Archive for category 選択

Date: 5月 14th, 2020
Cate: 選択

オーディオ機器を選ぶということ(プリメインアンプの場合・追補)

ヤマハのアンプのラインナップから、
プリメインアンプの本格的なモデルが製造中止になっている、と(その2)で書いた。

A-S2100は2014年の登場だから、そろそろ新製品が出るのか、
コロナ禍で中止になったが6月にはOTOTENだったのだから、
それにあわせて新製品が出るのかもしれない──、そう思ってもいた。

今日(5月14日)、やはり新製品が発表になった。
A-S3200、A-S2200、A-S1200の三機種である。

六年経っているわけだから、
A-S2100よりもA-S2200はよくなっているはずだ。

そうだとして、今回のA-S2100の選択は失敗だったか、というと、
むしろ逆だと思っている。

ヤマハのウェブサイトをみてもらうとわかるが、
A-S2100は250,000円(税抜き)だったのが、A-S2200は350,000円になっている。
A-S1200が240,000円で、最上機種のA-S3200は640,000円となっている。

けっこうな価格の違いがあるのをどう判断するのかは、
音を聴いてみないことには何もいえない。

新製品だと、今回のような値段では買えなかった。
A-S1200でも予算オーバーとなる。

いいタイミングでの買物だった、と結果的に思っている。

Date: 5月 13th, 2020
Cate: 選択

オーディオ機器を選ぶということ(プリメインアンプの場合・その5)

前々から感じていても、現実に誰かの買物につきあって、
あれこれ検討してみると、選択肢の少なさは、
アンプのデザインについてもいえることを強く感じた。

今回の予算内にはおさまらないので選択肢から最初から外したが、アキュフェーズとラックスマン、
それに今回の選択肢の一つだったマランツ。
なぜ、こうも左右対称のフロントパネルばかりなのだろうか。

左右対称だから、どれも同じ、とまではいわないが、
左右に大きなツマミ(ボリュウムと入力セレクター)があるのは共通している。

アキュフェーズは、コントロールアンプのC280から、このスタイルである。
コントロールアンプもプリメインアンプも、基本的に同じである。
それ以前は、そうではなかった。
C200、C240、C220といったコントロールアンプは、それぞれのスタイルを持っていた。

ラックスのプリメインアンプはもっとヴァリエーションが豊富だった。
すべてが優れたデザインとはいえなくとも、意欲的だったことは確かだ。

マランツは左右対称のデザインは、伝統的ともいえる。
それでも1980年代からは、左右対称ではないアンプも登場していた。
それがいまではどうだろう。

アキュフェーズは、これから先も、デザインに大きな変更はないように思う。
マランツもそうかもしれない。

ラックスはどうだろうか。
コントロールアンプのCL1000の登場は変化の兆しとなるのだろうか。

とにかくデザインに関しても選択肢が少なくなってきている。
これで豊かになってきている、
よくなってきている、といえるだろうか。

Date: 5月 12th, 2020
Cate: 選択

オーディオ機器を選ぶということ(プリメインアンプの場合・余談)

ゴールデンウィークは終っているから、電車は多少は混んでいるのか、と思っていたが、
昨日の昼間は、一車輌に十人くらいしか乗ってなかった。

秋葉原も人は少なかった。
ほぼ二ヵ月ぶりの秋葉原だったが、まずラジオ会館が閉まっていた。
当面の間、休業する、ということだった。

予想していたことだが、閉まっている店が多い。
昨日は、ヨドバシでプリメインアンプの購入という目的のほかに、
部品を買うという用事が、私にはあった。

ラジオデパートに行くと、一階の店舗はほとんど閉まっている。
ラジオデパートそのものも休業しているのかと勘違いするほどで、
後日出直すしかないのか、と一瞬思ったけど、シャッターはわずかだが開いていて、
目的の店舗(海人無線)は営業していた。

