日本のオーディオ、これから(取り残されてきているのか・その7)
一週間前はインターナショナルオーディオショウだった。
ブースをまわっていろんな音を聴いていると、ふと、思い出す音もある。
もう一度、聴きたいな、と思う音だったりもする。
今回思い出していたのは、けっこう前にノアのブースでの音だった。
スピーカーはソナス・ファベールのCremonaだった。
アンプは、当時のノアが扱っていたVTLの管球式だった。
無骨な外観の、このアンプはソナス・ファベールのスピーカーの仕上げに相応しいとは言えない。
それでも鳴っていた音は、相応しかった。
私の耳には、それまで聴いたソナス・ファベールの音よりも、
ずっとずっと魅力的だった。
また聴きたいと思ったけれど、聴く機会はなかったし、
VTLの取り扱いをノアはやめてしまった。
VTLのアンプは、あまり売れなかったのか。
正直、私もこの時の音を聴くまでは、
VTLの音を聴いてみたいとは思ってなかった。
偶然のタイミングで聴けたことを、いまでも好運だったと思うほどだ。
VTLを、その後、どこも取り扱っていない。
VTLは健在だ。
ずっとこのままなのだろうか。