Noise Control/Noise Designという手法(その37)
1988年の夏ごろ、フィリップスからノーノイズCDが登場した。
一回目が15枚、二回目以降は8枚ほど発売になっていた。
クラシックを聴いていた人ならば、このうちの数枚は耳にされているかと思う。
ノーノイズ(NO NOISE)はフィリップスの登録商標で、
それまでのアナログによる信号処理では除去できなかったノイズを、
デジタル信号処理によって除去するものである。
このデジタルノイズリダクションシステムは、
アメリカのソニック・ソリューションズ(Sonic Solutions)によって開発されたもの。
具体的にどういうふうに処理をおこなっているのか、技術的なことを知りたい方は、
ラジオ技術1988年6号にくわしい記事が掲載されている。
ステレオサウンドでは、岡先生が88号に5ページにわたる記事を書かれている。
いまでは個人が所有するパソコンでも簡単に短時間で処理できることでも、
1988年当時の処理能力では、このノイズ除去処理は大変な作業であったことがわかる。
このノーノイズCDが登場したときはまだステレオサウンドにいたので、
試聴室で第一回新譜は聴くことができたし、
このノーノイズCDのサンプラーも、
そして特典として用意されていたR.シュトラウス指揮のベートーヴェンの第五交響曲も聴くことができた。
すべてではないが、いくつかのノーノイズCDは購入もしている。