Archive for category Digital Integration

Date: 6月 15th, 2022
Cate: Digital Integration

Digital Integration(本とiPhoneと……・その4)

1984年、Appleからマッキントッシュの発表は、
The computer for the rest of usであった。

それまでのコンピューターは、専門家が使うモノというイメージが強かった。
つまり、The computer for the specialistだった。

1982年、CDの登場も、同じだったのかもしれない。
アナログディスクが全盛時代は、
家庭の中でのオーディオの位置は、お父さんの扱うモノだったことが多い。

すべての家庭でそうだったわけではなくても、
お父さんの許可がなけれは触れない、という話をきいたこともある。

なんとなく扱いがめんどうなモノという印象が、そのころはまだあった。
CDは、そんな印象を消し去ってくれたのではないだろうか。

ある時期まで、オーディオはオーディオマニアのモノだった。
ディスクではなくテープに関しても、
カセットテープが登場し、普及し、さらに日本のメーカーの努力によって、
ある程度の音質にまで向上したことで、
オープンリールテープまでは、お父さんの扱うモノだったけれど、
お父さん以外の家族が扱えるモノになっていった。

カセットテープもCDの登場も、サイズが小さくなったことが大きい。
CDがLPと同じ30cmのサイズだったら、どうだったろうか。
カセットテープにしても、オープンリールテープ並の大きさだったら……。

1984年に登場したマッキントッシュは、コンパクトだった。
最初のMacがふたまわり以上大きなモノだったら、
そのGUIがどんなに素晴らしいものであっても、生き残れただろうか。

あのサイズであったからこそのThe computer for the rest of usである。

ここでもスティーブ・ジョブズの言葉を引用しておく。
コンピューターは個人の道具ではない、と。
個人と個人をつなぐための道具である、ということを。

その道具としての適切なサイズがあっての“for the rest of us”だ。

Date: 9月 26th, 2021
Cate: Digital Integration

Digital Integration(Mojoを聴いてひろがっていくこと・続々購入)

昨晩、今晩とMojoで聴いていた。
いろんな音楽を、TIDALで聴いていた。

聴いていて、三年ほど前に別項「A CAPELLA(とMojo)」を書いていたことを思いだし、
シンガーズ・アンリミテッドの「A CAPELLA」を聴いてみた。

いい感じで鳴ってくれる。
かなりいいといってもいいぐらいに鳴ってくれる。

そしてふと音触について考える。
「A CAPELLA」の音触とMojoの音触の相性はいいのではないだろうか。
そんなことを、ふと感じていただけでなく、
Mojoは、多重録音の音触との相性がいいのではないか、
そんなふうに思うようになってきた。

「A CAPELLA(とMojo)」を書いていたころは、そこまで感じていたわけではなかった。
まだ数時間とはいえ、自分のモノとして聴いていると、
シンガーズ・アンリミテッドの「A CAPELLA」を、
写真家の野上さんのところで聴いたのは、偶然とはいえ、
Mojoの特質をもっとも活かす曲を聴いたことになる──、
そんなことを思っていた。

「A CAPELLA(とMojo)」では、スクリーンとビューアーについて簡単に触れた。
今日も、そのことを思っていた。

Date: 9月 26th, 2021
Cate: Digital Integration

Digital Integration(Mojoを聴いてひろがっていくこと・続購入)

ZEN DACは、以前はMQA対応ではあったが、フルデコード対応ではなかった。
それが2021年4月ごろから輸入されるようになったver.2からは、フルデコードになった。

価格は22,000円(税込み)。
DSD再生も、もちろんできる。

メリディアンの218を気に入って愛用しているが、DSD再生はできない。
DSDのネイティヴ再生に深いこだわりをもっているわけではないが、
それでもいくつかのアルバムで、
11.2MHzのネイティブ再生の音を聴いてみたいのがある。

