Archive for category デザイン

Date: 12月 14th, 2019
Cate: デザイン

日米ヒーローの造形(その3)

1963年生れの私にとって、
想像上のヒーローといえばウルトラマンと仮面ライダーが真っ先に浮ぶ。

しかも、この二つは、続編が昭和から平成、そして令和になってもつくられ続けている。
そして、初代にあったデザインが、次第にデコレーションへと変っていった、という点でも共通している。

(その2)で書いたように、ウルトラマン・シリーズにおいて、
ウルトラマン、ウルトラセブンまでがデザインの時代であり、
帰ってきたウルトラマンから、
特に四シリーズ目のウルトラマンAからは、はっきりとデコレーションの時代になってしまった。

ウルトラマンAは1972年4月から放送が始まった。
私は9歳。
デザイン、デコレーション──、
そんなことは知らずに見ていたわけだが、
それでもウルトラマンAからは、ゴテゴテしている、という感じを強く受けていて、
ウルトラマン、ウルトラセブンに感じたかっこよさは感じていなかった。

大人になり、ウルトラマンのことに再び興味をもって、
ウルトラマンとウルトラセブンが成田亨氏のデザインだということを知る。

そうか、そうか、やっぱりそうなんだ、とひとりごちた。
そして、成田亨氏のデザインが、
そのままテレビ放送でのウルトラマン、ウルトラセブンの着ぐるみになったわけないことも知る。

着ぐるみである以上、着脱に必要なファスナーの存在が、
ウルトラマンの背中に背びれとなってしまう。
それから役者が中に入るわけだから、目の部分にのぞき穴も必要となる。

これらは成田亨氏のデザインになかった要素であり、仕方なく生じたものである。
そしてウルトラマンといえはカラータイマーなのだが、
これも成田亨氏のデザインにはないことを、大人になって知った。

Date: 11月 26th, 2019
Cate: デザイン

オーディオ・システムのデザインの中心(その29)

トリオのL07Cのことでは、瀬川先生の存在があった。
トリオの重役から、《殴りたいほど口惜しいよ》といわれるほどに書かれていた。
瀬川先生があれだけ書かなければ、L07CIIはL07Cと同じデザインだったであろう。

アキュフェーズのE800はどうか。
瀬川先生はいない。菅野先生もそうだ。
オーディオ評論家の誰も、E800のプロポーションのひどさについて書かないであろう。

ラックスのアンプのプロポーションに関しても、
それを擁護するようなことを書く人はいたが、プロポーションについて批判的なことを書く人は、
私が知る限り、誰もいなかった。

エソテリックのデザインに関しても、そうである。
むしろ褒める人がいる。

E800は12月発売のステレオサウンドに登場することはまちがいない。
ベストバイに選ばれるはずだし、ステレオサウンドグランプリでもそうであろう。

そこでE800のずんぐりむっくりのプロポーションについて触れる人はいるのか。
やんわりとでもいい、苦言を呈す人はいるだろうか。
後二週間ほどで、それははっきりする。

メーカーにとって、輸入元にとって、都合の悪いことは黙っておく方が、
オーディオ評論家(商売屋)にとっては都合がいい。

でも、それでいい、と本音で思っているのか、と問い質したい。
一人でも多くquality customerを増やしていくことを、
オーディオ評論家の役目だとは思っていないのか。

quality customerがいなくなることはない。
すでにE800のプロポーションのひどさにがっかりしている人たちはいる。

それでもquality customerではない人たちが増えてくれば、
メーカーはどうなっていくであろうか。

Date: 11月 26th, 2019
Cate: デザイン

オーディオ・システムのデザインの中心(その28)

別項「オーディオがオーディオでなくなるとき(その9)」で書いたことを、くり返す。

マッキントッシュのゴードン・ガウの言葉だったと記憶している。

「quality product, quality sales and quality customer」だと。
どれかひとつ欠けても、オーディオの世界はダメになってしまう、と。

quality product(クォリティ・プロダクト)はオーディオメーカー、
quality sales(クォリティ・セールス)はオーディオ店、
quality customer(クォリティ・カスタマー)はオーディオマニア、
そういうことになる。

