Archive for category アナログディスク再生

Date: 10月 14th, 2018
Cate: アナログディスク再生

アナログプレーヤーのアクセサリーのこと(その23)

CD以前の時代、アナログディスク再生関連のアクセサリーは、
いろんなモノがあった。
実物を見ることがなかったモノも少なくない。

オルトフォンからCAP210というアクセサリーが出ていた。
1970年代後半のころである。
価格は1,300円。

HI-FI STEREO GUIDEで見て知っているくらいだ。
HI-FI STEREO GUIDEには、フレケンシー・コレクターとなっていた。

写真はモノクロで、大きくないものが一枚だけ。
オルトフォンのVM型カートリッジのVMS型MK IIシリーズ、M20 Superシリーズ専用で、
低容量のケーブルを使っている場合の平均的容量190pFを、
400pFまで補正する、と書いてある。

型番のCAP210とは、キャパシター(capacitor)が210pFということなのは、すぐにわかった。
けれど、写真を見るだけでは、どうやって使うものなの? となった。

CAP210の形状は長方形で、長辺にそれぞれ二つずつの切り欠きがあるだけだ。
理屈からいえば、CAP210の中身は210pFのコンデンサーであり、
これがPHONO入力に対して並列に入ることで、負荷容量を増やすこともわかる。

それでも、どう接続するのか、がすぐには理解できなかった。
ひとつには、CAP210の大きさがわからなかったこともある。

結局、一年くらい経ってから、あっ、と気づいた。
CAP210はオルトフォンのVM型カートリッジの出力ピンのところにはめ込む。

気がつけば、なんだぁー、と思うようなことだが、
気がついたときのすっきり感は、いまも憶えているほどである。

Date: 9月 26th, 2018
Cate: アナログディスク再生

リマスターSACDを聴いていて(その2)

9月に、二つのD/Aコンバーターを聴いた。
メリディアンのULTRA DACとCHORDのMojoである。
偶然にも、ふたつともイギリスのD/Aコンバーター。

といっても価格はずいぶんと違う。
ULTRA DAC一台分の価格は、Mojo約五十台分である。

これだけの価格の違いがあれば、
ULTRA DACとMojoのクォリティにも大きな違いがあって当然──、
と思われる人もいるだろうが、私にはどちらも優秀なD/Aコンバーターであった。

聴いた日時、場所も違う。
直接比較試聴したわけではない。
そうやって聴いた印象だから、あてにならない、といわれてもしかたないけれど、
この二つのD/Aコンバーターの違いは、どう書いたらいいだろうか、と考えながら、
カートリッジにたとえるなら、どちらもMC型カートリッジであることは確かだ。

ULTRA DACは、オルトフォンのSPU的といえよう。
ご存知のようにSPUは、SPU-Gold以降、さまざまな種類が登場した。
発表された順番通りにすべてのSPUのヴァリエーションを、私は憶えていない。
間違えずにすらすらいえる人は、どのくらいいるのだろうか。

それにすべてのSPUを聴いているわけでもない。
まだまだ新しいSPUは出てくる、と思う。

ULTRA DACの音は、まだ聴いていない、
つまりまだ世に出ていないSPUの音なのかもしれない。

SPUの音を洗練していんた先のところにある音が、もしかするとULTRA DACの音なのかもしれない。

一方、Mojoは、SPUではない。
これははっきりと言える。

Mojoは、SPUと同じMC型であっても、もっと振動系が軽いタイプのMC型の音である。
だから針圧も軽い。
自重も軽い。

要求するトーンアームも、SPUとは違ってくる。
それにカートリッジの内部インピーダンスも、SPUよりも高め──、
こんなことを書いていて、ふと気づく。

こんなたとえは、もう通用しなくなりつつある、
というか、もう通用しない、といえよう。

その1)で、
良質のMM型カートリッジでの再生音に通ずるような鳴り方だった、と書いたが、
これだって、どれだけの人に通用するのだろうか。

Date: 8月 10th, 2018
Cate: アナログディスク再生

リマスターSACDを聴いていて(その1)

先日、あるSACDを聴いた。
CDで以前出ていて、そのころよく聴いていた。

今回のリマスターSACDは、丁寧な仕事がなされている、と感じる出来だ。
CDと直接比較はしなかったが、少なくとも悪くない、という消極的な評価ではなく、
かなりいいんじゃないか、と感じていた。

