Date: 2月 23rd, 2018
Cate: フルレンジユニット
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シングルボイスコイル型フルレンジユニットのいまにおける魅力(その16)

シーメンスのEurodynが、38cm口径ウーファーを22cm口径三発に変更したときは、
シーメンスも堕落したものだと思った。

その後に登場したスタジオモニター(八木音響の広告に載っている)は、
アルテックのユニットを使ったシステムだっただけに、
そのイメージが重なり、シーメンスともあろうものが……、
そんなふうに思っていた時期があった。

思い入れが強いだけにそう思ってしまったのだが、
少し冷静になって考え直してみると、
1970年代後半にEurodynのウーファーの変更は、
それなりの意図があってのことだ、とも思えてくる。

いまから40年ほど前とはいえ、すでにEurodynは古典的スピーカー、
もっといえば古物的スピーカーともいえた。
Eurodynを新規に購入する劇場はどのくらいあっただろうか。

38cm口径時代のEurodynには音響レンズはついてこなかった。
22cn三発になってからは標準装備されている。
このことは、指向特性の改善を図ってのこと。

ということはユニット三発配置は、この点に置いてはっきりとしたメリットがあるのだろう。
しかもEurodynは、ウーファーとホーンを固定しているフレームも変更している。
旧型のフレームそのままでは、22cm三発の配置はサイズ的に無理があるから、
旧型の49cmの横幅は、61.8cmへとなっている。

ただユニットの造りそのものを比較すると、
やっぱり堕落したな……、と思ってしまうけれど、それでも三発配置について、
真剣に考え直してみる必要と価値はあるはずだ。

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