Archive for 3月, 2021

Date: 3月 31st, 2021
Cate: audio wednesday

喫茶茶会記とaudio wednesday(その2)

2020年12月で、audio wednesday (first decade)が終った。
十年、毎月やって来たことがなくなって、何をいまおもっているかというと、
アルテックの音が聴きたい、である。

昨年は7月から、ずっとコーネッタを鳴らしてきた。
アルテックを鳴らしたのは6月が最後だった。
5月に、audio wednesdayを再開できたとして、
ほぼ一年アルテックの音を聴かずに過ごすことになる。

喫茶茶会記のスピーカーシステムが、アルテックそのもの音なのか。
人によって、その評価は違ってくるだろうが、
私のなかでは、アルテックの音の一つであるという認識だ。

再開したら、屈託なく鳴らしてみたい。

Date: 3月 31st, 2021
Cate: ジャーナリズム

オーディオの想像力の欠如が生むもの(その64)

オーディオの想像力の欠如のままでは、
いつまでたっても自己模倣から逃れられないだけでなく、
自己模倣に陥っていることにすら気づかない。

Date: 3月 31st, 2021
Cate: 真空管アンプ

現代真空管アンプ考(その29)

私がQUAD IIの詳細を知ったのは、
ステレオサウンド 43号(1977年夏号)掲載の「クラフツマンシップの粋」でだった。

QUADのアンプのことは知っていた。
トランジスターアンプの前に管球式のコントロールアンプの22、
パワーアンプのIIがあることだけは知ってはいたが、
具体的なことを知っていたわけではなかった。

記事は、井上先生、長島先生、山中先生による鼎談。
QUAD IIのところの見出しには「緻密でむだのないコンストラクション」とあった。

内容を読めば、そして写真をみれば、
この見出しは納得できる。

山中先生は
《とにかく、あらゆる意味でこのアンプは、個人的なことになりますけれども、一番しびれたんですよ。》
と発言されていた。

この時から、QUAD II、いいなぁ、と思うようになっていた。

43号から約二年後の52号。
巻頭に瀬川先生の「最新セパレートアンプの魅力をたずねて」がある。

そこで、こう書かれていた。
     *
迷いながらも選択はどんどんエスカレートして、結局、マランツのモデル7を買うことに決心してしまった。
 などと書くといとも容易に買ってしまったみたいだが、そんなことはない。当時の価格で十六万円弱、といえば、なにしろ大卒の初任給が三万円に達したかどうかという時代だから、まあ相当に思い切った買物だ。それで貯金の大半をはたいてしまうと、パワーアンプはマランツには手が出なくなって、QUADのII型(KT66PP)を買った。このことからもわたくしがプリアンプのほうに重きを置く人間であることがいえる。
     *
瀬川先生も、QUAD IIを使われていたのか──、
もちろん予算に余裕があったならばマランツの管球式パワーアンプを選択されていただろうが、
いまとは時代が違う。

マランツのModel 7とQUAD IIが、
瀬川先生にとって《初めて買うメーカー製のアンプ》である。

52号では、こんなことも書かれていた。
     *
 ずっと以前の本誌、たしか9号あたりであったか、読者の質問にこたえて、マッキントッシュとQUADについて、一方を百万語を費やして語り尽くそうという大河小説の手法に、他方をあるギリギリの枠の中で表現する短詩に例えて説明したことがあった。
     *
このころはQUAD IIを聴く機会はなかった。
意外にもQUAD IIを聴く機会は少なかった。

マランツやマッキントッシュの同時代の管球式アンプを聴く機会のほうがずっと多かった。

Date: 3月 30th, 2021
Cate: バッハ, マタイ受難曲

ヨッフムのマタイ受難曲(その5)

オイゲン・ヨッフムのマタイ受難曲をMQAで聴きたい、とずっと思っている。
MQA-CDでもいいし、e-onkyoでの配信でもいい。

ヨッフムのマタイ受難曲をMQAで聴けたら、どれだけしあわせだろうか。
リヒター、アーノンクールのマタイ受難曲は、MQAで聴ける。

ヨッフムがMQAで聴ける日は来るのだろうか。
TIDALを始めて、すぐに検索したのがヨッフムのマタイ受難曲だった。

ヨッフムのブルックナーはMQAで聴ける。
けれど、数ヵ月前、ヨッフムのマタイ受難曲は、MQAどころかTIDALでも配信されていなかった。

二週間ほど前に検索したときもなかった、と記憶している。
今日、しつこく検索してみたら、ヨッフムのマタイ受難曲があった。
MQAではないが、とにかくTIDALで聴けるようになった。

