Archive for category 新製品

Date: 2月 23rd, 2025
Cate: 新製品

TOPWING OPT ISO BOX(その2)

Phile webが『Qobuzの音質改善に効く!話題の「光アイソレーター」4モデルを一斉試聴!』という記事を公開している。

TOPWINGのOPT ISO BOXも取り上げられている。
記事中で、スピードの切り替えについての記述が、当然ある。
そこでは、10Mbpsでの音が冴えなかったと、読める。

そうだろうな、と思う。
(その1)でも触れているように、すでにこの製品を購入して、
その感想を公開している人が何人もいるが、
その中には10Mbpsの音が、もっとも良かったとしている人もいる。

その人のネット環境、システム、そしてその人の音の聴き方、
それらが人それぞれ違い、そのトータルの結果として、私が聴いた印象とは反対の10Mbpsの音がいい、となるだけのことだ。

Date: 2月 12th, 2025
Cate: 新製品

BLUESOUND NODE ICON

二日前に発表されたブルーサウンドの新製品、NODE ICON
MQAの新技術、QRONOd2aを採用している。

これだけのことなのだが、MQAはまだまだ継続されるし、
5月に発表予定の新しいストリーミングにも、期待が持てる。

NODE ICONのスペックをみてみると、CPUにARM社製を採用しているのがわかる。

五年ほど前に別項で、iPhoneとUSB D/Aコンバーターとヘッドフォンで聴く音が侮れないのは、
CPUがARMということも関係しているのではないか、と書いた。

IntelのCPUとARMのCPUの厳密な比較試聴はおそらく無理だろうし、
結局、どちらかのCPUを搭載した製品を聴いて、
なんとなく、こっちの方が……、というくらいのことしか言えないのは分かった上で、
それでもNODE ICONの音が、どうなのかは気になる。

Date: 1月 26th, 2025
Cate: 新製品

TOPWING OPT ISO BOX(その1)

昨日、昨年末に発売になったトップウイングのOPT ISO BOXの試聴の機会があった。

どういう製品なのかは、リンク先を参照してほしいし、
この手の製品に関心のある方ならば、すでに情報は得ているだろうし、
すでに購入済みの人も少なくないだろう。

OPT ISO BOXは、39,600円。
この手の機能を持つモノとしては、安価といえよう。
それにトップウイングのウェブサイトを見ると、デモ機の貸し出しもあるから、
試聴しての購入もできる。

39,600円でデジタル信号伝送の問題全てが解決するわけではないが、
試してみる価値はあると感じた。

インターネットで検索すると、個人によるレヴューもある。
いくつか読んでみた。

OPT ISO BOXはスピードの切替スイッチがある。
10M、100M、1Gの三段階。出荷時は100Mになっている。

個人レヴューのいくつかでは10Mの音が断トツ優れている、とあった。

昨日の試聴に限って言えば、1Gが良かった。
この辺は、ネットワーク環境にもよって左右されるようだから、
全ての場合において1Gがいいとは言えないようであるが、
10Mの音は、明らかにわかりやすい音になる。
特に音像定位がそうだ。
わかりやすい定位になる。

それだけを持って音が良くなるとは言えないし、
そのことがどういう意味も持つのかも、考えてほしい。

どのスピード設定するか、それから電源アダプターをどうするか。
OPT ISO BOXでは、価格を抑えるために必要最低限の電源が付属しているが、
OPT ISO BOXに関心を持つ人は、すぐにでも他の電源に交換するだろう。

スピードの切替え、電源の交換、
それからOPT ISO BOXをどこに挿入するのか、
OPT ISO BOXは遊べるし、楽しい製品だ。

Date: 1月 7th, 2025
Cate: 新製品
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THORENS TD124 DD(その7)

(その4)に、とり氏という方のコメントがあった。
《ネットで個人事業者の商売が容易になったせいか、昔の機種を過剰に持ち上げる手法が跋扈してうんざりです。
修理屋と中古屋の常套手段かなと。》

