オーディオの殿堂(その2)
殿堂入りしていないだろうな、と予想していたとおり、
やっぱり入っていなかったのが、BOSEの901である。
このユニークなスピーカーシステムが入っていない。
なんとも寂しい感じがしてしまう。
BOSEの901は、シリーズを重ねるごとに良くなっていた。
私はすべてのシリーズを聴いてきたわけではないが、
それでも私が聴いた範囲でもシリーズが新しくなるたびに、音の品位は良くなっていった。
901の最初のころは、音の品位という点では難もあったようだが、
それはずいぶん昔のことであり、
私がステレオサウンドを辞めてから登場した901WBは、なかなかの出来である。
残念なことに901WBの音は聴いているものの、
井上先生が鳴らされた音を聴いているわけではない。
井上先生が鳴らされる901の音は、いまも思い出せる。
以前書いているように、マッキントッシュのMC275で鳴らしたこともある。
使用ユニットがフルレンジだけ、間接放射型ともいえる構成ゆえ、
901をゲテモノ扱いする人が少なからずいるし、
マニア心をくすぐられないこともあるとは思う。
そういう人は、901がきちんと鳴った音を聴いていないのだろう。