DAM45(DSD 11.2MHz)」で書いているグラシェラ・スサーナのアルバムも、
そんな一枚である。

安価なD/Aコンバーターではなく、
もっときちんとした本格的なD/Aコンバーターを購入して、という気持はもちろんあるが、
いまはとにかく聴いてみたい、という気持の方が強い。
それにヘッドフォンアンプの、少しいいのが欲しかった。

だから試しに買ってみようかな、と思ったわけである。

ZEN DACは、そんな目的にはぴったりの機種だ。
電源は別に用意する必要はあるが、電源による音の変化もあれこれ試せる。
実験をかねて遊ぶには好適な製品だと思っている。

買う一歩手前だった。
音は聴いたことがないが、もし期待外れだとして、
いじって遊べれば、私はそれでよし、と考える。

買ったのか、といえば、買わなかった。
買ったのはMojoの中古である。

MojoがZEN DACよりも少し安い価格で出ていた。
選択肢が二機種。
どちらも同じような出費となる。

どちらにするか。ちょっと迷った。
遊べるのはZEN DACである。
でも、ZEN DACの筐体の形状が、どうしても気に食わなかった。

それだけの理由で、Mojoを買った。

Date: 9月 26th, 2021
Cate: Digital Integration

Digital Integration(Mojoを聴いてひろがっていくこと・購入)

2019年12月ごろのChordのMojoの実売価格は、四万円を切っていた。
並行輸入品ではなく、正規輸入品で、この値段だった。

このころがいちばん安く買えたようだった。
買おうかな、と考えていた。

でもMQAに対応しないのだろうか、
もしかするとMojo 2になってMQA対応になるかもしれない。

Mojoは2015年ごろに登場していたから、
そろそろ改良モデルが発表になるかもしれない。

そんなことを妄想していたから、もう少し待ってみることにした。
2020年、Mojo 2は出なかった。

メリディアンの218があるから、どうしてもMojoが欲しい、というわけでもなかったから、
Mojo 2(MQA対応)を、あと少し待ってみよう、と思うようになった。

そうするとMojoの実売価格が上ってきた。
2019年12月の価格が安すぎただけなのだ。

そうなるとよけいにMojo 2の発表を待ちたくなる。
2021年も半分を過ぎて、残り三ヵ月と少し。

Mojo 2は出るのだろうか──。
今度は、そんなふうに思うように変ってきた。

出ないのか、
それとも何かの理由(たとえば半導体不足)で発表が延期になっているだけなのか。
どちらなのかははっきりとしない。

それにMojo 2でMQAに対応するのかどうかもわからない。
Mojo 2が2022年1月のCESあたりで発表になったとしても、
MQA対応になっていたとしても、おそらく価格は十万円近くなるのではないだろうか。

オーディオ機器も値上りが続いている。
10月になると、いくつかのブランドが値上げをする。
そんな状況なのだから、Mojo 2は、そう安くはないはずだ。

ならば中古か手頃な値段だったら買おうかな、
それともiFi AudioのZEN DACを試しに買ってみようかな、
そんなことを考えていた。

Date: 5月 29th, 2021
Cate: Digital Integration

Digital Integration(デジタルについて・その11)

5月26日、赤塚りえ子さんのところに持っていたLANケーブルに施した工夫とは、
以前ラインケーブル、スピーカーケーブル、電源コードに、
よく施していたのと基本的に同じである。

私のシステムでは、それ以外にSPDIFケーブルにも施している。

おもしろいもので、その工夫を施すことによる音の変化は、
アナログケーブルだろうとデジタルケーブルだろうと同じ傾向を示す。

(その10)でふれたラインケーブルをデジタルケーブル代りにしたときの音の傾向に、
共通するものがある。

それも私のところのシステムでだけ、そんなふうに変化するのではなく、
赤塚さんのシステムでも同じように変化する。

LANケーブルに関しては、赤塚さんのところ以外では試していないが、
どこのシステムであっても変化の傾向は変らないはずだ。

この現象(現象といっていいだろう)が何を意味しているのか。
それを考えると非常に興味深いし、
今回の工夫をさらに徹底すれば、とも考えているが、
それをやるとなると、かなり手間がかかるので保留中。