ステレオサウンドのウェブサイトの記事にある人、
大阪ハイエンドショウでE800の音を聴いて予約した人は、quality customerといえるのか。

アキュフェーズにとっては、すぐさま予約してくれる人、
しかもE800はプリメインアンプとしては高級品であるから、
そういう人は、いいお客さんであるはずだ。

いいお客さんが、quality customerかといえるかといえば、微妙でもある。
E800の音はいいのだろう。

インターナショナルオーディオショウで、
E800がファインオーディオのF1-12を鳴らしている音は聴いている。
短い時間だったが、まともな音で鳴っていた。

アクシスのブースでFMアコースティックスで鳴らした音を聴いた直後だっただけに、
印象にあまり残っていないということはあるが、
アキュフェーズらしい音であったし、きちんとした条件で聴いたら、
かなりいい評価をする可能性もある。

音はいいはずである。
少なくとも悪くはないはずだ。

だからしつこいぐらいに E800のプロポーションについて書いている。
音がよければ、それで満足するのか。
すぐさま予約することは、メーカーにとって、ほんとうにいいことなのか。

E800が売れた、としよう。
かなりのヒット作になれば、
アキュフェーズは、これからのアンプのデザインをどう考えていくのか。

quality productは、音さえ良ければ、優れていれば、それでいいのか。

Date: 11月 26th, 2019
Cate: デザイン

オーディオ・システムのデザインの中心(その27)

オーディオ協会のfacebookが、
ステレオサウンドのインターナショナルオーディオショウの記事へリンクしている。
アキュフェーズの記事があるのを、それで知った。

《先般の大阪ハイエンドショウでも、E-800の音を聴いてすぐに予約をしたという方もいたそうだ》
とあった。
予約された人は、E800のずんぐりむっくりのプロポーションが気にならないのだろう。

それはそれでいい。
すべてのオーディオマニアが、私と同じように感じているわけでないことぐらい知っている。

またトリオのL07Cのことを持ち出すが、
L07CIIが出た、ということは、L07Cは売れていた、ということでもある。

瀬川先生はL07Cの音は認めても、デザインは酷評だった。
それでも抵抗なく使っている人はいたわけだ。

ステレオサウンド 49号で
《そのために私個人も多くの愛好家に奨めたくらいだが、ユーザーの答えは、いくら音が良くてもあの顔じゃねえ……ときまっていた》
と瀬川先生は書かれている。

瀬川先生の周りでは、L07Cのデザイン(顔)を認めていない人が少なからずいた。

結局、気にする人とまったく気にしない人がいる。
そのことは昔からそうだった。

けれど、そうだった……、ということで、これからも変らずでいいとは思っていない。

Date: 11月 25th, 2019
Cate: デザイン

オーディオ・システムのデザインの中心(その26)

瀬川先生のステレオサウンド 49号の文章には、L07Cのデザインを批判したことに対して、
トリオのある重役から
《デザインのことをああもくそみそに露骨に書かれては、あなたを殴りたいほど口惜しいよ。それほどあのデザインはひどいか、と問いつめられた》
とある。

これは大事なことというか、絶対に見逃せないことである。
問いつめてきたトリオの重役は、L07Cのデザインをひどいとは思っていないことがうかがえる。

L07Cを商品として世に送り出した、ということは、
この重役だけでなく、開発、デザインに携わった人たちだけでなく、
おそらく営業や広報の人たちも、
少なくともL07Cのデザインをひどい、とは思っていないのではないか。

ひどい、と思う人がいたならば、もう少しまともなデザインでL07Cは商品化されたはずだ。

今度のアキュフェーズのE800にしても、同じなのかもしれない。
アキュフェーズだけではなく、一時期のラックスもそうだったのかもしれない。
あのずんぐむっくりしたアンプのプロポーションを続けていたのだから。

一人でやっている小さなオーディオメーカーだったら、こういうことはありうる。
すべてを一人でやっているわけだから、
そこで独りよがりな面が強く製品に顕れてしまうことはあっても不思議ではない。