秋葉原にそんなに長い時間いたわけではないし、
歩きまわったわけでもないが、こんなにひっそりとした秋葉原は初めてである。

ヨドバシも19時閉店だった。
店内も、近所のスーパーのほうが混雑しているくらいに人が少ない。

買物すべてを終えて、三人で食事をすることになった。
誰かと食事をすること、親しい人たちと食事をすることは一ヵ月ぶり。

外に出るのも面倒だし、リスクもあるからということで、
ヨドバシの八階に移動する。

売場よりも人が少ない。
換気がいいだろうから、という素人考えで、焼き肉店に入る。
われわれ三人の他は、客は一人だけ。

普段だったら、かなりにぎわっているはずである。
なのに、こういう状況下でひっそりとしている。

食事を終え、秋葉原から電車に乗ろうと思ったが、
こんな東京は初めてだから、東京駅まで歩くことにした。

秋葉原から神田、日本橋を経て東京駅まで、人はいる。
秋葉原よりも多くの人がいるけれど、いつもよりはずっとずっと少ない。

20時前なのに、大半の店が早じまい、もしくは閉店していた。

それに空気が澄んでいのだろう、
通りがいつもよりきれいにライトアップしているような印象さえある。

こういう東京が日常化していくのだろうか。

Date: 5月 12th, 2020
Cate: 選択

オーディオ機器を選ぶということ(プリメインアンプの場合・その4)

先に書いてしまうと、
購入したのはヤマハのA-S2100である。

製造中止になっているが、秋葉原のヨドバシのアウトレットコーナーには、
A-S2100、A-S1100、どちらも複数台あった。

アウトレットだから、いうまでもないが中古ではない。
けっこう安くなっている。

しかもヨドバシだから、10%のポイント還元がある。
現行製品の新品ならば、A-S2100は予算オーバーとなるが、今回はそうではない。

予算内におさまり、それだけでなく、プリメインアンプらしいプリメインアンプである。
フォノ入力もMM型だけでなくMC型にも対応している。
トーンコントロールもついている。

リモコン操作もできる。
そんなもの必要ない、というオーディオマニアもいようが、
今回、プリメインアンプを買う人は、くり返すがオーディオマニアではない。

テレビも接続するわけだから、
A-S2100のようなプリメインアンプらしいプリメインアンプが望ましい。

それが製造中止になっていたおかげで、予算といういちばん重要な条件も満たせた。
もちろん他の機種も見てもらった。

A-S2100のデザインが気に入った、ということも、購入につながっている。
ヨドバシのアウトレットコーナーに、A-S2100があるとは思っていなかった。

なにかいいモノがあればいいなぁ、ぐらいの期待だっただけに運が良かったといえる。

以前ならば、秋葉原に行ったら、数軒のオーディオ店をまわって、ということになったはずだ。
選択肢が多かった時代ならば、そういう買い方をしたはずだ。

そのころにはヨドバシのような大型量販店は、秋葉原にはなかったし、
大型量販店も変化してきているから、
大型量販店でオーディオを買う、ということに、私は抵抗はない。
もちろんすべての大型量販店がそうだ、とはいわない。

少なくともヨドバシで買うことに抵抗はないから、
今回、最初からヨドバシに行ったわけである。

選択肢も減った、
買い方も変った。

Date: 5月 12th, 2020
Cate: 選択

オーディオ機器を選ぶということ(プリメインアンプの場合・その3)

今回のことがなくても気づいていたことなのだが、
今回のような相談をされたときに、現行製品を一覧できるところがない、ということだ。

ずっと以前はステレオサウンドが、HI-FI STEREO GUIDEを出していたから、
数ヵ月のズレはあるというももの、ほぼすべての現行製品が、すぐにわかった。

いまはインターネットがあるじゃないか、といういわれそうだが、
現行製品を一覧できるウェブサイトがあるだろうか。

日本オーディオ協会のウェブサイトにも、そういうページはない。
オーディオ雑誌を刊行している出版社のサイトにもない。

今回、実際に買いにいったヨドバシ、それからamazonなどのサイトで検索して、
それを参考にすればいい、ということなのか。

でも、やはり日本オーディオ協会のサイトに、
現行製品を、ジャンル別に、価格順に一覧できるページがあってほしい──、
というよりも、私はあるべきだ、と考えている。

個々の製品をクリックすれば、
そのメーカーのサイトにアクセスできるようにリンクされていればいい。

メーカー、それから出版社と協力すれば、実現できることである。
なぜやらないのだろうか。

Date: 5月 12th, 2020
Cate: 選択

オーディオ機器を選ぶということ(プリメインアンプの場合・その2)

