Archive for category Noise Control/Noise Design

Date: 10月 10th, 2023
Cate: Noise Control/Noise Design

CR方法(その29)

先週土曜日の夜、ある人とオーディオの話をしていた。
絶縁トランスの話題になった。

そこでCR方法について話した。
すると、その人(Tさん)はCR方法について知っていた。
そして、あれは効きますね、と。

ここにも知っている人がいる。
でも、どうやって知ったのだろうか。

Tさんは友人のAさんのために、絶縁トランスを作っている。
市販の絶縁トランスを購入し、それらをケースに収めCR方法をやったものだけど、
Aさんに、一年ほど前に、CR方法について説明して手書きのメモを渡していた。

Tさんは、そのメモを見て試してみたところ、非常に良かったそうだ。

こういう話を聞くとうれしくなる。
直接ではないけれど、間接的にCR方法のやり方が伝わって、
とにかく試して、その音を聴く人がいるということ、
そして、その効果を認める人がいるということ。

そのことが嬉しかったりする。

Date: 2月 26th, 2023
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Design(Silent Design)

Noise ControlとNoise Designをテーマにながいこと書いてきているが、
このことは、Silent Designでもある。

Date: 1月 25th, 2023
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Design(官能性)

オーディオに関係してくるノイズのすべてを消し去ることができるようになったら、
きれいさっぱりノイズというノイズがなくなってしまったら、
その再生音には官能性が生れてこなくなるはず──、というのは私の予感だ。

Date: 1月 2nd, 2023
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Design(差延 différance)

「差延 différance」は、ジャック・デリダの「声と現象」のなかに出てくる。

まだ直観でしかないのだが、
ここでのテーマであるNoise Control、そしてNoise Designに、
「差延 différance」は関係しているように感じている。

Date: 12月 18th, 2022
Cate: Noise Control/Noise Design

CR方法(その28)

ここで書いてきているCR方法は、
もちろんジャーマン・フィジックスのTroubadour 40でもやる。

いまは部屋の片づけに追われているのと、
最初はCR方法を施さない音を十分聴いてからのほうが、
CR方法がTroubadour 40に対して、どう作用するのか。

それはピストニックモーションのスピーカーに対しての作用とまったく同じなのか。
基本的には同じのはずだろうが、変化量も同じなのか。
もしかすると大きいのか小さくなるのか。

そのへんのことをきちんと把握する上でも、来年、少し落ち着いたら、
Troubadour 40にCR方法を施してみる。

Date: 6月 14th, 2022
Cate: Noise Control/Noise Design

聴感上のS/N比と聴感上のfレンジ(その19)

その18)で、聴感上のS/N比が良くなっていくと、
聴感上の音量は大きく聴こえるようになる、と書いた。

このことは1980年代くらいからの常識だと私は思っていたけれど、
(その18)でも書いているように、どうもそうではない。

聴感上のS/N比を良くしていくと、
音量は減ったように感じられる──、
と考えている(捉えている)人が意外にもいることに気づいたからだ。

今年のOTOTENで、MQAのセミナーがあった。
ボブ・スチュアートが来日してのセミナーで、
通常のPCMとMQAの比較試聴がメインだった。

そこでボブ・スチュアートが、MQAだと音量が増して聴こえるのは、
細かい音がより明瞭に聴こえるからだ、と言っていた。

聴感上のS/N比が良くなると聴感上の音量は大きく聴こえるようになる、と同じことだ。

Date: 12月 4th, 2021
Cate: Noise Control/Noise Design

聴感上のS/N比と聴感上のfレンジ(その18)

音量設定が同じならば、
聴感上のS/N比が良くなっていくと、
聴感上の音量はどう変化するのか。

ここで意見というか、考えがわかれる。
聴感上のS/N比を良くしていかなければ──、と同じ考えの人たちであっても、
その結果得られる音量の変化に対しての判断が正反対にわかれる。

私は聴感上のダイナミックレンジが広くなるため、
音量は増して聴こえるようになる、と考えているし、
実際にそうやって調整していっている。

でも反対に聴感上の音量は減る、とする人たちがいる。
音量設定が同じで、聴感上のS/N比を良くしていくと、
音量は減ったように感じられる──、という捉え方である。

私にいわせれば、音量が減ったように感じられるのは、
聴感上のS/N比を悪くしていった場合の音の変化である。

このことは以前も書いている。
なのに、またくり返し書いているのは、そういうことである。

Date: 12月 4th, 2021
Cate: Noise Control/Noise Design

聴感上のS/N比と聴感上のfレンジ(その17)

物理特性上のS/N比は、数値ではっきりと表示される。
数値が高い方がS/N比がいいのは事実なのだが、
これすらも測定方法(条件)によって、違ってくる。

入力ショート時でのS/N比と入力に実際の機器を接続した状態、
たとえばフォノ入力であればカートリッジを接続した状態、
つまり実装時でのS/N比は、機器によってはけっこう違う数値となることがある。