聴いている途中で、
そして聴き終ってから、そのSACDの音は、
良質のMM型カートリッジでの再生音に通ずるような鳴り方だったことに気づいた。

MM型カートリッジといって、
アナログディスク全盛時代は各社からいろんなグレードで数多く発売されていたし、
ひとつとして同じ音のカートリッジはなかったわけだから、
MM型カートリッジの音という括りは乱暴で危険なこととはわかっていても、
それでもMC型カートリッジの良質なモデルの音を聴いた直後では、
どんなに優れたMM型カートリッジでも、忘れてきている何かがある、と感じる。

音はすべて出ているように感じる。
今回のSACDもそうだった。
ケチをつけるところは、特にない。
でも、そう感じていた。

これまでもリマスターSACDは何枚も聴いてきている。
こんなふうに感じたのは初めてだった。

Date: 8月 6th, 2018
Cate: アナログディスク再生

アナログプレーヤーのアクセサリーのこと(その22)

アナログディスク再生においてトーンアームの高さ調整は重要である。
カートリッジのヴァーティカルトラッキングアングルに直接影響してくるだけに、
カートリッジを交換したら高さ調整が求められるし、
厳密にいえばレコードの厚みが違ってきたら、そこでも高さを調整する必要はある。

トーンアームのパイプが水平になれば、それでいいのかといえば、
必ずしもそうではなく、これはひとつの目安にすぎない。
ここを標準として、ほんのわずか高さを調整していく。

つまり目測と耳だけが頼りだった。
不思議なことにトーンアームの高さ調整用のアクセサリーはなかった、と記憶している。

オーディオクラフトにHG1というアクセサリーがあった。
型番のHGはheight gaugeからきている。
トーンアームの先端と根元の二点で、トーンアームの高さを検出するアクセサリーである。

HG1は、商品として世に出たのだろうか。
ステレオサウンド 44号のオーディオクラフトの広告にはHG1が載っている。
価格未定(近日発売)となっている。

Date: 5月 1st, 2018
Cate: アナログディスク再生

シュアーの撤退

シュアーが、今夏、カートリッジから撤退する、というニュースは、
SNSでも拡散されているから、もう目にされていることだろう。

ひとつの時代が終った、
困る……、
これからどうすればいいのか……、
そんな感想も、ニュースの拡散とともに目に入ってくる。

個人的には、撤退は自然な流れだと感じた。
シュアーのイヤフォン部門への力のいれようと比較すると、
カートリッジに関しては、ただ継続しているだけ──、そんなふうに感じていたからだ。

イヤフォンではコンデンサー型の意欲的なモデルも開発している。
実は、もしかするとカートリッジでコンデンサー型モデルを出してくるかも……、
とほんの少しだけ期待していたけれど、可能性は完全にゼロになってしまった。

私はシュアーのカートリッジには夢中になれるモノがひとつもなかった。
V15シリーズにしても、TypeIIIもTypeIVも、
それから上級機のUitra500も、じっくり聴く機会があったけれど、欲しいとはまったく思わなかった。

イヤフォンはSE535が出たばかりのころ、知り合いが「これ聴いてみて」といって聴かせてくれた。
シュアーのイヤフォンということで、実のところ期待はしていなかった。
けれど、シュアーの製品で、初めて欲しい、と思うほどだった。

イヤフォンでこれだけのモノがつくれるのだから、
カートリッジもイヤフォンと同じくらいに本気で取り組んでくれれば、
シュアーのカートリッジで、欲しいと思えるモノが登場したかもしれない。

シュアーは冷静に市場を捉えていたのだろう。

SHURE、昔はシュアと表記されていた。
私がオーディオに興味をもったころはシュアーだった。
いまはシュアである。

Date: 4月 17th, 2018
Cate: アナログディスク再生

私にとってアナログディスク再生とは(HD Vinylについて)

100kHzまで対応可能なアナログディスクとしてHD Vinylのことが話題になっている。

SNSで、ニュース元をシェアしている人がけっこういる。
その人たちはHD Vinylに期待しているのであろうが、
私は、どちらかというと、期待していない方である。

何度も書いているように、
私はアナログディスクをエネルギー伝送メディアとして捉えている。
そんな私にとっては、カッティングとは、
マス(質量)のあるダイアモンドのカッター針を動かすからこそ得られる特性・特質としての、
エネルギー伝送メディアである。

そんな私だからハーフスピードカッティングにも、どちらかといえば懐疑的だ。

HD VinylにはHD Vinylなりのよさはあるはずだし、
実際に、その音を聴けば、なかなかいいな、と評価するにしても、
それはもうエネルギー伝送メディアから信号伝送メディアへのグラデーションなのだと思う。

