JBL フラッグシップモデルの不在(その3)
ミュンヘンでのオーディオショウで発表になったJBLの新シリーズ。
オーディオ関係のウェブサイトが伝えているので、詳細は省くが、
これがJBLのフラッグシップモデルなのか……、と思った人は多いだろう。
来年はJBL創立80周年だから、本当の意味でのフラッグシップモデルは、その時なのかもしれない。
さすがJBL、と言いたくなるモデルが登場するかもしれないし、そうでないかもしれない。
期待はしているけれど、裏切られることも承知している。
今回発表になった新シリーズのスピーカーシステム三機種の写真を見て、菅野先生が書かれてことを思い出していた。
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このわずかのつき合いの間に、私は、このスピーカーを欲しくなっている私自身を発見した。ただ、せっかくの仕上げの高さにもかかわらず、あの〝グランセプター〟のエンブレムはいただけない。前面だけならまだしも、サランをはずした時にはホーンの開口部にまで〝ONKYO〟と貼ってある。このユニークな傑作は誰が見てもオンキョーの製品であることを見誤るはずがない。本当はリアパネルだけで十分だ。エンクロージュアやホーンと看板とをごちゃまぜにしたようなものだ。
私がこのシステムを買わないとしたら、このセンスの悪いブランドの誇示と、内容からして決して高いとは思わないが、とにかくペアで200万円という大金を用意しなければならないという理由ぐらいしか見つからない。
(ステレオサウンド 72号掲載「興味ある製品を徹底的に掘り下げる」より)
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JBLの新シリーズは、ホーン開口部の下側に、新シリーズを誇示するマークが目につく。
品がない、と思った。
これを、いまのJBLの人たちはカッコいいと判断したのだろうか。
だとしたら、80周年記念モデルも音、内容はともかくとして、
デザインに関しては、というよりもセンスが少しばかり不安でもある。