Archive for category Noise Control/Noise Design

Date: 3月 16th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(その51)

バッファーアンプをつけ加えることは、
ノイズ的に考えれば、ゲイン0dBのノイズをつけ加えることである。

ゲイン0dBだからノイズのレベルは低いはずだが、それでもゼロというわけではない。
LNP2を測定してみれば、バッファーの有り無しでは、ノイズに違いがあるはず。

このゲイン0dBのノイズだけが、バッファーがあったほうが、
LNP2の表現力が増す理由のすべてではないと考えているが、重要な要素だと捉えている。

バッファーをつけなくとも、LNP2にはゲイン0dBにできる機能がある。
INPUT AMPのゲインは、どの時代のLNP2であっても0dBのポジションがある。

ここを0dBにしておけば、高価なモジュールLD2を二個追加する必要はなくなるのか。
別項「LNP2になぜこだわるのか」の(その5)、(その6)、(その7)、(その8)に書いているが、
このdB GAINの切り替えは、音に大きく影響する。

瀬川先生も書かれていたし、私も何度も試してみたが、ゲインは高くしたほうがいい。
鳴らすスピーカーの出力音圧レベル、パワーアンプのゲインによっては、
ゲインを高くすると、やや使いづらくなる面は確かにあるが、それでも音のよさにはかえられない。

矛盾しているではないか。
そういわれるかもしれない。
INPUT AMPのゲインの0dBの音は認めてなくて、
バッファーの0dBはいいのか、と。

Date: 3月 15th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(その50)

瀬川先生が、LNP2はバッファーアンプ付きの音で評価されていたのは、
瀬川先生がLNP2について書かれた文章を読んできた者には、いわば常識である。

バッファーアンプ付きということは、LD2モジュールを追加することである。
PHONO入力からライン出力まで、LNP2は三つのLD2を経由しているわけで、
バッファーアンプを付けるということは、四つめのLD2を経由して、信号は出力される。

バッファーアンプのゲインは0dBである。
バッファーアンプがあろうとなかろうと機能的には変りはない。

通常のオーディオの捉え方では、余分なアンプ(モジュール)をひとつ通るわけだから、
それで音が良くなるわけはない──、そうなる。

そんなことは瀬川先生も承知のうえで、バッファーアンプについて書かれていた。
口の悪い人、なんでも色眼鏡で見てしまう人などは、
瀬川冬樹の耳もあてにならない、とか、
瀬川冬樹も輸入元からの鼻薬で、そんなことを書いていた、とかいう。

バッファー付きのLNP2の音を聴かずに、そんなことをいう短絡思考の人がいる。
まず、なぜなのか、と考えないのか。

私は、LNP2のバッファーのことは、ずっと頭の隅にあった。
直接、瀬川先生に訊けるのであれば、その理由を知りたい。
おそらく、瀬川先生は、理屈なんてどうでもいいから、音を聴いてごらん、といわれるだろう。

それで音が良ければ、それでいいのである。
そう思って、私としては、納得のいく理由を、長いこと考えてきた。
別項で、そのことについても書いている。

そしてその理由のひとつが、バッファー追加で加わる新たなノイズである。

Date: 3月 14th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(仮説・その8)

BYBEEを試したことはない。
BYBEEが謳っていることが事実だとして、
量子ノイズを取り除いてくれたとして、それがどういう音になるのかは、だから知らない。

ただBYBEEの中に無誘導巻線抵抗が使われていたという事実だけで、
メーカーも抵抗値も違う無誘導巻線抵抗を、電源ラインに挿入して実験しただけである。

結果は、1月に3Wのモノを作ったあとに、
アンプにも使えるように5Wのモノを作ったことで、察しがつくと思う。

さまざまな条件で試してみた上で、こまかいことについて書くつもりでいるが、
電源ラインとはいえ、直列に挿入される抵抗は、いわは余分な素子である。
通常ならば、デメリットしか考えられないが、
実際の音は、デメリットはあるが、メリットもある。

