Archive for category アクセサリー

Date: 3月 8th, 2020
Cate: アクセサリー

仮想アース(218の場合・その4)

218に、あることを施したことでアース電位が大きく下ったことを書いた。
それまでの約四分の一ほどになった、とも書いた。

本音をいえば、この「四分の一」というのも具体的な数字につながっていく。
今回はたまたま喫茶茶会記でも、私の自宅でも、そのくらい低くなったが、
それがたまたま偶然だったという可能性も考えられる。

今回の218のアース電位に関しては、喫茶茶会記でも、私のところでも、
時間差がけっこうある。
あくまでも以前測った値と比較して、である。

より厳密に測ろうということで、
今回手を加えた箇所を元に戻して測定し、また手を加えて測定。
これをごく短時間の間に行わなければ、
「四分の一」という数字は具体的なものにはならない、といえる。

そうやってアース電位を測ると、四分の一ではなく三分の一か二分の一くらいかもしれないし、
五分の一くらいになるかもしれない。

そういう可能性が十分あるわけだ。
今回「四分の一」くらいということを書いたのは、コメントがあったためでもある。

Date: 3月 6th, 2020
Cate: アクセサリー

仮想アース(218の場合・その3)

アースの理想の状態は、電位が0Vであり、絶対に変動しないこと。
おそらく実現はできない、と思う。

なので現実にはできるだけ低く、変動しないこと、もしくは変動しにくいことである。

今回の218(version 9)のアース電位は、それまでの四分の一程度までに低くなったとはいえ、
アースに関するところに手を加えたわけではない。
仮想アース関連のアクセサリーを使用したわけでもない。

具体的なことは伏せておくが、
やった本人にしても、アース電位がここまで低くなるとは予想をこえていた。

数割程度は低くなるかもしれない、その程度の予想だった。
こうなるとアースに関するところは手を加えていないとはいえ、
アース電位を低くし、変動も小さくする、という意味では、
仮想アースに関係してくること、と判断して、ここで書いたわけだ。

仮想アースという言葉にとらわれすぎて、
パッシヴ型にしろアクティヴ型にしろ、
アースになんらかのアクセサリーを使用するのが仮想アースと考えてはいないだろうか。

今回やったことはパッシヴ型といえる。
218にだけのことではなく、他のオーディオ機器にも使える。
けれど、くり返しになるが、アースに直接何かをしたわけではない。

それでもアース電位を低くすることは可能なわけだ。
このへんに関しては、もう少し追試を行うつもりだ。

Date: 3月 6th, 2020
Cate: アクセサリー

仮想アース(218の場合・その2)

昨晩(その1)へfacebookでコメントがあったので、(その2)を書くことにした。

これまでテスターでアース電位を測ってきた、と書いてきた。
けれど、一度も、測定値を出しことはない。
理由は簡単である。

テスターで測るアース電位は、常に絶対値ではないからだ。
改めて書くまでもないことだが、テスターの片方は指で持っている。
つまりアース電位を測るさいの基準は、測る人の身体の電位である。

つまり同じ条件で測っても、
測る人が変れば、数値は微妙に変化するし、
同じ人が測っても、違う日に測ればテスターに表示される値は変ってくることがある。

それで短時間で、どちらの電位が高いか低いかをみるには、なんら問題はない。

絶対値が測れれば、そこでの数値をここで書いている。
メリディアンの218の、AC極性があっている時は○○Vで、
合っていない時は○○V、というふうにである。

けれど、あくまでも相対値でしかないから、高いか低い、
そのくらいのことしか書いてこなかった。

今回もどの程度アース電位が低くなったのかについては書かなかった。
version 9にして、218のアース電位は、
version 8までのアース電位、ほぼ四分の一程度までに低くなっている。

