瀬川冬樹氏のこと(45真空管アンプ・その2)
(その1)で書いている45を使ったラインアンプ。
一年前は、こういうアンプもおもしろいかも、ぐらいだったけれど、
終のスピーカーがやって来ることになって、真面目に考えるようになってきた。
45単段のラインアンプである。
あくまでもラインアンプで、ライントランスを使って600Ω出力。
なので出力は大きい必要はない。
となるとプレート電圧を低めにしてバイアスも浅めに。
そうすればコントロールアンプとパワーアンプ間に挿入する使い方になる。
アンプというよりもバッファー(インピーダンス変換)である。
45の音を附加するためのモノである。
*
暗中模索が続き、アンプは次第に姿を変えて、ついにUX45のシングルになって落着いた。NF(負饋還)アンプ全盛の時代に、電源には定電圧放電管という古めかしいアンプを作ったのだから、やれ時代錯誤だの懐古趣味だのと、おせっかいな人たちからはさんざんにけなされたが、あんなに柔らかで繊細で、ふっくらと澄明なAXIOM80の音を、わたしは他に知らない。この頃の音はいまでも友人達の語り草になっている。あれがAXIOM80のほんとうの音だと、私は信じている。
*
瀬川先生に倣って、定電圧放電管を使おうか、とも考えている。