DAM45の文字を見て、なんのことかすぐに思い出せる人は、私と同世代か上の世代の方たち。
DAMとは、第一家庭電器オーディオメンバーズクラブの頭文字であり、
DAM45とは、DAM頒布会用LPのことであり、45という数字があらわしているように45回転のLPである。
第一家庭電器はおもにFM誌に積極的に広告を出していた。
ステレオサウンドでは見なかったはずだ。
1970年代後半はFM誌全盛の時代だった。
週刊FM、FMfan、FMレコパルが出ていた。
私は主にFMfanを買っていた。
そこにも第一家庭電器の広告は、ほぼ毎号載っていた(と記憶している)。
そのくらいよく見ていた。
広告には必ず「マニアを追い越せ!大作戦」のキャッチフレーズがあった。
広告に掲載されていたのは、カートリッジ、トーンアーム、アクセサリーなど、
アナログプレーヤーに関係するモノがメインだった。
カートリッジに関していえば、ディスカウント店の先駆けのような感じだった。
カートリッジをひとつ買ってもそうだが、二個三個とまとめ買いをすればさらに安くなる。
だからといって単なるディスカウント店ではなかった。
だからこそのDAM45の制作がある。
第一家庭電器の広告を見るたびに、東京および周辺に住んでいる方をうらやましくも思った。
しかも年二回のキャンペーン期間中にカートリッジを購入すれば、非売品のDAM45がもらえる。
そのDAM45の中に、グラシェラ・スサーナのLPもあったのを憶えている。
ほんとうにうらやましかった。
グラシェラ・スサーナだけでなく、カラヤンのDAM45もあった。
そのことからわかるのは東芝EMIがDAM45の制作に協力していることだ。
いま第一家庭電器も東芝EMIもない。
私のところには グラシェラ・スサーナのDAM45があるだけだ。
私と同世代、上の世代のオーディオマニアのレコード棚にはDAM45が何枚かあるのではないだろうか。
DAM45を手にして何をおもわれるだろうか。
懐しいなぁ……、最初に来るであろう。
それから、どちらの会社ともなくなったぁ……、がくるだろう。
これまではそこまでだった人が多かったように思う。
でも、いまはインターネットで、DAM45の制作に携われてきた人たちが、
公式といえるウェブサイトを公開されている。
当時の広告も公開されている。
もちろんそれぞれのレコードについての詳細なデータもある。
当時よりも、いまのほうがDAM45について詳しく知ることができるようになった。
Super Analogue DAM45