以前、別項で書いているが、
オーディオを資産価値という観点から、あれこれいう人がけっこういる。

そういう人にとっては、自分が使っている(持っている)オーディオ機器が神格化されて、
中古市場での価格が高騰すれば、嬉しいのだろう。

JBLの4343のことを何度となく書いている。
するとヤフオク!での落札価格の平均は、こんなものですよ的なことを、言ってくる人がいる。

4343よりも価格が安かったスピーカーの方が、いまでは4343よりも高い、とでも言いたげでもある。

別にそんなことどうでもいいじゃないか。
落札価格の平均で、そのオーディオ機器の価値が決まるわけではない。

資産価値でオーディオ機器を選び、購入し、
値上がりしたら転売する。
それもオーディオの楽しみ方の一つと言われれば、
本人がそれで良ければ、私がとやかく言うことではない。

そのまま楽しんでください、ぐらいである、言えるのは。

そういう人は、新製品を購入するにあたっても、
将来値上がりしそうなモノ、資産価値がつきそうなモノを選ぶのだろうし、
オーディオで商売しているわけではなくても、
ソーシャルメディアやブログなどで、
資産価値を高めるように神格化していくのだろう。

メーカーだって、そうだろう。
台数限定で、高価な新製品を出す。
資産価値にプライオリティをおく人は飛びつくだろうから。

Date: 1月 6th, 2025
Cate: 新製品

THORENS TD124 DD(その6)

トーレンスも、TD124のサブプラッターに歪みが発生することはわかっていたはず。
だからこそ、TD124の復刻モデルではダイレクトドライヴにしたのだろう。

トーレンスの現行の、他のモデルはベルトドライヴである。
TD124だけダイレクトドライヴなのは、
サブプラッターを廃したかったためのはず。

TD124ときくと、真っ先に思い浮かべるのは、何か。
あのスタイルという人、
ベルト・アイドラードライヴという人、
あの時代にクイックスタート・ストップを可能にしていたこと、
このことを挙げる人といるし、
現在のトーレンスのスタッフが、TD124を復刻するにあたってのこだわりも、
このクイックスタート・ストップの機能なのではないのか。

オリジナルのTD124の駆動方式やベルトドライヴでは、
サブプラッターを追加しなければ難しい。

けれどプレス加工でのサブプラッターならば、
オリジナルのTD124のそれと同じように歪みの問題を完全に払拭できない。

最近では金属削り出しのサブプラッターもあるようだが、かなり高価のモノだろう。

とにかくサブプラッターなしでのクイックスタート・ストップの実現には、
ダイレクトドライヴということになる。

Date: 1月 6th, 2025
Cate: 新製品

THORENS TD124 DD(その5)

トーレンスのTD124で、いちばん気になるのはサブプラッターの歪み(反り)である。

facebookにコメントがあったが、それもこのサブプラッターの歪みについて、であった。
コメントをされた方の周りでも、TD124を使っていた人はいたけれど、
皆、サブプラッターの歪みゆえに手放された、とのこと。

そうだろうと思う。
どんなにメインプラッターの精度が高くても、
レコードと接するサブプラッターに歪みがあれば、
レコード再生時、反っているレコードをかけているのと同じことになる。

そのことを気にしないのであればいいけど、レコードの反りによって生じる再生上の問題、
これはどうすることもできないし、音への影響はとても大きい。

私は気にしない──、といって無視できることではない。

今回、私が整備したTD124も、サブプラッターに歪みがある。私はそれほど数多くTD124の実機を見ているわけではないが、
歪みのないサブプラッターの個体とは出合っていない。

Date: 1月 5th, 2025
Cate: 新製品
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THORENS TD124 DD(その4)

昨年暮れは、動かなくなったトーレンスのTD124を診てほしいと頼まれたこともあって、
TD124についてあれこれ検索していた。

有益な情報は特に得られなかったけれど、
TD124は、こんなに神格化されているのか、と驚いていた。
TD124だけでなく、ガラードの301も神格化されていると感じたが、
私が見た範囲ではTD124のほうが、すごかった。

こういう場合、すごかったではなく、ひどかったとした方がいいとは思ったが、
そうすると、その「ひどかった」だけに反応して、
301よりもTD124がひどいのか──、
そんな捉え方をする人がいるので、すごかった、にしておく。