数割程度低くなっていたわけではない。
ここまて低くなる、ということは、
絶対値ではないとはいえ、はっきりと低くなった、といえる。

それに昨晩の(その1)を書く前にも測っている。
やはり以前測った値の四分の一程度に下っている。

これまでテスターによるアース電位の測定は、数えきれないほどやってきている。
どういう誤差が発生するかも承知している。

そのうえで、今回の218のアース電位の低さは、もう誤差とはいえない、と判断した。

Date: 3月 5th, 2020
Cate: アクセサリー

仮想アース(218の場合・その1)

昨晩のaudio wednesdayでは、メリディアンの218(version 9)を持っていった。
version 8からversion 9への変更点は少ない。

音はけっこう変化した。
そのことについて書きたいのではなく、
昨晩、セッティングしているときに、218のアース電位を測ってみた。
これまでに二回ほど測っている。

どちらもほぼ同じ値を示した。
今回もそのくらいのはず、と思っていたら、
そうとうに低い値をテスターは示す。

電源を入れ忘れているのかな、と確認しても、そんなことはない。
その下り方は誤差とはいえないほどである。

しかも値が低いだけでなく、変動率も小さくなっている。

仮想アース関連のアクセサリーを導入したわけではない。
その値を見て、アース電位について改めて考えてみた。

納得いく理由はある。
やってみて、測ってみて、
こういうことでもアース電位は下り、安定していくのか、という発見であった。
version 9の音の変化は、このことが大きく影響しているのかもしれない。

Date: 3月 1st, 2020
Cate: アクセサリー

仮想アース(こういう方法も……・その6)

オーディオ用アクセサリーとして市場に出ている仮想アース関係の製品には、
いわゆるアクティヴ型とパッシヴ型とがある。

パッシヴ型は電源を必要としない。
製品によっては、どんな材質・材料が使われているのかさまざまだが、
電子部品は使われていない。

アクティヴ型は、まず電源を必要とする。
どんなことを行っているのか、
メーカー、輸入元のの説明文を読んだだけでは、よくわからないものもある。

なぜ、ここまで複雑な仕掛けになっているのか、と疑問に感じる製品も見受けられる。
アクティヴ型のモノのなかには、
その製品をコンセントに接続し電源をONにしただけで、
オーディオのシステムとは接続しない状態でも、音は変化するはず、と思われる製品もある。

ここでの「音は変化するはず」と、いい意味では使っていない。
オーディオ雑誌やインターネットの記事には、接続すると効果あり、とある。
接続する前の音と接続した音との比較もある。

けれど、私が見た範囲では、接続しない状態の音は、
そのアクティヴ型仮想アースの製品は、どういう状態なのかははっきりとしない。

電源が入っている状態なのか、
それとも電源は切られているのか、
さらには電源コードはコンセントに挿してあるのかそうでないのか。

このへんのことを曖昧にしたままでの試聴記は信用しない方がいい。

私はアクティヴ型の製品は何ひとつ聴いていないので、
その効果や音の変化については何も語ることはないが、
思い出してほしいことが一つある。

1979年にオンキョーが採用したWスーパーサーボ方式である。

Date: 2月 1st, 2020
Cate: アクセサリー

D/Dコンバーターという存在(その5)

TOKYO AUDIO BASE 2020に行った帰りに、秋葉原に寄ってきた。
特に目的はなかった。
ぶらぶらして、ある部品店に入った。

USB A(オス)-USB B(オス)変換コネクターがあるかな、と思ってのことだった。

iPhoneとメリディアンの218を接続するに、
Lightning-USBカメラアダプタとD/Dコンバーターを結ぶUSBケーブルがいる。

いままでは、20cmほどの短いケーブルを使っていた。
ここのケーブルをあれこれ試してみるのは面白いだろう、と思う反面、
ケーブルをなくしたい、と思っていた。

USBの変換コネクターがあるはずだ、と気づく。
amazonで検索してみると、あった。
即注文しようとしたけれど、秋葉原に行ったときにでも、
部品店をのぞいてみよう、と思いなおした。