でもアキュフェーズもラックスもエソテリックもトリオも、そういう会社ではない。
なのに、ひどいデザインのモノを世に送り出すのは、
つまりは、誰一人として、ひどいデザインだ、とは感じていないからなのだろう。

一人くらいはいたのかもしれない。
でも、その一人が声をあげられない雰囲気、
あげたとしても、誰もふり返られないのであれば同じことだ。

Date: 11月 24th, 2019
Cate: デザイン

オーディオ・システムのデザインの中心(その25)

ステレオサウンド 43号に、これが載っていた。
     *
 はじめて見たとき、この外観は試作品かと思ったほどで、デザインに関しては評価以前の論外といいたいが、その内容と音質は本格的な高級プリアンプで、ことに鳴らし込むにつれて音のデリカシーにいっそうの艶を加えながらダイナミックにステレオのプレゼンスを展開する音質の良さは特筆ものだ。それだけに、このデザインは一日も早く何とかしてもらいたい。いくら音が抜群でも、この形では目の前に置くだけで不愉快だ。
     *
トリオのコントロールアンプL07Cについての瀬川先生の文章である。
この文章からは、瀬川先生の怒りが感じとれた。

でも、当時中学三年だった私は、瀬川先生の怒りを、完全に理解していたわけでもなかった。
確かにL07Cのデザインは、お世辞にも優れているとは思えなかった。

それでも、ここまでの怒りの理由が、どうしても理解できなかった。
わかろうとはした。

49号でも、L07CIIのところで、こう書かれていた。
     *
 しかし07シリーズは、音質ばかりでなくデザイン、ことにコントロールアンプのそれが、どうにも野暮で薄汚かった。音質ばかりでなく、と書いたがその音質の方は、デザインにくらべてはるかに良かったし、そのために私個人も多くの愛好家に奨めたくらいだが、ユーザーの答えは、いくら音が良くてもあの顔じゃねえ……ときまっていた。そのことを本誌にも書いたのがトリオのある重役の目にとまって、音質について褒めてくれたのは嬉しいが、デザインのことをああもくそみそに露骨に書かれては、あなたを殴りたいほど口惜しいよ。それほどあのデザインはひどいか、と問いつめられた。私は、ひどいと思う、と答えた。
     *
《デザインに関しては評価以前の論外》、
《この形では目の前に置くだけで不愉快だ》、
《どうにも野暮で薄汚かった》、
L07Cのデザインを知らない人が読んだら、どれだけひどいデザインを想像するだろうか。

実を言うと、ごく短いあいだだったがL07Cを持っていたことがある。
友人が秋葉原のジャンクパーツ店で、数千円を売られていたのを買ってきて、
使わないからあげるよ、といってくれたモノだった。

L07Cが出て十年以上経っていた。
それでも瀬川先生の怒りの半分程度しか理解できていなかった、といまではいえる。

Date: 11月 24th, 2019
Cate: デザイン

オーディオ・システムのデザインの中心(その24)

オーディオを特集としたSWITCH 12月号が、いま書店に並んでいる。

「アキュフェーズのデザイン そのプロダクトデザインは誰のため? オーディオにおけるスタンダートなデザインとは」という記事が載っている。

このタイトルを、そのままアキュフェーズのデザイン陣に投げ返したい。
《そのプロダクトデザインは誰のため?》、
誰のためと考えているのか、思っているのか。

《オーディオにおけるスタンダードなデザインとは》、
デザインとはプロポーションは関係なくなってくるのか。

アキュフェーズだけでなく、この記事にもいいたいことはまだまだある。
SWITCH 12月号を買わなかったのは、「アキュフェーズのデザイン」が提灯記事と思えたからだ。

E800の写真を見た時から、
二十年ほど前のBOSEのPLSシリーズのプロポーションに近い、と感じていた。

PLSシリーズはCDプレーヤー搭載のアンプで、ツマミ配置もアキュフェーズのアンプに近い。
ただしPLSシリーズは、BOSEの家庭用アンプらしい小型であったからこそ、
あのプロポーションがいい感じでまとまっている。

