Archive for 2月, 2018

Date: 2月 28th, 2018
Cate: きく

感覚の逸脱のブレーキ(その7)

菅野先生が、「パイプ」に書かれていることを引用しておく。
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 私はいままでにずいぶんと、期間を区切って禁煙している。たとえば一日禁煙したり、長いときには半年とか一年ということもあるが、これはタバコをやめようと思って禁煙するのではない。白紙に帰して、あの初心のおいしさを味わおうということで禁煙するわけだ。音楽でも同じだが、常に飽和状態にしておくことはよくない。やはり飢餓状態にしておくことが必要だ。朝から晩まで音楽を聴いていては感受性がにぶってしまう。食物でもしかりだ。だからタバコがマンネリになったと思ったらやめて、それもできるだけ長くやめる。何についても自己規制は必要であり、自分の感受性のゼロバランスを戻す努力をすべきだと思う。
(「音の素描」より)
     *
ステレオサウンド 86号に、岡先生による「音の素描」の書評が載っている。
岡先生も、「パイプ」の一節について書かれている。

上に引用したところについて、こんなふうに表現されている。
《そのあとのしめくくりの短文が菅野さんならではのものである》と。

私もそう思う。
《自分の感受性のゼロバランス》、
《感覚の逸脱のブレーキ》とともに忘れてはならない。

Date: 2月 27th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(その47)

ディネッセンのJC80のことを思い浮べる。
型番からわかるように、ジョン・カールの設計による、このプリアンプは音は良かった。

外観や外部電源のつくりなど、注文をつけたいところはいくつもあったが、
その音を聴いてしまうと、欲しくなる。どうしても欲しくなるほどの音の魅力があった。

JC80と出合ったのは、ステレオサウンドで働きはじめたばかりのころで、
そうとう無理しても手の届くアンプではなかった。

それでも試聴の度に、欲しい、と思わせる。
ただ残留ノイズだけは、大きかった。

当時のステレオサウンド試聴室のリファレンススピーカーは、JBLだった。
4343から4344へと替ったころにあたるが、どちらも出力音圧レベルは同じで、
カタログ値は93dB/W/mで、いまの感覚からすれば高能率ということになるだろうが、
当時としては、フロアー型としてはやや低めだった。

それでも残留ノイズは、かなり大きい。
ボリュウムを絞りきっていても、
入力セレクターをライン入力にしていても出ているわけだから、
ラインアンプの残留ノイズである。

音楽が鳴っていないと、つねにスピーカーからシーッというノイズ音がしている。
けれど、そのノイズは、音楽が鳴り出すと、気にならなくなる。

それでも、人によってはそうとうに気にするであろうし、
私だって、もう少しなんとかならないものかと思っていた。

Date: 2月 27th, 2018
Cate: 川崎和男

KK適塾 2017(3月23日)

今年度のKK適塾の四回目は、3月23日に行われる。
受付が始まっている。

KK塾、KK適塾に行って毎回おもうのは、
もっとオーディオ関係者が来てほしい、ということだ。

オーディオ関係者とは、オーディオ業界の人だけを指すわけではない。
オーディオ好きの人を含めて、の意味だ。

平日の昼、時間を都合するのがたいへんな人もいよう。
それでも、オーディオ好きの人は、一度来てほしい。

四回目の講師は石黒浩郎氏である。

Date: 2月 26th, 2018
Cate: audio wednesday

30年ぶりの「THE DIALOGUE」(さらに余談)

ステレオサウンド 46号のUREIのModel 813の試聴記を読みながら、
ジャズを、それも古い録音のジャズを思い切り気持良く鳴らしてくれるスピーカーだ、と思った。

だからスイングジャーナルでは、ステレオサウンド以上に高く評価されるだろう、と思った。
そのころのスイングジャーナルを熱心に、毎号読んでいたわけではない。
だから見落している可能性も高いのだが、
スイングジャーナルでModel 813が高く評価された、という記憶がない。

