Archive for category Noise Control/Noise Design

Date: 7月 28th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

聴感上のS/N比と聴感上のfレンジ(その12)

CR方法は、コイルに対しての手法であり、
コイルのあるところならば、いろいろてところに試せる。

スピーカーユニットのボイスコイル、
トランスの巻線、カートリッジのコイル、それからネットワークのコイルもそうである。

ネットワークのコイルに関しては、6月のaudio wednesdayで実験している。
6dBスロープのネットワークだから、コイルはウーファー側にだけ入る。
このコイルの直流抵抗は、約0.5Ω。

DALEの無誘導巻線抵抗は、もっと低い値まであるが、
ディップマイカは下限は1pFまで。
なので1Ωと1pFの直列回路をウーファーのネットワークのコイルに並列に接続した。

ここでの効果は、デメリットになるかもしれない、と半分くらい思っていた。
結果は、意外なことに、ここにおいても効果的だった。

コイルは定常状態を維持しようとする。
信号が流れていないコイルを信号を流そうとすると、
流させまいとしてパルス性のノイズを発生する。
反対の場合も同じである。ノイズが発生する。

このノイズに効いているのだろうか。
効いていないとは考えていないが、それだけとは思えない。

トランスを含めて、コイルのあるところ、今後試していく予定だが、
個人的に興味があるのは、真空管アンプのヒーター回路である。
それも出力管用のヒーター回路である。

ヒーターの点火方法は、定電流(定電圧ではない)点火だと考えている。
以前書いているから省略するがTL431を使った定電流回路が、いまのところはいい。

ただ電圧増幅管はまだいいが、出力管を定電流点火しようとするなら、
非常に大がかりになる。
出力管の定電流点火は、大きなメリットをもたらすだろうが、
その音は聴かない方が賢明だと思っている。

誰かがやったのを一度聴いてしまったら、きっとやってみたくなるはずだからだ。
アンプを設計したことのある人ならば、その大変さは想像できよう。
だから聴かない。

それでも……、とやはり考える。
定電流点火までは無理でも、従来の交流点火も見直せるのではないか。
そのひとつが電源トランスのヒーター巻線へのCR直列回路の取り付けである。

Date: 7月 28th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

聴感上のS/N比と聴感上のfレンジ(その11)

負荷側のインピーダンスが高域においてどんどん上昇していく。
信号源(アンプ)の出力インピーダンスよりもはるかに高い値になれば、
ロー送りハイ受けで、特に問題はないように考えがちだが、
負荷側の高域でのそうとうなインピーダンスの上昇は、
アンプ側からみれば、のれんに腕押し状態なのかもしれない。

可聴帯域ではしっかりと手応えがあるのに、
高域、それも可聴帯域をはるかに超えたところではまったく手応えがないのれんに腕押し、
つまり無負荷に近い状態になる──。

実際にスピーカーを最低でもMHZの領域まで測定してみないと、正確なところはいえない。
それでも可聴帯域よりも上、それもそうとうに上の帯域では、
可聴帯域とはずいぶん様相が違っているのは当然だろう。

それに対してアンプは、どう動作しているのか。
周波数特性的にはそこまでのびていない、というか、保証されていない
数kHzぐらいまでの周波数特性は測定されている。

MHzも、そうとうに上の周波数となると、いったいどういう挙動を見せるのか。
そんな上の方まで信号に含まれていない──、
確かにそうだが、ノイズはそうではない。

スピーカーユニットの端子に、できるかぎり最短距離でCRの直列回路を取り付ける。
特にコンデンサー側のリード線は短くしたい。

ここを安直に、スピーカーユニットではなく、
スピーカーシステムの端子に取り付けても意味はない。

CR直列回路によって超高域においてのインピーダンスは補正されているはず。
超高域においての無負荷状態は防いでいるはずだ。

ステレオ・ギャラリーQの出力トランスの16Ω端子に取り付けられているのは、
20Ωと0.05μFの直列回路である。

真空管アンプの出力トランスの二次側の直流抵抗は、20Ω程度ではなく、一桁低い。
だからCR方法の算出では、抵抗は数Ωであり、コンデンサーは数pFとなる。

ここまで低くすると、聴感上わからなくなるのでは? と思われるかもしれないが、
おそらく音の違いははっきりとあらわれると予想している。

Date: 7月 27th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

聴感上のS/N比と聴感上のfレンジ(その10)

