世代とオーディオ(50という区切りをこえて・その1)
誕生日をむかえ歳をとるということは、
自分より年上の人たちが少なくなっていくことでもあり、
自分より年下の人たちが多くなっていくということでもある。
ステレオサウンドにはいったとき、ぎりぎり18だった。
だから、ずっと少年と呼ばれていた。
私より年下の人はいなかった。
みなさん年上の方ばかりだった。
井上先生は1931年、菅野先生、長島先生、山中先生は1932年生れ、
1934年生れの父をもつ私にとって、オーディオ評論家の方の多くは、父とほぼ同世代ということになる。
それだけ私よりも、長い時間を経験してこられている。
試聴のあいまやご自宅に伺ったときにきける話は、だからこそ聞き逃せないものだった。
オーディオ評論という仕事をされているから、
経験されてきたこと、オーディオの歴史を正しく認識されている。
そうもいえるし、正しく認識されているからこそオーディオ評論という仕事が可能なのだともいえよう。
どちらかといえば若く見られることの多い私でも、すでに少年と呼ばれる年代ではなくなったし、
青年でもなくなっている。
ステレオサウンドにいたころは、私より若いオーディオマニアと話すことはなかったのに、
いまでは私より若いオーディオマニアと話すことも増えてきている。