Archive for category サイズ

Date: 9月 9th, 2017
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結線というテーマ(その5)

今回試したアースの共通インピーダンスに着目した結線は、
実は昨秋、ラインケーブルで、その音を聴いてもらっている。

もっともどういう結線にしているのかはほとんど説明せずに、
ただ共通インピーダンスに着目して、という簡単な説明だけで、
マッキントッシュのMA2275のパワーアンプ部だけを使い、
ポテンショメーターでの音出しだった。

この時使ったポテンショメーターも、特に高価なものではない。
むしろ廉いモノだ。ケーブルも同じく1mあたり数百円クラスのモノである。

高価なパッシヴフェーダーが市場にはいくつかある。
高価なケーブルも、もっともっともある。
それらをあれこれ組み合わせる前に、着目してほしい点がある、ということだ。

このアースの共通インピーダンスに関しては、別に新しい問題ではない。
昔からいわれていたことでもある。

1980年代後半のラジオ技術で、富田嘉和氏が書かれていたことを読んでいる人ならば、
そして、富田氏がそれらの記事で推薦されたいた二冊の本、
「GROUNDING AND SHIELDING TECHNIQUES IN INSTRUMENTATION」と
「NOISE REDUCTION TECHNIQUES IN ELECTRONIC SYSTEMS」、
この二冊を読んでいる人ならば、思いつく結線方法である。

これらを読んでいなくとも、真空管アンプを自作したことのある人、
電源部のワイアリングにおいて、伊藤アンプの配線をじっくり見ている人ならば、
基本中の基本といえることである。

真空管アンプの電源部と違い、
ラインケーブルにおいてもスピーカーケーブルにおいても、
アースの共通インピーダンスのことを無視した結線でもハムが出るということはない。
だからなのか、つい見過されてしまう。

Date: 1月 31st, 2017
Cate: サイズ

サイズ考(LPとCD・その4)

幼かったころ、テレビからは「大きいことはいいことだ」というCMがよく流れていた。
森永のエールチョコレレートのコマーシャルソングで、山本直純氏が起用されていた。

子供の耳にも残りやすかったし、頻繁に流れていたようにも思う。
学校に行けば、誰かが口ずさんでいた。
それだけインパクトのあったコマーシャルだった。

「大きいことはいいことだ」と子供時代に刷り込まれてきた……、
とは思ってはいないが、
「大きいことはいいことだ」とは思うところがある。

大きいこと(というかモノ)が、すべていいとはいわないが、
何か大きいこと(モノ)を蔑む風潮が、オーディオにはあるようだし、
いつのころからが、その傾向が顕著になりつつあるようにも感じている。

特に大口径ウーファーに対してのそれは、
浅薄な知識による拒絶とでもいいたくなる言説を耳にしたり目にしたりする。

大口径ウーファーのすべてを認めているわけではないが、
大口径ウーファーでなければ得られない音の世界がある。

それにしても、なぜ大きいことは知性に欠ける、といった風潮が生れてきたのだろうか。

Date: 1月 24th, 2017
Cate: サイズ
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サイズ考(LPとCD・その3)

私にとって、大口径といえる(思える)サイズといえば、
なんといっても38cm(15インチ)以上のウーファーになる。

30cmだと大口径とは感じないのは、
それはLPと同じサイズだからのような気がする。

いいかえれば38cm以上を大口径と認識してしまうのは、
LPよりも明らかに大きいからである。

少なくとも私にとって、オーディオのサイズに関しては、
LPの直径が深く関係しているようだ。

仮に他の人もそうだとしよう。
私と同世代、上の世代はLPが基準となるが、
その下の世代で、音楽を自発的に聴きはじめたころはすでにCDだった、という人たちにとっては、
CDの直径、12cmが基準となるであろう。