その1)で書いているように、
CR方法は電源トランスに対して行われていたものだ。
それを私が「五味オーディオ教室」でのテレフンケンのS8のスピーカーでの記述。
そこに《配線図にはない豆粒ほどのチョークやコンデンサー》が、とあった。

このふたつのことを当時中学生だった私は、勝手に結びつけたわけだ。
だから本来は電源トランスであり、それを私はスピーカーユニットにも有効のはずだと考えた。
実際に有効である。

ならば次に考えるのは信号系のトランスである。
入力トランス、段間トランス、出力トランスなどがある。
いずれ試してみようと考えていたところに、Oさんから興味深い記事のコピーが届いた。

ラジオ技術(1968年10月号)掲載の300Bシングルアンプの製作記事である。
筆者は葉山滋氏(ラックスの上原晋氏のペンネーム)で、
記事を見ればわかるように当時話題になっていたステレオ・ギャラリーQのアンプそのものである。

一見すると見逃しやすいが、このアンプの出力トランスの16Ω端子には、
20Ωと0.05μFの直列回路が並列に接続されている。

これについて上原晋氏は、《段間に使われる積分形補正素子とは少し違う狙い》とされている。
スピーカーを接続しない状態でも、
超高域で出力トランスが無負荷になることを防止するもの、とのこと。

高域でインピーダンスの上昇するスピーカーは多く、
これらが接続された場合の20kHz以上の帯域で常に負荷がかかるようにするためである。

参考例としてラックスの出力トランスの、16Ω負荷時と開放時の周波数特性が載っている。
二次側が開放になっていると、20kHz以上で大きな差となる。
周波数特性のグラフは500kHzまで測定されているが、
500kHzでは15dBほどの違いであり、開放になっていると高域は確かにあばれている。

こういう現象が起るのは、
出力トランスの分割巻きれた各セクションの持つリーケージインダクタンス、
線間容量、対アース容量、各セクション間の結合容量の影響が、
適正な負荷がかかっていればバランスが保たれるのが、
無負荷ではバランスが崩れるために生じてしまう、とある。

Date: 7月 25th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

聴感上のS/N比と聴感上のfレンジ(その9)

CR方法は、7月のaudio wednesdayでも、
グッドマンのAXIOM 402に試している。
効果はあった。

その後、Beymaの30cm口径のダブルコーンフルレンジユニットでも試している。
この時の音を聴いていたのは私を含めて三人。
その効果は、誰の耳にも明らかだった。

Beymaのユニットのボイスコイルの直流抵抗は、
カタログには6.2Ωとなっていて、実測では6.3Ωだった。

6.3、6.2という値のディップマイカがないので、
6.8Ωと6.8pFの組合せで試している。

6.8pFという容量は小さい。かなり小さい。
今回の6.8Ωと6.8pFの場合、
6.8pFのコンデンサーのインピーダンスが6.8Ωになる周波数はどのくらいかといえば、
それは非常に高い周波数で、可聴帯域は超えているし、100kHzどころか、MHzの領域でもない。

6.8+6.8=13.6Ωだから、
2GHzにおいて、6.8Ωと6.8pFの直列回路のインピーダンスは13.534Ωとなる。

実際のところ、このCR直列回路がどのくらいの周波数から作用してくるのか、
なんともいえない。

Beymaのダブルコーンで試したのは、Oさんのお宅である。
われわれが帰ったあと、Oさんはシミュレーション回路で確認してみたそうだ。

スピーカーの等化回路に並列に、6.8Ωと6.8pFの直列回路が加わったとき、
差はまったく出なかった、そうだ。

そうだろう、と思っていた。
コンデンサーの容量がpFではなくμFならば、シミュレーション上でも違いは出るはず。
けれどpFである。

それでも音の違いとしてはっきりと出るのだ。

Date: 4月 29th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

聴感上のS/N比と聴感上のfレンジ(余談)

昨日(4月28日)は、男三人で中野に昼ごろからいた。
目的はサンプラザで行われていたヘッドフォン祭でもあったし、
近くの中野四季の森公園でのラーメン女子博でもあったし、
そのあとの、まだ明るい時間からの飲み会でもあった。

そこで聴感上のS/N比の話題も出た。
日本テレガードナーのM12 GOLD SWITCHのことも話題になった。

M12 GOLD SWITCHはスイッチングハブ。
しかも相当に高価である。
それが、一週間ほどAさんのところにある、という。
試聴会をしよう、ということになる。