入力ショート時と実装時のS/N比が同じ数値の機器もあれば、
実装時のS/N比の数値が低くなる機器もある。

どちらの機種が優秀なのかといえば、いうまでもない。
以前のアンプでは、入力ショート時と実装時の数値に開きが多いアンプが、
少なからずあった。

カタログスペックでは高S/N比なのに、実際に聴いてみると、そんな感じではない──。
ステレオサウンドでは1970年代、アンプの総テストのときには、
S/N比に関しては、どちらも測定していた。

この実装時のS/N比も、聴感上のS/N比ということになる。
聴感上のS/N比うんぬん、ということは、いまでは多くの人が言ったり書いたりしている。

それらすべてに目を通しているわけではないが、
なんとなくだが、聴感上のS/N比が良くなった場合、
どういう音の変化があるのかについて、誤解している人がいる、と感じている。

聴感上のS/N比を良くしていくと、聴感上のダイナミックレンジは広くなる。
フォルテシモでの大きさは物理的には同じであっても、
ピアニシモがより小さな音まで聴こえてくるようになってくるために、
聴感上のダイナミックレンジは広くなる。

ここまではいいのだが、聴感上のS/N比が良くなって、
聴感上のダイナミックレンジが広くなると、音はどう変化するのか。
ここで意見が食い違う。

Date: 9月 5th, 2021
Cate: Noise Control/Noise Design

CR方法(その27)

私がオーディオに興味を持ち始めた頃、
オルトフォンのSPUには、Gシェルに昇圧トランスを内蔵したSPU-GTがあった。

MC型カートリッジの出力電圧は低い。
低域に関しては、MC型やMM型は速度比例型だから、さらに出力電圧は低下する。
20Hzでは1kHzのレベルよりも約20dBほど低下する。

音楽にはピアニッシモがある。
ここではさらに出力電圧は低下する。

低音域でのピアニッシモだと、MC型カートリッジの出力電圧はごくごく小さいレベルとなる。
そんな微小信号が、トーンアーム内の細いケーブルを伝わって、
さらにはトーンアームからの出力ケーブルを伝わって、
ようやくヘッドアンプなり昇圧トランスへとたどりつく。

接点も、増えることになる。
MC型カートリッジが発電した信号は、完全な状態でたどりつくとは、とうてい思えない。

理想はカートリッジの出力端子のすぐあとでの増幅もしくは昇圧である。
ヘッドシェルにヘッドアンプか昇圧トランスをおさめればいい。

ヤマハのヘッドアンプHA2は、増幅回路の初段のFETを専用ヘッドシェルにおさめ、
ヘッドアンプ入力までを電流伝送としていた。

オルトフォンは、ずっと以前から昇圧トランスをおさめたSPU-GTを作っていた。
昇圧トランスをいろいろ試したり、あれこれやってきた人ほど、
このサイズの昇圧トランスでまともな音がするのだろうか、と思うのではないか。

私はそうだった。
SPUというカートリッジには、ずっと関心をもってきているが、
SPU-GTに関しては、そうではなかった。

私は試したことがないが、SPU-GTのトランスを取り出して、
一般的な昇圧トランスと同じ使い方をしたら、どんな音なのだろうか。

トランス単体としてみれば、優れたトランスとはいえないモノだろう。
でも、Gシェル内におさめられることでのメリットがある。

現在のオルトフォンのラインナップにSPU-GTはない。
あの小型トランスを作れる人がいないから、だそうだ。

何がいいたいかというと、SPU-GTのトランスにCR方法を試したら──、である。
あの限られたスペースに、抵抗とコンデンサーをおさめることになるわけだから、
けっこう困難な作業になるだろうが、
うまくやれれば、かなりの好結果が得られるのではないだろうか。

Date: 8月 12th, 2021
Cate: Noise Control/Noise Design

Noise Control/Noise Designという手法(その37・追補)

八年前の(その37)で、ノーノイズCDについて触れた。
1988年、フィリップスから出たノーノイズCDは短命だった。

ノーノイズCDに興味をもった人がいまいたとしても、
ノーノイズCDを手に入れるのはヤフオク!か中古CD店で探すしかない。

そこで、ここでもTIDALである。
ノーノイズCDのいくつかはTIDALで聴ける。
ジャケット写真が、ノーノイズCDのジャケットそのままなのだから、
同じ音源と思われる。

ざっと見たところ三枚はノーノイズCDが、TIDALで聴ける。
この三枚は、ノーノイズ処理をしていないアルバムもTIDALにあるから、比較試聴が可能だ。

Date: 7月 17th, 2021
Cate: Noise Control/Noise Design

CR方法(その26)

昨晩の(その25)を書き終って、Macの電源を落としてすぐに思い出した。
今年の春に書いていることを、だ。

この項を読まれている方が、クラングフィルムのオイローパジュニアに実践されている。
音の憧れ」というブログを公開されている方だ。

この方が、オイローパジュニアの励磁用のコイルで試されている。
説明するまでもないが、励磁用コイルにかかるのは、直流である。
直流だけしか流れないコイルにおいても、CR方法は効果があるわけだ。

