サイズ考(LPとCD・その4)
幼かったころ、テレビからは「大きいことはいいことだ」というCMがよく流れていた。
森永のエールチョコレレートのコマーシャルソングで、山本直純氏が起用されていた。
子供の耳にも残りやすかったし、頻繁に流れていたようにも思う。
学校に行けば、誰かが口ずさんでいた。
それだけインパクトのあったコマーシャルだった。
「大きいことはいいことだ」と子供時代に刷り込まれてきた……、
とは思ってはいないが、
「大きいことはいいことだ」とは思うところがある。
大きいこと(というかモノ)が、すべていいとはいわないが、
何か大きいこと(モノ)を蔑む風潮が、オーディオにはあるようだし、
いつのころからが、その傾向が顕著になりつつあるようにも感じている。
特に大口径ウーファーに対してのそれは、
浅薄な知識による拒絶とでもいいたくなる言説を耳にしたり目にしたりする。
大口径ウーファーのすべてを認めているわけではないが、
大口径ウーファーでなければ得られない音の世界がある。
それにしても、なぜ大きいことは知性に欠ける、といった風潮が生れてきたのだろうか。