ほんとうに量子ノイズが取り除かれるのだろうか。
そうだとしたら、量子ノイズとは、いったいどういう性質のノイズなのだろうか。

わからないことだらけである。
それでも音は変る。
確かになんらかの効果がある変化も聴ける。

今度はラインラインに挿入してみようか、と考えている。
電源ラインへの挿入と同じ変化が得られるのか、
それとも変化の仕方に違いが見られるのか。

抵抗の値は、一桁大きい値にしてみたほうがいいのか、
同じように0.22とか0.1Ωがいいのか。

audio wednesdayで実験してみる予定である。

Date: 3月 13th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(仮説・その7)

BYBEEに使われている無誘導巻線抵抗は、日本では入手しづらい。
けれどDALEのモノなら、簡単に入手できる。

どのメーカーの無誘導巻線抵抗かによっても結果は違ってくるだろうが、
まずは試してみることであり、それには手に入るモノでやってみる。

ということで昨年暮、秋葉原の海神無線で、
0.22Ω(2W)のDALEの無誘導巻線抵抗を買ってきた。
ほんとうは0.1Ωにしたかったが、3Wの0.1Ωは品切れだった。

それからACプラグのオスとメスも買ってきた。
電源ラインにDALEの無誘導巻線抵抗を直列に挿入するための購入である。

0.22Ωの抵抗はさほど大きくないので、ACプラグ内に収まった。
何も知らない人が見たら、ACプラグのオスとメスを数cmのケーブルで結んだだけの、
何ら変哲のない、何をやっているのかもわからないアクセサリーてある。

これを1月のaudio wednesdayで試した。
3Wという容量を考慮して、CDプレーヤーに使ってみた。
会の途中から挿入し、最後まで挿入したままで聴いていた。

1月に使ったモノは、常連のHさんに貸した。
3月のaudio wednesdayでは、0.1Ω(5W)を使い、同じアクセサリーを作った。
今回はマッキントッシュのプリメインアンプに使うつもりでの製作である。

製作といっても、ハンダ付けは四箇所。
すぐに作れるし、ポケットにいれて持っていける。

いままでだったら、こんなモノを作ろうとは考えなかった。
DALEの5Wの抵抗はそこそこ大きな抵抗とはいえ、
内部に使われている線材の径は細い。

電源ケーブルの芯線と比較すると頼りないくらい、である。
しかもACプラグが余分にふたつ、さらに短いとはいえケーブルもそこに加わる。

これだけでも音が良くなりそうには思えない。
むしろ悪くなりそうである。

それでも無誘導巻線抵抗に、なんらかのノイズを取り除く効果がもしあるのならば、
悪くなるだけでなく、良くなるところもあるはずだし、
やってみないことには始まらない。

Date: 3月 11th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(仮説・その6)

こういうアヤシイ感じのするアクセサリーは、けっこう気になる。
とはいえ気軽に買って試してみよう、という価格ではなかった。

BYBEEが気になっている人はけっこういたようで、
しばらくしたら、ある掲示板にBYBEEのX線写真が公開された。

そこには無誘導巻線がなされた何かが写っていた。
どうにても無誘導巻線である。
けれど、それ以上のことはわからなかった。

それから数年が経ち、昨年秋、
そういえばと思い出して、BYBEEで検索してみた。

今回はBYBEEをバラしている写真が見つかった。
中に入っていたのは、無誘導巻線抵抗だった。

DALEのそれではなく、アメリカの別のメーカーの無誘導巻線抵抗を、
何かで幾重にも包んであるつくりである。

量子ノイズが、いったいどういうものなのかも、
私にはよくわからないし、量子ノイズについて、
BYBEEを通すことでどれだけ取り除けるのかという実測データも、
いまのところ公開されていないようである。

BYBEEの中身が無誘導巻線抵抗だからといって、それだけがBYBEEの正体というわけでないだろう。
なんらかのノウハウがあるのだろう、と思いつつ、
BYBEEの中核となるのは無誘導巻線抵抗だ、という捉え方もできないわけではない。

そう思ってしまうのは、セメント抵抗からDALEの抵抗にかえた時の音の違いを知っているからである。
たしかになんらかのノイズが取り除かれている印象のする音の変化である。

なんらかのノイズが、BYBEEがいうところの量子ノイズなのかどうかはわからないが、
なんらかのノイズが減ることによって、
それはあたかも東京の水道水からカルキ臭が取り除かれたのと同じように、
微妙なニュアンスをしっかりと再現してくれる──、
そんな仮説(のようなもの)を考えるようになった。