販売店で買いたいモノをチェックして、amazonで購入という人が増えている、と、
もう十年以上前から耳にするようになった。

Amazonのほうが安いことが多いからだろうが、
すべての商品がそういうことではない。

今回のUSB変換コネクターは、amazonの半額以下で秋葉原で売られていた。
安価なモノだから、半額以下といっても差額は数百円である。

たった数百円のために、わざわざ秋葉原まで行くのか。
今回はついでの用事があったし、秋葉原に行けば、目的以外にも楽しめることはけっこうある。

と、ここまでは無駄話である。
USBケーブル(数千円した)から変換コネクターに換える。

予想できたこととはいえ、音の違いは大きかった。
USBケーブルは、オーディオ用ということで、端子は金メッキが施されている。

変換コネクターは安価なモノゆえに、そんなことはなされていない。
安っぽい、といえばそうだ。

でも大事なのは、音である。

それにしてもiPhoneとD/Dコンバーターを結ぶ、わずかなこの部分による音の違いは、
カートリッジのシェルリード線の音の違いによく似ている、と感じる。

Date: 1月 20th, 2020
Cate: アクセサリー

仮想アース(こういう方法も……・その5)

オーディオ機器のアース電位を測っていると、いろいろ気づくことがある。
手持ちのオーディオ機器だけでなく、
ステレオサウンドの試聴室で数多くのオーディオ機器のアース電位を測っていた。

それから、いまでは同じ機器のアース電位を、場所をかえて測ったこともある。

ACの極性をかえると、アース電位が大きく変るオーディオ機器がある。
ほとんど変らないオーディオ機器もある。

それからアース電位がなかなか安定しないオーディオ機器もあった。
ほとんど変動しないオーディオ機器もある。

それから同じオーディオ機器であっても、
場所が大きくかわると、アース電位も変ってくる。

ここ数ヵ月、メリディアンの218をもってaudio wednesdayの音出しを行っている。
喫茶茶会記にも218は導入されているけれど、
ほぼ毎月218に手を加えているから、結局、218を持ち運ぶことになる。

喫茶茶会記で218のアース電位は、これまで三回測っている。
多少の誤差はあるものの、毎回ほぼ同じ値を示す。

同じ個体の218を持ち帰って測ってみると、1Vほど低い値であり、
しかも喫茶茶会記では、ややアース電位がふらつきがちなのだが、
私のところではほぼ安定している。

もちろん同じテスターで測っているし、同じ端子での測定である。
条件は常に揃えていて、こういう違いが生じている。

喫茶茶会記は四谷三丁目、山手線の内側にある。
私のところはそこから西に20数km離れている。

電波環境やノイズ環境は、喫茶茶会記よりもいいといえるだろう。
そのことが影響してのアース電位の違いのように思われる。

喫茶茶会記では218だけでなく、マッキントッシュの製品もアース電位はふらつきがちになる。

Date: 1月 17th, 2020
Cate: アクセサリー

仮想アース(こういう方法も……・その4)

その3)へのコメントに「もはやアンテナですね?」とあった。

そのとおりであって、まさにアンテナでもある。
アンテナは、電波を発信するし受信もする。

いまFMチューナーをもっている人は、ある世代よりも上であろうし、
いまの20代、10代の若い世代は、FMチューナーをもっていない人のほうが多い、と思う。

FMチューナーの簡易的なアンテナとしてフィーダーアンテナがある。
二本の金属線をT字に広げただけの簡単なものである。
ただしT字に広げた水平部分の長さが180cmになる必要がある。

家電量販店でも、いまでは置いてないところもあるようだ。
在庫がなくても、あまっている金属線があればすぐに自作できるので困ることはない。
もっとも、それ以前に使うことがほとんどないだろうけど。