散会して、一時間ほどして、Aさんからメッセージがあった。
試聴会の日時の連絡だった。

そこには、聴感上のS/N比がとは、がテーマとあった。
ただ「聴感上の」と書いてあったのではなく、聴感上(情)、とあった。

聴感上と聴感情。
聴感上(ちょうかん・じょう)に対して、聴感情(ちょう・かんじょう)であり、
聴感上がシステム、部屋を含めて聴き手の耳に届くまでの領域に対し、
聴感情は、聴き手の内面の領域であり、
そこにおけるS/N比は、なにかヒントになりそうな予感もしている。

Date: 3月 16th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(その51)

バッファーアンプをつけ加えることは、
ノイズ的に考えれば、ゲイン0dBのノイズをつけ加えることである。

ゲイン0dBだからノイズのレベルは低いはずだが、それでもゼロというわけではない。
LNP2を測定してみれば、バッファーの有り無しでは、ノイズに違いがあるはず。

このゲイン0dBのノイズだけが、バッファーがあったほうが、
LNP2の表現力が増す理由のすべてではないと考えているが、重要な要素だと捉えている。

バッファーをつけなくとも、LNP2にはゲイン0dBにできる機能がある。
INPUT AMPのゲインは、どの時代のLNP2であっても0dBのポジションがある。

ここを0dBにしておけば、高価なモジュールLD2を二個追加する必要はなくなるのか。
別項「LNP2になぜこだわるのか」の(その5)、(その6)、(その7)、(その8)に書いているが、
このdB GAINの切り替えは、音に大きく影響する。

瀬川先生も書かれていたし、私も何度も試してみたが、ゲインは高くしたほうがいい。
鳴らすスピーカーの出力音圧レベル、パワーアンプのゲインによっては、
ゲインを高くすると、やや使いづらくなる面は確かにあるが、それでも音のよさにはかえられない。

矛盾しているではないか。
そういわれるかもしれない。
INPUT AMPのゲインの0dBの音は認めてなくて、
バッファーの0dBはいいのか、と。

Date: 3月 15th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(その50)

瀬川先生が、LNP2はバッファーアンプ付きの音で評価されていたのは、
瀬川先生がLNP2について書かれた文章を読んできた者には、いわば常識である。

バッファーアンプ付きということは、LD2モジュールを追加することである。
PHONO入力からライン出力まで、LNP2は三つのLD2を経由しているわけで、
バッファーアンプを付けるということは、四つめのLD2を経由して、信号は出力される。

バッファーアンプのゲインは0dBである。
バッファーアンプがあろうとなかろうと機能的には変りはない。

通常のオーディオの捉え方では、余分なアンプ(モジュール)をひとつ通るわけだから、
それで音が良くなるわけはない──、そうなる。

そんなことは瀬川先生も承知のうえで、バッファーアンプについて書かれていた。
口の悪い人、なんでも色眼鏡で見てしまう人などは、
瀬川冬樹の耳もあてにならない、とか、
瀬川冬樹も輸入元からの鼻薬で、そんなことを書いていた、とかいう。

バッファー付きのLNP2の音を聴かずに、そんなことをいう短絡思考の人がいる。
まず、なぜなのか、と考えないのか。

私は、LNP2のバッファーのことは、ずっと頭の隅にあった。
直接、瀬川先生に訊けるのであれば、その理由を知りたい。
おそらく、瀬川先生は、理屈なんてどうでもいいから、音を聴いてごらん、といわれるだろう。

それで音が良ければ、それでいいのである。
そう思って、私としては、納得のいく理由を、長いこと考えてきた。
別項で、そのことについても書いている。

そしてその理由のひとつが、バッファー追加で加わる新たなノイズである。

Date: 3月 14th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(仮説・その8)

BYBEEを試したことはない。
BYBEEが謳っていることが事実だとして、
量子ノイズを取り除いてくれたとして、それがどういう音になるのかは、だから知らない。

ただBYBEEの中に無誘導巻線抵抗が使われていたという事実だけで、
メーカーも抵抗値も違う無誘導巻線抵抗を、電源ラインに挿入して実験しただけである。

結果は、1月に3Wのモノを作ったあとに、
アンプにも使えるように5Wのモノを作ったことで、察しがつくと思う。

さまざまな条件で試してみた上で、こまかいことについて書くつもりでいるが、
電源ラインとはいえ、直列に挿入される抵抗は、いわは余分な素子である。
通常ならば、デメリットしか考えられないが、
実際の音は、デメリットはあるが、メリットもある。

