Archive for category 新製品

Date: 10月 22nd, 2025
Cate: VITAVOX, 新製品

Vitavox T3(その1)

数年前にヴァイタヴォックスのウェブサイトに、CN191でもBitoneMajorでもないエンクロージュアの写真が公開されていたことがある。

その写真も全体が写っていたわけではなく、詳細は全く不明だった。何か新しいスピーカーシステムを開発しているんだろうな、とうかがわせるだけだった。

そのスピーカーシステムがようやく登場した。しかも三システム同時にであり、さらにトゥイーターも一緒にである。

T3 Systemという。
TriStar、Triple5、Tritoneの三システムだ。

型番がTriから始まることからもわかるように、おそらくヴァイタヴォックス初の3ウェイシステムである。

それぞれのモデルについては私が書くよりもヴァイタヴォックスのウェブサイトを見たほうが早いし、
それにエンクロージュアの詳細がわかっていない。

それでも書いておきたいのは、トゥイーターの形状だ。JBLの2405のヴァイタヴォックス版といえる。

Date: 9月 26th, 2025
Cate: 新製品

WADAX Studio • Player Collection(その3)

音と風土の関係性は、確かにあった。
あった、と過去形で書いてしまうほど、いまはどうなのだろうか、と私でも思うわけだが、
少なくとも私がオーディオを始めたころは、あった。

だから、あれこれおもっていた。
バルバラを聴くならばフランスのスピーカー、
ケイト・ブッシュを聴くならばイギリスのスピーカー、
それもバルバラならばフランス盤でフランスのカートリッジ(その頃、日本には輸入されていなかったが、あったのだろうか)、
ケイト・ブッシュならばイギリス盤でイギリスのカートリッジ。そんなふうにして聴いてみたいと妄想していた。

そこで私の場合、グラシェラ・スサーナは? となる。
グラシェラ・スサーナの日本語の歌は、日本のスピーカーなのか。

グラシェラ・スサーナはアルゼンチン人。
アルゼンチンには、オーディオメーカーはどんなのがあるのか、アルゼンチンのスピーカーは、どういうモノなのか──、
これらをすごく知りたかった時期があった。

1970年代、調べる術を持っていなかったし、知りもしなかった。
アルゼンチンのスピーカーで聴いてみたい、と思いながらも、アルゼンチンはスペイン語。
グラシェラ・スサーナも、タンゴ、フォルクローレはスペイン語で歌っている。

ならばスペインのスピーカーは? となる。
Rotel Domusというメーカーのスピーカーシステムが、輸入されていた。

Model 175、Model 400、Model 600、Model 800というラインナップだった。
いずれも密閉型のブックシェルフ型、Model 175が2ウェイ、ほか三機種は3ウェイ。
ちなみに輸入元は、ローテル。

どんな音だったのか。何の情報も当時は得られなかった。
何の変哲もないスピーカーのように、モノクロの小さな写真を見て、そんなふうに感じていた。

輸入品としては安価な製品だった。それでも、あの頃、グラシェラ・スサーナのタンゴ、フォルクローレを、
このブランドのスピーカーで聴いてみたかった。

そのおもいを、いまも引き摺っているのだろうし、
スペインの音楽家、パブロ・カザルス、パコ・デ・ルシア、
この二人の演奏に惹かれている人ならば、
スペインのオーディオ、音を聴いてみたいと思うのではないだろうか。

Date: 9月 25th, 2025
Cate: 新製品

WADAX Studio • Player Collection(その2)

若い世代のオーディオマニアにとって、音と風土の関係性については、あまり関心がないのかもしれないが、
私がオーディオに興味を持ち始めたころは、
音と風土について語られることが多かった。

ステレオサウンドも創刊15周年を記念して、
60号ではアメリカンサウンド、61号ではヨーロピアンサウンド、
63号ではジャパニーズサウンドを特集している。

私と同世代、上の世代であっても、この音と風土の関係について、そんなものはない、と否定する人もいる。
そんなことよりもブランドによる音の違いが大きいのだから、と。

このことは以前別項でも触れている。
音と風土の関係について気がついた人は、当時のオーディオ評論家だった。

このころのステレオサウンドのオーディオ評論家は、総テストで、
アンプやスピーカーシステムを何十機種も聴く。
この総テストが、音と風土の関係の発見につながっている。
音と風土の関係について否定する人は、総テストのような試聴を経験していない。