高価なケーブル、高価すぎるとしか思えないケーブルに手を出すのは、
趣味の世界だし、その人が納得すればいいことなのだから、それはそれでいいのだが、
その前に、自分の手を動かしてみることで見えてくる領域があるというのを知ってほしい。

Date: 5月 19th, 2021
Cate: Digital Integration

Raspberry Piとオーディオのこれから(その1)

今日、Raspberry Pi 4(4GB)とAllo社のDigiOne Signatureを譲ってもらった。

これからぼちぼちとRaspberry Piとオーディオのことをやっていく予定だ。
頻繁な更新にはならないと思っている。
思い出したように更新していくぐらいだろう。

「Raspberry Pi オーディオ」で検索すれば、いくつも検索結果が表示される。
どのOSにするのか、どういう構成にするのか、
どういう設定にするのかなどは、そちらを参照してもらったほうが確実だし早い。

私は、感じたことを書いていくだけのつもりである。

昼過ぎに手に入れて、帰りの電車のなかで思い出したことがある。
ラックスのAUDIO OSECHI BOXのことだ。

最初の発表は2018年春だった。
Raspberry Pi搭載のオーディオ機器である。
2019年春にも発表があった。

2020年春に、新たな発表があるのか、と期待していたけれど、
コロナ禍でヘッドフォン祭が中止になったこともあってだろう、何もなかった(はずだ)。

さっき検索してみたけれど、
オーディオ関係のサイトでの記事は2018年と2019年がほとんどだった。
2020年、そして2021年の記事はない、といっていい。

LUXKITブランドを復活させて出す、とまで発表があったのに、
その後、まったく音沙汰なしなのは、コロナ禍のためなのか、
それとも他に事情があるのか。

春のヘッドフォン祭にあわせて発表がおこなわれていたから──、
も理由のひとつなのか。

計画そのものが中止になったのか、それとも継続中なのか。

Date: 11月 6th, 2020
Cate: Digital Integration

Digital Integration(本とiPhoneと……・その3)

昨日の昼、駅を出たところでiPhoneで会話をしている人が立っていた。
その人は、iPhoneを左手で持ち、右手の手話で、誰かと会話していた。

iPhoneにはFaceTimeというアプリが、最初からインストールされている。
おそらく、このアプリを使っての手話での会話なのだろう。

いわゆるテレビ電話である。
私が小学生のころ、テレビ電話は未来の技術だったし、
ましてそれが手のひらにおさまるサイズになるとは、なかなか想像できなかった。

SFもののテレビ番組では、腕時計にテレビ電話の機能が搭載されたものが、
何度か登場していた。

そんなモノがいつかは実現するんだろうけど、
生きているうちに出てくるんだろうか……、ぐらいに思っていた。

それがいま、現実のモノとして、
しかも特別なモノとしてではなく、多くの人が持っているモノとして存在している。

FaceTimeを使えば、テレビ電話ができることはわかっていても、
手話を使う人たちが、FaceTimeで会話するということは、想像していなかった。
だから、iPhoneには、こういう使い方もあるんだ、という感慨があった。

音声のみしか伝えられない電話は、
聴覚に障碍のある人にとっては、どういう存在だったのかを、
昨日まで考えることはなかった。

スマートフォンもコンピューターである。
手のひらにおさまるコンピューターである。

四年前の(その2)で、書いたことをくり返す。

ここでもスティーブ・ジョブズの言葉を思い出す。
コンピューターは個人の道具ではない、と。
個人と個人をつなぐための道具である、ということを。

Date: 1月 26th, 2020
Cate: Digital Integration

D/Dコンバーターという存在(その4)