今回、整備して、確かにTD124はよく出来たプレーヤーだと改めて実感したが、
だからといって、神格化するのはどうだろうか。

あれをやってはいけない、とか、こうしなければ本来の音が得られない、とか、
それらのことを、私は神格化と捉えた。

いいかげんな整備のTD124や301を、やっぱりいいですね、と評価するのは論外だし、
きちんと整備することは大事なことだが、
神格化してしまうと、畏れおののいてしまう人も出てくる。

正当な評価とは、神格化することではない。

Date: 1月 3rd, 2025
Cate: 新製品

THORENS TD124 DD(その3)

トーレンスのTD124は、どうして「124」なのか。
おそらくだが、12インチのターンテーブルプラッターに、
4スピードだから、だろう。

TD124は、33 1/3と45回転の他に、78回転と16回転もついている。

TD124 DDは、どうだろうか。
33 1/3と45回転の2スピード。

現在のトーレンスが、
TD124という型番にこだわりたい(すがりたい)のは、
わからないわけではないが、
ならば──、と思うところがありすぎる。

Date: 1月 2nd, 2025
Cate: 新製品

THORENS TD124 DD(その2)

オーディオ機器に関する情報を得るのに、インターネットを無視はできない。

トーレンスのTD124の復活のニュースを見た時は、
昔のメカニズムをリファインしてのモデルか、とほんのちょっとだけ期待したけど、
型番末尾のDDの二文字を見て、すぐにさとった。

TD124をダイレクトドライヴで復活させることの意味、
そんなこと、いまの時代、考えるだけ無駄なことなのか。
そんなふうに思いました。

それでもトーレンスが独自に開発したダイレクトドライヴならば、
期待は持てるかもしれない──、そう思うこともできるわけだが、
インターネットはそんな夢も見させてくれない。

輸入元のPDNのウェブサイトには、TD124のページはないが、
トーレンスのウェブサイトサイトには、もちろんある。

そこにはTD124のモーターの写真がある。
各社の製品に詳しい人ならば、すぐにわかるし、
そうでなくともGoogleで画像検索すると、わかることが出てくる。

Date: 1月 2nd, 2025
Cate: 新製品

THORENS TD124 DD(その1)

トーレンスのTD124のダイレクトドライヴ版のTD124 DDが、
海外のオーディオショウで発表されたのは、数年前だった。

日本に輸入されるのだろうか、と思いながら、日本での続報はなかった。
昨年、PDNがトーレンスを取り扱うことになった。

TD124 DDのトーレンス創立140周年記念モデル、
TD124 DD 140th Anniversaryが140台の限定で発売になる。

不思議なのは、輸入元のPDNのウェブサイトには、
今日(1月2日)の時点では何の告知もないが、
ステレオサウンド 223号の巻末、
それからステレオサウンド・オンラインでは紹介されている。

限定140台のうちの一台を、抽選でステレオサウンドを介して発売されるようだ。

なぜ? と不思議に思う人はいるだろう。
憶測なのだが、
ステレオサウンドからトーレンス創立140周年を記念しての本が出るのかもしれないし、
そのことを絡めてのことなのだろう……。

Date: 7月 22nd, 2024
Cate: 新製品

TANNOY Autograph 12

今週末のインターナショナルオーディオショウで、
実物を見る聴くことができるはずの、タンノイの新製品。

ミュンヘンのショウで発表されていたので、ご存知の方も多いだろう。
Autograph 12である。

タンノイはなぜ、このスピーカーをAutographと呼ぶのか。
ここが、私にはまったく理解できない。

詳細が不明だが、エンクロージュアがバックロードホーンとは思えないし、
フロントショートホーンがないのは、すぐにわかる。

音はどうなのか、わからない。
素晴らしいのかもしれないが、
それならなおさら別の型番を用意すべきだろうし、
それだけでなく、ここ数年、
自社製品のパチモン的新製品について書いてきているが、
このAutograph 12がパチモン的とは言わないが、
Autographという、過去の名器の栄光に縋っている、
そんな印象を受けてしまう。

Date: 5月 18th, 2024
Cate: 新製品

新製品(その24)