これはしかたないことであって、オーディオを仕事としている人でも総テストをみな経験できるわけではないのだから。

音と風土の関係ということでは、それが最もはっきり出るのは、やはりスピーカーである。
当時はCDがまだ登場していなかったから、カートリッジも、スピーカーに次ぐ、音と風土の関係を色濃く出してくれる。

しかもアナログディスクもそうであり、一度は、アナログディスクのプレスと同じ国のカートリッジで聴いてみたほうがいい。

アメリカ盤ならアメリカのカートリッジ、イギリス盤ならイギリスのカートリッジ、ドイツ盤ならばドイツのカートリッジというふうにである。

音と風土の関係について否定する前に、こういうふうに聴いていっていれば、ずいぶんと違ってきたはずだ。

そういう時代を、私は経ている。

Date: 9月 24th, 2025
Cate: 新製品

WADAX Studio • Player Collection(その1)

二十年ほど前に、ある輸入元の社長に、
これからはスペインの時代だ、と言ったことがある。

スペインですか……、とまともに取り合ってくれなかったし、
事実、そのころは、このブランド、どうですか、と言えるだけのメーカーもなかった。

いまはどうかというと、WADAXがある。

WADAXというブランドを知るきっかけは、MQA対応ということからだった。
数年前に、だからブランド名義だけは目にしていた。その時は、WADAXのウェブサイトを見ることはしなかった。
なんとなくブランド名に、ピンとくるものがなかったから、というどうでもいい理由だった。

昨晩、ふとWADAXのこと、というよりブランド名だけを思い出した。
どんなMQA対応の機器を作っているのか、そのことだけを確かめよう、
それにもしかすると、もうMQA対応をやめているかもしれないから、そのことを確かめておこう──、
この程度の関心しか持ってなかった。

WADAXのウェブサイトを見た。
かなり個性的なメーカーだな、と製品の写真を見てまず思った。
それから目に入ってきたのは、Spainの単語だった。

そうなると関心のボルテージがあがってくる。

Studio • Player CollectionというCDプレーヤーがある。
SACDにも対応している。そして私がいちばん関心のあるMQAに対してだが、フルデコードである。

メリディアンのUltra DAC推しの私だけれど、CDプレーヤーは一体型を好ましく思う方だ。
音を聴いてしまうとUltra DACが単体D/Aコンバーターであることを認めるしかないわけだが、
それでもUltra DACの音のまま、一体型CDプレーヤー、
しかもSACD対応のモノがあれば、というおもいも持ち続けている。
もちろんMQA対応でなければならない。

Studio • Player Collectionが、どの程度の実力なのか。私は何も知らない。

それでもStudio • Player Collectionは、聴いたみたい。
決して安くない(かなり高価だが)、くり返すが聴いてみたい。
残念なことに、いまのところ日本に代理店はない。

Date: 8月 22nd, 2025
Cate: 新製品

QUAD 3

QUADの新製品、3
モノーラル時代のQUADのアンプには、一桁の型番はアンプはあったが、
ステレオ時代になって、コントロールアンプは22、33、44といったように二桁になり、
パワーアンプは303、405、306、606と三桁になっている。

3はプリメインアンプで、リンク先のQUADのサイトを見ればわかるように、
管球式コントロールアンプの22のパネルデザイン(レイアウト)をとっている。

3の外形寸法はW300xH101xD332mm、
22の外形寸法はW265xH90xD150mmなので、
奥行きこそ倍以上になっているものの、
プリメインアンプとしては小さくまとめられている。

このサイズだとスイッチング電源採用と思いがちだが、
内部写真を見るとトロイダルトランスがある。

3は今どきのプリメインアンプらしくD/Aコンバーター搭載、
フォノイコライザも持つ。

オール・イン・ワンで、22的なフロントパネル。大きくないサイズ。
いいデザインとは、すんなり思えないけど、悪くない、と思うのは、
MQAフルデコードに対応していることも、私の場合、大きく関係している。