私の場合、USBをSPDIFに変換するD/Dコンバーターが、
メリディアンの218を使っていく上で必要不可欠だった。

選択肢はいくつかあった。
条件としてiPhoneで使えることを加えると、FX-D03J+が第一候補となる。

FX-D03J+はD/Dコンバーターとして、単機能といっていい。
スイッチは何ひとつない。
入力はUSBだけ、出力は同軸と光の二系統。

D/Dコンバーターに求める条件は、人によって変ってくる。
私の場合でも、いまのところUSBをSPDIFに変換するだけでことたりているが、
これからは先は試してみたいことがいくつかあって、そうなるとFX-D03J+では対応できなくなる。

FX-D03J+が数万円もする製品ならば、ここでこれほどとりあげることはしない。
輸入盤のCD、ほぼ二枚分くらいで購入できるから、おもしろいと感じる。

本格的な製品ではないが、かわりにこれ以上部品を省略することができないほど部品点数は少ない。
それゆえの良さもある、と手を加えたFX-D03J+から感じられる。

218にUSB入力がついていれば、D/Dコンバーターは必要としない。
それにiPhoneはApple独自のLightning規格なので、
Lightning-USBカメラアダプタも必要となってくる。

さらにLightning-USBカメラアダプタとFX-D03J+を結ぶUSBケーブルも要る。
iPad ProはLightningではなくUSB-Cを採用しているため、
Lightning-USBカメラアダプタは不要になる。

iPhoneからストレートに218に接続できるようになれば……、
音を聴いていると、そんなことも思わないわけではないが、
それでもiPhoneと218のあいだに介在するこれらのモノをいじっていくと、
そこで気づくことがあるのも、また事実であり、
面倒だと思う気持よりも楽しいと感じる気持が強くなることもある。

Date: 1月 15th, 2020
Cate: Digital Integration

D/Dコンバーターという存在(その3)

あるオーディオショウで、ある輸入元のスタッフが来場者に向って、
「中国製の格安の製品がいくつもありますが、
当社扱いの製品は、そんな製品とは違ってひじょうに優れています」、
概ねそんなことをしゃべっていた。

その輸入元が扱っているD/Dコンバーターは、
FX-AUDIOのFX-D03J+の十倍程度ではなく、もっと高い価格の製品である。

それだけ大きく価格が違っているのだから、
あえて中国製の製品についてふれる必要はどこにもないだろう、
と聞きながら思っていたわけだけど、
実際に手を加えて、その音の変化にふれたあとでは、
輸入元のスタッフが、
中国製の同種の製品を意識せざるをえない状況になりつつあるのかも……、とも思えてくる。

FX-D03J+に手を加えたからといって、
これ以上のD/Dコンバーターは不要、などといいたいわけではない。
気になっているD/Dコンバーターはいくつもある。

くり返し書いているように、FX-D03J+はiPhoneで使える。
この点が、私にとっていちばん大きい。
そのうえで、とりあえず試してみるモノとして、四千円程度の価格は助かる。
しかも、私の場合、そこに手を加えて楽しんでいる。

侮れない、と感じている。

Date: 1月 14th, 2020
Cate: Digital Integration

D/Dコンバーターという存在(その2)

FX-AUDIOのFX-D03J+に手を加えるといっても、
そんなにいろんなことができるわけではない。

上記リンク先に内部写真も公開されている。
部品点数はほんとうに少ない。
少ないからこその、四千円前後という価格でもある。

手を加えるためにバラしてみると、
日本のメーカーではあまりふらないような合理的な造りだな、と感心するところもある。
ネジ一本、これ以上減らせない。

そういうモノであっても、聴感上のS/N比を向上させたい、という目的で眺めれば、
手を加えるところはいくつかある。

1月のaudio wednesdayの前日、つまり大晦日の夜遅くに、
ふと思い立ってFX-D03J+を手を加えては、音を聴いていた。

D/Dコンバーターによって音が変ることは、わかっている。
それでも部品点数がかなり少ないFX-D03J+で、
15分程度で終るようなことを施して、どれだけの音の変化があるのか、
そこに関心があった。

