サイズ考(SAE Mark 2500を眺めていると)
SAEのMark 2500が届いて三ヵ月ちょっとが経った。
コーネッタから音を出さない日も、毎日眺めているのだが、
こんなに小さかったっけ、と思う。
アメリカのアンプだから、19インチ・ラックマウントのフロントパネルをもつ。
それに300W+300Wの出力だから、決して小さいアンプなわけはない。
Mark 2500をステレオサウンドで知ったとき、
大きいアンプだな、と思っていたし、
実物を見ても、やはりそう感じていた。
なにをもってフルサイズというのか、
それを語るところから始めなくては──、と思いつつも、
Mark 2500は、当時のアンプとしてフルサイズといえる一台だった。
つまり大きなアンプだったのだ。
なのにMark 2500の登場から四十年以上が経ち、
Mark 2500はむしろ小さく感じられるようになっている。
金属ブロックを削り出してシャーシーを作っているアンプ、
大きく重く見せようとしているアンプを見慣れてしまうと、
Mark 2500のサイズはコンパクトだな、ということになる。
自然空冷でなく強制空冷ということでヒートシンクの造りが、
簡単なモノですんでしまっていることも、そう感じてしまえることに関係している。
おもしろいもので、Mark 2500のサイズとプロポーションが、
自分のモノとして毎日眺めていると、発売から四十年以上経っているのに、
やたら新鮮に思える。
中学生のころ、Mark 2500を小さく感じられるようになるなんて、
そして新鮮に感じられるようになるなんて、想像できなかった。