QUADのこれまでの製品で、MQAに対応していたモデルはなかった、と記憶している。
そこに、3の登場。

大きな期待は持っていないけれど、じっくり聴いてみたいモデルではある。

価格は、£1,249とのこと。日本に輸入されるとなると30万円を超えるだろう。

Date: 6月 30th, 2025
Cate: 新製品

REVOX B77 MK III(余談)

オープンリールデッキといえば、中学生のころ、
これなら買えそう、と思ったのはパイオニアのRT701だった。

外形寸法はW48.0×H23.0×D36.0cmで、ラックに収まるサイズとスタイルだったからだ。
価格は、109,800円で、オープンリールデッキといえばプロ用という憧れはあったけれど、
それらは本当に高価で、しかもコンソール型で大きく重いモノだった。

その点、RT701はオープンリールデッキの入門機として格好の製品だったと言える。

そんなことを中学生のころは思っていたけれど、テープにあまり愛着のない私は、
結局、いまにいたるまでオープンリールデッキを自分のモノとしたことがない。

欲しいな、と思う製品は少ないけれど、いくつかあった。
それでもアナログプレーヤーにおいて、どうしても欲しいといって手に入れたEMTの927Dstほどの情熱はなかった。

そんな私だが、オープンリールデッキは小学生の低学年のころから触っていた。
先月亡くなった父が中学の英語の教師だったため、
授業で使うポータブル型の録音機があったからだ。

リールからテープを引き出して、ヘッドのところに這わせていく。
理屈がわかっていたわけではないが、やっていた。
このころすでにカセットテープは登場していたけれど、
父が授業でカセットテープを使うようになったのは、もう少し後のこと。

そんなことがあったから、私にとって録音機といえば、
オープンリールデッキが最初の体験だったし、
実際にオープンリールデッキの安定した音の後には、
カセットテープ(デッキ)の音は、不安定で頼りなく感じる。

成人してから何度かオープンリールデッキをいじる機会はあったけれど、もう四十年近く触っていない。

Date: 6月 26th, 2025
Cate: 新製品

REVOX B77 MK III

オープンリールデッキの新たな開発は、十年ほど前からいくつかあったけれど、
製品化に辿りつけたのはあったのだろうか。
一つは立ち消えになったのは確認にしているが、他はどうなったのだろうか。

なかなか難しい問題をいくつも解決していかなければ、
この時代にオープンリールデッキを新製品として出すのは相当に大変なことのはず。

昨年だったか、ルボックスがB77の最新モデルを開発しているというニュースがあった。

ルボックスだから、他のメーカーよりは実現の可能性は高いと思っていたけれど、
実際に、ルボックスのウェブサイトで発表になっている。

いまのところ日本の輸入元のウェブサイトには、何の情報もない。

オープンリールテープは何も持っていないから、B77 MK IIIに興味はあっても、
どうしても聴いてみたいと思っていたわけではなかったのだが、
ルボックスのウェブサイトを見てると、オープンリールのミュージックテープを発売していることを知る。

クラシックもある、ジャズもロック、ポップスもある。
クラシックだけを見ても、聴いてみたいと思わせるアルバムがいくつかある。

グルダの平均律クラヴィーア曲集、グールドのバッハもある。

さすが、ルボックスである。

Date: 2月 23rd, 2025
Cate: 新製品

TOPWING OPT ISO BOX(その2)

Phile webが『Qobuzの音質改善に効く!話題の「光アイソレーター」4モデルを一斉試聴!』という記事を公開している。

TOPWINGのOPT ISO BOXも取り上げられている。
記事中で、スピードの切り替えについての記述が、当然ある。
そこでは、10Mbpsでの音が冴えなかったと、読める。

そうだろうな、と思う。
(その1)でも触れているように、すでにこの製品を購入して、
その感想を公開している人が何人もいるが、
その中には10Mbpsの音が、もっとも良かったとしている人もいる。

その人のネット環境、システム、そしてその人の音の聴き方、
それらが人それぞれ違い、そのトータルの結果として、私が聴いた印象とは反対の10Mbpsの音がいい、となるだけのことだ。