私が自分のために20万円という予算の枠でプリメインアンプスを選ぶなら……、
それは新品に限らず、中古を含めてということになるから、
選択肢はそこそこあることになる。

けれど、今回はそういうわけにはいかない。
いい製品であること。
これはつまりこわれにくい、ということがまずあるし、
仮にこわれた場合のアフターサービスのことも含まれる。

そうなると海外製品はすすめにくい。
国産のプリメインアンプということに、自然となってしまう。

ラックス、アキュフェーズは予算的に少しオーバーしてしまう。
ヤマハは……、というと、今回ヤマハのウェブサイトを見て驚いたのは、
この価格帯のアンプが製造中止になっていたことだ。

ヤマハのアンプのフラッグシップとして、セパレートアンプの5000シリーズがある。
その下には、これまでA-S3000があって、A-S2100、A-S1100があったはずなのに、
三機種とも、すでに製造中止なだけでなく、後継機種がない。

この下となると10万円未満の製品ばかりだ。

こうなってくると、デノンとマランツぐらいしかない。
この二社のプリメインアンプで、アナログプレーヤーも再生可能なのは、また限られる。

これが、日本のオーディオの現状なのか、と思ってしまうほどだ。
けれど実際の買物は、もう少しだけ幅がある。

販売店にいけば、アウトレットと称して、けっこう割り引いてくれるモノがある。
これは多少の運任せの面があるが、買うということは、そういうことでもある。

なので昨日は、三人で秋葉原のヨドバシに行っていた。

Date: 5月 12th, 2020
Cate: 選択

オーディオ機器を選ぶということ(プリメインアンプの場合・その1)

私にとって二冊目のステレオサウンドは42号。
特集はプリメインアンプの総テストだった。

53,800円(オンキョーIntegra A5)から、
195,000円(マランツModel 1250)までの35機種がとりあげられていた。

試聴記、解説、測定データなどを含めて、一機種あたり五ページが割かれていた。
当時、中学生だった私には、充実した記事だった。

ステレオサウンドは57号でもプリメインアンプの総テストを行っている。
こちらは、56,800円(オンキョーIntegra A815)から、
270,000円(ケンウッドL01A)までの34機種。
このころは高校生だった。

いまステレオサウンドがプリメインアンプの総テストをやるとしたら、
いったい何機種とりあげるのか。

別項で、いまのステレオサウンドの編集方針を、幕の内弁当にたとえているが、
ここでいいたいのはそのことに関することではなく、
単純に、市場からプリメインアンプの製品数が、
私が中学生、高校生だったころからは大きく減ってきている、という事実である。

四十年ほど経っているのだから変化していて当然なのだが、
選択肢の少なさに、つい先日、ちょっと驚いてしまった。

20万円までの予算で、プリメインアンプが欲しい、という相談があった。
オーディオマニアからではない。
音楽好きの人からである。

いくつか条件があった。
もちろん価格。
それから入力の数。
アナログプレーヤーの接続するし、テレビも接ぐとのこと。

他にもちょっとあるけれど、もうこれだけでも選択肢はいくつもない。
選択肢(製品の数)が多ければ、それでいいわけではないが、
極端な減り方のように感じてしまった。

Date: 4月 14th, 2020
Cate: 選択

オーディオ機器を選ぶということ(購入後という視点・その15)

瀬川先生は、AXIOM 80をしまわれていた。

「しまう」は、仕舞う、である。
同時に、終う,でもある。

だからこそおもうことがある。

Date: 4月 10th, 2020
Cate: 選択

オーディオ機器を選ぶということ(購入後という視点・その14)