Date: 3月 11th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(仮説・その5)

エミッター抵抗をセメント抵抗からDALEの無誘導巻線抵抗にかえた音は、
料理における水の違いにも似ている。

いまでこそ東京の水道水はまともになっているが、
以前はかなりカルキ臭い水だった。

昔の東京の水道水のようなカルキ臭い水を料理に使うと、
水をそのまま飲んだ時よりも、水の味の違いははっきりと出ることがある。

同じ素材を使っても、同じに作っても、
水が不味ければ(カルキ臭い水であれば)、
どんなに丁寧につくったとしても、味の微妙さは、水の不味さによってマスキングされてしまう。

セメント抵抗は、私にとって、まさにカルキ臭い、昔の東京の水道水そのものである。
微妙なニュアンスが、すべて(といって少し大袈裟であるのはわかっているが)損われる。
そう聴こえる。
繊細な味わいはなくなってしまう。

DALEの無誘導巻線抵抗だと、そうは感じない。
だからといって、DALEの無誘導巻線抵抗が理想の抵抗とまでは思っていない。
もっと優れた抵抗が世の中にはあるかもしれないし、将来登場してくるかもしれないが、
少なくとも入手に特別な苦労を必要とせずに、良質な抵抗となると、
いまのところDALEの無誘導巻線抵抗は、私にこれにまさるものは、いまのところない。

そのDALEの無誘導巻線抵抗について、最近ひとつの仮説のようなことを考えている。
十年にならないとはずだが、八年くらい前にBYBEEというアクセサリーが、
アメリカに話題になっていた。

芋虫上の黒い物体を、信号ライン、電源ラインに直列に挿入することで、
量子ノイズを取り除いてくれる、というシロモノだった。

Date: 3月 11th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(仮説・その4)

二ヵ月ちょっと鳴らしていたGFA535と、
鳴らしていなかったGFA535(改)とでは、
いくらエミッター抵抗をDALEに交換したとはいえ、
接続をかえた直後の音は、冴えない。

いわゆるスカスカの音である。
それも当然である。
長期間、まったく鳴らされていなかった(電源を入れられてなかった)のだから。

それでも、私の耳には、いくつかの変化が感じられた。
まず太い音が出てくるようになった、
それから、いじっていないGFA535では気づかなかった細部の音が聴きとれる。

このふたつの変化で、今回の抵抗の交換はうまくいったと感じていた。
それは、私が何度か交換の経験があって、その変化を聴いているからであって、
その経験がない人からすれば、二台のGFA535を聴いて、
どちらがいいかとなると、それまで鳴らしていた、いじっていない方となろう。

私だって、エミッター抵抗の交換の経験がなければ、
それにまったく何も知らされずに、二台のGFA535を聴かされて、
どちらを選ぶかときかれれば、いじっていない方を選ぶであろう。

そのくらいGFA535(改)の最初の音はスカスカだった。
けれど電源を入れて30分ほど鳴らしていたら、あきらかに音が変った瞬間があった。
もうこれで大丈夫だ、と判断できた。

いま鳴っている音は、それほどではなくとも、
このまま鳴らしていれば、早ければ24時間後、
遅くとも数日後には、いじっていないGFA535の音よりも、はっきりと良くなるという確信があった。

事実、翌日の夜、昨日の音よりもとてもよくなった、という連絡があった。
歌や楽器の細かいニュアンスがはっきりと聴きとれる、ということだった。

Date: 3月 10th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(仮説・その3)

今回エミッター抵抗を交換したアンプは、アドコムのGFA535である。
アドコムの製品の中でも、GFA535は普及クラスといえるモノ。

記憶違いでなければ日本では販売されていなかった。
1980年代半ばの製品で、中を見れば、当時の価格を知らなくとも安価なアンプだとわかる。

GFA535のエミッター抵抗の値は0.22Ω。
秋葉原の海神無線で、DALEの無誘導巻線抵抗の3Wのモノを揃える。

音のことでいえば、より容量の大きい5Wの抵抗がいいけれど、
3Wと5Wとではサイズに大きな違いがあって、GFA535に5WのDALEを取り付けるのは、
かなり無理があるし、3Wの抵抗でも少し大きいな、と感じて、
取付後の仕上がりは、お世辞にもスマートとはいえない。