Date: 4月 1st, 2018
Cate: アナログディスク再生

アナログディスク再生の行き着く先

お気に入りのLP、
いまふうにいえばヘビーローテーションのLPを何度も何度もくり返してきていたら、
ある日、いままで聴こえなかった音が聴こえていることに気がついた。

聴きすぎて音溝がすり切れてきてノイズが発生してきたのだと、最初は思った。
それからノイズはかけるたびに大きく、そしてはっきりとしてきた。
なんとB面の音が聴こえてくるようになってきたのだ。

聴きすぎて、A面の溝が深くなりB面にで達してしまったのだ。
(20年以上前にどこかで読んだエイプリルフール・ネタ)

Date: 3月 5th, 2018
Cate: アナログディスク再生, 老い

アナログプレーヤーのセッティングの実例と老い

いつどこで、といったことを書くと、
その場にいた人ならば、もしかして……、と気づくかもしれないし、
それに特定の誰か何かを批判したいわけでもないから、
そういったことはすべて省くが、
とあるところで、とある日に、アナログディスクをかけるイベントがあった。

たまたま近くにいたこともあって入ってみた。
すぐ目につくところにアナログプレーヤーが置かれていた。

けれど不安定そうなテーブルの上に置かれていて、
プレーヤーから3mほど離れていても、明らかにプレーヤーが傾いているのがわかる。

なのに、かまわずアナログディスクが次々とかけられていく。
いわゆるオリジナル盤だったりするアナログディスクがかけられている。

そのイベントを主宰している人たちは、私よりも年輩の方たち。
なのに……、と思う。

こんなにいいかげんなセッティングのままで鳴らすのか、と。
セッティングのいいかげんさは、ハウリングにもあらわれていた。

アナログプレーヤーは持ち込まれたようだった。
それゆえに完璧といえるレベルでのセッティングに無理にしても、
プレーヤーの傾きぐらいはきちんとしておくべきである。

しかも不思議なのは、プレーヤーの前後方向の傾きについては、
ある方法で確かめていた。
その方法を書くと、、どこでのイベントだったのかバレそうなので書かないで、
その方法で左右方向の傾きをチェックすればいいのに……、と思う。

もっともそんな方法でチェックしなくても、目で見て傾いているのだから、
それ以前の問題なのだが。

アナログディスク復権などといわれているようだし、
そのイベントも、その一貫のひとつなのだとしたら、
なんとも哀しいアナログディスク復権である。

と同時に、これひとつの老い(劣化)なのかもしれない。

Date: 2月 7th, 2018
Cate: アナログディスク再生

アナログプレーヤーのアクセサリーのこと(その21)

カートリッジをヘッドシェルに取り付けるネジ。
たいていはアルミ製だった。

そこにオーディオクラフトが、真鍮製のネジを出してきた。
BS5(700円)で、長さの違う七種類のネジとナット(こちらも真鍮製)をセットにしたもの。

高校生だったころ、すぐに飛びついたアクセサリーのひとつである。
とにかく価格が安かった。

それでいて、アルミ製のネジとは違う質感が、よかった。
音がまったく変らなかったとしても、
BS5のネジにしたあとでは、アルミ製のネジが級に安っぽく見えてきた。

しかも音も変る。
良心的なアクセサリーだ、と思っていたものだ。

BS5が、私にとって最初のオーディオクラフトの製品だった。
良心的なアクセサリーだとは思ったわけだから、
オーディオクラフトも良心的なメーカーたと思うようになった。

次に買ったのはAS4PLというヘッドシェルだ。
これは瀬川先生が褒められていたということも強く影響している。
これも満足したアクセサリーだった。

AS4PLにオルトフォンのMC20MKIIを取り付けていた。
その次に買ったのが、(その18)で書いているスタビライザーのSD33だ。

アナログプレーヤー関連のアクセサリーは、オーディオクラフトのモノが増えていった。
MC20MKIIを使っていたから、OF2も欲しかった。

OF2はカートリッジのボディを補強するもので、これも真鍮製だった。
価格は4,300円だった。
それほど高いわけではなかったし、買えないこともなかったけど、
AS4PLにMC20MKII、そこにOF2(自重6.2g)を足すと、計算上では26.6gとなる。

ここに取付ネジの重さも加わる。
ネジの長さもOF2の厚みのぶんだけ長くなる。
重さはわずかとはいえ増える。

当時使っていた国産の普及クラスのプレーヤーのトーンアームだと、けっこうしんどい数字だ。
それでためらっていた。
結局買わずに終ってしまった。

だからいまでも買っておけばよかったなぁ……、と思う。

Date: 1月 26th, 2018
Cate: アナログディスク再生

DAM45(DSD 11.2MHz)