一歩前進したような気がした。

Date: 3月 30th, 2021
Cate: 世代

世代とオーディオ(朝日新聞の記事・その3)

アナログディスクのスクラッチノイズを、どう表現するか。

パチパチ、プチプチ、プツプツ、ブチブチ、ブツブツなどがある。
スクラッチノイズをどう表現するかで、
ある程度は、その人のアナログディスク再生の技倆を推し量ることができるといえば、そうだ。

私の感覚では、ブツブツは問題外である。
そうとうにひどいスクラッチノイズである。

プチプチ、プツプツあたりは、それよりはまだまともだ。
きちんと再生できていれば、プツプツはプップッぐらいになり、
さらにプ、プ、ぐらいにまで変っていく。

なので、朝日新聞の記事中にあったパチパチは、ブチブチほどではないけれど、
けっこう大きなスクラッチノイズという印象だ。

記事に登場する高校生は、かなり大きめのスクラッチノイズがしている状態で聴いているのか。

でも実際のところ、この高校生が《パチパチという音で》と、スクラッチノイズを表現したのは、
焚き火効果と関連してのことなのかもしれない。

焚き火効果とはまったく関係ないのかもしれない。
記事だけでは、そのへんのことはまったくわからない。

いまどきの高校生だから、いい状態でのアナログディスクの音を聴いたことがないのかもしれない。
どう再生するかで、同じディスクのスクラッチノイズが変化していくとは、思ってもいないだろう。

仮にそのことを知っても、《パチパチという音で心が温かくなる》のであれば、
スクラッチノイズを減らそうとは考えないのかもしれない。

Date: 3月 30th, 2021
Cate: 夢物語

20代のころの夢もしくは妄想(その4)

この項を書くために、20代のころ、
どんなオーディオの夢もしくは妄想を抱いていたのかを、
あれこれ思い出していると、
10代のころのオーディオの夢もしくは妄想とは、地続きではないことがけっこうある。

ぎりぎり18で、ステレオサウンドで働くようになったことが、
10代のそれと20代のそれとの違いに関係しているのだろうが、
それでもはっきりとどう関係しているのかまでは、自分でもわかっていない。

ただなんとなく、そう感じているだけでしかない。

それでは30代のころは、どうだったかと思い出してみる。
26の誕生日の十日ほど前にステレオサウンドを辞めて、
それからは、まぁ、いろんなことがあった。

骨折もしたし、己の怠惰さが原因ではあるが、
オーディオ機器もすべて手離したし、レコードもそうなってしまった。

そんなことが影響してだろうが、
別項で書いている「私のオーディオの才能は、私のためだけに使う。」、
こんなことを言っていたわけで、
30代のころは、10代、20代のころの夢、妄想みたいなものは、あったのだろうか。

それでも、ひとつだけおもっていたのは、
瀬川先生の著作集をなんとか出したい、ということだった。

そんなことを思い出しながら、20代のころの夢もしくは妄想を、
もう少しふり返ってみたい。

Date: 3月 30th, 2021
Cate: 「本」

オーディオの「本」(近所の書店にて・その9)

そういえば、どうだったんだろう……、と書きながら思っていた。
私が、無線と実験、ラジオ技術、電波科学などを初めて書店で手にした時、
これらの雑誌は、どのコーナーに置かれていただろうか。

はっきりと記憶に残っていないが、オーディオのコーナー、
つまりステレオサウンドやその他のオーディオ雑誌と同じコーナーにあったはずだ。

そのころは技術誌のコーナーを見ることはやっていなかったのだから。

無線と実験がオーディオ雑誌のコーナーがあったことで、
私は早い時期に、伊藤先生のアンプの記事とであえた。

このことは、いまふり返ってみると、ひじょうに幸運だった、といえる。
中学のころ、無線と実験を知らなければ、
伊藤先生のアンプを知るのは、数年遅れていたからだ。

サウンドボーイに掲載されたEL34のプッシュプルアンプの記事まで待たなければならなかった。

無線と実験、ラジオ技術などに発表される自作の真空管アンプに対する評価は、
けっこう人によって違う。

私は、伊藤先生のアンプ以外はない──、そう断言するくらいに、
無線と実験に載っていたEdのプッシュプルアンプの姿に一目惚れした。

そんな私は、シャーシーの厚みは伊藤アンプの50mmが基準である。
けれど人によっては、50mmは厚い、という。

そういう人は淺野勇氏の作られるアンプ、
40mmのシャーシーがスマートでかっこいい、という。

私は逆に、薄い、と感じてしまう。

最初に、どのアンプ(どの人のアンプ)に惚れたかで、
このへんの感覚は違ってくるのだろうか。

Date: 3月 30th, 2021
Cate: 40万の法則, D130, JBL, 岩崎千明

40万の法則が導くスピーカーの在り方(D130と岩崎千明氏・その27)