とすればその世代の人たちにとっては、
15cm口径のウーファーから大口径となるのかもしれない。

38cm口径からを大口径と感じる世代と、
15cm口径からを大口径と感じる世代とでは、サイズ感は大きく違ってくる。

CDよりも小さな記録媒体。
ミニディスクではなくて、iPodやiPhoneが記録媒体、
さらにはインターネット上のクラウドともなると、もうサイズという概念はなくなる。
容量という概念すら消えてしまうだろう。

そうなってくると、もう10cm口径ですら大口径ということになるのだろうか。

人間のサイズに対しての感覚の形成について、
専門的なことは何も知らないし、何も調べていない。
ただ自分の感覚で書いているだけだから、まったく見当違いかもしれないとは思いつつも、
ヘッドフォンからスピーカーへと、オーディオの世界を拡げていく人が意外に少ないのは、
このあたりのことも関係しているのではないだろうか。

Date: 1月 24th, 2017
Cate: サイズ

サイズ考(LPとCD・その2)

ステレオサウンドにいた時に、富士通のワープロが導入された。
OASIS 100Fというモデルだった。
5インチのフロッピーディスクがシステムディスクであり、記録メディアだった。
ずいぶん昔の話だ。

Macを使ったDTPの仕事を一時期していた時、
光磁気ディスクはバックアップ用にもデータの受け渡し用にも必要だった。
受け渡し用には3.5インチだったが、バックアップ用には容量の関係で5.25インチだった。

3.5インチのディスクも、私が使っていたころの容量は128MBだった。
その後、容量は増えていっている。

情報密度は増していき、記録媒体のサイズは小さくなる。

LPとCDは直径では半分以下であり、
面積的には1/4以下である。

その後、ミニディスクが登場し、音質面はともかくとして、サイズはさらに小さくなった。

プログラムソースといえばLPという時代にオーディオの世界に踏み込んだ者のサイズ感と、
CD以降の世代のサイズ感とでは、ずいぶんと違うのかもしれない。

LPでは直径30cmのディスクだったから、
アナログプレーヤーの大きさはそれなりのサイズになり、
アンプもスピーカーも、それなりの大きさであっても、バランスがとれていた。

けれどCDは12cmの直径である。
LPとCDのサイズの違いだけからすれば、
それまでの感覚でバランスがとれていたと感じていたアンプやスピーカーは、
すでに大きすぎなのかもしれない──。
そう考える世代がいても不思議ではないのかもしれない。

そう考えると、ヘッドフォンのみで、スピーカーで音楽を聴かない、
もしくは大型スピーカーを毛嫌いする人たちが増えていると聞くのも、
むしろ当り前なことなのかもしれない。

CD、ミニディスク……、いまではもっとサイズは小さくなっているといえるのだから。

Date: 3月 15th, 2015
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サイズ考(トールボーイ型スピーカー・その1)

セレッションのSL6、続いて登場したSL600、
以降、小型スピーカー、それもサブスピーカー的な小型スピーカーではなく、
メインスピーカーとしての小型スピーカーが数多く登場するようになった。

それ以前の小型スピーカーとの違いはいくつかあって、
そのひとつとして挙げられるのは専用スタンドが用意されることが増えてきたことでもある。

サブスピーカーとして小型スピーカーであれば、
本棚におさめたり、テーブルの上に置いたり、と、
メインスピーカーとしての設置とは違っているのが普通であった。

けれどメインスピーカーとしての小型スピーカーの設置となれば、
専用スタンドに乗せ、できるだけ左右に拡げ、左右の壁、後の壁からもできるだけ距離を確保する。
そういう設置が一般的になってきた。

