Archive for category デザイン

Date: 12月 2nd, 2023
Cate: デザイン

倉俣史朗のデザイン ──記憶のなかの小宇宙(その5)

倉俣史朗のデザイン ──記憶のなかの小宇宙」では、
図面や写真の展示もあった。

山荘Tという図面と写真があった。
裾広がりの階段の写真と図面である。

その平面図を見ると、ホーン型スピーカーのように見えてくる。
そして、次の瞬間おもったのは、これって、もしかして──だった。

山荘Tの「T」とは、この山荘の持ち主のイニシャルではないのか。
そうだとしたら、田中一光氏の「T」なのではないのか。

展示されているモノクロの写真から受ける印象が、
ステレオサウンド別冊「コンポーネントの世界 ’77」で見た別荘の写真と重なってきた。

別荘V・ハウス「ビルト・インの手法」の写真のことだ。
山中湖にある。

そこにはJBLの4341が、壁にビルトインされていた。
コントロールアンプはLNP2のほかにAGIの511もあり、
パワーアンプはマランツのModel 510M。
レコードをふくめ、これらのオーディオ機器すべて、特別誂えの収納棚にビルト・インされている。

当時、中学二年だった私は、いったいどんな人が、ここに住んでいるのだろうか、
どんな人の別荘なのだろうか、と想像してみたけれど、何もわからなかった。

それから一年後、ステレオサウンド 45号を読んで、田中一光氏の別荘だったことを知る。

このV・ハウスが、山荘Tなのではないのか。
確証は何もない。

ただそう感じただけである。

けれど、世田谷美術館で図録を購入した。
帰宅して、巻末の倉俣史朗年譜を眺めていたら、
1991年のところに、
《山中湖の田中一光氏の別荘を借り、妻の美恵子、長女の晴子とともに過す》とある。

これだけでは何の確証にもならないことはわかっている。
それでも、そうなのか、と思っている。

Date: 11月 30th, 2023
Cate: デザイン

倉俣史朗のデザイン ──記憶のなかの小宇宙(その4)

世田谷美術館は砧公園のなかにある。
砧か──、とおもっていた。

帰り道、来た道をもどるよりも違う道を選びたい。
オーディオマニアだから、砧に反応する。

世田谷美術館を出て、砧八丁目をめざして歩き始める。
すぐに着くわけではないが、歩いた方が早い位置関係。

そんなところに何があるかといえば、瀬川先生が建てられた家がある。
ステレオサウンドに連載されていた、あのリスニングルームがある家である。

もう四十年以上経っている。
もう取り壊されて、別の建物があってもおかしくないほどの年月だ。

いまも残っているとは期待していなかった。
けれど、そこには「大村」の表札があった。

いまも残っている。
このことが、今回の「記憶のなかの小宇宙」ということと、
私のなかでは結びついていく。

Date: 11月 30th, 2023
Cate: デザイン

倉俣史朗のデザイン ──記憶のなかの小宇宙(その3)

今日(11月30日)、「倉俣史朗のデザイン ──記憶のなかの小宇宙」に行ってきた。

最寄りの用賀駅から世田谷美術館まで、住宅街を歩いていく。
車の往来が激しい環八をほとんど歩くことなく着けるのがいい。
途中、ステレオサウンドが入っているビルの前を通る。

このビルの少し先の横断歩道をわたると砧公園で、そのなかに世田谷美術館がある。
歩ければ十五分ほどかかる。

平日の午前中ということもあって、ゆっくり見ることができた。
見て感じたこと、書きたいことはいくつもある。

一つ書きておきたいのは、
オーディオに関心をもっているのであれば、
オーディオには直接関係ないだろう、とは思わずに来てほしい、ということだ。

行って見ても、オーディオとなんら結びつかない人もいよう。
でも、何かが結びついていく人も、きっといる。

世田谷美術館での開催は、2024年1月28日まで。
その後、富山県美術館で、2024年2月17日から4月7日まで、
京都国立近代美術館で、2024年6月11日から8月18日まで開催される。

Date: 11月 8th, 2023
Cate: デザイン

倉俣史朗のデザイン ──記憶のなかの小宇宙(その2)

あと十日で、「倉俣史朗のデザイン ──記憶のなかの小宇宙」が開催される。

ということを今日書くつもりでいたら、
こんな記事が飛び込んできた。
倉俣史朗デザイン、伝説のバー「COMBLÉ」(コンブレ)が復活!