「てばなす」ということ──、
瀬川先生の場合はどうだったのか、とどうしても考えてしまう。

瀬川先生もいくつかのオーディオ機器をてばなされている。
EMTの927Dst、930st、
マランツのModel 7、JBLのSG520などである。

そのへんの事情もきいて知っている。
手放されたのか、手離されたのか。

でも、ここで考えたいのは、それらのオーディオ機器のことではない。
グッドマンのAXIOM 80のことである。

AXIOM 80を、瀬川先生は手放されていない。
きくところによると八本、ずっと所有されていた。
しかもそのうちの四本(たったはずだ)は、初期の木箱入りのAXIOM 80である。

瀬川先生は、AXIOM 80をいつの日か鳴らしたい、と思われていたのか。
ステレオサウンド 創刊号に、
《そして現在、わたしのAXIOM80はもとの段ボール箱にしまい込まれ、しばらく陽の目をみていない。けれどこのスピーカーこそわたしが最も惚れた、いや、いまでも惚れ続けたスピーカーのひとつである。いま身辺に余裕ができたら、もう一度、エンクロージュアとアンプにモノーラル時代の体験を生かして、再びあの頃の音を再現したいと考えてもいる》
と書かれていた。

おそらく、それはずっと変らぬままだったはずだ。

だから、考える。
瀬川先生にとって、AXIOM 80は物理的に手放されていたわけではない。
けれど、その音は手離されてきたのか……、と。

Date: 4月 6th, 2020
Cate: 選択

オーディオ機器を選ぶということ(購入後という視点・その14)

自分にとってどれだけの価値があるのか。
それを見極めたくて、オーディオマニアの多くは、
購入前に試聴をじっくり行うのだろう。

それぞれのオーディオ機器のもつ価値を、ほんとうにわかるようになるのは、
自分のモノとしてからだろう。

導入記という記事は、それを読者が知るためのものだろう。
それはそれでいい。

それでも、手離すということについて書いているのは、
手離すことで、より深く価値を知ることになることだってあるからだ。

同時に、手離すことで、価値が、意味に変っていくことがある。

だから、私はステレオサウンドがつまらない、というわけだ。

Date: 4月 6th, 2020
Cate: 選択

オーディオ機器を選ぶということ(購入後という視点・その13)

「てばなす」を私は「手離す」と書いてきている。
てばなすは、手放すであって、手離すは、私が勝手にそうしているだけである。

けれど、心情的に手放すではなく、どうしても手離すとしたいから、そうしている。
止むを得ぬ事情で、私のもとから離れていってしまったオーディオ機器、それにレコード、
それらは、私にとっては手放すではなく、手離すなのだ。

購入後には、この「てばなす」ことがある。
何ひとつてばなさずにいられる人もいる。
そうでない人もいる。

同じ「てばなす」にしても、手離すではない人もいよう。

新しいオーディオ機器を買う、
そのための購入資金の一部にするために、これまで使っていたモノを売る。
これもてばなすことだが、手放すの場合が多いのではないか。

手離すは、どこかに未練が残っている。
手放すには、未練はない。

手放すくらいのほうがいいのだろう。
それでも手離すとしたくなることが、私にはあった。
そういう私にとって、ステレオサウンドがつまらなくなったと感じるのは、
実はその点において、でもある。

五味先生の「オーディオと人生」に、こうある。
     *
 終戦後、復員してみると、我が家の附近は焼野ヵ原で、蔵書もレコードも、ご自慢のウェスターンも、すべて灰燼に帰していた。本がなくなっているというのは、文学を捨てろということではないのか、なんとなく、そんな気持になった。自分が大切にしたものを失ったとき、再びそれを見たくないと思うのが人間の自然な感情だろう。私は再びそれを取り戻そうとは思わなかった。それどころかもう二度と見たくない、という感じになっていた。音楽に対しても同じで、二十一年に復員してから、二十六年の暮まで私は音楽的なものに全く関心を向けなかった。
 小林秀雄氏が、当時来日したメニューヒンの演奏に感激して、朝日新聞に一文をしたためられたことがある。これを読んで、なんと阿呆なことを言われるのだろうと思った。メニューヒンが、それほどいいとは、私には考えられなかった。また、諏訪根自子のヴァイオリンに接して感激したという文化人の記事なども、新聞で見かけたが聴いてみたいとも思わなかった。
     *
五味先生は手離されていた。