スピーカーシステム、
この場合のスピーカーシステムとはマルチウェイのことである。

そのスピーカーシステムを、どういう構成とするのか。
さまざまな考え方があるのは、市場に登場したスピーカーシステムからもうかがえるし、
スピーカーを自作してみようと考えてみれば、
考え方の数の多さを楽しむこともできる。

40万の法則をベースにして考えるならば、
3ウェイの場合、100Hzから4kHzまで一本のユニットでカバーして、
100Hz以下、4kHz以上を、それぞれウーファー、トゥイーターで、という構成が考えられる。

つまりJBLのD130をスコーカーとして、ウーファーとトゥイーターを追加する3ウェイであり、
D130が15インチ口径で、しかも高能率ということを考えると、
そうとうに大型なシステムになる。

けれど、それは非現実的なシステムなのだろうか。
40万の法則に則った3ウェイのスピーカーシステムを、
池田 圭氏は構築されていた。

中心となる100Hzから4kHzを受け持つのは、
ウェスターン・エレクトリックの555Wドライバーに15Aホーンである。

555W+15Aのコンビは、D130以上の規模である。

15Aホーンの開口部は、56 3/6インチ×57インチである。
一辺が1.4mほどある巨大なホーンである。

折り曲げホーンとはいえ、奥行きは53 1/8インチで、
そうとうに広い空間でなければ、ステレオ用に二本設置することは、まず無理である。

これだけの大きさのモノに、池田 圭氏は100Hzから4kHzを受け持たせていた。
これと比較すれば、D130に、同じ帯域を受け持たせるのはかわいいものだし、
はるかに現実的でもある。

Date: 3月 30th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、TIDALのこと(余談・その1)

TIDALのウェブサイトに“Local Editor, Japan TIDAL”という、
求人のページが出来ている。
これが何を意味するのかはいまのところはっきりしたことは何もわからないが、
つい、いよいよか、と期待してしまう。

日本でのサービスが近々開始されるのか、
そうでなくてもTIDALのラインナップに日本の楽曲が大幅に追加されることになるのか。

Date: 3月 30th, 2021
Cate: High Resolution

MQAのこと、TIDALのこと(その10)

ハイレゾリューションの配信を、
インターネットを介しているという理由だけで否定している人は、
MQA-CDには期待している、と自身のブログに書いているそうだ。

その人のブログを直接見たわけではないから、
その人がどこまでMQAについての理解があるのかはわからない。

おそらく、その人は、MQAエンコードに関して、
専用のハードウェアが存在していて、
録音スタジオにはそれがあると思っているのではないのか。

MQAエンコードは、MQA(会社)が行っている。
つまりPCMのデータをMQAに送り、MQAがエンコードしたデータを受けとり、
配信やMQA-CDのマスターとするわけだ。

ようするにMQAにPCMデータを送るときにも、
MQAからエンコード・データを受けとるときにも、インターネットを介して行われる。

調べれば、わりとすぐにわかることだ。
その人は、このことを知らずにMQA-CDに期待したい、といっているのだろう。

MQA-CDに期待したい、というのは、
MQAのエヴァンジェリストを自認する私にとってはうれしいことではあるが、
その人がMQA-CDに期待したい、とする理由(根拠)があまりにも無知なところに立ってのものだ。

その人が、このブログを読んでいるのかどうかは私にはわからない。
読まずにいてくれたほうがいい。

そしてMQA-CDを聴いて、いい音だ、と感じてくれたら、
MQAについて調べてほしい、と思う。
そうすれば、その人のストリーミングに対するアレルギーは消えていくだろうから。

Date: 3月 29th, 2021
Cate: 日本のオーディオ

日本のオーディオ、これから(韓国、中国は……・その10)