励磁用コイルとリレーの中のコイルとでは、規模が大きく違う。
それでもリレーの中のコイルにCR方法をやれば、一応の効果は得られるはずである。

とはいえ、それがどのくらいの効果として音に出てくるのか、
やってみての楽しみである。

Date: 7月 16th, 2021
Cate: Noise Control/Noise Design

CR方法(その25)

私がこれまで試してきて好結果がえられたコイルは、交流信号に対してである。

CR方法によって、これだけ音が変化する、はっきりとした理由をまだつかめずにいる。
経験的に、こうであろうという予測は立てているものの、実証したとはいえない。

そういう状況で、アンプのリレーの電磁石のコイルにCR方法をやってみるのは、
ひとつの手がかりになるかもしれない。

リレーの電磁石のコイルにかかるのは、直流である。交流ではない。
コイルの性質上、直流と交流とでは大きく違う様相を見せる。

もしかするとリレーの電磁石のコイルにCR方法をやってみても、効果はないのかもしれない。
そういう予測もできる反面、意外にも大きな変化があるような気もしないわけではない。

もしある程度の効果があったら、何故CR方法によって音が変化するのか、
その理由を、一から考え直さなければならなくなる。

この実験は、SAEのMark 2500をあるレベルまで仕上げてからになる。

Date: 7月 10th, 2021
Cate: Noise Control/Noise Design

CR方法(その24)

SAEのMark 2500にCR方法を施す。

電源トランスの一次側と二次側の巻線。
それから別項で書いているようにメーター、この項で書いている冷却ファン。

もう一箇所考えているのが、出力端に入っているリレーである。
リレーは構造上コイルが必要となる。

鉄芯に巻かれているコイルである。
このコイルに電気を流すことで、鉄芯が電磁石になって、
可動鉄片を引き寄せて、この可動鉄板の端にある可動接点を固定接点とがくっつく。

このコイルに対してCR方法をやることで、どれだけ音に変化があるのかはなんともいえない。
まぁ、悪くなることはないだろうぐらいの気持でやるつもりだ。

Date: 7月 8th, 2021
Cate: Noise Control/Noise Design

CR方法(その23)

ファンの影響をなくしたければ、最初からファンがついていない、
自然空冷のパワーアンプを選択することこそ解決方法──、
そうなのはわかっていても、だからといって自然空冷のパワーアンプが、
ファン付き(強制空冷)のパワーアンプよりも優れているのかというと、
このあたりはなかなかに難しいところである。

自然空冷にするのであれば、必然的にヒートシンクの規模は大きくなる。
この部分が大きくなるということは、配線が延びるということである。

出力段とドライバー段との間隔が、強制空冷のアンプよりも長くなる。
出力段とドライバー段を一つのヒートシンクにおさめると、
今度はドライバー段と前段との間隔が長くなる。

高周波特性に優れたトランジスターを使用するほど、
この配線が長くなる影響(インダクタンスの上昇の影響)は、より顕著になる。

1980年ごろ、国産アンプでヒートパイプが使われ出した。
以前書いているので詳細は省くが、この時代、
パワートランジスターの特性が向上した時期でもある。

ヒートパイプの採用は、アンプ回路全体のサイズ(これも以前書いてる)を、
小さくまとめることにつながっている。
ヒートパイプが根付かなかった理由も、その時書いている。

同時にヒートシンクの大きくなるということは、
パワートランジスターとヒートシンクは、振動源と音叉の関係に近いことからいっても、
音への影響は大きくなる。

あちらを立てればこちらが立たず、なのだ。

結局、手に入れたアンプが強制空冷(ファン付き)であれば、
ファンの影響をできるだけ抑えることを考える。

その一つとして、ファンはモーターであり、コイルが中にあるわけだが、
ここにもCR方法が効果的なのではないか、と。

Date: 6月 24th, 2021
Cate: Noise Control/Noise Design

聴感上のS/N比と聴感上のfレンジ(その17)

太い音は、褒め言葉だ、と(その16)で書いているが、
太い音が出てますね、こちらが褒め言葉としていったとしても、
受けとる側は人によっては、貶されたと受けとることだってある。

二、三年前だったか、ある人があるディスクをかけてほしいと、
audio wednesdayにもってきた。

聴き終って、雑談の感じで、ある人が「テレビ的な音」といった。
それに私も同意したわけだが、二人とも、その録音がひどいという意味で、
テレビ的な音といったわけではなかった。

けれど、そのディスクをもってきた人はそうではなかったようだ。
かなり心のどこかに「テレビ的な音」といわれたことがひっかかっていたようだ。

そのディスクの録音を貶された、侮辱された、とでも思っていたようだった。

けれど、そう受けとってしまうのは、ディスクをもってきた人の心に中に、
「テレビ的な音」を貶す表現として持っているからだろう。

もしかすると、彼自身、テレビ的な音と表現して、
ある種の音をバカにしているのかもしれない。

そうだからこそ、もってきたディスクに対して「テレビ的な音」といわれての反応のようだった。

こういう時に、ことこまかに説明したところで通じることは、まずない。

結局、その人が、その表現を普段どう使っているかが、こういうときに顕になるだけだ。