つまり小型スピーカーとはいえ占有する空間は大型スピーカーの設置とあまり変らなくなる。
スペースファクターはサイズの割には良くない。

ならば多くの人がエンクロージュアを縦に長くしたらどうか、と考える。
いわゆるトールボーイのスタイルである。

専用スタンドとの組合せが前提なら、
スタンドの分もエンクロージュアにしてしまえば、占有床面積はほぼ同じままで、
内容積は二倍、三倍、もしくはそれ以上に増やせる。

ウーファーの数もダブルにしようと思えば可能である。
そうすれば低域再生に、小型エンクロージュアのままよりも余裕が生れる。

トールボーイは、小型スピーカーの行き着く形態のように思えた。
きっと誰もがそう思ったのかもしれない。
トールボーイのスピーカーシステムがいくつも出て来た時期があった。

だが小型スピーカーに傑作は少なくないが、
トールボーイ型となるとそうではなくなる。

Date: 1月 27th, 2015
Cate: サイズ

サイズ考(iPhone 6 PlusとApple Watch)

今年発売と発表されているApple Watch。

Apple Watchがあるから、AppleはiPhone 6 Plusを出してきた、
つまり、大きいといわれるサイズで出してきた、と思う。

もしかするとApple Watchが実際に登場すると、iPhoneのサイズはまた大きくなるかもしれない。

Apple Watchがあれば、さまざまな通知はこれたけで確認できる。
さまざまな通知の中で、しっかりと確認したいものだけをiPhoneで見る、ということになるであろう。

Apple WatchとiPhoneの両方をもつことで、
iPhoneを取り出す頻度はかなり減ってくるのではないか。
ならばiPhoneのサイズは、収納しやすい、取り出しやすいといったことから解放されるのではないか。

別項「いい音を身近に(その16)」でふれた、
インダストリアルデザイナーの坂野博行さんの
「スタイリングは、サイズと構成の上に成り立つ」を思い出していた。

Date: 12月 4th, 2014
Cate: サイズ

サイズ考(iPhone 6 Plus)

iPhone 5Sを使っている。
その前はiPhone 4Sだった。
サイズは少し大きくなっている。

iPhoneはジーンズの前ポケットに入れている。
なのでiPhone 5Sのサイズがギリギリかな、と思っているし、
iPhone 6のサイズ、それもiPhone 6 Plusの大きさとなると、
もうジーンズの前ポケットに収まるとはいえないから、大きいな、と思っていた。

一ヵ月ほど前、ベビーカーを押しながら女の人が電車に乗ってきた。
そのお母さんがiPhone 6 Plusを取り出して操作している姿を見て、
iPhone 6 Plusを大きくない、と初めて感じた。

その人は革製のケースにiPhone 6 Plusをおさめていた。
だから手帳のように開いて、左手で持ち右手で操作だった。

iPhoneをどう捉えるのか。
電話が携帯できるようになり、そこにさまざまな機能が搭載されたモノとしてみるならば、
私にとってはiPhone 5Sがギリギリの大きさということになる。

けれど電子手帳に電話機能が搭載されたモノとしてみるならば、iPhone 6 Plusのサイズは、
大きいとはもう感じなくなっているし、むしろ魅力的な大きさだと思えてくる。

もし電車に乗ってきたお母さんが革製のケースを使っていなかったら、
iPhone 6 Plusをいまでも大きい、と受けとめていたはず。

革製の、しかも開いて使うタイプのケースに収めることで、少しとはいえサイズは大きくなる。
けれど、そのことによって両手でiPhone 6 Plusを自然に使うようになれば、
もう大きいとは感じなくなっている。

サイズに対する感覚のいいかげんさなのかもしれないし、
サイズは単なる数値で表されるものではない、ともいえる。

Date: 10月 14th, 2014
Cate: アナログディスク再生, サイズ

サイズ考(LPとCD・その1)

CDが1982年に登場して、もう30年以上が経つ。
CDは片手で持てる。
その名のとおりコンパクトなディスクである。

最初CDを見て触れた時、小さいな、と感じた。
それまでプログラムソースとしてもっとも聴いていた(さわっていた)のはLPの12インチだから、
CDのサイズはかなり小さく感じた。