その点がE800はまるで違う。
E800は大型のプリメインアンプであるからこそ、
ずんぐりむっくりの、その筐体に愛矯は存在しない。
ただただずんぐりむっくりでしかない。

これで音が悪かったら、木偶の坊でしかない。

もう二十年以上、アキュフェーズのデザインを素晴らしいとは感じていなかった。
それでもアキュフェーズのデザインは、節度といえるようなところが、まだあった。
なので、特にアキュフェーズのデザインについては触れてこなかった。

Date: 11月 24th, 2019
Cate: デザイン

オーディオ・システムのデザインの中心(その23)

アキュフェーズのプリメインアンプの新製品E800。
写真を見て、アキュフェーズもか、と思ってしまった。

それでも何かいうのは、
一応インターナショナルオーディオショウで実物を見てからにしよう、と決めていた。
見てきた。

プリメインアンプとしてやりたいこと、できることをやった結果としての、あのサイズ。
それは理解できないわけではないが、
それにしてもプロポーションはひどすぎる。

以前ラックスのアンプのプロポーションがずんぐりむっくりしたことに対し、
否定的なことを書いた。

ラックスのプロポーションについて触れて、
アキュフェーズのE800のプロポーションに触れないわけにはいかない。
ずんぐりむっくり度は、E800が上をいく。

E800のサイズならば、いっそのことセパレート化したほうがいいのではないか。
そういう意見はありそうだし、アキュフェーズもそのことはわかっていると思う。

それでもプリメインアンプのいいモノが欲しい、という人たちがいる。
セパレートアンプの方が音のいいのはわかっているが、
そこまで大袈裟なシステムにしたくない、プリメインアンプという形態が望ましい、
そういう人の要望に応えてE800であるはずだし、
技術者として、そしてアンプ専門メーカーとしても、
プリメインアンプの最高といえるモノを送り出したい、という意気込みもあったのだと思っている。

にしてもプロポーションがひどすぎる。
サイズがある程度大きくなるのは仕方ないとしても、
なぜ、あのプロポーションのまま製品化してしまったのか。

しかもずんぐりむっくりを恥とは思っていない、
そんなふうにも見えてしまう。

Date: 11月 20th, 2019
Cate: デザイン
2 msgs

オーディオ・システムのデザインの中心(その22)

五年前の別項で、
ステレオサウンドは、オーディオのデザイン論をやってこなかった、と書いた。

これは私自身の反省もある。
私がいたときもやってこなかった。

企画をたてたところで、当時の私にどれだけの内容の記事がつくれたのか。
それでもやっておくべきだった、と後悔している。

やらずにすませてきた。
それから五年経った。
やはりステレオサウンドは、オーディオのデザイン論はやっていない。
おそらく、これから先もまったく期待できないはずだ。

オーディオのデザイン論、
そういう記事がどれだけ必要なのか、と疑問に思われるかもしれない。

ステレオサウンドがやってこなかったから、
エソテリックの、ああいうデザインが登場してくるし、
今回のタイムロード/ArchitecturaのAlinaのデザインが、
平気な顔して登場してくる──、そう思ってしまう。

ジョーダン・ワッツのflagonへのオマージュとリスペクト、
デザインや機能に意味合いを持った製品開発、
そういったことを謳いながらの、このかたちなのか。

特に青色のAlinaは、Flagonというよりドラゴンクエストのスライムである。

こんなことを記事になかったなら、
変な形のスピーカーが登場したな、とは思いつつも、ここで書くことはしなかった。

けれど違う。
それで書いている。

どうして、こんなデザイン(デザインとは呼べない)モノが、
日本のオーディオ製品として、ここに来てさらに目立つようになったのか。

Date: 11月 19th, 2019
Cate: デザイン

オーディオ・システムのデザインの中心(その21)