こちらの想像程度なのか、それ以下なのかそれ以上なのか。
結果は、それ以上であった。

夜中だったから、スタックスのヘッドフォンで聴いていた。
コンデンサー型のヘッドフォンではあまり期待できそうにない曲を聴いてみた。

FX-D03J+の、手を加える前と後の音を聴くのだから、
iPhoneを接続しての再生である。

手を加える前のFX-D03J+では、やっぱりこのくらいの鳴り方なのか……、としか思えない音だった。
大口径ウーファーのシステムで、音量をある程度上げてこそ映える曲なのだから、
スタックスのヘッドフォンに、どれだけの期待ができようか……、
そんな認識を、手を加えたFX-D03J+は覆してくれた。

Date: 1月 1st, 2020
Cate: Digital Integration

D/Dコンバーターという存在(その1)

メリディアンの218を聴くまでは、D/Dコンバーターにさほど関心をもっていなかった。
けれど218にはUSB入力がない。

基本、SPDIFがデジタル入力のメインである。
218を使っている人のなかには、USBがあればなぁ、と思う人は相当数いるはずだ。
だからこそ、メリディアンは昨夏、210 Streamerというモデルを出してきた。

218の良き相棒といえそうな210だが、
まだ聴いていないし、実物をみてもいない。

とにかく218をCDプレーヤー以外に接続しようとすれば、
D/Dコンバーターが必要になることが多い。

つまりUSBをSPDIFに変換してくれるモノが必要となる。
たった これだけの機能のモノが欲しいだけなのだが、
世の中には、じつにさまざまなD/Dコンバーターがある。

ポータブル型と据置型、
同期型と非同期型、
私が使っているFX-AUDIOのFX-D03J+は、
バスパワーで動作するポータブル型で、同期型である。

性能面でみれば、非同期型がほしいところではあるが、
持ち運びが楽なポータブル型で非同期型となると、
どうもiPhoneで動作するものはないようである。

よさそうなモノがあるのは知っている。
けれど、それらはどうもiPhoneとのバスパワーでは、
容量的に無理なようであり、さらには電源を用意したとしても動作保証はなかったりする。

私がもっているポータブル型のD/Dコンバーターも、もう一機種はiPhoneでは使えない。
ただしAndroidのスマートフォン、macOSでは使える。

iPhoneにこだわることで選択肢は、ずっと狭くなる。
結局のところ、ポータブル型だと、同期型のFX-D03J+ぐらいしかないようだ。

そうなると、動作するモノでなんとかするしかないわけだ。
だから手を加えることになった。

Date: 12月 21st, 2019
Cate: Digital Integration

Digital Integration(Mojoを聴いてひろがっていくこと・余談)

今日、amazonでいくつか検索していたら、
ChordのMojoが、おすすめの商品として表示され、現在の価格を偶然知った。

35,500円(税抜き)だった。
価格.comでも検索してみると、四万円を切っているのが大半だった。
並行輸入品ではない。正規輸入品で四万円を切っている。

昨年の夏ごろは、二倍くらいで売られていた。
ほぼ半額近くに、実売価格がなってしまった。

これは新しいMojoが登場するということなのか。
その可能性は十分あるだろう。
だとしたら、2020年1月のCESで発表なのか、と勝手に期待している。

さらに私が勝手に期待していることはもうひとつある。
MojoのMQA対応である。

そういうことになったら、実売価格は昨夏と同じくらいになるであろう。
それはそれでいいと思うし、
いまの実売価格も、また魅力的ともいえる。

マルチアンプ方式で、帯域ごとにMojoを用意する、ということが現実味を増してくるからだ。
そこまで実際にやるかどうかは措くとしても、
Mojoの現状の価格と小ささは、想像と妄想をアクセラレートしてくれる。

Date: 11月 4th, 2019
Cate: Digital Integration

Digital Integration(roonのこと・その3)

パイオニアのCDチェンジャーが、どのモデルなのかは、はっきりしない。
ソニーの200枚のCDチェンジャーは一機種だけのはずだからよかったが、
パイオニアの6枚のCDチェンジャーは、いくつものモデルが発売されていた。