Date: 10月 16th, 2019
Cate: 選択

オーディオ機器を選ぶということ(購入後という視点・その12)

別項「オーディオマニアと取り扱い説明書」で、
最近のマッキントッシュの取り扱い説明書について書いているところだ。

取り扱い説明書を、購入前にチェックする人はどのくらいいるのか。
私も、これまでいくつものオーディオ機器を購入してきているが、
購入前に、取り扱い説明書を手にとって、
取り扱い説明書の出来がいいとか悪いとか、
気にしたことは一度もない。

取り扱い説明書が必要になる、
そして気になるのは、購入後である。

たいていのオーディオ機器は、取り扱い説明書なしでもかまわない。
それでも最近のマッキントッシュのアンプのように、
一つのツマミに複数の機能を持たせているとなると、
どうしても取り扱い説明書の出来は気になる。

それに購入後は予期せぬトラブルが生じる。
その時にだって、これまでならば、経験則でなんとかなったものの、
上記別項で書いているように、
アンプやCDプレーヤー自体を一度リセットしないと、
トラブルの解消とならない設計だと、取り扱い説明書がないとどうしようもない。

ステレオサウンドに時々載る導入記に、
取り扱い説明書についてふれた記述があるのか。

私が読んだのは207号掲載の、
和田博巳氏の「ファンダメンタルMA10導入記」、
原本薫子氏の「マッキントッシュMCD550導入記」の二本だけである。

そこには取り扱い説明書については、何もなかった。
取り扱い説明書が必要となる状況が生じていない──、
理由はそれだけなのだろうが、
導入記を購入後の視点から書かれたものと受け止めれば、
そこに取り扱い説明書についてなにも書かれていないのは、
オーディオマニアの導入記とレベル的には変らない、ともいえる。

Date: 9月 13th, 2019
Cate: 選択

オーディオ機器との出逢い(その8)

その3)で、モノがモノを呼び寄せる、と書いた。

別項で、KEFのModel 303の組合せについて書いている。
アナログプレーヤー、プリメインアンプ、スピーカーシステムが揃った。
すべてヤフオク!で、当時の価格からは考えられないほどの少ない予算で集められた。

集められた、としたが、集まってきた、という感じもしている。

KEFのModel 303の組合せは、何度も書いているように、
ステレオサウンド 56号に載っていた瀬川先生による組合せである。

303を偶然、ヤフオク!で見つけたのがきっかけだった。
その時は、すべてを揃えようという気はほとんどなかった。

誰も入札しないModel 303がなんだか哀れにも思えて、
この開始価格で購入できるのならば、いいや──、
そんな軽い気持からの入札だった。

その次がヤマハのカセットデッキK1dである。
audio wednesdayでカセットデッキ、カセットテープの音をひさしぶりに聴いて、
とりあえず一台カセットデッキが欲しい、
これも軽い気持から、ヤフオク!を眺めて見つけたのだった。

本音をいえば、ブラックではなくシルバーパネルのK1dが欲しかった。
シルバーのK1dが出品されるのを待つということも考えたが、
それがいつになるのか、程度はどうなのか、価格は? そんなことを考えても、
正確に予測できる人なんていないだろう。

いま、目の前に登場してきたK1dでいいじゃないか、
それに本気でカセットテープの音を聴くわけでもないし、
ブラックのK1dは安価で出品されていた。

その次がサンスイのプリメインアンプAU-D607、そしてテクニクスのプレーヤーSL01が来る。
すべてブラックである。

アンプ、プレーヤーが揃って、K1dがブラックでよかった、と思い始めた。
ヤフオク!は、運任せのところもある。

だからモノがモノを呼び寄せるんだな、と改めて実感しているし、
色が色を呼び寄せるんだな、とも感じている。

Date: 7月 2nd, 2018
Cate: 選択

オーディオ機器を選ぶということ(購入後という視点・その11)