一ヵ月ほど前に、B&OのBeosystem 9000cのことを書いた。
型番からわかるように、Beosystem 9000の復刻(再構築)版である。

写真をみるかぎり、見事な仕上がりだ。
Beosystem 9000cをみて、パチモン的新製品という人はいないはずだ。

この項で書いているパチモン的新製品。
今度はQUADから登場する。

33と303の復刻モデルが、そうである。
QUADのウェブサイトのトップページに写真が公開されている。

のっぺりしているな、が最初の感想だった。
見慣れれば、そんなふうに感じなくなるのか。

QUADの33と33のサイズ、そしてデザインのままに、
最新の技術を投入してくれれば──、と思ったことは何度もある。

今回の33と303の復刻はそれにあたるといえば、そうなるのだろうが、
そこにパチモン的新製品臭を感じてしまう。

自社の過去の製品のパチモン的新製品を出すことが、流行りつつあるのか。

Date: 4月 27th, 2024
Cate: デザイン, 新製品

Beosystem 9000c

B&OのBeosound 9000といえば、
六連奏のCDチェンジャーである。
登場は、いまから三十年ほど前のことであっても、
初めてBeosound 9000の動いているところを見て、
これが似合う部屋とそれだけの経済力があったらなぁ──、とおもった人は、
私以外にもけっこうおられるはずだ。

そのBeosound 9000も、いまでは完動品はかなり少ないときいている。
故障してしまっても、修理が困難らしい。

B&OがBeosound 9000を完全に復刻して、
スピーカーシステムのBeolab 28と組み合わせて、
Beosystem 9000cとして再構築した。

トータル価格は、7,500,000円。
限定二百台とのこと。

このシステムをどう評価するかは、人によってそうとう違ってくることだろう。
私は、といえば、まず動いているところを見たい。
それからだ。

Date: 3月 22nd, 2024
Cate: 新製品

Clarisys Audio

4月3日のaudio wednesdayではアポジーのDuetta Signatureを鳴らすわけだが、
アポジーのリボン型スピーカーに惚れ込んだ人たちはいる。

けっこう前に、アポジーのスピーカーを復刻しようとする人たちがいる、
メインテナンスを行っている人たちがいる、
そんなことを聞いている。

やっぱりそういう人たちがいるか、と思いながらも、なかば聞き流していた。
3月の会でひさしぶりにアポジーの音に触れて、検索してみるとあった。
Clarisys Audioである。

外観からしてアポジーといえよう。
現在、三機種ある。
脚部もしっかりとつくられているようで、
アポジーのスピーカーよりも細部がリファインされている印象だ。

そして驚くのは、製品紹介のページ下段の“Coming Soon!”だ。

低域と中高域のユニットを独立させてだけでなく、
アポジー時代では考えられなかった規模のウーファーがある。

写真だけなので、詳細は不明。
かなりの高額なモデルだろうし、そうとうな大きさと重量なのだから、
購入の対象とは考えられないけれど、この新モデルのウーファーは興味深い。

買える買えないとは関係なく、一度聴いてみたい新製品である。
とはいえ、いまのところ日本には輸入代理店がない。

Date: 2月 9th, 2023
Cate: 新製品

Meridian 210 Streamer(その13)

2022年発行のステレオサウンドで、メリディアンの210は取り上げられていない。
2022年夏に日本への輸入が再開されたとはいえ、
210自体は何度も書いているように2019年に発表・発売になっている。

日本での発売は2022年からなのだが、他国では発売になって三年経つ製品となる。
その4)で、オーディオ雑誌は、210を新製品として取り扱うのだろうか、と書いた。

224号、225号の新製品紹介記事に210は登場していない。
来月発売の226号で取り上げられている可能性は、まずないといっていいだろう。
210は、ステレオサウンドでは新製品として扱われない。

2019年発売の製品だから──、と扱わない理由としてステレオサウンド編集部は挙げるだろう。
けれど、それではなぜジャーマン・フィジックスのHRS130は、新製品として取り上げているのか。

ジャーマン・フィジックスも日本への輸入は十年ほど途絶えていた。
輸入が再開したのはメリディアンと同じころ、昨夏だ。

HRS130は2022年に登場した製品ではない。
日本以外の国では数年前から売っている。
メリディアンの210と事情は同じ製品なのだ。

なのに一方は取り上げ、もう一方は取り上げない。