ようするに、そんな簡単なものでもすぐにアンテナになるわけだ。
仮想アースでも、必ずアース線がある。
このアース線がアンテナになっていないといえるだろうか。

ACの極性によって、アンプ、CDプレーヤー、チューナー、テープデッキ、
それからアナログプレーヤーも音が変る。

AC極性をあわせるには音を聴いて判断するのがいちばんだが、
テスターでもあわせることはできる。

AC電圧のモードにして、アンプやCDプレーヤーのアース電位を測定する。
もちろん電源をいれて、しかも他の機器と接続されていない状態にしておいての測定である。
この時、同じ端子のアース電位を測ること、
そして測る人の体が接触していないことに注意しておかなくてはならない。

原則としてアース電位の低い方があっている、ということになる。
ただし、国産メーカーのなかには一部例外があって、
電源プラグに極性の印がついていても、
あえてアース電位が高くなる方をメーカー指定とする製品も存在していた。

つまり最終的には音を聴いて判断、ということである。
このアース電位は、何かを接ぐと変化する。

Date: 12月 18th, 2019
Cate: アクセサリー

仮想アース(こういう方法も……・その3)

アース線を口にくわえるかどうかは別としても、
アンプのアース端子に1mか、それ以上のアース線を接続するだけでも音は変る。

ただ単に金属線を接ぐだけである。
アンプに接続しいてる側の反対側はどこにも接続されていない。
宙ぶらりんなアース線となるわけだが、
東京だと山手線の内側では、これだけでも顕著に音は変る。

悪くなる──、と書きたいところだが、
実際に音を聴いてみると、そうともいえないところもあって、
仮想アースに興味をもっている人は、
その前に試しにアース線を接続するだけでもやってみてほしい。

アース線の長さによっても音の変化は違う。
さらにアース線をとぐろに巻いても音は変化するし、
まっすぐにしても、アース線をどの方向に向けるかによっても、
たとえば水平方向だけでなく、垂直方向にしてみたりすると、
こんなことで音は変らなくてもいいのに……、と正直思うのだが、
現実には少なからぬ変化がある。

このアース線の先に金属板を電気的に接続する。
するとまた音は変る。

私は金属板の種類を、同しか試したことがないが、
おそらくアルミニウム、真鍮、鉄など、種類を変えていけば音も変化するはずだ。

また厚みを変えても、大きさを変えても変化すると思う。
さらにこの金属板の置き方、向きによっても変化するのは確かめている。
ベタ置きするのか、垂直に立ててみるのか、
それからアンプ、CDプレーヤーの下に接触しないように置くのか。

音は、やはり変っていく。

Date: 11月 28th, 2019
Cate: アクセサリー

仮想アース(こういう方法も……・その2)

小学校三、四年のときと記憶している。
私が通っていた小学校には、各教室にラジオがあった。
真空管式の、だからかなり古いラジオである。

何かで使っていたわけでもない。
昔から設置されていて、それがそのまま放置されていた感じだった。

授業でラジオを聴くことになった。
何の授業でそうなったのかは、もう忘れてしまった。

ラジオのスイッチを入れる。
教室にあったラジオに電源が入ったのは、ひさしぶりのことのはずだ。
なので満足な受信はできなかった。

動作は明らかに不安定だった。
誰かが軽く叩いてみたり、置き場所、方向を変えてみたりしても、
ほとんど変化しない。

このラジオからは、一本のアース線が出ていた。
それをクラスの誰かが、いたずら半分なのだったと思うが、
パクッと口にくわえた。

その瞬間、ラジオからはっきりと音声が鳴ってきた。
みんな、わーっとなった。

いま思えば、これも仮想アースなのだろう。
すぐに試せる仮想アースともいえる。

けれど銅線を舌の上に置いているわけだし、
ピリピリする、ともいっていた記憶がある。

彼がアース線を口から出すと、途端に聞こえが悪くなる。
みんな、ブーッという。
しかたなくまたくわえる。

なので、効果はあったとしても、くわえている人にまったく害がないのはいえない。
私も、こればかりは試していない。
でも、効果ははっきりとあらわれそうである。

Date: 11月 28th, 2019
Cate: アクセサリー

仮想アース(こういう方法も……・その1)

