ダイレクトドライヴへの疑問(その8)
ステレオサウンド 48号に掲載されているターンテーブル及び軸受けの強度を現わすグラフの縦軸は、
ターンテーブル、軸受けのたわみを0から0.3mmまで表示してあり、
横軸はオモリの重さとなっている。
ターンテーブルの最外周に200gものオモリをのせてたわみを測ることに意味があるのか、
と疑問に思われる方もおられるだろう。
針圧は重いといわれるものでも3gから4g程度であり、
軽い針圧となると1gを切るカートリッジもある。
その程度の針圧しかかけないのだから、
10g程度のオモリならまだしも、200gものオモリを置いて測定する必要性があるのか。
実は私もステレオサウンド 48号の測定をパッと見た時は、
そんなふうに思わないでもなかった。
けれど、音がいいプレーヤーといわれているモノ、
私が音がいいと思っていたプレーヤーは、200gのオモリをのせてもたわみが極端に小さい。
48号で取り上げられているプレーヤーのなかには、200gのオモリをのせた場合、
グラフの縦軸の最大値である0.3mm近くまでたわんでいるものもある。
ちなみにガラードの301は、
48号の時点ではすでに製造中止になっていたため、あくまでも参考データとして載っている。
それも16年ほど使われていた301にもかかわらず、200gの荷重でのたわみは0.02mmしかない。
そしてEMTの930st。
これもステレオサウンド編集部で使われていたものにも関わらず、
200g荷重で0.01mm程度のたわみにおさえられていて、
どのプレーヤーよりも優秀な値である。