2022年ショウ雑感(その14)
音で印象に残っているのは、もうひとつタイムロードのブースだ。
スピーカーはNodeのHylixa、球体状のスピーカーシステムだ。
ここでの音は、このスピーカーの音ということももちろんなのだが、
ちょうどかかっていたディスクとの相性を含めての音である。
かかっていたのは、Yelloの“The Vanishing of Peter Strong”という曲だった。
曲を検索してくれるShazamがあるから曲名がすぐにわかったけれど、
私はYelloというバンドも知らなかった。
“The Vanishing of Peter Strong”のよさを、
Hylixaは見事なほどに発揮していた、と感じながら聴いていた。
人工的な音響空間の曲のつくりなのだろうが、
目を閉じて聴いている時の空間の認識が、
Hylixaの置き位置と一致しないほどに気持ちよく拡がっていた。
Hylixaというスピーカーの特質をもんとも活かす選曲だと思うし、
“The Vanishing of Peter Strong”ならではの音の世界を、
もっともよく再現してくれたスピーカーでもあったはずだ。
曲とスピーカー、それぞれの特質の相性がこれほどマッチしていたのは、見事。