Westrex Londonを鳴らしてみて(その2)
渡辺茂夫と聞いても、どんな人か、ほとんどの人は知らないと思う。
私は、なんとなく名前だけは聞いた(見た)記憶があるけれど、
だからといって、どんな人なのかについては、ヴァイオリニストだった──、それだけだ。
前回のaudio wednesdayが終ってから検索して、
インターネットで知り得ることは調べたけれど、
そのことによってCDを買って聴いてみよう、とはならなかった。
それに三十年ほど前に発売されたCDは廃盤のようで、入手は難しい。それもあって、それ以上の興味は持たなかった。
おそらく先日のaudio wednesdayに来ていた人で、渡辺茂夫のCDを聴いたことのある人は、一人だけ。
CDを持って来られた人だけのはず。
誰のCDなのか、どういう人なのか、全くの説明なしに渡辺茂夫のCDをかけた。
それで考え良かった。
何の先入観もなしに、ウェストレックス・ロンドンの音とともに、
渡辺茂夫の演奏に、皆驚いたのだから。
このCDは東芝から出ていた。
ライナーノーツによると、88.2kHz、20ビットでデジタル変換されている。
ならば、QobuzかTIDALで、このスペックのまま配信をしてほしい。
とにかく49年ぶりに鳴った野口晴哉氏のウェストレックス・ロンドンは、聴く人みなの心を捉えてしまった。