AliExpressが中国のオーディオ事情をどれだけ反映しているのかは、
はっきりとしたところはわからないし、特に調べようともしていない。

それでもAliExpressの雑多さは、
ずっと以前の日本のオーディオと同じか、それに近い。

オーディオの世界に雑多さはふさわしくない、とか、
雑多なもの(世界)は嫌いだ、という人がいてもいい。

でも、私は、その雑多さがなんとも面白く感じる。
そして、少しばかりの懐しさも感じている。

「五味オーディオ教室」で出逢ってから、さまざまなオーディオ雑誌を手に取った。
無線と実験、ラジオ技術、電波科学、初歩のラジオなども読んだ。
記事もだが、それと同じくらいに広告が楽しかった。

この時代の、これらの技術系のオーディオ雑誌には、
ステレオサウンドには載らない広告がいっぱいあった。

そこに掲載されていた製品、キット、部品などは、
いまのAliExpressの世界そのままといえる。

比較すれば、AliExpreeのほうが数も多いし、雑多感も濃い。

当時の私は、ステレオサウンドを読みながら、
予算がこれだけあれば、こういう組合せ、もっと予算があれば、こんな組合せ──と、
電卓を片手にHI-FI STEREO GUIDEとにらめっこ。

そんな感じで妄想組合せの楽しんでいた。
妄想だから現実的な組合せだけでなく、予算の制限なしの組合せもつくっていた。

そういう組合せとは大きく違う組合せを、無線と実験などに載っている広告をみながらつくっていた。

そこに載っている広告には、
パワーアンプのプリント基板セットやトーンコントロールのプリント基板セットなど、
そういうものがいくつもあった。

いまのAliExpressで売っているのと同じ世界である。

安かった。
それらの基板を組み合わせて、アンプを作るならば……、そんな妄想をやっていた。
そんな中学時代をおくっていたから、いまAliExpressを眺めていると、
ほぼ同じことを、妄想組合せを楽しんでいるわけである。

Date: 3月 29th, 2021
Cate: 四季

さくら餅(その4)

人形町の三はし堂が二度目の閉店から久しく経つ。
もう十年ほどか。

その十年で、新しく知りあった親しい人たちに、
三はし堂のさくら餅を食べてほしかったな、と思うのだけれど、
それはもうかなわないことだから、「こういうさくら餅があってね……」という話もしない。

三はし堂のさくら餅が食べられているころは、ほとんど意識しなかったことがある。
若いころ見ていたドラマで、死期が迫っている人に「桜の季節までがんばりましょう」、
そんなことをいって励ますシーンがあった。
わりとあったように記憶している。

そのころは、そんなものか、というぐらいの感情しかなかった。
桜が咲く日まで──、
そういうことで生きる気力が多少なりとも湧いてくるのか。
まるで実感がなく、そんなドラマ(セリフ)を見て(聞いて)いた。

東京は、桜が少し散り始めているが、
私が住んでいるところは都心から離れていることもあって、
まだまだ見頃(多少散ってはいるけれど)。

毎日、駅までの往復、桜並木のところを歩く。
三はし堂のさくら餅はもう食べることはできないけれど、
桜が咲く日まで──、ここにこめられたおもいが、少しは実感できるようになってきた。

Date: 3月 29th, 2021
Cate: 真空管アンプ

五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(その27)

伊藤先生が、無線と実験に6V6のシングルアンプを発表されたことがある。
私の記憶違いでなければ、これがオーディオ雑誌に発表された最後のアンプである。

手元にあったアンプがすべて持ち去られて、音を聴くことが出来なくなった。
それで手持ちの部品で作った、と書いてあった。

シャーシーは、だから市販のモノだった。
伊藤先生のパワーアンプにもちいられるシャーシーとはまったくの別物。
にもかかわらず、できあがったアンプは、伊藤アンプのたたずまいをしていた。

市販のトランス、市販のシャーシー、
これらの組合せにも関らず、間延した感じが、そのアンプにはなかった。

無線と実験、ラジオ技術などのオーディオ雑誌で数多くの真空管アンプの写真を見てきた。
どれも真似をしたいと思わなかった。
伊藤先生のアンプだけが、私にとっては違っていた。

そのためにはシャーシーを特注しなければ、と思っていた。
あのシャーシーがあってこその伊藤アンプの面は否定できない。

なのに6V6シングルアンプのシャーシーは全面黒色で、
シャーシーの高さも、40mmと伊藤アンプのシャーシー(50mm)よりも低い。

それでも伊藤先生のアンプに見える。
それは出力管のソケットの周囲に放熱用の穴が開けられているから、ともいえる。
この穴がもしなかったら、伊藤アンプとは思わなかった可能性は高い。