ほんとうに量子ノイズが取り除かれるのだろうか。
そうだとしたら、量子ノイズとは、いったいどういう性質のノイズなのだろうか。

わからないことだらけである。
それでも音は変る。
確かになんらかの効果がある変化も聴ける。

今度はラインラインに挿入してみようか、と考えている。
電源ラインへの挿入と同じ変化が得られるのか、
それとも変化の仕方に違いが見られるのか。

抵抗の値は、一桁大きい値にしてみたほうがいいのか、
同じように0.22とか0.1Ωがいいのか。

audio wednesdayで実験してみる予定である。

Date: 3月 13th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(仮説・その7)

BYBEEに使われている無誘導巻線抵抗は、日本では入手しづらい。
けれどDALEのモノなら、簡単に入手できる。

どのメーカーの無誘導巻線抵抗かによっても結果は違ってくるだろうが、
まずは試してみることであり、それには手に入るモノでやってみる。

ということで昨年暮、秋葉原の海神無線で、
0.22Ω(2W)のDALEの無誘導巻線抵抗を買ってきた。
ほんとうは0.1Ωにしたかったが、3Wの0.1Ωは品切れだった。

それからACプラグのオスとメスも買ってきた。
電源ラインにDALEの無誘導巻線抵抗を直列に挿入するための購入である。

0.22Ωの抵抗はさほど大きくないので、ACプラグ内に収まった。
何も知らない人が見たら、ACプラグのオスとメスを数cmのケーブルで結んだだけの、
何ら変哲のない、何をやっているのかもわからないアクセサリーてある。

これを1月のaudio wednesdayで試した。
3Wという容量を考慮して、CDプレーヤーに使ってみた。
会の途中から挿入し、最後まで挿入したままで聴いていた。

1月に使ったモノは、常連のHさんに貸した。
3月のaudio wednesdayでは、0.1Ω(5W)を使い、同じアクセサリーを作った。
今回はマッキントッシュのプリメインアンプに使うつもりでの製作である。

製作といっても、ハンダ付けは四箇所。
すぐに作れるし、ポケットにいれて持っていける。

いままでだったら、こんなモノを作ろうとは考えなかった。
DALEの5Wの抵抗はそこそこ大きな抵抗とはいえ、
内部に使われている線材の径は細い。

電源ケーブルの芯線と比較すると頼りないくらい、である。
しかもACプラグが余分にふたつ、さらに短いとはいえケーブルもそこに加わる。

これだけでも音が良くなりそうには思えない。
むしろ悪くなりそうである。

それでも無誘導巻線抵抗に、なんらかのノイズを取り除く効果がもしあるのならば、
悪くなるだけでなく、良くなるところもあるはずだし、
やってみないことには始まらない。

Date: 3月 11th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(仮説・その6)

こういうアヤシイ感じのするアクセサリーは、けっこう気になる。
とはいえ気軽に買って試してみよう、という価格ではなかった。

BYBEEが気になっている人はけっこういたようで、
しばらくしたら、ある掲示板にBYBEEのX線写真が公開された。

そこには無誘導巻線がなされた何かが写っていた。
どうにても無誘導巻線である。
けれど、それ以上のことはわからなかった。

それから数年が経ち、昨年秋、
そういえばと思い出して、BYBEEで検索してみた。

今回はBYBEEをバラしている写真が見つかった。
中に入っていたのは、無誘導巻線抵抗だった。

DALEのそれではなく、アメリカの別のメーカーの無誘導巻線抵抗を、
何かで幾重にも包んであるつくりである。

量子ノイズが、いったいどういうものなのかも、
私にはよくわからないし、量子ノイズについて、
BYBEEを通すことでどれだけ取り除けるのかという実測データも、
いまのところ公開されていないようである。

BYBEEの中身が無誘導巻線抵抗だからといって、それだけがBYBEEの正体というわけでないだろう。
なんらかのノウハウがあるのだろう、と思いつつ、
BYBEEの中核となるのは無誘導巻線抵抗だ、という捉え方もできないわけではない。

そう思ってしまうのは、セメント抵抗からDALEの抵抗にかえた時の音の違いを知っているからである。
たしかになんらかのノイズが取り除かれている印象のする音の変化である。

