Date: 3月 31st, 2016
Cate: 川崎和男
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KK塾が終って……(その4)

これから書くことは蛇足かも……、と思っているところはあるし、
読む人によっては余計なことを、と受け取るだろう。
それでも書く。

草月ホールでの川崎先生の講演のときに、
ステレオサウンドにあのままいたら……、と思わないわけではなかった。

ステレオサウンド編集部という看板があれば、すぐにでも会える、連載を依頼できる──、
そんなことを、少しは思っていたことを白状する。

でも、この時の私には何の看板もなかった。
それにステレオサウンドにいたとしても、その看板は他人(ひと)がつくったものでしかない。

けれど、そのことを勘違いしてしまうことがある。
その看板を利用したとしよう、
おそらく「遠い」という感覚を味わうことはなかったはずだ。

この「遠い」という感覚をもっていない者だから、
あっさりと川崎先生の連載を手離すことをやってしまう。

「人は大切なことから忘れてしまう」と書いた。
けれど「遠い」という感覚を持たぬ者は、
「大切なことにすら気づかない」。

「遠い」という感覚から離れてしまったところでつくられている(編輯されている、とは書かない)が、
現在のステレオサウンドである。

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