DAM45について書いたのは二年前。
今日の川崎先生のブログ「最高の音響を楽しんでください」は、
このDAM45が、ユニバーサルミュージックからDSD、
それも11.2MHzで配信が始まったことを知らせてくれる内容だった。

9タイトルが発売(配信)されている。
その9タイトルの中に、グラシェラ・スサーナが含まれている。

とにかく嬉しい。
まだDSD 11.2MHzの再生環境をもっていなから、
聴くことはすぐにはできないが、それでも嬉しいことにかわりはない。

9タイトルの詳細、
配信にいたるまでの経緯などは下記のリンク先を参照のこと。

DAMオリジナル録音DSD11.2配信9タイトル一覧

Date: 11月 27th, 2017
Cate: アナログディスク再生

アナログプレーヤーの設置・調整(その33)

物事にはすべて反動があって、
静止しているターンテーブルが動きはじめる時にも、反動がある。
ターンテーブルの重量が重いほどに、反動は大きくなる。

リンのLP12の加工精度が悪いと勘違いした人は、
その反動によるサスペンションの揺れのことが頭になかったのではないか。

リジッドなプレーヤーベースであれば、動きはじめの反動が目に見えることはないが、
フローティング型であれば、その反動をサスペンションが受け止めることになる。

サスペンションの調整がうまく行われていれば、
さほど揺れないし、揺れてもすぐに収束する。

けれどサスペンションの調整がひどければ、
つまりバランスがとれていない状態では、揺れは大きくなるし、
その揺れもなかなか収束しない。

フローティングベースが揺れていては、ターンテーブルの回転もブレているように見える。
フローティング型プレーヤーへの正しい理解があれば、
LP12のターンテーブルの加工精度が悪い、という勘違いはしない。

けれど、一知半解の人ならば、加工精度が悪いと判断してしまう。
この手のことは、オーディオにはけっこうあるような気がする。

やっかいなのは、一知半解の人は、自分の理解がいいかげんなことに気づいていない。
だから「LP12のターンテーブルの加工精度は悪い」と言いふらしていく。

それを耳にした(目にした)人の中には、
素直に信じる人もいるだろうし、疑問をもつ人もいるし、
バカなことをいっている、と思う人もいる。

素直に信じる人がどのくらいいるのかはわからないが、
その人たちが、また誰かに伝えたりする。
そうやって誤解が拡まることがある。

Date: 11月 14th, 2017
Cate: アナログディスク再生

アナログプレーヤーの設置・調整(その32)

接点をこまめにクリーニングするということは、
クリーニングの度にケーブルを外しているわけである。
そのときに、RCAプラグがスポッと簡単に抜けてしまうとか、
スピーカー端子の締めがゆるいとか、
そういうことに気づかずに、ただクリーニングだけに気を取られていた知人は、
接点はクリーニングされていれば、それでいいんだ、と理解していたのかもしれない。

オーディオを通してであっても、
理解とは、人によってこんなにも違うのかと思うことが、少なくない。

知人は接点には気をつかっていると自負していた。
けれどクリーニングだけ、キレイにすることだけで、
しっかりと接触させるということに関しては、気が回らなかったのか、
無関心だったのか、とにかくゆるゆるの接続であった。

そういえば……、と思い出すことがある。
ある人からきかれた。

「昔のリンのLP12って、ターンテーブルの加工精度がひどかったんですか」と。
「そんなことはない」と答えたが、話をきいていくと、
きいてきた人の知人が、そんなことを言っていた、とのこと。

その人はLP12のターンテーブルが揺れながら回転していたから、
どうもそういう結論(加工精度が悪い)になったようだ。

私がLP12を見て、聴いたのは1980年になってからだった。
その数年前からLP12は輸入されていた。
そのころのLP12まで知っているわけではないが、
少なくともLP12は高い加工精度を特徴としていたフローティング型である。

LP12は加工精度が悪いといっていた人が、
自身でLP12を使っていたのか、それともどこかで見ただけなのかははっきりしないが、
おそらくフローティング型ゆえのサスペンションの調整が、
そうとうにひどかったのではないかと思われる。

Date: 9月 10th, 2017
Cate: アナログディスク再生

アナログディスクのクリーニング(その3)

アナログディスクそのものを完全に理解しようとするならば、
化学的知識も非常に重要になってくる。
アナログディスクそのもののケア、クリーニングに関してはそうである。