今度こそ行ってみよう。

Date: 10月 23rd, 2023
Cate: デザイン

Where We Are – ヤマハデザイン研究所60周年企画展(その2)

最終日の今日、行ってきた。
平日の夕方にもかかわらず、会場には多くの人がいた。

熱気があった、と感じた。
できれば初日に行って、なにか書こうと思っていたのだけれど、
なかなか都合がつかずに、これを書いている時には、もう終ってしまっている。

いわゆるオーディオ機器の展示はなかったけれど、
無指向性スピーカーはあったし、
オーディオに関係しているといえるモノもあった。

もう少し会期が長ければ、とか、他のところでも開催してくれれば、とは思う。

今日、みてきたモノが、
これから先のヤマハのオーディオ機器のデザインにどう取り入れられていくのか、
それはいまのところなんともいえないが、
少なくとも期待してもいいのではないかと感じることがあった。

見終って会場をあとにしようとしたとき、入り口にあったパネルにある文章を読んでいた。
するとスタッフの方(おそらくデザイン研究所の方だろう)が、話しかけてこられた。

その話の内容に頷きながら、その人の熱っぽさを感じていたからだ。

Date: 10月 13th, 2023
Cate: デザイン

Where We Are – ヤマハデザイン研究所60周年企画展(その1)

ヤマハのデザイン部門が発足して、今年で60年ということで、
東京・六本木のAXISギャラリーで、
10月21日(土)から23日(月)まで、
Where We Are – ヤマハデザイン研究所60周年企画展」が開催される。

三日間という短い開催だけれども、
都合をつけて行くようにしたい。

Date: 8月 27th, 2023
Cate: デザイン

管球式プリメインアンプのデザイン(その6)

アンプにおけるフロントパネルについて考えていると、
ラックスのパワーアンプM12、それのモノーラル版のB12のことを思い出す。

ヒートシンクをフロントパネル側にもってきたデザインといえば、
QUADのパワーアンプ、405がある。

いま見てもしゃれたデザインだと思う。
これが大きすぎると、そうは感じないのかもしれないが、
405のサイズは、登場時の1976年では、100W+100Wのパワーアンプとしては小型だった。

いまではD級アンプの進歩によって、もっと小さなサイズでより大出力も可能になっているが、
405のころは、405のサイズと出力は、それだけでも訴求力があった。

M12は405の数年後に登場している。
おそらく405の影響を受けている。

M12もヒートシンクをフロント側にもってきている。
405はヒートシンクのフィンは、1cmほど突き出している程度だが、
M12はもっと長く突き出している。

本格的なヒートシンクを、サイドやリア側ではなくフロントにもってきているのは、
M12が最初かもしれない。

M12に採用されているヒートシンクではパワートランジスターが露出してしまう。
この手のヒートシンクを採用した海外製のアンプでは、
パワートランジスターにキャップをかぶせて安全性を確保しているが、
ラックスはそんなヤボな手法をとらず、突き出ているヒートシンクをメッシュで囲っている。

そして、この保護用のメッシュが、いわゆるフロントパネル代りなのだ。
M12にフロントパネルという一枚の金属板ではないけれど、
まったくないともいえないように感じてしまうところもある。

ここで語っているテーマとはまったく不関係とはいえないような存在である。

Date: 8月 27th, 2023
Cate: デザイン

倉俣史朗のデザイン ──記憶のなかの小宇宙(その1)

11月18日から来年1月28日まで、
世田谷美術館で、「倉俣史朗のデザイン ──記憶のなかの小宇宙」が開催される。

私が生きているあいだ、
これから十年か二十年のあいだに、もう一度、
倉俣史朗展が開催されるか、といえばないようにも思っている。

Date: 8月 21st, 2023
Cate: デザイン

管球式プリメインアンプのデザイン(その5)

