポートとD/Aコンバーターのあいだに、D/A、A/Dコンバーターを挿入したら、
試したことはないけれど、明らかに音質は劣化するはずだ。
どんなに高性能・高音質と評判のモノをもってきても、劣化は避けられない。

なのにインターネットを通じてダウンロードしてきたソフトウェアが劣化している、ということはない。
それは、ときどきダウンロードに失敗することはあっても、きちんとダウンロードができれば、
元と同じソフトウェアが、自分のMacの中にコピーされている。

’98年頃から、Appleのサイトから映画の予告編をダウンロードできるようになった。
これとてクォリティが劣化しているということはなかった。

これが正常なのであって、なぜオーディオでは、音が変化するのか。

Date: 5月 19th, 2010
Cate: Digital Integration

Digital Integration(デジタルについて・その2)

学生の時はコンピューターにふれる機会はなかった。
だから、デジタルというものを、ふれた、といえるのは、やはりオーディオにおいて、が最初だ。

1982年のCDの登場から、といってもいいだろう。
アナログディスクでも、デジタル録音であることを謳っているものが、いくつも出ていたし、
それらを聴いてはいたから、間接的にはデジタルなるものにふれてはいたけれど、
「これがデジタルか」と単純に、つよく印象づけられたのは、やはり最初に聴いたCDの音、
以前に書いたが、試作品というか、特別仕様といってもいいマランツのCD63の音。

1991年にMacのClassic II(まだ漢字Talk6だった)を手に入れるまで、
私の中でのデジタルに対する「印象」は、すべてオーディオにおいてつくられていた。

Date: 5月 15th, 2010
Cate: Digital Integration

Digital Integration(デジタルについて・その1)

川崎先生の5月14日のブログ「信号と記号は光線上にあるかもしれない」において、
アナログ(信号)、デジタル(記号)と書かれている。

20数年前、井上先生が言われていた。
「CDに記録されているのはデジタルだけど、CDプレーヤー内部での振る舞い・伝達はアナログそのものである」

感覚的に、なんとなく理解はできた。
けれど、もうひとつ頭の中で明確化することはできずに、20年以上が過ぎていた。

アナログ(信号)、デジタル(記号)──、
これだけのことばで、はっきりした。すっきりした。

CDに刻まれているピットは、記号(デジタル)である。
その記号の純粋性が保たれているのは、いまのところCD上においてのみ、であって、
ピックアップで読みとられ、処理された時点で、それは信号へと変換されている。
波形はデジタル的であっても、電気信号として存在することになり、同時に時間軸も発生している。

井上先生の言葉に、こういうことも含まれていた、といま気がつく。

川崎先生は、こうも書かれている。

アナログ(信号)からデジタル(記号)へ=A/D ?
デジタル(記号)からアナログ(信号)へ=D/A ?