CD登場以前からオーディオをやってきた者にとっては、
CDのサイズはシングル盤(7インチ)よりも小さいわけで、
けれどシングル盤が片面に一曲ずつしか記録できないのに対して、
CDは片面だけでLPよりも長い時間を記録できるから、よけいに小さく感じたものである。

それにシングル盤はドーナツ盤といわれるように中心の穴が大きい。
だから片手で持てるわけだが、実際にプレーヤーにのせるときには両手を使う必要がある。

CDはトレイにのせるのに両手は必要としない。
むしろ両手でやろうとすると面倒である。片手で持ち、片手でトレイにセットできる。
だからこそコンパクトディスクなのだと思う。

そんなCDを、いまでも小さいな、と感じることがある。
その一方で、アナログディスク(LP)を大きいと感じる人(世代)もいるようだ。

つまり12インチが私にとって標準サイズになっていることに気づかされる。
だから、いまでもCDを小さいと感じるわけだ。

Date: 9月 1st, 2014
Cate: サイズ

サイズ考(大口径ウーファーのこと・その7)

昔からいわれつづけていることで、いまもそうであることのひとつにウーファーの口径の比較がある。
15インチ(38cm)口径ウーファーと8インチ(20cm)口径ウーファー4本の振動板の面積はほぼ同じである──、
といったことである。

20cm口径1本と10cm口径4本も振動板の面積はほほ同じになり、
38cm口径1本と10cm口径16本もそういうことになる。

このことから小口径ウーファーを複数使用することで、大口径ウーファーと同じことになる、ということだ。

ウーファーの振動板が平面であれば、この理屈もある程度は成り立つ。
だが実際にはウーファーの振動板はコーン(cone、円錐)であるから、そう単純な比較とはならない。

ウーファーの振動板を手桶としてみた場合、
38cm口径のコーン状の手桶が一回ですくえる水の量、
20cm口径のコーン状の手桶が四回ですくえる水の量、
このふたつが同じになるには20cm口径のコーン状の手桶はかなり深いものでなければならない。

つまり一回の振幅で動かせる空気の量は、
38cm口径1本と20cm口径4本とでは同じにならない。38cm口径のほうが多い。

こう書いていくと、次には振幅でカバーすればいい、ということになる。
昔のユニットでは難しかった大振幅がいまのユニットでは可能になっている。
だから小口径、中口径のウーファーに足りない部分は、振幅を大きくとることで補える、という考えだ。

だが、これはスピーカーの相手が空気ということを無視している、としか思えない考えである。

Date: 8月 30th, 2014
Cate: サイズ

サイズ考(大口径ウーファーのこと・その6)

JBLの2インチ・スロートのコンプレッションドライバーの大きさは、なかなか見慣れるということがない。
毎日眺めているのだから、いつのまにか、大きいと感じられないようになるのかと思っていたけれど、
ふとしたことで、やはり大きいな、といまも感じることがある。

ただ大きいな、とおもうのではなく、その大きさに少しばかりの異様さも感じることがある。
この大きさのドライバーが、JBLのスタジオモニターのフラッグシップであった4350、4355の中に入っている。

エンクロージュアの中におさまっているから、ふだんは目にすることのない2440、2441。
だがこのコンプレッションドライバーをエンクロージュアから取り外してみると、
なぜ、このユニットだけ、これほどの物量を投入しているか、と思い、
オーディオマニア(モノマニア)としては嬉しくもなるし、
これだけのユニットとエネルギーとしてバランスを得るには、
ウーファーは15インチ口径で、しかも二発使いたくなる。

だからといって15インチ口径ウーファーをシングルで鳴らして、うまくバランスしない、といいたいのでなはい。
菅野先生のリスニングルームでは、375と2205Bが見事にバランスしている。
2205Bは一本で鳴らされている。

それはわかっている。
けれども視覚的に捉えてしまうと、2インチ・スロートのコンプレッションドライバーには、
ダブルウーファーがよく似合う。

Date: 8月 12th, 2014
Cate: iPod, サイズ

iPodのサイズ(その2)