ステレオサウンド 42号の表紙にもなっているヤマハのCA2000。
このプリメインアンプのデザインこそ、
42号登場のアンプのなかで、ラックスのSQ38FD/IIと対照的な存在のようにも感じる。

(その3)で引用している井上先生の発言。
そこに《普通アンプはそばで見ると、なるほどと思うことが多い》とある。
CA2000こそ、まさしくそういうアンプの代表でもあった。

アンプの中身について何も知らなくとも、
CA2000を管球式プリメインアンプと思うことは、まずない。

ここまで書いてきて、ヤマハには管球式アンプがなかったことに気づく。
ヤマハのプリメインアンプの最初の製品は、CA700である。
1972年に登場している。

翌1973年に、CA1000が登場している。
このころのCA1000にはパワーメーターはついていないが、
そのデザインはCA2000へとつながる最初のデザインである。

CA700とCA1000のデザインは、一年しか違わないのだが、
印象は随分と違う。

CA700に関しては写真でしか見たことがないが、
管球式アンプだよ、といわれれば、つい信じてしまうかもしれない面影がある。

CA1000には、そんな面影はまったく感じられない。

Date: 8月 10th, 2023
Cate: デザイン

オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(B&Oのデザイン・その2)

B&Oというブランドを知ったのは、「五味オーディオ教室」だった。
     *
 私がこれまで見聞したところでは、ヨーロッパでも、ずいぶんレコードは聴かれているが、まえにも書いたように、いわゆるオーディオへの関心はうすい。むきになってステレオの音質に血道をあげるのはわれわれ日本人と、アメリカ人ぐらいだろう。値段に見合うという意味で、国産品の音質は欧米のものと比べてもなんら遜色はない。リッパな音だ。
 ただし、カメラを持ち歩くのが嫌いなので写真に撮れないのが残念だが、ヨーロッパのアンプやレシーバーのデザインだけは、思わず見惚れるほどである。こればかりは、国産品もずいぶん垢抜けて来ているようだが、まだ相当、見劣りがする。B&Oの総合アンプやプレーヤーなど店頭で息をのんで私は眺め、見ているだけで楽しかった。アメリカのアンプにこういうデザインはお目にかかったことがない。
 オーディオ装置は、つづまるところ、聴くだけではなく、家具調度の一部として部屋でごく自然な美観を呈するものでなくてはなるまい。少なくともヨーロッパ人はそう思っているらしい。こうしたデザインは、彼らの卓抜な伝統にはぐくまれたセンスが創り出したもので、この点、日本やアメリカは逆立ちしてもまだかなわぬようである。
     *
《B&Oの総合アンプやプレーヤーなど店頭で息をのんで私は眺め、見ているだけで楽しかった》、
いったいどういうデザインなのだろうか、
この時は、ただただ想像するしかなかった。

B&Oの製品を見たのは、ステレオサウンド 41号だった。
モノクロ写真だったけれど、想像していたデザインとはまるで違っていた。

こういう製品(デザイン)があるのか。
あのころB&Oのデザインにふれた人ならば、多くがそうおもったはずだろう。

カラー写真は広告で見た。

はやく、一日でもはやく実物をみたい。
そうおもっても、熊本のオーディオ店では、どこにも展示してあるところはなかった。

B&Oの製品(デザイン)にふれることができたのは、東京に来てからだった。
それまでは写真のみで知るデザインでしかなかった。

それでもB&Oのアナログプレーヤー、Beogramシリーズの広告には、
リニアトラッキングアームの動く様の写真が使われたこともあった。

とはいえ実際に動くところを見るのは、もっと先のことだった。
そして気づいたのは、(その1)で書いているように、
B&Oのデザインの良さは、動きがある、ということだった。

このことは、実機を見たことがない者にとっては、
静的な写真だけでは理解し難かった。

Date: 8月 3rd, 2023
Cate: デザイン

オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(B&Oのデザイン・その1)