GFA535の出力段は2パラレルだから、
エミッター抵抗は左右チャンネルで八本、購入額は六千円近い。
GFA535の価格を考えれば、それに見合った効果が得られるのか、と思われるかもしれない。

DALEの無誘導巻線抵抗に交換すれば、かなり良くなるという確信にちかいものが私にはあった。

GFA535は、そこに二台あった。
一台は、スピーカーに接がれて音を鳴らしていた。

GFA535のプリント基板には、1986とあった。
30年以上前に製造されたアンプで、二台のGFA535は長期間鳴らされていなかった。

一台は、メインのアンプが故障したため、今年に入ってから鳴らされている。
二ヵ月ちょっと鳴らされているわけだ。

今回交換したのは、もう一台のGFA535である。

Date: 3月 9th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(仮説・その2)

国産の、普及クラスのプリメインアンプ。
その終段のエミッター抵抗をDALEに交換させた。

DALEの購入に秋葉原まではつきあったけれど、
いちばん大変な交換作業は友人本人がやった。
パワーアンプの基板を取り出すのが大変だった、と語っていた。

ほんとうに大変な作業だったようだ。
でも、友人は喜んでいた。

こんなに変るのか、驚き喜んでいた。
その音を聴かせてもらった。
私にとっては二度目のDALEへ交換した音だったが、
それでもその変りようには、わかっていても驚いた。

このころからである、セメント抵抗アレルギーといえるものが、
私のなかで生れてきたのは。

世の中には、セメント抵抗も捨てたものじゃない、
使い方次第では、いい音になる、
そんなことをいう人もいるようだが、
私にしてみれば、なんとアホウなことをいっているのか、である。

DALEの巻線抵抗には、無誘導タイプとそうでないタイプとがある。
しつこいようだが、私がすすめるのは無誘導タイプの巻線抵抗である。

セメント抵抗も……、といっている人は、
DALEの無誘導巻線抵抗に交換した音を聴いたことがあるのか、と問いたい。

聴いているのかもしれない。
そのうえで、セメント抵抗も……、といっているのであれば、
よほどひどいシステムで聴いたのか、聴いた本人の耳が……。

実は先日も、あるパワーアンプのエミッター抵抗をDALEの無誘導巻線抵抗に交換してきた。

Date: 3月 9th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(仮説・その1)

オーディオに興味を持ち始めたばかりのころ、
また電子回路のABCもほとんど知らないのに、
いつかはアンプの自作を、と考えていた中学生のころ。

無線と実験、ラジオ技術に載っている電子パーツ店の広告を眺めていた。
1970年代の後半は、オーディオ用パーツというものが、ぼちぼち登場してきた時期でもある。
パーツ店の広告を見ては、このパーツを使ってアンプを組んだら……、
と、電卓片手に計算したこともある。

そんなことをやっていて、セメント抵抗の値段の安さが気になった。
セメント抵抗は、パワーアンプの終段に使われる。
ほとんどすべてのパワーアンプの終段に使われている、ともいっていいくらいに使用率は高い。

国産のアンプだと、パワーアンプの出力段に使われる抵抗値は0.47Ω、
アメリカのアンプだと0.22Ωが一般的だが、
このくらい低い値の抵抗は、セメント抵抗くらいしか、当時は広告では目にすることがなかった。

セメント抵抗。
何も知らないといっていい、そのころの私は、この名称がなんとなくイヤだった。
それに見た目も、なんとなく雑なつくりだな、と感じていた。

こんな抵抗を使って、いいんだろうか、と疑問に思ったほどである。

この疑問は正しかった。
セメント抵抗は、音の面ではいい結果をもたらさない。
とはいえ、セメント抵抗の代りに何を持ってくるのか。

DALEの無誘導巻線抵抗が入手できるようになるまでは、代りはなかった、ともいえる。
DALEの無誘導巻線抵抗には、パワーアンプの終段に使える値が揃っている。

もう30年ほど前になるか。
あるパワーアンプのエミッター抵抗を、セメント抵抗からDALEの無誘導巻線抵抗にかえた。

ある程度の音の変化があるのは予想できたが、
実際に出てきた音の変化量は、予想を超えていた。

数年後、友人から手持ちのアンプの音をなんとかしたい、と相談された。
買い換えるほどの予算はない。けれど、もっといい音にしたい、という虫のいい話だ。

この時もDALEをすすめた。

Date: 3月 3rd, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(その49)