続けてエソテリックについて書くつもりでいたが、
数日前に、首を傾げたくなるスピーカーシステムが登場したので、
まずこのことについて書きたい。

もうこれだけで、どのスピーカーのことなのか、わかった方はけっこう多いと思う。
タイムロードのオリジナルブランド、
Architectura(アーキテクチューラ)のスピーカー、Alina(アリーナ)だ。

Phile webの記事で知った。

記事には、《「デザインや機能に意味合いを持った製品」の開発をコンセプトに掲げる》とある。
古いオーディオマニアならば、このAlinaを見て、
ジョーダン・ワッツのFlagon(フラゴン)を思い出す。

記事にも、
《JORDAN WATTSの壺型陶器製スピーカー「FLAGON」の存在が大きいと説明。これを現代の技術で作ったらどうなるのかと考え、オマージュとリスペクトとして日本の伝統というオリジナル要素を加えて開発したとのことだ》
とある。

Flagonの存在を知ったのは、
1976年12月に出たステレオサウンド別冊「コンポーネントステレオの世界 ’77」だった。
岡先生が、FlagonとQUADの33と303、FM3、それにデュアルの1228という組合せをつくられていた。
当時Flagonは、49,500円(一本)していた。

けっして安いスピーカーではなかった。
搭載ユニットはジョーダン・ワッツ独自の10cm口径フルレンジのModule Unit。
エンクロージュアは陶器製で、どこか東洋的な花瓶のようなスタイルをもつ。

こんな変ったスピーカーがあるのか、と思うだけでなく、
いつかお金に余裕ができたら、欲しいと思ったスピーカーでもある。

エンクロージュアが焼き物だったため、生産性が悪く、
1980年代には金属製に変更されたが、ロングセラーのスピーカーシステムである。

Alinaは、そのFlagonへのオマージュとリスペクトなのだそうだ。

Date: 11月 16th, 2019
Cate: デザイン, 川崎和男

WAVELET RESPECT Carbon Fiber(その2)

9月12日から二ヵ月。
あの日感じたことで、ひとつ書かなかったことがある。

大きく的外れな解釈のように思えたからだった。
二ヵ月経っても、そう感じている。

WAVELET RESPECTは、一輪挿しである。
WAVELET RESPECTという一輪挿しの「花」は、人である。

Date: 10月 22nd, 2019
Cate: デザイン

オーディオ・システムのデザインの中心(その20)

エソテリックのデザイン担当者は、音楽好きなのだろうか。
音楽が好きだとして、いったいどんな音楽を聴いているのだろうか。
そして、どんな音楽の聴き方をしているのか。

そんなことを考えてしまうのは、
エソテリックのデザインからは、一切の調和という要素を感じないからだ。

(その19)でも書いているように、しつこくくり返すが、
オーディオというシステムはコンポーネントである。
他社製のオーディオ機器と組み合わせて使われる、ということだ。

エソテリックの製品だけで、音を鳴らすことはできない。
エソテリック聖のCDプレーヤーはある、
トランスポート、D/Aコンバーターもある、
コントロールアンプ、パワーアンプもある。

ここまではエソテリックだけで揃えられる。
けれど肝心のスピーカーシステムは、エソテリック聖はない。

エソテリック扱いのスピーカー・ブランドは二つ、タンノイとアヴァンギャルドがあるが、
タンノイのスピーカーとエソテリックでまとめたプレーヤー、アンプ群、
これらのシステムにデザインの調和があるとは、私は感じない。

アヴァンギャルドにスピーカーをかえても、同じだ。
そこになんらかの、わずかでもいい、調和を感じる人はいるのか。

そんなことをおもうから、エソテリックのデザイン担当者は、
音楽に調和ということを感じていない人だと思ってしまう。

少なくともクラシックを聴く人ではないはずだし、
いやクラシックを聴いています、と反論されても、
ずいぶん、というか、私とはまったく違う聴き方をしている人としか思えない。

Date: 10月 21st, 2019
Cate: デザイン

オーディオ・システムのデザインの中心(その19)