ソニーのCDP-CX200Fは、200枚のCDをCDプレーヤー本体にすべて収納できた。
パイオニアのCDチェンジャーは専用のカセットマガジンにCDを入れ、
マガジンを交換すれば、6枚ごとCDの入れ替えができる。

私が知りたいのは、パイオニアのCDチェンジャーには、
CD-TEXTに対応していたのかどうかである。

そしてCDP-CX200Fにはディスクジャケットアルバムが付属していたが、
パイオニアのCDチェンジャーには、それに相当するものが付属していたのかどうかだ。

ソニーとパイオニアのCDチェンジャーの違いは、
収納できるディスク枚数、200枚と6枚だけではない。

CD-TEXTに対応せず、ディスクジャケットアルバムも付属していなかったとしたら、
CDプレーヤーとしてみた場合には、それほどの違いではなくても、
いまroonという存在を通してみた場合には、
これらの違いは、Danny Dulai氏の音楽鑑賞体験に大きく影響している、といえる。

ただ音楽を聴くだけでなく、パッケージメディア(LPやCD)にはジャケットがついてくる。
CDチェンジャーの場合、ディスクを収納したあと、ジャケットをどう扱うのか。

ソニーは考えていたからこそ、ディスクジャケットアルバムをつけ、CD-TEXTに対応している。

これこそが、roonのユーザーインターフェースにつながっている。

Date: 11月 4th, 2019
Cate: Digital Integration

Digital Integration(roonのこと・その2)

1996年にソニーが発売したCDプレーヤー、CDP-CX200Fというモデルがある。
型番の200が示すように、CD200枚をおさめられるCDチェンジャーである。

ディスプレイには、CD-TEXTに対応していて、
英数字で曲名、演奏者名を表示できた。
また別売のテキストディスプレイユニットでは漢字も表示できるようになっている。

これらの機能は文字情報がCDに入っている場合のみだが、
そうでないCDでもメモリー機能を利用して、曲名、アルバム名などを入力・記憶できた。

付属品としてリモコンだけでなく、ディスクジャケットアルバムがついていて、
ここにCDのブックレットをおさめられた。

オーディオマニアはおそらく見向きもしなかったCDP-CX200Fこそが、
roonの出発点といえる。

1996年ごろ、Danny Dulai氏はハタチぐらいで、
友人とニューヨークに住んでいた、とのこと。

その友人が持っていたのがCDP-CX200Fで、
彼らは二人がもつCD(約200枚)を、CDP-CX200Fにすべて収納して楽しんでいた。
けれど同居は解消になり、Danny Dulai氏の元には、
彼が所有するパイオニアのCDチェンジャー(6枚式)と、彼のCDだけとなる。

同居が終るまでに、なんとか200枚のCDを別の方法で聴けるようにしたい。
そしてCDP-CX200Fでの音楽鑑賞の体験こそが、roonにつながっている。

Date: 11月 3rd, 2019
Cate: Digital Integration

Digital Integration(roonのこと・その1)

別項「ショウ雑感」で昨日書いたように、
roonはデジタルインテグレーションを近い、目指している、ということを、
今日もroonのDanny Dulai氏をきいていて確信した。

パソコンやサーバーを使って、
つまりCDプレーヤーを使わずにデジタル化された音源を聴くためのアプリケーションは、
世の中にはいくつもある。

無料のモノもあるし、有料のモノもある。
どれがいいのかはすべてを試したわけではないし、
使い勝手も含めて、ともなると、評価はバラバラになるような気もする。

ただ、いずれもアプリケーションも、
基本的には音楽を聴くアプリケーションである。

そんなこと当り前じゃないか、といわれそうだが、
roonは、Danny Dulai氏がいっているように、
listen、browse、learnのためのモノである。

roon以外のアプリケーションに、それらの要素がまったくないとはいわないが、
はっきりと打ち出して、そこを目指しているのは、いまのところroonだけだ、と思う。

そしてDanny Dulai氏の話にも、
integrate、integrated、integrationが、何度か出てきた。