それだけに、JC80の残留ノイズの多さは気になる。
JC80の音を良さを積極的に評価している人ならば、
あと少し残留ノイズが低ければ……、と思うし、願う。

残留ノイズの多さは、輸入元からディネッセンに伝えられていた。
JC80の残留ノイズは、ラインアンプの残留ノイズの多さなのだが、
ラインアンプの終段に使われているFETが、ノイズの多くを発生している、とのことだった。

JC80はGASのThaedraほどではないが、コントロールアンプとしてはけっこう熱くなる。
それだけラインアンプの終段のFETにアイドリング電流を流しているわけだが、
このアイドリング電流の多さも、ノイズを増やしているようだった。

JC80はJC80IIとなった、さらにJC80II Goldへと改良されていった。
JC80IIになり、残留ノイズは確かに減っていた。
シャーシーも、以前ほどは熱くならなくなった(アイドリング電流を減らしたようだ)。

魅力的な音ではあったが、JC80の音を聴いて、強烈に欲しい、と思う気持は薄れてしまった。
少なくとも私にとっては、残留ノイズが減るとともに、JC80の音の魅力の、
もっとも大事なところが稀薄になってしまった。

まさしく「ノイズも音のうち」の実例である。
ディネッセンのJC80こそが、私にとって「ノイズは音のうち」を実感した最初であり、
マークレビンソンのLNP2にバッファーを追加した方が音がいい、と、
瀬川先生は以前からいわれていたことともつながっている。

LNP2のバッファーの追加も「ノイズは音のうち」の実例なのかもしれない。

Date: 3月 3rd, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(その48)

ディネッセンのJC80が燈称してきたころ、
アメリカでは、低能率のスピーカーが擡頭してきていた。

90dB/W/mを切る出力音圧レベル、
それからスピーカーと聴き手との距離を十分とれるアメリカの住環境、
そういう使われ方だとJC80の残留ノイズは、さほど気にならなかったのかもしれない。

けれど日本では、そうではない。
こんなことを書くと、すぐに「だから日本のオーディオは遅れている」という人がいる。
アメリカのそういう流れとは正反対とも映る日本のオーディオの、当時の主流を、
そんなふうに批判する一知半解の人がいる。

ほんとうにそう思い込める人は、いつまでもそう思い込んでいればいい。

JC80の音の魅力は、
同じジョン・カールの設計のコントロールアンプであり、
初期のマークレビンソンのJC2、LNP2と共通する特徴をもちながらも、
JC80はダイナミズムといえるところにある。

だからか、JC2、LNP2を女性的と表現していた人たちも、
JC80の音は男性的と捉えていた。

そういうJC80の音と、同じ傾向・方向にあるといえるのは、
音楽のアクセントがスタティックなスピーカーではない。

音楽のアクセントがダイナミックな表現のスピーカーにこそ、
JC80は、そのスピーカーから新しい音の魅力を引き出してくれるように感じていた。

JC80をひときわ高く評価されていた山中先生、長島先生が鳴らされていたスピーカー、
それを思い出せる人ならば、JC80の音を聴いていなくとも、
JC80の音の魅力を理解してくれるのではないだろうか。

Date: 2月 27th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(その47)

ディネッセンのJC80のことを思い浮べる。
型番からわかるように、ジョン・カールの設計による、このプリアンプは音は良かった。

外観や外部電源のつくりなど、注文をつけたいところはいくつもあったが、
その音を聴いてしまうと、欲しくなる。どうしても欲しくなるほどの音の魅力があった。

JC80と出合ったのは、ステレオサウンドで働きはじめたばかりのころで、
そうとう無理しても手の届くアンプではなかった。

それでも試聴の度に、欲しい、と思わせる。
ただ残留ノイズだけは、大きかった。

当時のステレオサウンド試聴室のリファレンススピーカーは、JBLだった。
4343から4344へと替ったころにあたるが、どちらも出力音圧レベルは同じで、
カタログ値は93dB/W/mで、いまの感覚からすれば高能率ということになるだろうが、
当時としては、フロアー型としてはやや低めだった。