菅野先生はスイングジャーナルの試聴室でも、Model 813を聞かれていても不思議ではない。
スイングジャーナルに、菅野先生によるModel 813の記事は載っているのだろうか。

ちょっと不思議に思えることだが、
46号に載っているModel 813のインピーダンスカーヴを見ていると、
もしかして、このへんに起因しての、スイングジャーナルでの評価だったのかも……、
と、気になる点がある。

Model 813は604-8Gにサブウーファーを足している関係上、
サブウーファーの受持帯域では、604-8Gのウーファーとサブウーファーとが、
並列にアンプの負荷となるわけで、インピーダンスがかなり低下する。

46号のグラフをみると、40Hzよりも少し高いところにf0のピークがあり、
このピークも10Ω程度とさほど高くなく、そこからインピーダンスは低下する。

80Hzあたりでは4Ωを切っていて、ほぼ3Ωといっていい。
150Hzあたりからやや上昇していくが、300Hzあたりでも4Ωくらいしかない。
これは、当時のアンプにとっては、けっこうな負荷となっていただろうと推測できる。

しかも、ある人から聞いた話では、
スイングジャーナルの試聴室の特性は、
Model 813のインピーダンスがもっとも下る帯域あたりで、
レスポンスが低下する、らしい。

スイングジャーナルの試聴室に入ったことはないし、
測定データを見たわけでもないから、断定はできないものの、
試聴室の特性に関しては信頼できる人からの情報だから、
私の記憶違いでなければ、試聴室のレスポンスの低下と、
Model 813のインピーダンスの低下する帯域とはほぼ一致している。

このへんに、スイングジャーナルでのModel 813の評価の理由がある、と私は見ている。

Date: 2月 26th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(その46)

井上先生は、かなり以前から「ノイズも音のうち」といわれていた。
このことを少し具体的に書かれているのが、
「ラックス論:ハイエンドオーディオの神髄ここにあり」である。
     *
オーディオ機器としてのクォリティ、つまり物理特性を上げていけば、当然の帰結として、音の鮮明さ、分解能は向上し、以前のラックス製品と比べると最新のものはそうとうに細かく、かつダイナミックで、音場感情報が豊かな音を出すようになってきているのは事実だ。
 しかし、そこで面白いのは、ラックスマンのアンプは徹底してノイズを取るという志向ではないところだ。たとえば今回の試聴テストでも、C10とB10の組合せをJBL4344MkIIで聴くと、プリアンプのボリュウムを絞りきっても、海外製品のように、かすかに残留ノイズが聴き取れる。国内メーカーのアンプでは、ボリュウムを絞りきるとまったく無音、いっさいノイズは聴きとれないというのがほとんどだが、ラックスは違う。徹底してノイズを取ることを至上とするよりは、むしろ音の生き生きした表現力の豊かさの方を重視する。このへんは海外製品にも通じる、ラックスならではのア符スー値というべきだろう。無用にSN比を上げるカタログ至上主義ではなく、実用レベルのSN比を重視し、音楽に悪影響を与えないかぎりは、ノイズを抑えることによって音楽の表情が死んでしまわないよう、音楽の表情の豊かさ、自然さの方を重視しているのがラックスマンの考え方といえる。
     *
音の生き生きした表現力の豊かさ、音楽の表情の豊かさ、自然さ、
これらをひとことで表わすなら、聴感上のダイナミズムだ。

Date: 2月 26th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(その45)

これまでに何度も聴感上のS/N比の重要性について書いてきた。
聴感上のS/N比を向上させることで、
聴感上の周波数レンジ、ダイナミックレンジも向上する、とも書いている。

ここでいう聴感上のS/N比を向上させるために必要なのは、
まず機械的な雑共振をなくしていくことである。

どんな素材を使っていても、その素材固有の鳴きは大なり小なりある。
まったくないといえる素材は、いまのところ存在しない。

それら固有の鳴きを徹底して抑えていくことも聴感上のS/N比を向上させることにつながるが、
素材固有の鳴きを完全に抑えることは無理だし、
徹底することの、音への影響は昔からいわれている。