塗装済みのシャーシーに穴開け加工を施すわけだから、
切り口は金属の質感が顔を覗かせる。
だから伊藤先生は再塗装されている。

穴を開けなければ、こんな手間は不要になる。
穴を開けるのも手間である。

しかも(その26)で書いているように、
ソケット周囲の穴は出力管の放熱にほとんど効果はないはずだ。

手間をかけて穴を開けて、塗装する。
これらのことを考え合わせて、
この穴はデザインなのか、デコレーションなのを判断すべきである。

Date: 3月 28th, 2021
Cate: 218, MERIDIAN

218はWONDER DACをめざす(気になる二機種)

Cambridge AudioのDacMagic 200M
iFi AudioのNEO iDSD

どちらもメリディアンの218と同価格帯のD/Aコンバーターであり、
MQAに対応している。
しかも218が対応していないDSD再生も可能である。
さらにUSB端子も装備している。

私が218を導入したのは2019年。

デジタル機器の進歩の具合からすれば、これだけの差がつくのも予測できることだ。
それでも、ちょっとばかり心穏やかではない。

この二機種は、今年初めに発表になっている。
NEO iDSDはすでに輸入されているから、購入された方、音を聴いたという人もいよう。

DacMagic 200Mは、現在の日本の輸入元のウェブサイトをみても、載っていない。
検索してみても、まだ日本では販売されていないようである。
オーディオ関係のサイトでも取り上げられているのを見ていない。

輸入されるのだろうか。
現在の輸入元のサイトをみるかぎりでは、あまり熱心ではないようにうつる。
もしそうだとしたら輸入元がどこかにかわる可能性もあるんじゃないか、と思ってしまうし、
最悪の場合、輸入元がない状態になってしまうことだって、
いまの日本の状況だと十分考えられる。

DacMagic 200M、NEO iDSD、218は、普及価格帯のD/Aコンバーターである。
だからこそMQAに関心を持ち始めている人にとって、格好の入口となってくれる存在だ。

どれがいいのか、ということに興味はあるが、
それ以上にMQA対応機種、それもなかなかの実力器が増え活況を呈してほしいだけに、
DacMagic 200Mの早くの取り扱い、
218(というよりメリディアン)の取り扱いがきちんと行われるようになることを、
強く望んでいる。

Date: 3月 27th, 2021
Cate: 日本のオーディオ

日本のオーディオ、これから(韓国、中国は……・その9)

いまいくつものウェスターン・エレクトリックの300Bの模倣管が出ている。
300Bの型番をもつ、それらの模倣管のなかで、どれがいちばんいいのか。
比較試聴したことはないので、なんともいえないのだが、
現時点で、私が模倣管のなかから選ぶとすれば、PSVANEのWE300Bである。

PSVANEの300Bには、たしかWEのつかないタイプもあるはずだが、
あえてWEとつけているほうを選ぶ。

実物を見てもらえばわかるのだが、ベース部分のPSVANEのロゴが消されていれば、
ウェスターン・エレクトリックの300Bと錯覚しそうである。

まず真空管としての形が、300Bにそっくりである。
ST管の肩のところなど、よく作ったなぁ、と感心するほどだ。

そりゃ刻印の300Bさ、といいたい気持はあるけれど、
あまりにも高騰しているオリジナルの価格をどう捉えるのかは人それぞれだろう。

なんとしてもオリジナルこそ最高なのだから、一切の妥協はしない、
そのためにはお金は惜しまない、いくらでも出す(出せる)人ならば、
オリジナルの刻印を探せばいい。

けれど、いまの私はPSVANEのWE300Bならばだまされていい、ぐらいに思うようになった。
私の考え方も変っていったし、PSVANEの出来もよくなっていっている。

PSVANEのWE300Bを見ていると、中国の真空管アンプのパーツも、
けっこうよくなってきているのではないだろうか。

AliExpressには、トランスもけっこうある。
写真だけの判断では、トランスの良否について語るのはなかなか難しいが、
写真通りの出来であるならば、悪くはないように感じている。
それに、けっこう安価だ。

少し前までの中国のオーディオ機器(部品)に関しては、
安かろう悪かろうというイメージがしっかりとあったが、
いくつかの中国のオーディオ機器を使ってみると、
いまではそれは偏見に近い、とさえ思うように変ってきた。