オーディオ 夢モノがたり(想像してみてほしい・その4)
和室。
二十畳、三十畳といった広い和室ではなくて、
こたつがよく似合うくらいの広さの和室。
十畳か、それよりも少し広いくらいの和室。
私にとって重要なのは和室自体の広さよりも、床の間があるかないかだ。
しっかりした床の間がある和室。
その床の間にスピーカーを置く。
ここは、もうパラゴンしかない、といいたいくらいに、
和室でパラゴンは、若い頃からしていた妄想だ。
そこにこたつ。あとは座いす。
そういう環境なのだから、アンプにあまり大袈裟なモノは使いたくない。
こたつに入って聴くのだから、冬は真空管アンプがいい。
こんなことをながいこと想像していた。
寒い季節になると、こういう世界こそいいなぁ〜、としみじみ思うわけだけど、
実現することは、たぶんないだろうし、
この世界だけで満足できるわけでもないことはわかっている。
わかっているからこそ、すごく憧れてもいる。
(その2)で、一兆円という夢のような金額が与えられたとして、
ありとあらゆるオーディオに関しての贅沢を尽くしたすえに、
和室にパラゴンが残れば、とても幸せじゃないか、と思う。
やりたいことをすべてやって、最後にしたいことは──、
私の答は、こういうところに落ち着く。