「没後20年 武満徹オーケストラ・コンサート」に行ってきた。
東京オペラシティ コンサートホールで行われた。
ここの正式名称は東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアルである。
東京オペラシティ コンサートホールは1996年に建てられた。
武満徹は1996年に亡くなっている。
そういえば同じ年のことだったのか、とぼんやりした記憶を辿っていた。
20代のころは、熱心にコンサートホールに行っていた。
いまはそうではない。
ひさしぶりのコンサートホールだな、と思うとともに、
武満徹の作品をコンサートホールで聴くのは初めてでもある。
今日のプログラムは、
地平線のドーリア
環礁──ソプラノとオーケストラのための
テクスチュアズ──ピアノとオーケストラのための
グリーン
夢の引用─Say sea, take me!─ ──2台ピアノとオーケストラのための
だった。
指揮はオリヴァー・ナッセン、オーケストラは東京フィルハーモニー交響楽団、
ソプラノはクレア・ブース、ピアノは高橋悠治とジュリアン・スー。
ベートーヴェン、モーツァルト、マーラーなどのプログラムと何が違うかといえば、
曲目ごとにオーケストラの編成も楽器配置も変っていくことだった。
指揮台の位置も移動していた。
だから曲が終るごとにスタッフ数人が椅子を出したり片づけたり、または並べ替えたりする。
コントラバスの移動もやる。
ピアノの移動もあったし、ハープの位置も一曲目とそれ以降とでは違っていた。
さらに今日の内容は収録されていた。
テレビカメラはなく、音声のみの収録である。
将来、何らかの形で放送されたり発売されるのかはアナウンスはなかった。
マイクロフォンもメインは天井から吊り下げられていたが、
補助マイクロフォンが曲によって使われて、このセッティングも曲ごとに違っていた。
こんな光景は初めてだった。
今日の録音がCDで発売されたとしたら、
どんなスピーカーで聴きたいだろうか、と駅までの道のり、考えていた。
コンサート終了すぐに混んでいる電車に乗るのがいやで、
新宿駅までぶらぶら歩きながら考えていた。
二週間前のインターナショナルオーディオショウで聴いたスピーカーの中で選ぶとすれば、
YGアクースティックスのHaileyが真っ先に浮んだ。
ショウで聴いていて、精度の高い音に感心しながらも、欲しいと思いはしなかったけれど、
武満徹の音楽を好んで聴くのであれば、互いに引き立て合うかもしれない。