それでも残留ノイズは、かなり大きい。
ボリュウムを絞りきっていても、
入力セレクターをライン入力にしていても出ているわけだから、
ラインアンプの残留ノイズである。

音楽が鳴っていないと、つねにスピーカーからシーッというノイズ音がしている。
けれど、そのノイズは、音楽が鳴り出すと、気にならなくなる。

それでも、人によってはそうとうに気にするであろうし、
私だって、もう少しなんとかならないものかと思っていた。

Date: 2月 26th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(その46)

井上先生は、かなり以前から「ノイズも音のうち」といわれていた。
このことを少し具体的に書かれているのが、
「ラックス論:ハイエンドオーディオの神髄ここにあり」である。
     *
オーディオ機器としてのクォリティ、つまり物理特性を上げていけば、当然の帰結として、音の鮮明さ、分解能は向上し、以前のラックス製品と比べると最新のものはそうとうに細かく、かつダイナミックで、音場感情報が豊かな音を出すようになってきているのは事実だ。
 しかし、そこで面白いのは、ラックスマンのアンプは徹底してノイズを取るという志向ではないところだ。たとえば今回の試聴テストでも、C10とB10の組合せをJBL4344MkIIで聴くと、プリアンプのボリュウムを絞りきっても、海外製品のように、かすかに残留ノイズが聴き取れる。国内メーカーのアンプでは、ボリュウムを絞りきるとまったく無音、いっさいノイズは聴きとれないというのがほとんどだが、ラックスは違う。徹底してノイズを取ることを至上とするよりは、むしろ音の生き生きした表現力の豊かさの方を重視する。このへんは海外製品にも通じる、ラックスならではのア符スー値というべきだろう。無用にSN比を上げるカタログ至上主義ではなく、実用レベルのSN比を重視し、音楽に悪影響を与えないかぎりは、ノイズを抑えることによって音楽の表情が死んでしまわないよう、音楽の表情の豊かさ、自然さの方を重視しているのがラックスマンの考え方といえる。
     *
音の生き生きした表現力の豊かさ、音楽の表情の豊かさ、自然さ、
これらをひとことで表わすなら、聴感上のダイナミズムだ。

Date: 2月 26th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(その45)

これまでに何度も聴感上のS/N比の重要性について書いてきた。
聴感上のS/N比を向上させることで、
聴感上の周波数レンジ、ダイナミックレンジも向上する、とも書いている。

ここでいう聴感上のS/N比を向上させるために必要なのは、
まず機械的な雑共振をなくしていくことである。

どんな素材を使っていても、その素材固有の鳴きは大なり小なりある。
まったくないといえる素材は、いまのところ存在しない。

それら固有の鳴きを徹底して抑えていくことも聴感上のS/N比を向上させることにつながるが、
素材固有の鳴きを完全に抑えることは無理だし、
徹底することの、音への影響は昔からいわれている。

必ずしもダンプして鳴きを徹底的に殺していく方法は、好結果を生まないことが多い。
大事なのは、雑共振である。

素材固有の鳴きと雑共振は違う。
CDプレーヤーの天板の上に、CDのプラスチックケースをいくつか置く。
これだけ聴感上のS/N比は確実に悪くなる。
これが雑共振による聴感上のS/N比の悪化の、簡単に試させる例のひとつだ。

もっとも雑共振のかたまりのような環境にオーディオ機器を設置していては、
あまり大きな変化量はなかったりする。

雑共振は、徹底してなくしてべきである。
雑共振もノイズである。
素材固有の鳴きも、ある種のノイズである。

そして(その44)で書いているストコフスキー、
ライナーの録音、
これらに含まれていて、ヤマハのNS5000の音を魅力的に響かせたのも、またノイズである。

ノイズは聴感上のダイナミズムに関係してくる。