Date: 2月 12th, 2025
Cate: 新製品

BLUESOUND NODE ICON

二日前に発表されたブルーサウンドの新製品、NODE ICON
MQAの新技術、QRONOd2aを採用している。

これだけのことなのだが、MQAはまだまだ継続されるし、
5月に発表予定の新しいストリーミングにも、期待が持てる。

NODE ICONのスペックをみてみると、CPUにARM社製を採用しているのがわかる。

五年ほど前に別項で、iPhoneとUSB D/Aコンバーターとヘッドフォンで聴く音が侮れないのは、
CPUがARMということも関係しているのではないか、と書いた。

IntelのCPUとARMのCPUの厳密な比較試聴はおそらく無理だろうし、
結局、どちらかのCPUを搭載した製品を聴いて、
なんとなく、こっちの方が……、というくらいのことしか言えないのは分かった上で、
それでもNODE ICONの音が、どうなのかは気になる。

Date: 1月 26th, 2025
Cate: 新製品

TOPWING OPT ISO BOX(その1)

昨日、昨年末に発売になったトップウイングのOPT ISO BOXの試聴の機会があった。

どういう製品なのかは、リンク先を参照してほしいし、
この手の製品に関心のある方ならば、すでに情報は得ているだろうし、
すでに購入済みの人も少なくないだろう。

OPT ISO BOXは、39,600円。
この手の機能を持つモノとしては、安価といえよう。
それにトップウイングのウェブサイトを見ると、デモ機の貸し出しもあるから、
試聴しての購入もできる。

39,600円でデジタル信号伝送の問題全てが解決するわけではないが、
試してみる価値はあると感じた。

インターネットで検索すると、個人によるレヴューもある。
いくつか読んでみた。

OPT ISO BOXはスピードの切替スイッチがある。
10M、100M、1Gの三段階。出荷時は100Mになっている。

個人レヴューのいくつかでは10Mの音が断トツ優れている、とあった。

昨日の試聴に限って言えば、1Gが良かった。
この辺は、ネットワーク環境にもよって左右されるようだから、
全ての場合において1Gがいいとは言えないようであるが、
10Mの音は、明らかにわかりやすい音になる。
特に音像定位がそうだ。
わかりやすい定位になる。

それだけを持って音が良くなるとは言えないし、
そのことがどういう意味も持つのかも、考えてほしい。

どのスピード設定するか、それから電源アダプターをどうするか。
OPT ISO BOXでは、価格を抑えるために必要最低限の電源が付属しているが、
OPT ISO BOXに関心を持つ人は、すぐにでも他の電源に交換するだろう。

スピードの切替え、電源の交換、
それからOPT ISO BOXをどこに挿入するのか、
OPT ISO BOXは遊べるし、楽しい製品だ。

Date: 1月 7th, 2025
Cate: 新製品
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THORENS TD124 DD(その7)

(その4)に、とり氏という方のコメントがあった。
《ネットで個人事業者の商売が容易になったせいか、昔の機種を過剰に持ち上げる手法が跋扈してうんざりです。
修理屋と中古屋の常套手段かなと。》

以前、別項で書いているが、
オーディオを資産価値という観点から、あれこれいう人がけっこういる。

そういう人にとっては、自分が使っている(持っている)オーディオ機器が神格化されて、
中古市場での価格が高騰すれば、嬉しいのだろう。

JBLの4343のことを何度となく書いている。
するとヤフオク!での落札価格の平均は、こんなものですよ的なことを、言ってくる人がいる。

4343よりも価格が安かったスピーカーの方が、いまでは4343よりも高い、とでも言いたげでもある。

別にそんなことどうでもいいじゃないか。
落札価格の平均で、そのオーディオ機器の価値が決まるわけではない。

資産価値でオーディオ機器を選び、購入し、
値上がりしたら転売する。
それもオーディオの楽しみ方の一つと言われれば、
本人がそれで良ければ、私がとやかく言うことではない。

そのまま楽しんでください、ぐらいである、言えるのは。

そういう人は、新製品を購入するにあたっても、
将来値上がりしそうなモノ、資産価値がつきそうなモノを選ぶのだろうし、
オーディオで商売しているわけではなくても、
ソーシャルメディアやブログなどで、
資産価値を高めるように神格化していくのだろう。