日本の特撮において、巨大な生物(ゴジラやウルトラマンなど)やロボットが海中から現れたり、
海でのシーンでは、どうしても、そこでのゴジラやウルトラマンなどが、人の大きさということを隠しきれない。

そこに水があり、何ものかがいて動いていれば、波が発生する。
この波の大きさとそこでの何者かの大きさとを自然に比較して、
そこでの何者かの大きさを自動的に判断してしまうからである。

特撮の技術が進歩していっても、こればかりはどうにもならないことだと思っていた。
いまではコンピューターグラフィックスの進歩により、そんなことは感じなくなっている。

ゴジラにしろウルトラマンにしろ、他の実写のロボットにしろ、
街中でのミニチュアのジオラマによるシーンと水があるシーンとでは、
すべてのものが後者では縮小されてしまった感じが拭えない。

人は、何かによって、そこでの大きさを判断してしまうようだ。
その一方で、大きさを正しく判断できない写真に目にすることが何度かあった。
最近もあった。

おもに車の写真において、である。
実際の車の写真であるのに、非常に良く出来たミニカーを撮っている、とどうしても思えてしまうことがある。
人が一緒に写っていれば、そう感じることはもちろんないだが、
そうでないシーンでの撮影だと、どうしても実際の車のサイズがイメージできない写真がある。

なぜだろう、と思う。

Date: 7月 22nd, 2014
Cate: iPod, サイズ

iPodのサイズ(その1)

電車に乗ると、周りの人のほとんどはスマートフォンをいじっている。
何をしているのかまではわからないが、使っている機種を見て「デカイ!」と思うことが増えてきた。

スマートフォンの液晶ディスプレイのサイズは大きい方がいいのだろうか。
「デカイ」と感じてしまうスマートフォンを見ていると、iPodのサイズのことを思い出す。

別項(「ラジカセのデザイン!」)の(その11)で書いた──、
21世紀のカセットテープはiPodであり、
カセットテープに取って代ったのはエルカセットでもなければDCC、DAT、ミニディスクなどでもなく、iPodである。

スティーブ・ジョブズは21世紀のカセットテープ、デジタルのカセットテープを、
iPodで目指していたからこそ、iPodをカセットテープと同じ寸法に仕上げ、
Dockと呼ばれるコネクターで、さらにWiFiを利用して、
さまざまなオーディオ機器への接続が可能になっている点も含めて、
iPodこそが、この時代の、ジョブズがデザインし直したカセットテープである、との確信が強くなっている。

iPodをハードウェアとしてしか捉えていない、他のメーカーの同様のモノがiPodに勝てない理由は、ここにある。
ソニー・ウォークマンの初代モデルが誕生したとき、まずサイズがあった、という話を読んでいる。

「デカイ」スマートフォンを見ていると、サイズへの理念がまったく欠けているとしか思えない。

Date: 7月 17th, 2014
Cate: サイズ

サイズ考(大口径ウーファーのこと・その5)

ウェストレックスの1950年代の劇場用スピーカーシステムにT501Aがある。
このシステムに採用されているスピーカーユニットはJBL製。
中高域を受け持つT550Aホーンは、JBLの537-500同等品で、ドライバーのT530Aは375同等、
低域には150-4C同等のT510Aが二発、フロントショートホーン付き、
しかも2.4m四方のバッフルをもつエンクロージュアに収められている。

T501Aシステムの使用例から、
2インチ・スロートには最低でも15インチ・ウーファー二発が必要とまではいわないまでも、
こういう大がかりなシステムになっていくのも、2441+2397を毎日目にしていると当然だな、と思えてしまう。

そしてJBLが2440を搭載した4350で、ホーンに2397といった、いわゆるフルサイズのホーンではなく、
2392 (2308+2311)というショートホーンにした理由もなんとなくではあるが、想像できる。