アナログディスクは化学的物質であり、
それゆえに生き物的であるともいえる。

といっても私も化学的知識に詳しいわけではない。
なので受け売りなのだが、
アナログディスクの主材料の塩化ビニール(PVC)と酢酸ビニール(PVA)の化学的な結合は、
多くの炭素鎖が結び合っている状態であり、このチェーン結合は、
再生時に針先から単位面積当りかなりの圧力と、瞬間的ではあっても100度をこえる熱を受ける。

これによりチェーン結合が短く破壊される。
この状態の穴すぐディスクは硬くなり、弾力性を失った状態である。

これを防ぐのが、安定剤である。
この安定剤と化学的な結合をしやすいのが、蒸留水とアルコールであり、
化学的な結合ということは、安定剤の破壊ということである。

乾式のクリーニングでは取りきれない汚れに対しては湿式は有効である。
湿式では蒸留水とアルコールを使うことが多く、そういうリスクがある。
そのことを知らずにクリーニングをくり返すことの、長期的な怖さは頭に入れておくべきである。

化学に詳しくない私でも、この程度のことは頭に入っているわけだから、
化学の専門家がこれらのことを踏まえてクリーニング液を作っているのであれば、
問題はないのかもしれない。

その見極めは、だから肝心であり、
そのためには化学的知識がそれなりに求められる。

Date: 5月 8th, 2017
Cate: アナログディスク再生

ダイレクトドライヴとカートリッジのコンプライアンス(その3)

HI-FI STEREO GUIDEの’76-’77年度版をみると、
MC型カートリッジを出していた海外ブランドは、EMTとオルトフォンだけである。
当時日本に輸入されていた、という条件はつくけれど、
輸入されていなかったブランドで、MC型カートリッジを出していたところがあったとは思えない。

日本のブランドでは、コーラル、デンオン、ダイナベクター、フィデリティ・リサーチ、光悦、
マイクロ、サテン、スペックス、だけである。

これが長島先生の「図説・MC型カートリッジの研究」が出る1978年には、
オーディオテクニカ、アントレー、グレース、ハイレクト、ジュエルトーン、ナカミチ、
ソニー、テクニクス、ビクター、ヤマハ、フィリップスからも登場している。

「図説・MC型カートリッジの研究」以降MC型を出してきたブランドは、
アキュフェーズ、オーディオノート、エクセル、グランツ、ゴールドバグ、Lo-D、
ラックス、パイオニア、サトームセン、ソノボックス、YL音響、エラック、ゴールドリング、
リン、ミッション、トーレンスなどがあり、
それまで一機種しか出していなかったところからも、数機種登場したりしている。

MC型カートリッジのブームが来た、といえる。
ブーム前もそうなのだが、MC型カートリッジをつくり続けてきた、といえるのは、
日本のカートリッジメーカーであり、
MC型カートリッジのブームが来たのも、
海外で日本のMC型が高く評価されるようになってきたから、ときいている。
ブーム後に登場した海外ブランドのMC型も、日本製であるモノがいくつもあった。

ダイレクトドライヴを開発したのは、いうまでもなく日本のテクニクスであり、
テクニクスの成功に刺戟され、国内各社はダイレクトドライヴに移行した。

そのダイレクトドライヴの音質に疑問をいだかせるきっかけとなったMC型カートリッジを、
決して製造中止にすることなくつくり続けてきたのも日本のオーディオメーカーである。

Date: 5月 7th, 2017
Cate: アナログディスク再生

アナログディスクのクリーニング(その2)

インターネットがもたらしたもののひとつに、
こちらが常識だと思っていたことが、意外に知られていない、ということがある。

オーディオに関しても、広く知られている、と思っていたことが、
そうではなかった、ということを何度も体験している。

こちらは常識だっと思っているから、相手も知っているものだと思い込んでいる。
相手が知らないことが、どういうことなのか、こちらにはわからない。
だからオーディオの話をしているときに、互いに、えっ!? となることがある。

この項に関することでいえば、
アナログディスクは硬くなり、弾力性が失われる、ということがある。

私の周りだけなのかもしれないが、
私と同じくらい、それ以上のキャリアのあの人でも、
意外に、このことを知らない人がいる。

アナログディスクは、基本的には塩化ビニール(PVC)である。
約85%ほどが塩化ビニールで、それに10数%の酢酸ビニール(PVA)が主材となっている。
その他に、染料や安定剤がわずかに加えられている。

安定剤は1%程度なのだが、
この安定剤があるからこそ、アナログディスクはくり返し再生に耐え得るし、
アナログディスク(LP)が登場して以来、
各レコード会社は安定剤を研究してきていた、といえる。

この安定剤を、一般的に無害といわれる蒸留水、アルコールは破壊する。