Archive for 7月, 2024

Date: 7月 31st, 2024
Cate: アナログディスク再生

アナログプレーヤーのセッティングの実例と老い(その16)

今年のインターナショナルオーディオショウでも、
多くのブースでアナログディスクをかけていた。

けれど、そのレベルはバラバラだった。
そんなディスクのかけ方をするのか、と思ったところは一つではない。
ヒゲを明らかにつけているかけ方をしているところもあった。

個人のディスクで、持ち主がヒゲを気にしないのであれば、
そんなぞんざいな扱いでもいい、とは思わない。

誰かの目の前でかけていることが、すっぽり頭の中から抜け落ちているのか。
ヒゲなんてことをもともと知らないのか。

オーディオショウには多くの人が来る。
アナログディスク再生に関心を持ち始めた人もいる。
そういう人の手本になりたいとは、まったく思わないのだろうか。

ぞんざいな扱いしかできない人は、
おそらく周りに手本となる人がいなかったのだろう。
だとしたら──。

オーディオショウの出展社のスタッフは、オーディオ業界の人たちである。
いわばオーディオのプロの人たちのはずだ。

なのに、周りに手本となる人がいないのだとしたら……。

Date: 7月 30th, 2024
Cate: High Resolution

TIDALという書店(その26)

roonとTIDALの組合せは、実に快適。
いくつもの項目で検索できるのは、使う前からわかっていたことだが、
実際使うと、よく出来ていると感心する。

それでも一つだけ不満というよりも要望がある。
roonはレーベルでの検索もできるのだが、自分のライブラリーの中だけである。

そういう仕様にした理由はわかる。
メジャーレーベルの名称で検索したら、大変な数の結果を表示することになる。

けれど私が求めているのはマイナーレーベルの検索である。
このくらいなら検索結果もそれほどの数にはならないはずだが、
それではメジャーレーベルとマイナーレーベル、どこに線引きするのか、
そういう問題が生じるだろうから、おそらく将来にわたって、
TIDAL全体からのレーベル検索は、無理であろう。

それでも一番期待しているのが、レーベル検索である。

Date: 7月 29th, 2024
Cate: 「オーディオ」考

オーディオの罠(その11)

自己模倣というオーディオの罠は、案外心地よいのかもしれない、
そう考えるのは、自己模倣の音は、自己肯定の音でもあるからだろう。

以前、別項で自己肯定の音、自己否定の音ということを少しだけ触れた。

ならば自己模倣の音があるならば、他者模倣の音もあるはずだ。

Date: 7月 28th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その11)

タイムロードのブースに行けば、ジャーマン・フィジックスが聴ける、という頃は、
会場の国際フォーラムに着いたら、四階の端っこ、
タイムロードのブースを目指していた。

ジャーマン・フィジックスの輸入元がゼファンになってからは、
それをやったところで、ゼファンにとってはいくつもあるスピーカーブランドの一つでしかない、
そんな感じの扱いで、鳴っている時間に遭遇したことがない。

そのゼファンとさっさと取り扱いをやめている。
それからというもの、インターナショナルオーディオショウは、
まず六階の端から順に各ブースに入るようになった。

今年もそうだった。
六階の端から順になのだが、ブースによっては満員で入れないところもあるし、
今回のように時間にあまり余裕がないときは、
ほんの少しだけ覗くような感じをしたり、
入りもせずに飛ばしてしまうこともする。

実をいうと、今回ナスペックのブースは飛ばして、次のブースに行こうとしていた。
ナスパックのブースの前を通り過ぎようとしていたら、
ドアが開いていて、音が聴こえてくる。

そうだ、もしかするとモニターオーディオのフラッグシップモデルが聴けるかも、
そう思い直して入ったところ、鳴っていたのは、
トールボーイ型のPlatinum 300 3Gだった。

去年聴いたスピーカーだ、今年はいいかな、と思おうとしていたら、
去年の音よりも明らかにいい感じで鳴っている。

最初は後ろで立って聴いていたが、前の席が空いたので座ると、
目の前にあったのは、プレイバックデザインズのSPA8だった。

去年のシステムとの一番の違いは、このパワーアンプの存在のはずだ。

Date: 7月 27th, 2024
Cate: 未分類

2024年ショウ雑感(その10)

今日はインターナショナルオーディオショウに行けなかった。
明日も、無理っぽいので、昨日の五時間ほどの印象て書いている。

今年は、満員で入らなかったブースがいくつかあった。
ヤマハがそうだった。
ノアもそうだった。

その他にも入らないわけではなかったけど、
実質、入れなかったといえるブースもいくつかあった。
そのことに文句をつけたいわけではなく、
活況でいいことだと思っている。