昔から大地アースをきちんとやれば、音が良くなる、とはいわれ続けている。
一戸建て、リスニングルームが一階であれば、大地アースをやろうと思えばできる。

一戸建てでも二階がリスニングルームだと、
アース線が長くなりすぎて……、という意見もある。

どちらも試したことはないからはっきりしたことはいえない。

それでもこれまで住んできた賃貸住宅では、
アース端子がACコンセントのあったところもある。
試しに接いでみたことはある。
知人宅でもやったことはある。

私が試した範囲内でいえることは、
一度は試してみた方がいい、ぐらいである。

良くなるともいえるし、そうでもないともいえる。
ケース・バイ・ケースである。

ここ数年、仮想アースのアクセサリーが増えてきたように感じている。
以前から仮想アースのアクセサリーは、数少ないながらもあった。
私も、ある人から貰ったモノが一つある。

仮想アースは、いくつかのタイプがある。
自作して試せるタイプもある。

大地アースが無理ならば仮想アース。
そう考える人が増えているのだろうか。

昔からよくいわれていることがある。
大地アースが大事だ、といわれると、
では、人工衛星や宇宙ステーションでは、どうしているのか、である。

宇宙空間にあるわけだから、大地アースは無理である。
それでもそこに積まれている電子機器は動いている。

仮想アースも、結局はケース・バイ・ケースとしかいいようがない。
いろいろ試してみるしかないわけだ。

そんなことを昨日、いつものオーディオ仲間と話していた。
で半ば冗談で、小学生時代のことを話した。
別項「平成をふり返って(その3)」で書いていることだ。

Date: 9月 18th, 2019
Cate: アクセサリー

トーンアームリフターのこと(その3)

いまはさまざまな部品が小型化されている。
モーターも、かなり小型になっているし、
モーターを動かすのに必要なバッテリーの性能も向上し、小型になっている。
抵抗やコンデンサーといった部品も、かなり小型のモノがある。

なので、電子制御のトーンアームリフターは、
以前では考えられないほど小型にまとめあげられるはずである。

しかもいまはスマートフォンがあり、
そのアプリでトーンアームリフターのコントロールすることもできる。

カートリッジがレコード盤面に降りる時間をあらかじめ設定することもできる。
5秒後だったり、20秒後にしたり、というふうに。

またスマートフォンをリモコン代りにして、リスニングポジションに戻って、
スマートフォンの画面を操作してカートリッジを降ろすことも難しくないはず。

アナログディスク全盛時代には、ほぼ無理だったといえるトーンアームリフターが、
いまの時代では、実現できる環境が整っている。

トーンアームリフターは、音質には寄与しないアクセサリーである。
ヘッドシェル、シェルリード線のように、音質に直接関係してくるアクセサリーは、
いまでも、けっこうな数の製品が市場に出ている。

特にシェルリード線は、メジャーなところも、かなりマイナーなところも出してきている。
検索してみると、こんなメーカー(工房)もあったのか、と思うほどである。

けれどトーンアームリフターとなると、
いまの時代に、私が望むようなモノを開発してくれるところは、まずないだろう。

Date: 9月 14th, 2019
Cate: アクセサリー

トーンアームリフターのこと(その2)

当時、どういうアームリフターがあったのかというと、
空気圧式、オイルダンプ式、ギア式などがあった。

空気圧式では、オーディオテクニカのAT6005(3,500円)があった。
操作レバーとリフター本体が分離しているため、
既製品のプレーヤーに取り付けるというよりも、
キャビネットを自作する人向きといえる製品だった。

ギア式ではダイナベクターのDV3A(14,000円)とデッカのDeccalift(15,000円)があった。
オイルダンプ式はデンオンのAL1(2,500円)、
グレースのAD2(3,250円)AD2B(3,750円)AD3B(8,000円)、
スペックスのAL2(2,800円)などがあった。