メーカーだって、そうだろう。
台数限定で、高価な新製品を出す。
資産価値にプライオリティをおく人は飛びつくだろうから。

Date: 1月 6th, 2025
Cate: 新製品

THORENS TD124 DD(その6)

トーレンスも、TD124のサブプラッターに歪みが発生することはわかっていたはず。
だからこそ、TD124の復刻モデルではダイレクトドライヴにしたのだろう。

トーレンスの現行の、他のモデルはベルトドライヴである。
TD124だけダイレクトドライヴなのは、
サブプラッターを廃したかったためのはず。

TD124ときくと、真っ先に思い浮かべるのは、何か。
あのスタイルという人、
ベルト・アイドラードライヴという人、
あの時代にクイックスタート・ストップを可能にしていたこと、
このことを挙げる人といるし、
現在のトーレンスのスタッフが、TD124を復刻するにあたってのこだわりも、
このクイックスタート・ストップの機能なのではないのか。

オリジナルのTD124の駆動方式やベルトドライヴでは、
サブプラッターを追加しなければ難しい。

けれどプレス加工でのサブプラッターならば、
オリジナルのTD124のそれと同じように歪みの問題を完全に払拭できない。

最近では金属削り出しのサブプラッターもあるようだが、かなり高価のモノだろう。

とにかくサブプラッターなしでのクイックスタート・ストップの実現には、
ダイレクトドライヴということになる。

Date: 1月 6th, 2025
Cate: 新製品

THORENS TD124 DD(その5)

トーレンスのTD124で、いちばん気になるのはサブプラッターの歪み(反り)である。

facebookにコメントがあったが、それもこのサブプラッターの歪みについて、であった。
コメントをされた方の周りでも、TD124を使っていた人はいたけれど、
皆、サブプラッターの歪みゆえに手放された、とのこと。

そうだろうと思う。
どんなにメインプラッターの精度が高くても、
レコードと接するサブプラッターに歪みがあれば、
レコード再生時、反っているレコードをかけているのと同じことになる。

そのことを気にしないのであればいいけど、レコードの反りによって生じる再生上の問題、
これはどうすることもできないし、音への影響はとても大きい。

私は気にしない──、といって無視できることではない。

今回、私が整備したTD124も、サブプラッターに歪みがある。私はそれほど数多くTD124の実機を見ているわけではないが、
歪みのないサブプラッターの個体とは出合っていない。

Date: 1月 5th, 2025
Cate: 新製品
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THORENS TD124 DD(その4)

昨年暮れは、動かなくなったトーレンスのTD124を診てほしいと頼まれたこともあって、
TD124についてあれこれ検索していた。

有益な情報は特に得られなかったけれど、
TD124は、こんなに神格化されているのか、と驚いていた。
TD124だけでなく、ガラードの301も神格化されていると感じたが、
私が見た範囲ではTD124のほうが、すごかった。

こういう場合、すごかったではなく、ひどかったとした方がいいとは思ったが、
そうすると、その「ひどかった」だけに反応して、
301よりもTD124がひどいのか──、
そんな捉え方をする人がいるので、すごかった、にしておく。

今回、整備して、確かにTD124はよく出来たプレーヤーだと改めて実感したが、
だからといって、神格化するのはどうだろうか。

あれをやってはいけない、とか、こうしなければ本来の音が得られない、とか、
それらのことを、私は神格化と捉えた。

いいかげんな整備のTD124や301を、やっぱりいいですね、と評価するのは論外だし、
きちんと整備することは大事なことだが、
神格化してしまうと、畏れおののいてしまう人も出てくる。

正当な評価とは、神格化することではない。

Date: 1月 3rd, 2025
Cate: 新製品

THORENS TD124 DD(その3)

トーレンスのTD124は、どうして「124」なのか。
おそらくだが、12インチのターンテーブルプラッターに、
4スピードだから、だろう。

TD124は、33 1/3と45回転の他に、78回転と16回転もついている。

TD124 DDは、どうだろうか。
33 1/3と45回転の2スピード。

現在のトーレンスが、
TD124という型番にこだわりたい(すがりたい)のは、
わからないわけではないが、
ならば──、と思うところがありすぎる。