例年通り、意気込みのまったく感じられないブースはいくつかあったけれど、
全体的には去年よりも雰囲気が良くなっているように感じた。

すべてのブースを回ったわけではなくない。
私がまわった中で好印象だったのは、ナスペックだ。

Date: 7月 26th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その9)

インターナショナルオーディオショウに行ってきた。
今年強く感じたことの一つが、以前書いたことの繰り返しである。

いくつものブースで、
「次はこのディスクを鳴らしたいと思います」「かけたいと思います」という人がいる。
今年もいた。むしろ以前より増えているように感じたのは、
私がこの「と思います」が嫌いなだけではないはずだ。

直前のこと、次に行うことに、なぜやりたいと思います、と言うのか。
まだ確定していない、それをやるにはまだ時間がかなり経ってから、
そういうのであれば、「と思います」とするのはわかる。

すべてのブースでそうだったわけではない。
すべてのブースをまわったわけではないから、
他にも「と思います」を使っていなかったところはあると思うが、
ナスペックのスタッフは、「と思います」を使っていなかった。
「次はこれをかけます」、「これを鳴らします」、
それでいいのだから、ナスペックのブースはそれだけで好感が持てる。

Date: 7月 25th, 2024
Cate: 「ネットワーク」

オーディオと「ネットワーク」(SNS = SESか・その21)

不気味の谷。
この言葉を目にするたびに最近おもうのは、
不寛容の谷である。

不気味の谷の横軸は写実性だが、
不寛容の谷の横軸は、利便性ではないだろうか。

Date: 7月 25th, 2024
Cate: Digital Integration

Digital Integration(roonのこと・その5)

以前、別項でACアダプターの数が増えていくことを書いている。
ACアダプターもだが、roonでTIDALを主に聴くようになると、
LANケーブルの数も増えていく。

モデムからスイッチングハブへ、
スイッチングハブから、roon ROCKのNUC、メリディアン 210、218へ、
それから210から218へ、というのもある。

アナログ用のケーブルと違い、ステレオだからといって二本一組ではないが、
それでも多い(少なくない)と感じている。

それに私のシステムでは、
アキュフェーズのDP100とDC330間もLANケーブルである。

LANケーブルも汎用のモノからオーディオ用を謳ったモノまで、かなりの品種がある。
ケーブルをあれこれ交換するのが大好きな人からすれば、
ケーブルに無頓着な人となるだろうが、関心は人並みにある。

LANケーブルも換えれば音は変る。

アナログ用ケーブルは帯域幅が広い。
LANケーブルは高周波ではあるが、帯域幅は広くないし、
アナログ用ケーブルだと、使う箇所によって信号レベルも大きく違うが、
LANケーブルはそうではない。

それでも無視できないくらいに音は変る。

Date: 7月 24th, 2024
Cate: 表現する

自己表現と仏像(その11)

像を想うと書いて、想像である。
誰が考えたのかは知らないけれど、仏の姿を想うことこそ想像である。

Date: 7月 23rd, 2024
Cate: 音の毒
1 msg

音の毒(オイロダインのこと・その4)

ポリーニの実演は、20代前半のころ、一度聴いている。
1986年だったはず。

確かベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴いている。
そのぐらいしか、もう憶えていない。
感動しなかったからだろう。

五味先生のように激怒ということだったら、
それはそれで記憶にしっかりと残っているはずだから。

ポリーニをきちんと聴いてきたとは、言わない。
そんな私でも、アバドとのバルトークのピアノ協奏曲第一番は、
初めて聴いた時ももちろん、それから何度となく聴いているが、
聴くたびに、凄いと思う。

極端な言い方になるが、私にとってのポリーニは、
このバルトークの曲のためだけの存在となる。

自分でも不思議に思っている、
なぜ、バルトークの一番だけなのか、と。

答が見つかったわけではないが、
バルトークのピアノ協奏曲第一番は、
ピアノを打楽器として使うという曲に関係してことだろう。
いまは、そう感じている。

ポリーニは、バルトークの第三番は弾いているのだろうか。

Date: 7月 22nd, 2024
Cate: 新製品

TANNOY Autograph 12

今週末のインターナショナルオーディオショウで、
実物を見る聴くことができるはずの、タンノイの新製品。

ミュンヘンのショウで発表されていたので、ご存知の方も多いだろう。
Autograph 12である。

タンノイはなぜ、このスピーカーをAutographと呼ぶのか。
ここが、私にはまったく理解できない。

詳細が不明だが、エンクロージュアがバックロードホーンとは思えないし、
フロントショートホーンがないのは、すぐにわかる。

音はどうなのか、わからない。
素晴らしいのかもしれないが、
それならなおさら別の型番を用意すべきだろうし、
それだけでなく、ここ数年、
自社製品のパチモン的新製品について書いてきているが、
このAutograph 12がパチモン的とは言わないが、
Autographという、過去の名器の栄光に縋っている、
そんな印象を受けてしまう。