伊勢丹新宿店 本館五階には、B&Oショップがある。
Beolab 90がある。

B&Oは、OTOTENにもインターナショナルオーディオショウには出展していない。
各地で行われているオーディオショウでも同じだろう。

そんなこともあって、ひさしぶりに見るBeolab 90。
さっと入って見たらすぐに出るつもりだったけれど、
スタッフの方が「お聴きになりたいモノ、ありますか」と声をかけてくれた。

これがオーディオ店だと、特にない、とか言ってしまうのだけれども、
Beolab 90を聴かせてほしい、と。

Beolab 90の音を聴くのは二回目。五年ぶりである。

Beolab 90は、登場したころにステレオサウンドの表紙を飾っている。
新製品紹介でも取り上げられていたが、その後はほとんど取り上げられないまま。
存在は知っているけれども、聴いたことがないという人もけっこういるだろう。

B&OショップではApple Musicでの音出しである。
このことだけでさほど期待できないと思われるかもしれないが、
五年ぶりのBeolab 90の音は、いい雰囲気で鳴っていた。

グレン・グールドのモーツァルトのピアノ・ソナタを聴いた。
音の強弱のコントラストが、他のスピーカーシステムではなかなか聴けないほどに、
その表情の違いはきちんと出てくることもあって、聴いていて実にたのしい。

デパートという環境は、決して音にとっていい環境とはいえない。
Beolab 90の実力がどこまでのものなのか、そこまで見極められる環境ではない。

それでもスタッフの方が声をかけてくれなければ、
聴かずじまいだったのだから、聴けて良かったと思っている。

そしてひさしぶりにB&Oのオーディオ機器が動いているのをみて、
B&Oのデザインの良さは、動きがある、ところだと再確認もできた。

Date: 7月 29th, 2023
Cate: デザイン

管球式プリメインアンプのデザイン(その4)

いま書店に並んでいる管球王国Vol.109の特集は、
「インテグレーテッドアンプのストレートな音」で、
管球式プリメインアンプ、十一機種が登場している。

といっても、まだ読んでいないが、
ステレオサウンドのウェブサイトをみると、
十一機種中フロントパネルをもつのは、オーロラサウンドのHFSA01、
ラックスマンのLX380、カノア・オーディオのAI 1.10、
オーディオ・ノートのOverture PM5、レーベンのC5600Xと、五機種ある。

意外にもあるな、と思う。
けれど、記事中でフロントパネルのことについて語られているとは思えない。

Date: 7月 19th, 2023
Cate: デザイン

管球式プリメインアンプのデザイン(その3)

1975年のステレオサウンドのムック「世界のオーディオ」のラックス号で、
井上先生が、SQ38FD/IIについて語られていることが、
私にとっての管球式プリメインアンプのデザインを考えるうえでの根っこになっている。
     *
永井 井上さんがステレオサウンドに、離れて眺めたらどうか書いていましたが、それはラックスの製品の一つの特徴的な見方かもわかりませんね。
上杉 離れて見たら、ってどういうことですか。
井上 普通アンプはそばで見ると、なるほどと思うことが多いのですが、ラックスのアンプは離れてマクロ的に見たときにいわゆるアンプらしさが感じられるということです。そばで見れば、フロントパネルに細かい文字のレタリングがすごく多く入っています──たとえば、メイド・イン・ジャパンまで書いてあるのは他社にはないはずです。
永井 ちょうど38FDのパネルが、ちょっと暗くなったんですね。遠くから見るというのが、おもしろいと思った。
岩崎 大体、日本のアンプは、すぐ目の前に置いて見るようにしか作ってないからね。離れた状態で見るなんて考えてないでしょう。
     *
井上先生の《離れて眺めたらどうか》は、
SQ38FD/IIだけのことではなく、ラックスのアンプ全体についてのことだとはわかっている。
そのうえで、この井上先生が語られていることを読んだ上で、
もう一度、ステレオサウンド 42号のプリメインアンプの総テストを読み返す(眺めると)、
確かにヤマハのCA2000とラックスのSQ38FD/IIのデザインの、
もっとも大きな違いは、このことだと気づく。