瀬川先生の影響、それに若さゆえということもあって、
アームリフターは使わずにきたから、
これらを使ったことはまったくない。

なのではっきりとしたことはいえないが、
それでもこれらの製品は、レバー操作をすれば、すぐに針はレコード盤面に降りる。

レバー操作をして、ある一定時間が経過して針が降りていくという製品はなかったはずだ。

いま考えれば、不思議なことのようにも思う。
黒田先生と同じように、デュアルの1219の黄金の二十秒を欲しい、
と思っていた人は多かったのではないか。

誰もがリスニングポイントから手が届く位置にプレーヤーを置いていたわけではない。
数歩歩いたところに置いていた人も多かったはすだ。

そうなると、レコード盤に針を降ろしたらすぐさまリスニングポイントまで戻らなければならない。
イスに座る前に、音楽が鳴ってきてしまっては、
スピーカーからの音(音楽)をまちかまえることはできなくなる。

単体のアームリフターに、針がレコード盤面に降りるまで時間を設定できる機能は、
なぜなかったのか、誰も考えなかったのか、誰も欲しなかったのか。

瀬川先生は20秒は長すぎる、と感じられた。
私も20秒は長い、と思うだろう。

1秒刻みで時間を設定できる必要はないと思うが、
たとえば5秒刻みで、操作即針が降りるという、いわゆる0秒、
次に5秒後に、10秒後に、15秒後に、20秒後にというように五段階か、
7秒刻み、10秒刻みでの四段階、三段階の設定ができてもよかったはずだ。

Date: 9月 13th, 2019
Cate: アクセサリー
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トーンアームリフターのこと(その1)

黒田先生は、デュアルのプレーヤー1219について書かれている。
     *
 ついでながら書いておくが、今はデュアル一二一九というプレーヤーをつかつている。このプレーヤーの最大の利点は、スイッチをONにしてから、音が出るまで、約二十秒かかること、だ。手動式のプレーヤーだと、針を盤面におろすと、すぐに音が出てきてしまう。当然、あわてて、椅子に腰かけなければならない。しかし二十秒あれば、かなり余裕がある。椅子にすわる前にタタタターンとはじまってしまうと、演奏会の開演におくれそうになって、息せききってかけこんで、暗くなりだした会場で席をさがしたりする時の、あのあわただしさをどうしても感じてしまう。たったの二十秒だが、この二十秒のおかげであわてないですむとなれば、黄金の二十秒である。その間に、椅子の上にすわりこみ、おもむろにスコアのページをひらいて待っていられる。
(「闇の中で光を聴き、光の中で闇を聴くたくましさがほしい」より)

 耳をそばだててきく気持はもともとなかった。だから、ごく無造作にレコードをターンテーブルにのせて、いつものようにプレーヤーのスタートスイッチをいれて、椅子に腰をおろした。つかっているプレーヤーは、デュアルの1219だが、このプレーヤーのいいところは、自分で針を盤面におろさなくとも、スタートにしておけば自動的にかかることだ。いかにもあたりまえのことをよろこんでいると思われそうだが、スタートスイッチをいれてから音がでるまで、ほぼ二〇秒かかる。その二〇秒が、ひどく貴重に思える。二〇秒あれば、そんなにあわてずとも、椅子にかけて出てくる音をまちかまえられる。
 このデュアルの前は、パイオニアのモーターとグレースのアームの組合せできいていた。その頃は、針をおろしてから音が出るまでの時間があまりなくて、なんとなくあわただしい気持になった。しかし、だからデュアルにかえたのではなくて、一度オートチェンジャーというものを使ってみたいというひどく子供っぽい好奇心が、デュアルをえらばせたようだった。四年か五年も前のことになるだろうか。そして、使ってみた結果、そこで可能な黄金の二〇秒に気づいたというのが、正直なところだ。まさにそれは黄金の二〇秒というにふさわしいもので、みじかすぎず、長すぎず、本当にグッドタイミングに音がでてくる。
(「My Funny Equipments, My Late Friends」より)
     *
約一年のあいだに二回書かれているのだから、
かなりデュアルのプレーヤーの「黄金の二十秒」が気に入っておられたのだろう。