導入記は、すでにあるオーディオ機器を購入してのものだから、
購入後ではあるけれど、購入時的な導入記もある、ということだ。

何かを、それまでのしすてむに導入する。
いったいどれぐらい経ったら、購入時から購入後といえるようになるかは、
はっきりといえることではないし、人によって大きく違ってこよう。

わずか数ヵ月で購入後といえる視点をもつ人もいれば、
半年、一年、もくしはそれ以上の期間を必要とする人いるであろう。

購入時と購入後の視点をはっきりとわけるものは、
小沢コージ氏の文章中にある無意識インプレッションだと思っている。

ステレオサウンド 207号掲載の二本の導入記のうち、
原本薫子氏のそれは、力が入っているのがわかる。
それを腐すつもりは毛頭ない。

力がそうとうに入っているだけに、原本薫子氏の文章はまさに導入記といえる。
いえる、と書いてしまうのがまずければ、私にはそう感じる、といいかえよう。

つまり小沢コージ氏の文章にある
《クルマのハンドリングに関する真の評価は、そのドライバーが無意識的に走っている時にこそ行われるべきで、自分で「走るぞ!」と思っている時のステアリングの手応えや操縦安定性の評価など、あてにならないというのだ》
このことだ。

何も購入時の導入記があてにならない、といおうとしているのではなく、
いわゆる試聴テストではなく、こういう内容の記事であるからこそ、
「走るぞ!」(「聴くぞ!」)という、いわゆる蜜月をすぎたといえるようになってからの、
ようするに無意識インプレッションが、購入後の視点だと考える。

Date: 7月 1st, 2018
Cate: 選択

オーディオ機器を選ぶということ(購入後という視点・その10)

ステレオサウンド 207号に購入後の視点的な記事が二本載っている。
和田博巳氏の「ファンダメンタルMA10導入記」、
原本薫子氏の「マッキントッシュMCD550導入記」である。
どちらも四ページ構成の記事だ。

文字数を数えていないが、
amazonのレヴュー投稿よりは、ずっと文字数は多い。
それにどちらも四点の写真もある。

この記事について、購入後という視点で書く予定でいたところに、
友人から、あるサイトのURLがメッセージで届いた。

webCGに六年前に公開された一本の記事へのリンクだった。
第452回:これじゃメルセデスには追いつけないぜ! “無意識インプレッション”のススメ」、
小沢コージという方が書かれている。

その冒頭に書いてあることこそ、購入後の視点ではないだろうか。
     *
「自分が言うのもなんですが、箱根で新車の試乗会やっても、あまり意味ないと思うんです。みなさんそのつもりで走ってるし、運転がうまい人ほど足りない分を自然に補っちゃうので……」いやはや、とある試乗会で、とあるテストドライバーから衝撃的なコメントを……というか、昔から漠然と抱いていた疑問に対する答えをもらってしまったぜ。いわばそれは、“無意識インプレッション”のススメだ。どういうことかというと、クルマのハンドリングに関する真の評価は、そのドライバーが無意識的に走っている時にこそ行われるべきで、自分で「走るぞ!」と思っている時のステアリングの手応えや操縦安定性の評価など、あてにならないというのだ。
いや、それも大切かもしれないけれど、最も重要なのは、ボーッと走っている時に「いかにドライバーの脳に適切な刺激やインフォメーションを与えられるか」「轍にタイヤを取られたりしないか」といったことであり、プロのテストドライバーは、運転中に意識的にその領域に踏み込んで評価できるという。
まさに達人の境地というか、スターウォーズの“フォース”みたいな話じゃないの(笑)。でも、ダメンズ小沢自身、本当にそうだと思った。というのも実際問題、箱根で走ってると、クルマの動的性能がよく分からない場合が多いのだ。もちろん、“速い”とか“フィールがいい”とか“ブレーキが効く”と感じる部分はあるし、それをなるべく自然体で分かりやすくリポートしようとはしているつもりだが……。
     *
無意識インプレッションである。

207号の二本の導入記を読んでいて感じていたのは、
購入後の視点といえる記事ではなく、あくまでも導入記としての記事ということだ。