なんらかのノイズが、BYBEEがいうところの量子ノイズなのかどうかはわからないが、
なんらかのノイズが減ることによって、
それはあたかも東京の水道水からカルキ臭が取り除かれたのと同じように、
微妙なニュアンスをしっかりと再現してくれる──、
そんな仮説(のようなもの)を考えるようになった。

Date: 3月 11th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(仮説・その5)

エミッター抵抗をセメント抵抗からDALEの無誘導巻線抵抗にかえた音は、
料理における水の違いにも似ている。

いまでこそ東京の水道水はまともになっているが、
以前はかなりカルキ臭い水だった。

昔の東京の水道水のようなカルキ臭い水を料理に使うと、
水をそのまま飲んだ時よりも、水の味の違いははっきりと出ることがある。

同じ素材を使っても、同じに作っても、
水が不味ければ(カルキ臭い水であれば)、
どんなに丁寧につくったとしても、味の微妙さは、水の不味さによってマスキングされてしまう。

セメント抵抗は、私にとって、まさにカルキ臭い、昔の東京の水道水そのものである。
微妙なニュアンスが、すべて(といって少し大袈裟であるのはわかっているが)損われる。
そう聴こえる。
繊細な味わいはなくなってしまう。

DALEの無誘導巻線抵抗だと、そうは感じない。
だからといって、DALEの無誘導巻線抵抗が理想の抵抗とまでは思っていない。
もっと優れた抵抗が世の中にはあるかもしれないし、将来登場してくるかもしれないが、
少なくとも入手に特別な苦労を必要とせずに、良質な抵抗となると、
いまのところDALEの無誘導巻線抵抗は、私にこれにまさるものは、いまのところない。

そのDALEの無誘導巻線抵抗について、最近ひとつの仮説のようなことを考えている。
十年にならないとはずだが、八年くらい前にBYBEEというアクセサリーが、
アメリカに話題になっていた。

芋虫上の黒い物体を、信号ライン、電源ラインに直列に挿入することで、
量子ノイズを取り除いてくれる、というシロモノだった。

Date: 3月 11th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(仮説・その4)

二ヵ月ちょっと鳴らしていたGFA535と、
鳴らしていなかったGFA535(改)とでは、
いくらエミッター抵抗をDALEに交換したとはいえ、
接続をかえた直後の音は、冴えない。

いわゆるスカスカの音である。
それも当然である。
長期間、まったく鳴らされていなかった(電源を入れられてなかった)のだから。

それでも、私の耳には、いくつかの変化が感じられた。
まず太い音が出てくるようになった、
それから、いじっていないGFA535では気づかなかった細部の音が聴きとれる。

このふたつの変化で、今回の抵抗の交換はうまくいったと感じていた。
それは、私が何度か交換の経験があって、その変化を聴いているからであって、
その経験がない人からすれば、二台のGFA535を聴いて、
どちらがいいかとなると、それまで鳴らしていた、いじっていない方となろう。

私だって、エミッター抵抗の交換の経験がなければ、
それにまったく何も知らされずに、二台のGFA535を聴かされて、
どちらを選ぶかときかれれば、いじっていない方を選ぶであろう。

そのくらいGFA535(改)の最初の音はスカスカだった。
けれど電源を入れて30分ほど鳴らしていたら、あきらかに音が変った瞬間があった。
もうこれで大丈夫だ、と判断できた。

いま鳴っている音は、それほどではなくとも、
このまま鳴らしていれば、早ければ24時間後、
遅くとも数日後には、いじっていないGFA535の音よりも、はっきりと良くなるという確信があった。

事実、翌日の夜、昨日の音よりもとてもよくなった、という連絡があった。
歌や楽器の細かいニュアンスがはっきりと聴きとれる、ということだった。

Date: 3月 10th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(仮説・その3)

今回エミッター抵抗を交換したアンプは、アドコムのGFA535である。
アドコムの製品の中でも、GFA535は普及クラスといえるモノ。

記憶違いでなければ日本では販売されていなかった。
1980年代半ばの製品で、中を見れば、当時の価格を知らなくとも安価なアンプだとわかる。

GFA535のエミッター抵抗の値は0.22Ω。
秋葉原の海神無線で、DALEの無誘導巻線抵抗の3Wのモノを揃える。

音のことでいえば、より容量の大きい5Wの抵抗がいいけれど、
3Wと5Wとではサイズに大きな違いがあって、GFA535に5WのDALEを取り付けるのは、
かなり無理があるし、3Wの抵抗でも少し大きいな、と感じて、
取付後の仕上がりは、お世辞にもスマートとはいえない。