必ずしもダンプして鳴きを徹底的に殺していく方法は、好結果を生まないことが多い。
大事なのは、雑共振である。

素材固有の鳴きと雑共振は違う。
CDプレーヤーの天板の上に、CDのプラスチックケースをいくつか置く。
これだけ聴感上のS/N比は確実に悪くなる。
これが雑共振による聴感上のS/N比の悪化の、簡単に試させる例のひとつだ。

もっとも雑共振のかたまりのような環境にオーディオ機器を設置していては、
あまり大きな変化量はなかったりする。

雑共振は、徹底してなくしてべきである。
雑共振もノイズである。
素材固有の鳴きも、ある種のノイズである。

そして(その44)で書いているストコフスキー、
ライナーの録音、
これらに含まれていて、ヤマハのNS5000の音を魅力的に響かせたのも、またノイズである。

ノイズは聴感上のダイナミズムに関係してくる。

Date: 2月 25th, 2018
Cate: フルレンジユニット

シングルボイスコイル型フルレンジユニットのいまにおける魅力(その17)

ユニットの三角形配置(三発配置)に、
昨日電話をくれた友人ふたりは興味をもってくれた。
ひとりは三発ウーファーのEurodynの音を聴いている。

スピーカーユニットの三角形配置は、こんな電話をもらうと、
妄想がふくらんでいく一方だ。

ウーファーを、38cm口径三発はたいへんでも、
30cm口径三発ならば、なんとかなるんじゃないか、
そんなことまで考えはじめている。

それで気づいた。
そういえばUREIのModel 815も、そうじゃないか、ということに。

Model 813は604-8Gに同口径のサブウーファーを一発足している。
Model 815は二発足したシステムで、
三本のユニットは三角形配置である。

一本は604-8Gであるから、同じユニット三本というわけではないが、
サブウーファーの受持帯域に関しては三角形配置の音である。

Model 815の音を聴く機会はなかった。
見たこともない。
どんな音だったのだろうか。

Date: 2月 25th, 2018
Cate: オーディオ入門

オーディオ入門・考(マンガ版 オーディオ電気数学・その2)

説明の仕方が違うということは、
同じことに対しての理解の仕方が違う、ということでもあろう。

「マンガ版 オーディオ電気数学」は、その意味で、
いくつかのことで理解が不十分であったのを指摘してくれた一冊でもある。

Date: 2月 25th, 2018
Cate: オーディオ評論

オーディオ評論家の才能と資質(その6)

スピーカーをうまく鳴らせるのは誰なのか。
そのスピーカーを設計・開発した人でしょう、という人がいる。

本気でそんなことをいう人が意外にいる。
どうして、そういう考えになるのか、不思議に思う。

例えばカメラ。
カメラメーカーの技術者が、もっともいい写真を撮れるのか、というとそうではない。
プロのカメラマン、写真家がいる。

写真家よりも、そのカメラについては開発した人のほうがずっと詳しい。
だからといって、写真家よりいい写真が撮れるわけではない。
そんなことはほとんどの人がわかっている。

車にしてもそうだ。
車の開発者が、いちばん速く走らせられるか、というとそんなことはない。
このことだって、ほとんどの人がわかっている。

そんなわかりきったことが、なぜかオーディオでは通用しなかったりすることがある、
通用しない人がいる。

その1)で、オーディオ評論家はスピーカーをうまく鳴らすことが求められる、
と書いた。
その5)では、どんなに耳がよくても、
スピーカーをうまく鳴らせなければ、それはオーディオ評論ではなくサウンド批評だ、とも書いた。

車の評論家を考えてみてほしい。
車の評論家で、運転できない人がいるだろうか。
助手席に座っているだけで車の評論ができると思っている人が、
スピーカーがうまく鳴らせなくとも、オーディオ評論家というのだろう。