42号よりも先に「世界のオーディオ」のラックス号は出ているが、
私は42号を読んで、けっこうあいだがあいて、「世界のオーディオ」のラックス号を読んでいる。

そういうことがあって、SQ38FD/IIのデザインについて語る上で、
《離れて眺めたらどうか》は、いまも忘れていないし、
ここでのテーマである管球式プリメインアンプのデザインについても、
私の価値判断の基準となっているのも、
実のところ《離れて眺めたらどうか》なのかもしれない。

Date: 7月 15th, 2023
Cate: デザイン

管球式プリメインアンプのデザイン(その2)

ステレオサウンド 42号の特集に登場する35機種のプリメインアンプのなかには、
ヤマハのCA2000(158,000円)も含まれている。

CA2000よりも高価な製品もいくつかあったけれど、
42号の時点で、最優秀機といえば、CA2000と多くの人が思っていたはずだ。

私はそうだった。
物理特性もふくめて、試聴記を何度も読み返しては、
CA2000こそ最優秀プリメインアンプなのだ、と感じていた。

そのCA2000は、いかにも当時のヤマハの製品らしいデザインに仕上がっていた。
CA2000を見て、オーディオのことを何も知らない人であっても、
ソリッドステートアンプだと思うだろう。

CA2000をみて、管球式プリメインアンプと思う人は一人もいないはずだ。
このことが、ここでのテーマでは重要になってくる。

プリメインアンプとしてのベストデザイン、
好ましいと感じるデザインについて、ではなく、
あくまでもなく管球式プリメインアンプとしてのデザインについて、であるからだ。

ラックスのSQ38FD/IIは、当時、唯一といえる管球式プリメインアンプだった。
ラックスの製品としては、5L15も誌面に登場している。

5L15を見て、管球式プリメインアンプと思う人は、これもまた一人もいないと思う。
そのくらい、SQ38FD/IIと5L15ではまとっている雰囲気が大きく違う。

オンキョーのIntegra A722nIIはどうかというと、
このデザインならば、管球式プリメインアンプといわれれば、納得しそう──、
私はそんなふうに感じていた。

このアンプも、SQ38FD/IIほどではないにしても、
そんな雰囲気をまとっている気がした。

SQ38FD/IIとIntegra A722nIIは、
開発年代が、他の33機種とは違って古い。

Date: 7月 14th, 2023
Cate: デザイン
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管球式プリメインアンプのデザイン(その1)

真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その16)」に、
Tadanoさんのコメントがあった。

コメントの最後に、
《ところで宮崎さんに質問したいのですが、宮崎さんの思う真空管プリメインアンプのベスト・デザインを、ぜひ教えてください。また、その理由についてもお聞かせいただけると嬉しい限りです!》
とある。

無視するわけにはいかないとおもいながらも、この質問は難しい。
別項「プリメインアンプとしてのデザイン、コントロールアンプとしてのデザイン」、
ここでのテーマと関係してくることだし、
《真空管プリメインアンプのベスト・デザイン》でもある。

Tadanoさんのコメントを読んだのが昼過ぎ。
それからいままであれこれ思い浮べてきたけれど、
《真空管プリメインアンプのベスト・デザイン》は、いまのところない、としかいいようがない。

けれど好ましいと思う管球式プリメインアンプがないわけではない。
これまで難度も書いているように、私が最初に読んだステレオサウンドは41号。
その次の42号は、プリメインアンプの特集だった。

53,800円(オンキョーIntegra A5)から、
195,000円(マランツModel 1250)までの35機種がとりあげられていた。

この35機種のなかで、オーディオに興味を持ち始めたばかりの中学三年生だった私が、
デザイン的に、他のアンプとは明らかに違うと感じたのは、
オンキョーのIntegra A722nIIとラックスのSQ38FD/IIの二機種だった。

管球式プリメインアンプはいうまでもなくSQ38FD/IIであり、
Integra A722nIIはソリッドステート(半導体)アンプだった。