GFA535の出力段は2パラレルだから、
エミッター抵抗は左右チャンネルで八本、購入額は六千円近い。
GFA535の価格を考えれば、それに見合った効果が得られるのか、と思われるかもしれない。

DALEの無誘導巻線抵抗に交換すれば、かなり良くなるという確信にちかいものが私にはあった。

GFA535は、そこに二台あった。
一台は、スピーカーに接がれて音を鳴らしていた。

GFA535のプリント基板には、1986とあった。
30年以上前に製造されたアンプで、二台のGFA535は長期間鳴らされていなかった。

一台は、メインのアンプが故障したため、今年に入ってから鳴らされている。
二ヵ月ちょっと鳴らされているわけだ。

今回交換したのは、もう一台のGFA535である。

Date: 3月 9th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(仮説・その2)

国産の、普及クラスのプリメインアンプ。
その終段のエミッター抵抗をDALEに交換させた。

DALEの購入に秋葉原まではつきあったけれど、
いちばん大変な交換作業は友人本人がやった。
パワーアンプの基板を取り出すのが大変だった、と語っていた。

ほんとうに大変な作業だったようだ。
でも、友人は喜んでいた。

こんなに変るのか、驚き喜んでいた。
その音を聴かせてもらった。
私にとっては二度目のDALEへ交換した音だったが、
それでもその変りようには、わかっていても驚いた。

このころからである、セメント抵抗アレルギーといえるものが、
私のなかで生れてきたのは。

世の中には、セメント抵抗も捨てたものじゃない、
使い方次第では、いい音になる、
そんなことをいう人もいるようだが、
私にしてみれば、なんとアホウなことをいっているのか、である。

DALEの巻線抵抗には、無誘導タイプとそうでないタイプとがある。
しつこいようだが、私がすすめるのは無誘導タイプの巻線抵抗である。

セメント抵抗も……、といっている人は、
DALEの無誘導巻線抵抗に交換した音を聴いたことがあるのか、と問いたい。

聴いているのかもしれない。
そのうえで、セメント抵抗も……、といっているのであれば、
よほどひどいシステムで聴いたのか、聴いた本人の耳が……。

実は先日も、あるパワーアンプのエミッター抵抗をDALEの無誘導巻線抵抗に交換してきた。

Date: 3月 9th, 2018
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(仮説・その1)

オーディオに興味を持ち始めたばかりのころ、
また電子回路のABCもほとんど知らないのに、
いつかはアンプの自作を、と考えていた中学生のころ。

無線と実験、ラジオ技術に載っている電子パーツ店の広告を眺めていた。
1970年代の後半は、オーディオ用パーツというものが、ぼちぼち登場してきた時期でもある。
パーツ店の広告を見ては、このパーツを使ってアンプを組んだら……、
と、電卓片手に計算したこともある。

そんなことをやっていて、セメント抵抗の値段の安さが気になった。
セメント抵抗は、パワーアンプの終段に使われる。
ほとんどすべてのパワーアンプの終段に使われている、ともいっていいくらいに使用率は高い。

国産のアンプだと、パワーアンプの出力段に使われる抵抗値は0.47Ω、
アメリカのアンプだと0.22Ωが一般的だが、
このくらい低い値の抵抗は、セメント抵抗くらいしか、当時は広告では目にすることがなかった。

セメント抵抗。
何も知らないといっていい、そのころの私は、この名称がなんとなくイヤだった。
それに見た目も、なんとなく雑なつくりだな、と感じていた。

こんな抵抗を使って、いいんだろうか、と疑問に思ったほどである。

この疑問は正しかった。
セメント抵抗は、音の面ではいい結果をもたらさない。
とはいえ、セメント抵抗の代りに何を持ってくるのか。

DALEの無誘導巻線抵抗が入手できるようになるまでは、代りはなかった、ともいえる。
DALEの無誘導巻線抵抗には、パワーアンプの終段に使える値が揃っている。

もう30年ほど前になるか。
あるパワーアンプのエミッター抵抗を、セメント抵抗からDALEの無誘導巻線抵抗にかえた。

ある程度の音の変化があるのは予想できたが、
実際に出てきた音の変化量は、予想を超えていた。

数年後、友人から手持ちのアンプの音をなんとかしたい、と相談された。
買い換えるほどの予算はない。けれど、もっといい音にしたい、という虫のいい話だ。

この時もDALEをすすめた。