Date: 2月 25th, 2018
Cate: audio wednesday

30年ぶりの「THE DIALOGUE」(あとすこし余談)

ステレオサウンド 46号の特集で、菅野先生がもっとも高く評価されていたのは、
UREIのModel 813である。
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 ところで、今回の試聴で一番印象に残ったスピーカーは、ユナイテッド・レコーディング・エレクトロニクス・インダストリーズ=UREIの813というスピーカーである。このスピーカーは、いわゆるアメリカらしいスピーカーともいえる製品で、モニターとしての能力もさることながら、鑑賞用としての素晴らしさも十分に併せもっている製品であった。
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46号で、Model 813は初めて登場している。
特集だけでなく、新製品紹介のページでも、46号での登場である。

アルテックの604-8Gを使いながらも、
アルテックのスピーカーがそれまでのアメリカのスタジオモニターの流れを代表していたのに対し、
Model 813は新しい動きを提示した、ともいえよう。

Model 813の試聴記では、こう書かれている。
     *
モデル813と呼ばれるこのユニークなシステムは、正直なところ完全に私を魅了してしまった。その高域は、604-8Gとは似ても似つかぬ繊細かつ、明確、なめらかなハイエンドと化し、しなやかな弦の響きを再現するし、パルシヴな高域のハーモニックスも優美な音を響かせる。加えて、適度にダンピングをコントロールした低域の豊かさは素晴らしく、フェイズ感はナチュラルで、近来稀に聴く優れたスピーカーだった。
     *
《パルシヴな高域のハーモニックス》、
これは「THE DIALOGUE」の再生においてのことではないだろうか。

そう思っていま読み返すと、
「THE DIALOGUE」がそうとうにうまく鳴ったようにおもえてくる。

Date: 2月 25th, 2018
Cate: audio wednesday

30年ぶりの「THE DIALOGUE」(余談)

「THE DIALOGUE」のLPがオーディオ・ラボから発売になったのは、
1978年2月25日である。

ステレオサウンドの試聴で「THE DIALOGUE」が最初に使われたのは、
46号の特集「世界のモニタースピーカー そのサウンドと特質」においてである。

菅野先生が使われている。
ただしLPではなくテープである。
     *
 それから、モニタースピーカーのテストということなので、試聴には2トラック38cm/secのテープがもつエネルギーが、ディスクのもつエネルギーとは相当違い、単純にダイナミックレンジという表現では言いあらわしきれないような差があるためである。ディスクのように、ある程度ダイナミックレンジがコントロールされたものでだけ試聴したのでは、モニタースピーカーのもてる力のすべてを知るには不十分であると考えたからでもある。テープは、やはり私がdbxエンコードして録音したもので、八城一夫と川上修のデュエットと猪俣猛のドラムスを中心としたパーカッションを収録しており、まだ未発売のテープをデコーデッド再生したわけである。そのテープにより、スピーカーの許容入力やタフネスという、あくまで純然たるモニタースピーカーとしてのチェックを行っている。
     *
猪俣猛のドラムスを中心としたパーカッション、
「THE DIALOGUE」のことで間違いない。

この時、ステレオサウンドはの試聴室では、どんな音が鳴り響いたのだろうか。

Date: 2月 25th, 2018
Cate: ジャーナリズム, 組合せ

組合せという試聴(その10)

オーディオの面白さは、組合せにある。
システム全体という組合せ、
スピーカーシステムという組合せもある。

そう捉えているから「スピーカーシステムという組合せ」も同時に書いている。
別項「オーディオの楽しみ方(つくる)」での自作スピーカーもまた組合せ、
それゆえに音をつめて作業に求められるのは、
この項で何度が書いているように、受動的聴き方ではなく、能動的聴き方である。