2392のホーン部の奥行きは11.7cm(音響レンズ部は6.3cm)。
HL88の半分以下の長さしかないし、ホーン開口部の大きさもずっと小さい。

HIGH-TECHNIC SERIES-1の表紙に、
エレクトロボイスの30WではなくJBLの15インチ・ウーファーを使っていたら、
手前に置かれるホーンは2392になっていたかもしれない。
そうなっていたら2392に2440は取りつけられていただろうか。

2440と2392の組合せは、ドライバーの先にちょこんとホーンがくっついている、そんな感じになる。
2440が圧倒的に存在感を示す。サイズ的にはかなりアンバランスだから、
HIGH-TECHNIC SERIES-1の表紙には、こちらでもドライバーなしでの撮影になったかもしれない。

Date: 7月 17th, 2014
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サイズ考(大口径ウーファーのこと・その4)

HIGH-TECHNIC SERIES-1の表紙のHL88には375なり2440が取りつけられていない。
これも疑問だった。
しかもHL88は、あの独特の音響レンズが正面を向いてではなく、上を向くように置かれている。
ならば375なり2440を取りつけるべきではないか、と感じていた。

HIGH-TECHNIC SERIES-1を手にしたとき、私はまだ375の実物も、HL88の実物に目にしたことがなかった。
カタログの寸法値を眺めて、なんとなく、このくらいの大きさだろうな……と思っていた。

HL88のサイズは、音響レンズの直径が34.3cm、奥行きが40cmとなっている。
東京に来て、HL88、それに375の実物を見て、こんなに大きいのか、と思った。
寸法値だけを見て頭のなかでの想像よりもずっと大きかった。

HL88のホーン開口部は15インチ口径のウーファーとほぼ同じだし、
奥行きに関しても375もしくは2440を取りつけると50cmを超える長さになる。

いまハークネスの上に、2441+2397をのせている。
のせているから2441の大きさを毎日見ることになる。
2397サイズのホーンでも、2441の方が大きく感じられる。
でかいドライバーだ、と思うし、2441+2397の存在によって、
D130が少し小さく感じられるようにもなってきている。

このモノとしてのサイズ感からいえば、
2インチ・スロートのドライバーに対して15インチ口径のウーファーが一本というのは、
これ以上ウーファーのサイズは小さくできない、というぎりぎりの線だと感じてしまう。

Date: 7月 13th, 2014
Cate: サイズ

サイズ考(大口径ウーファーのこと・その3)

これは私の勝手な想像なのだが、
おそらくHIGH-TECHNIC SERIES-1の表紙の撮影には、他のユニット、
つまりJBLのウーファーも用意してあったと思う。

HIGH-TECHNIC SERIES-1の表紙とカラー口絵の撮影は亀井良雄氏。

カラー口絵には、もっと多くのユニットが登場する。
ウーファー、フルレンジユニットとして、
30Wの他にJBLの2220B、LE8T、アルテックの405A、エレクトロボイスのSP12C、
ドライバー/ホーンとして、
JBLの375、2440、2420、075、2405、HL88、HL89、2345、2397、他ネットワークが、
アルテックの802-8D、511B、ヴァイタヴォックスのS3、CN123、CN157、
エレクトボイスの1823M+8HD、T350などである。

編集に携わった経験からいえば、表紙とカラー口絵は同じスタジオで、同じ日に撮られているはずだ。

つまりはこれだけのユニットを並べ替えた結果としての、
JBLの075、HL88、エレクトロボイスの30Wの組合せといえる。

では、なぜ2220Bではなく30Wだったのか。

HIGH-TECHNIC SERIES-1の表紙では、075がほぼ中央の手前に置いてある。
075のやや後方(向って左側)にHL88があり、これらから少し離れた後方に30Wという配置。

この配置で、30Wを2220Bに置き換えたとして、これほどいいバランスの写真になったとは思えない。