十年前に、
別項でエソテリックの当時のプリメインアンプA100のデザインについて書いた。

そこでも書いているが、A100の中身は力作だと思う。
けれど、なんとも、あの人の顔を連想させる、
しかも聖飢魔IIのデーモン閣下のメイクにも似ていて、
A100の写真を見る度に、どうして、こんなデザインにしたんだろうか、と思っていた。

これも別項で書いているが、
エソテリックのデザインは、A-Z1、S-Z1のころからおかしくなっていた。

それでも、A-Z1、S-Z1のころは、
こういうカーヴがつくれるようになったという、
いわば腕試し的な面もあっただろうから、
徐々に洗練されていくかもしれない、と期待も同時に持っていた。

洗練されていった──、
と、おそらくオーディオ雑誌とかオーディオ評論家はいうのかもしれないが、
私の目には、より手間をかけて醜悪になっていった、としか映らない。

いまのエソテリックのデザインを、有機的とかいう人がいるのだろうか。
そういう意図があるのかもしれないが、それでもくり返すが醜悪だ。

いまのエソテリックのデザインを見ると、
エソテリックのデザイン担当者(デザイナーとは書くのには抵抗がある)は、
どんな考えを持っているのだろうか。

オーディオは、これまで何度も書いてきているように、
コンポーネント(組合せ)である。

アンプ一台で音が鳴るわけではない。
CDプレーヤーだけで、音が鳴るわけではない。

すべてが揃って、音は鳴るのが、オーディオというシステムであり、
オーディオマニアの空間には、さまざまなオーディオ機器が並ぶ。

そこにエソテリックの機器を置いた状態を、
エソテリックのデザイン担当者は、どう考えているのか。

Date: 10月 20th, 2019
Cate: デザイン

オーディオ・システムのデザインの中心(その18)

このブログも、10,000本まで残り250本を切った。
2019年以内には目標だった10,000本になる。

だから、そろそろはっきりと書いていこう、と決めた。
はっきりとブランドを書くことは抑えてきた。

でも、もう書いていこう。

デザインの店頭効果。
デザインのオーディオショウ効果。
デザインのオーディオ雑誌効果。

これをまとめて、デザインの店頭効果としよう。

最近の、一部のオーディオ機器のデザインを見ていると、
こんなことをいいたくなってくる。

デザインの店頭効果の代表例といえるのが、エソテリックの製品群である。

エソテリックの製品の仕上げ、特にフロントパネルは、
仕上げに時間もお金もかけていることはわかる。

けれど、それをもって、エソテリックのデザインが優れている、とはいえない。
はっきりいえば、エソテリックのデザインはひどい、というより醜い、と感じる。

ますます醜悪さがひどくなってきている、と感じている。
時間とお金をかけて、醜いモノを世に出す。

なぜ、オーディオ評論家は、エソテリックのデザインを褒めるのか。
褒めないまでも、何もいわないのか。

本気で、エソテリックのデザインに美を感じているのか。

Date: 9月 12th, 2019
Cate: デザイン, 川崎和男

WAVELET RESPECT Carbon Fiber(その1)

福井にマルイチセーリングという会社がある。
創立70周年記念新作発表会が、六本木のAXISで行われた。

川崎先生によるWAVELET RESPECTが、その新作である。
カーボンファイバーによるイス+ソファーである。

WAVELET RESPECTを真横からとらえたシルエットは、
川崎先生による「プラトンのオルゴール」のシルエットと重なる。

それにどことなくNeXTのCubeのようにも思えてくる。

川崎先生はオーディオマニアだ。
だから、今回、カーボンファイバーによるイスの新作ときいて、
買える買えないは別として(かなり高価なはずだ)、
リスニングルームに置きたくなるに決っている──、
そう思っていた。

触ってきたし、坐ってもきた。
いいと感じた。

けれど、私はどうしてもオーディオマニアである。
買える買えないは別として、WAVELET RESPECTをリスニングルームに置くか、となったら、
現時点ではためらう点がある。

たまたま私が坐ったのがそうだったのか、
組立て精度に関係してくる点が一つ、
そして構造的なところに関係してくる点が一つあった。

川崎先生はオーディオマニアである。
だから、私が気づいた点も気づかれているはず。