受動的聴き方が求められていないわけではないが、
受動的聴き方だけでは無難なスピーカーシステムにしか仕上がらないのではないか。

能動的聴き方をして、「いいスピーカー」へと近づいていくのではないだろうか。

組合せ(component)は、いわば組織である。
スピーカーシステムという組織、システム全体という組織にしても、
受動的聴き方によってまとめられた組織というものは、どこかが弱いとでもいおうか、
構造的強さをもっていない、とでもいおうか、そんな印象がある。

組織という意味では編集部もそうだ。
組織は入社試験、面接によって人を選ぶ。
その選び方が受動的なのか能動的なのか。

受動的な視点で集められた組織というものの弱さを感じる。

Date: 2月 24th, 2018
Cate: オーディオ入門, ディスク/ブック

オーディオ入門・考(マンガ版 オーディオ電気数学・その1)

オーディオ関連書籍のコーナーには、数ヵ月に一回くらいの割合で行く。
いくつかの書店の、そのコーナーをざっと見て、面白そうな本が出ていたら手にとる。

今日行った書店には、「マンガ版 オーディオ電気数学」があった。

奥付には、2013年8月20日発行とある。
四年半以上前に出ていた本に、今日初めて気づいた。
あまり期待していなかったが、「オーディオ電気数学」が示すように、
虚数の説明から始まる。

ここ数年、オーディオ入門書として発売されている本からすれば、
マンガ版とはいえ、数式はけっこう出てくるし、回路図ももちろん出てくる。

マンガ版と謳っているが、マンガとしての出来はそれほど高いとはいえないし、
そのせいで、本としての出来を少しスポイルしているかな、と感じなくもないが、
それでも、ここで紹介したいと思うだけの内容はもっている。

すべての説明がわかりやすい、とはいわないが、
この本を読んで、「あれって、そうだったのか」と気づく人はいるはずだ。

私も、この本に書かれていることをすべてを知っていたわけではないし、
知っていることでも、こういう説明の仕方もあるのか、と感心するところもある。

マンガ版だからといって偏見をもたずに、一度手にとって見てほしい、と思う。

Date: 2月 23rd, 2018
Cate: 書く

毎日書くということ(答えではなく……・その2)

六年前に「毎日書くということ(答えではなく……)」を書いた。

究極の問い、最終的な問いを求めて、こうやって毎日書いているのかもしれない、ということを書いた。

この問いこそが、表現の源なのだろう。

Date: 2月 23rd, 2018
Cate: フルレンジユニット

シングルボイスコイル型フルレンジユニットのいまにおける魅力(その16)

シーメンスのEurodynが、38cm口径ウーファーを22cm口径三発に変更したときは、
シーメンスも堕落したものだと思った。

その後に登場したスタジオモニター(八木音響の広告に載っている)は、
アルテックのユニットを使ったシステムだっただけに、
そのイメージが重なり、シーメンスともあろうものが……、
そんなふうに思っていた時期があった。

思い入れが強いだけにそう思ってしまったのだが、
少し冷静になって考え直してみると、
1970年代後半にEurodynのウーファーの変更は、
それなりの意図があってのことだ、とも思えてくる。

いまから40年ほど前とはいえ、すでにEurodynは古典的スピーカー、
もっといえば古物的スピーカーともいえた。
Eurodynを新規に購入する劇場はどのくらいあっただろうか。

38cm口径時代のEurodynには音響レンズはついてこなかった。
22cn三発になってからは標準装備されている。
このことは、指向特性の改善を図ってのこと。

ということはユニット三発配置は、この点に置いてはっきりとしたメリットがあるのだろう。
しかもEurodynは、ウーファーとホーンを固定しているフレームも変更している。
旧型のフレームそのままでは、22cm三発の配置はサイズ的に無理があるから、
旧型の49cmの横幅は、61.8cmへとなっている。

ただユニットの造りそのものを比較すると、
やっぱり堕落したな……、と思ってしまうけれど、それでも三発配置について、
真剣に考え直してみる必要と価値はあるはずだ。