Date: 7月 21st, 2024
Cate: ディスク/ブック

THE DREAMING(青春の一枚・その3)

ケイト・ブッシュの四枚目のアルバム、
「THE DREAMING」を、7月のaudio wednesdayでかけた。

かけるつもりは、最初はなかった。
それでもメリディアンのDSP3200にエラックのリボン型トゥイーターを足した音は、
「THE DREAMING」をかけることを、私に促した。

聴き終って、
「THE DREAMING」は私の青春の一枚であることを噛み締めていた。

「THE DREAMING」の中からどの曲を選んだのか。
どうして、その曲なのか。
その理由は書かないけれど、やはりこういうふうに鳴ってくれるのか、
その手ごたえが、私にとって最大の収穫だった。

Date: 7月 20th, 2024
Cate: ショウ雑感

2024年ショウ雑感(その8)

来週末はインターナショナルオーディオショウ。
今回、個人的にもっとも聴きたいのが、ゼラトンのスピーカーシステム。

1990年ごろにアンサンブルという、
スイスのブランドのスピーカーシステムが、輸入されていた。

小型の2ウェイシステムは、このブランドならではの音の表現を聴かせてくれていた。
それゆえに好き嫌いはあったように思う。
惚れ込んだ人にとって、他に代わるスピーカーは、
なかなか見つからなかったはずだ。

私も魅了された一人だ。

このアンサンブルのスピーカーのウーファーは、
センターキャップがなく、文字通りのコーン(円錐形)だった。

このウーファーだからこその音なのか、
そんなふうにも受け止めていた。

アンサンブルは、長く輸入されていたわけではなかった。
いつの間にか日本の市場から消えていた。

それからずいぶんして、ドイツのゼラトンが輸入されるようになった。
ウーファーを見て、アンサンブルと同じだと。
これは、ぜひともじっくり聴いてみたい、と思いながらも、
聴く機会はなかった。

ゼラトンのスピーカーが輸入されていたころは、
インターナショナルオーディオショウには、毎年行っていた。

けれどタイミングが悪いのか、
輸入元のブースで音が鳴っているのに、出会したことがない。

来年は聴けるだろう、と思っていたら、その輸入元は、取り扱いをやめた。
それから十年以上経ったか。
やっとゼラトンが輸入されるようになった。

今度はアクシスが取り扱う。
以前の輸入元のような、そっけない扱いではないはずだ。

現在のゼラトンの音が、どんななのか、まったくわからない。
それでも今回のショウで、いちばん期待しているし、楽しみにしている。

Date: 7月 19th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第七夜(ネットワークのこと)

8月7日のaudio wednesdayは、5月に鳴らした757Aレプリカを鳴らす。
前回は元からついていたネットワークをそのまま使っての音出しだった。
今回は、ネットワークをいくつか試す。
まず前回と同じ構成(ネットワーク)で鳴らす。
次にAmpex(JBL)の、古いネットワークにする予定だ。
預かっているモノで、大型のネットワーク。

どんな音がするのか、預かっているだけで、その音を聴いてはいないから、
これの音は私も楽しみにしている。

それからアキュフェーズのDF35を使って、バイアンプドライヴも予定している。

これらの音を確認した上で、ネットワークの自作を考えている。
なので9月も757Aのレプリカを鳴らす。
8月は2ウェイのまま鳴らすが、9月の会では、トゥイーターを足す。
デッカのリボン型トゥイーターを、片チャンネルあたり二本足してみようと考えているところ。

Date: 7月 18th, 2024
Cate: audio wednesday

audio wednesday (next decade) – 第七夜・選曲について

7月のaudio wednesdayの日は暑かった。
梅雨があけた8月のaudio wednesdayは、
同じくらいかもっと暑くなるかもしれない。

8月に鳴らすのは757Aレプリカだから、ホーン型である。
8月に鳴らしたい曲は、ホーン型だから聴きたい曲になるかもしれない。

暑さを吹き飛ばしてくれるほどに、
熱い演奏をかけたいと考えている。

ウーゴ・ディアスだろうか。