瀬川先生は、というと、「黄金の二十秒」ががまんできない、とされていた。
人それぞれである。

私も以前は、瀬川先生と同じだった。
プレーヤーは、坐っているところから手を伸ばせば届く位置に置く。
マニュアルで針を降し、アンプのボリュウムをあげる──、
それがスムーズにできて一人前と考えていた。

プレーヤー付属、トーンアームの付属のアームリフターはまどろっこしい。
なので、アナログディスク、アナログプレーヤー全盛時代にあった、
アクセサリーとして発売されていたリフターにはほとんど興味がなかった。

けれど、ここに来て少し考えが変ってきた、というか、
リフターについて考えるようにもなってきて、ひとつ気づいたことがある。

Date: 8月 30th, 2017
Cate: アクセサリー

オーディオ・アクセサリーとデザイン(その5)

いまもまだいうのだろうか、と思い出したのが、
デコレーションケーキである。

私が小学生のころは、確かにそう呼ばれていたケーキがあった。
熊本に住んでいたころは、
デコレーションケーキという言葉はよく耳にしていたし、目にしていた。

Googleで検索すれば、いまもふつうに使われているようだけれど、
目にすることは、以前にくらべるとずっと減った、と感じている。

デコレーションケーキ、
装飾されたケーキである。

装飾されたお菓子ということで、
ここでも伊藤先生の真贋物語を思い出す。

このころのステレオサウンドを、何度読み返したことか。
伊藤先生の真贋物語もくり返し読んでいた。
だから、こうやって思い出すことになる。

43号の真贋物語に、プリンとホットケーキのことが出てくる。
     *
 カスタード・プッディングはキャラメル・ソースがかかっているだけのが本来なのに、当節何処の喫茶店へ行っても、真面(まとも)なものがない。アラモードなどという形容詞がついて生クリームが被せてあって、その上に罐詰のみかんやチェリーが載っていたりして、いや賑やかなことである。何のことはないプッディングは土台につかっての基礎工事なのである。味は混然一体となって何の味であるかわからないように作ってある。幼児はそれを目にして喜ぶかも知れないが成人がこれを得得として食べている。
 カスタード・プッディングは繊細な味を尊ぶ菓子であるだけに悪い材料といい加減な調理では、それが簡単なだけにごまかしが効かない。一見生クリーム風の脂くさい白い泡とまぜて、ブリキの臭いのする果物のかけらと食えば折角のキャラメル・ソースの香りは消え失せて何を食っているのか理解に苦しむ。しかしこうした使い方をされるプッディングは概ね単体でもまずいものであろう。
 価格は単体でなく擬装をして手間をかけてまずくしてあるから単体よりも倍も高い。長く席を占領されて一品一回のサーヴ料金を上げなければならないから止むを得ぬ商策であろうが、困った現象である。
 ホット・ケーキはホームメイド的で、メープル・シロップをかけてバターを溶かしてなすって食うのが最高である。これも基礎工事につかわれて小倉と名づけた煮小豆がのっていて、一見どら焼風になっていたり、苺とアイスクリームがなすってあったりしてホットの上にアイスが載って冷やしている奇妙なものもある。これも篦棒に高価になっている。朝食にベーコンかハムと一緒に食う本来の姿は何処へやら、堕落したものだ。いやデコレーション・ケーキとなって高級になったのかもしれないが哀れである。
     *
伊藤先生がステレオサウンドに書かれたものは、
「(続)音響道中膝栗毛」におさめられているが、もう絶版のようだ。
ステレオサウンド掲載時の文章と読み比べてみると、かなり手直しされていることに気づく。

伊藤先生の、この文章はカレーうどんのこと、そばのことへと続く。
この文章には、「絢爛たる混淆」という見出しがついている。