Date: 6月 30th, 2022
Cate: 五味康祐, 瀬川冬樹
Tags:

カラヤンと4343と日本人(その19)

カラヤンのレコーディング歴はながい。
SP時代から始まっている。
このころは当然モノーラルで、テープ録音はまだ登場していない。

その後、ドイツで世界初のテープ録音が行われる。
それでもまだモノーラルの時代だし、他の国ではディスク録音だった。

戦後、SPがLPとなる。それでもまだまだモノーラルである。
テープ録音も普及していく。
そしてステレオになっていく。

それからデジタル録音が登場してくる。
デジタルになる前にあった変化は、
録音器材の管球式からソリッドステートへの移行があった。
録音テクニックの変遷もある。

1982年10月、CDが登場する。

これらすべてをカラヤンは指揮者として経験している。
カラヤンと同世代の演奏家ならば、同じように経験してきているだろうが、
カラヤンほど積極的に経験してきている演奏家となると、多くはない、といえる。

そういうカラヤンだからこそ、
精妙な録音を行える、ともいえよう。

そのカラヤンが、いまの時代の若手指揮者だったら、どうだろうか。
録音を開始したころから、すでにデジタル録音で、
それも44.1kHz、16ビットではなく、
ハイレゾリューションでの録音が身近になっている時代しか経験していない。

そんなカラヤンがもしいたとしたら、精妙な録音を行なえただろうか。
これから先、精妙な録音を聴かせてくれる演奏家は登場してくるだろうか。

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